著者
土田 正明 デ・サーガステイン 鳥澤健太郎 村田 真樹 風間 淳一 黒田 航 大和田 勇人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1761-1776, 2011-04-15

情報爆発の時代に入り,大規模コーパスと計算機パワーの増大を背景に,構文的パターンに基づいて「因果関係」などの単語間の意味的関係の知識を獲得する研究が進められている.しかしながら,それらの研究は,文書中に直接的かつ明示的に書かれた知識を獲得するにとどまり,人間であれば解釈可能な間接的記述から獲得することや,文書に書かれていない知識を過去に蓄積された知識からの推論によって大規模に獲得することは行われていない.このような知識の獲得は,より大量の関係を獲得するためだけではなく,人類のイノベーションの加速にとっても重要である.本稿では,既存の構文的パターンに基づく方法で獲得された単語の意味的関係のデータベース,すなわち,特定の意味的関係を持つ単語対の集合を,類推によって大規模に拡張する方法を提案する.提案法は,入力された単語対の中の語を,ウェブから自動獲得した類似語に置換して大量の仮説を生成し,さらに単語間の類似度に基づいて仮説をランキングする.提案法は,従来法では困難な間接的記述からの意味的関係獲得を可能にして,さらには,そもそも文書に記述されている可能性が低い知識を獲得できる.約1億ページのウェブ文書を用いた実験によって,これらを検証するとともに,いくつかの意味的関係に関して,提案法で上位にランキングされた仮説では,最新の構文パターンに基づく獲得法とほぼ変わらない精度を達成できることを示す.
著者
有田 豊 木村 正明 大和田 守
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.189-192, 2009-09-30

チュラスカシバ(新称)Paradoxecia chura Arita,Kimura&Owada,sp.nov.本部半島乙羽岳で9月に性フェロモン・ルアーに誘引された雄1頭が採集されている.腹部2-7節の各節に幅広い黄帯があることで,同属の種と区別できる.Paradoxeciaは亜熱帯アジアから12種が知られているが,日本からは今まで記録がなかった.クロスカシバ(新称)Nokona nigra Arita,Kimura&Owada,sp.nov.腹部が黒く,黄帯を欠いているので,同属の種とは容易に区別できる.沖縄島ヤンバル地域で6月と9月に採集されている.
著者
有田 豊 大和田 守
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-4, 2006-01-10

ホソハマキモドキガ科は旧北区から54種類が記録されている(Diakonoff, 1986).また本邦からは21種類産することが知られている(Arita, 1987).国立科学博物館が行っている皇居の蛾類調査でこの昼飛性のホソハマキモドキガ科の未記載積の一種が採集された(Owada et al., 2000).またこの未記載種は赤坂御用地からも見出された(Owada et al., 2005).精査の結果この種類は今までに知られていない新種と認められた.Glyphipterix mikadonis sp. nov. トウキョウホソハマキモドキ(新称)(Figs 1-4) ホソハマキモドキとしては中型の種類で,前翅後縁上の薄い黄色の2紋が特徴的で,容易にほかのホソハマキモドキと区別される.皇居吹上御苑と赤坂御用他のやや開けた草地で5月下旬から6月上旬の日中に飛翔しているものや草地のスイーピングによって得られた.
著者
藤井 博英 宇佐美 覚 牟田 能子 入江 良平 大和田 猛 清水 健史 伊藤 治幸 藤田 あけみ 大山 博史
出版者
日本赤十字秋田看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、民間信仰の「イタコ」を利用した自死遺族のグリーフワークを促進する要素を明確にすることを研究目的とした。「イタコ」を利用した対象者群と、利用しなかった対象者群の半構造化面接の結果を質的に分析し、それぞれに6つの因子が導出された。「イタコ」を利用した遺族は全てソーシャルサポートを受けておらず、「イタコ」を利用し、語ることによる心の浄化と、故人との内的な対話を通した相互理解や赦しの獲得がグリーフワークの促進要素として見いだされた。
著者
野村 俊之 山本 昌彦 鈴木 光也 吉田 友英 大和田 聡子 重田 芙由子 池宮城 慶寛 田村 裕也
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.11, pp.869-874, 2011 (Released:2011-12-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

2007年8月より2009年7月までの2年間に, 東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科において良性発作性頭位めまい症と診断した1,145名を対象とし, われわれが考案した運動療法で治療を行った. われわれの方法は患側が特定できなくても整形外科疾患など頸椎・脊椎に問題のある症例でも, 患者が自宅で自分のペースで治療を行えるという特徴を有している. その結果1カ月以内に80.7%, そして3カ月以内では91.7%のめまい消失をみた. その中でも発症より1週間以内に受診した症例では2週間以内に80%の症例がめまいの消失をみている. めまい発症より受診時期が遅くなるにしたがって治癒期間も長くなる傾向があった.
著者
志村 俊昭 小山内 康人 豊島 剛志 大和田 正明 小松 正幸
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 = THE JOURNAL OF THE GEOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.654-665, 2006-11-15
参考文献数
57
被引用文献数
2

日高変成帯は,第三紀の火成弧の地殻断面であると見なされている.シンテクトニックなトーナル岩マグマは地殻規模のデュープレックス構造のフロアースラスト,ランプ,ルーフスラストに沿って迸入している.このトーナル岩マグマは露出していない最下部地殻のアナテクシスによって生じた.<br>日高変成帯北部の新冠川地域には,含輝石トーナル岩類(最下部トーナル岩体)が分布している.このトーナル岩体には,斜方輝石の仮像や,アプライト脈などの様々な冷却過程を示す証拠を見ることが出来る.これらの組織から,このトーナル岩体の冷却過程が明らかになった.シンテクトニックなトーナル岩体と,変成岩層の<i>P</i>-<i>T</i>-<i>t</i>経路は地殻の上昇テクトニクスを示している.一方,デラミネーションを起こした最下部地殻の<i>P</i>-<i>T</i>-<i>t</i>経路も推定することが可能である.<br>
著者
中田 敦 大和田 尚孝
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.784, pp.20-27, 2011-06-09

みずほフィナンシャルグループ(FG)は5月20日、みずほ銀行が3月に引き起こした大規模システム障害の全貌を明らかにした。本誌が合計38ページの報告資料を検証したところ、30の不手際が重なり影響が拡大した事実が判明した。 大規模障害を招いた直接の原因は、システム部門の不手際だ。システム全体の仕様や機能をつかみきれず、障害後には運用ミスを重ねた。

2 0 0 0 OA 謡曲通解

著者
大和田建樹 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1896
著者
大和田 建樹[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1943-06
著者
待井 一男 佐藤 信 竹沢 将俊 刈米 重夫 大和田 憲司 室井 秀一 小野 和男 束原 康文 木島 幹博 宮崎 吉弘 粟野 直行 樋口 利行
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.306-316, 1982

学校検診の心電図検査で異常を指摘され, 当科を受診した46名中44名に心電図異常が認められた。内訳は洞性徐脈及び洞性不整脈10例, 冠状静脈洞調律2例, 心室性期外収縮5例, 心室調律2列, 1度房室ブロック8列, 2度房室ブロック4例, 右脚ブロック12例, WPW症候群5例, 左室肥大1例, 右室肥大1例, 心筋傷害1例, 右胸心1例であった。精査の結果明らかな基礎疾患がみつかったのは, 右室肥大が見られた先天性肺動脈弁狭窄症1例と心筋障害が疑われた心尖部肥大型心筋症の計2例で, その他には不完全右脚ブロックを指摘された漏斗胸1例, 家族性WPW症候群の1例, 他の奇型合併を伴わない右胸心1例がみつかった。残りの39例では, 明らかな基礎疾患の存在は認められなかった。<BR>44名中右脚ブロック10例, 心肥大2例, 右胸心1例を除く31例の心電図異常例にマスターダブル負荷試験を行ったところ, 負荷陽性は心尖部肥大型心筋症1例だけであった。マスターダブル負荷直後, 心室性期外収縮4例, 2度房室ブロック1例, WPW症候群4例を除く23例では, 不整脈が消失したりQRS波型の正常化が見られた。<BR>マスターブル負荷試験は, 不整脈を有する学童のスクリーニングテストとして簡便かつ有用な方法である。

2 0 0 0 OA 謡曲評釈

著者
大和田建樹 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第6輯, 1908
著者
大和田 猛 加賀谷 真紀
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.109-121, 2008-12

福祉系4年制大学の学生が特別養護老人ホーム等の配属実習先において、遭遇した実習現場職員の利用者との関わり場面の自由記述から、レジデンシャルワーカーとしての専門職資質、特に利用者の権利擁護や虐待予防の問題を中心に若干の課題を検討した。その結果、社会福祉施設という対人援助の実践現場においても、良質なサービスの提供、利用者の尊厳の保持、利用者の意向の尊重、権利擁護、虐待防止などの基本的に職員に求められる行動規範について問題のある職員が存在することが示唆された。特に、施設の利用者は心理的虐待やネグレクトを受けやすく、自己尊重と尊厳を維持する権利、適切な介護を受ける権利、質の高いサービスを受ける権利、人格が尊重される権利などについて、権利侵害が多いことが類推される。したがって、レジデンシャルワーカーを養成する教育組織における人権教育の必要性が求められ、施設においても倫理綱領の作成と職員の行動規範の確立、人権意識啓発のための研修、職場内のスーパービジョン体制の整備などを通して、真の意味で利用者の快適なソフト面での生活環境を整備することが集眉の課題である。
著者
大和田 道雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.283-300, 1978

北海道平野部のうち6地域の卓越風向および風速の分布を偏形樹調査によって明らかにした.1973~74年にかけて十勝平野,サロベツ原野およびサロマ湖周辺地域を調査し,先に発表した石狩平野,斜網地域,根釧原野の調査資料も加えて考察した.<br> 十勝平野では,約140地点のカラマツの偏形樹を調査した結果,5つの風系すなわち狩勝峠から吹き出す西よりの風は (1) 石狩山地に沿って南西風として吹き上がるもの, (2) 十勝平野を西風として吹き抜けるもの, (3) 芽室付近から向きを変えて北あるいは北西風として吹いているものと,太平洋からの南東風が, (4) 十勝川の河川低地に沿って吹き上がるもの, (5) 日高山脈に沿って南風として吹き上がるもの,とに区分できた.なお, (1) の風道では風下波動の影響と思われる強風域が10~15kmの間隔で分布する.サロベツ原野では,約70地点について調査した.そこでは日本海からの西よりの風は, (1) 西風として吹いているもの, (2) 局地的な地形の影響によって南西風に変化しているもの, (3) 天塩川に沿う河川低地に沿って北西風に変化するもの,の3つの風系に分類できる.<br> さらに,平均風速と偏形度との関係は,W<sub>sp</sub>(m/s)=1.1+1.19G<sub>spl</sub>で表わされる.ここでW<sub>sp</sub>は,春(3・4・5月)の農業気象観測所の平均風速(m/S)であり, G<sub>sp1</sub>はカラマツの偏形度である.また夏季においては,W<sub>s</sub>(m/s)=0.86+1.07G<sub>sfa</sub>となる。同様にして付字sは夏季(5~9月)を示し,G<sub>sfa</sub>は石狩平野とサロベツ原野におけるヤチダモ・ハンノキの偏形度である。根釧原野における夏の平均風速とカラマツの偏形度:との関係式(大和田,1973)と,前記2式から,6地域における平均風速の分布図を作成した.平均風速4.0~5.0m/sの強風域は, (1) 石狩平野においては石狩川河口, (2) 斜網地域においては南側山地およびオホーツク海岸沿いの地域, (3) サロマ湖湖岸の周辺, (4) 根釧原野においては尻羽岬・浜中湾および昆布森の周辺, (5) 十勝平野においては新得町の周辺および瓜幕付近,および (6) サロベツ原野においては日本海に沿って約5~10kmの海岸地域,にみられる.一方,弱風域は,根釧原野の中央部,十勝平野における日高山脈に沿う風陰地域および石狩平野における札幌市の周辺地域に見出された.
著者
筒井 英一郎 中野 美知子 大和田 和治 阿野 幸一 近藤 悠介 上田 倫史
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトの目的は、日本人英語学習者の学習方法の好み、学習不安、意欲の方向性、学習スタイルなどに焦点を当て、自動診断のフィードバックシステムを開発することである。ウェプアプリケーションを用いて、51の調査項目に答えることにより、診断結果が個別出力される仕様となった。この診断システムを受けることで、(1)自分がどういったスタイルで学習に臨んでいるか、(2)英語学習におけるどのような学習方法に頼っている/忘れがちであるか、(3)英語学習においてどのような不安感を持っているか(4)どういったものに英語学習に対する意欲を掻き立てられるのかなどの認識することが可能である。
著者
紫加田 知幸 櫻田 清成 城本 祐助 生地 暢 吉田 誠 大和田 紘一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.34-45, 2010-01 (Released:2011-03-28)

室内において、八代海における主要な植物プランクトンの異なる水温、塩分および光強度条件下における増殖特性を調べ、現場において各種の動態とそれらの環境条件との関係を調査した。水温および塩分に対する増殖応答特性は種によって異なっていたが、増殖のために要求する光強度はいずれの種でも大差なく、ほとんどの供試生物の増殖速度は80μmol/m2/sで飽和した。現場における季節的な種変遷パターンは水温および塩分の変化と、短期的な動態は水中光の強度の変化と同調していた。