著者
清水 啓典 中島 真志 小川 英治 地主 敏樹 淵田 康之 三隅 隆司 小西 大
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究プロジェクトでは、平成15年度から18年度の4年度にわたって研究を進めてきた。その研究成果は、海外協力研究者その他(Tyler Shumway (University of Michigan and Stanford University)、Luchia Christova (Bank for International Settlements)、Jennifer Corbett (Australian National University)、Inchul Kim (Sung Kyun Kwan University)等)を招聘して、平成17年3月18日と平成19年2月20日に一橋大学で開催された国際コンファレンスにおいて発表され、内外の研究者よりコメントをいただき、客観的にも優れたものとなっている。これらのコンファレンスで報告された論文の研究成果により、IT革命が金融サービス業およびそれを取り巻く環境に与える影響を様々な観点から明らかにし、あるべき金融システムのアーキテクチャー(設計思想)を考察した。具体的には、IT化の進展が(1)日本の金融業を取り巻く環境、(2)消費者行動・企業行動および金融機関の行動、(3)政策当局の対応策に与える影響を、理論および実証の観点からより解明した。金融業を取り巻く環境への影響は、IT化の進展により金融商品の多様化とともに情報伝達スピードの加速化が見られている。また、投資家としての家計、資金調達者としての企業、及び金融仲介者として金融機関の行動にもこれらの金融商品の多様化と情報伝達スピードの加速化がより効率的な金融取引へと導いている。しかし、一方で行動ファイナンスで取り扱われているように、非経済学的金融行動についても着目する必要があることを指摘した。もちろん、情報伝達スピードの加速化と効率的金融市場において金融政策のあり方は市場ベースの政策運営が必要であることも指摘している。
著者
小川 太龍
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.108-114, 2019-12
著者
小川 宏高 松岡 聡 佐藤 仁 高野 了成 滝澤 真一朗 谷村 勇輔 三浦 信一 関口 智嗣
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2017-HPC-160, no.28, pp.1-7, 2017-07-19

国立研究開発法人産業技術総合研究所 (以降,産総研) では,平成 28 年度二次補正 「人工知能に関するグローバル研究拠点整備事業」 の一環として,平成 29 年度末に,東京大学柏 II キャンパスに,「AI 橋渡しクラウド (AI Bridging Cloud Infrastructure)」 (以降,ABCI という) の導入を計画している.ABCI は,我が国の人工知能技術開発のためのオープンなリーディングインフラストラクチャの実現を目指し,アルゴリズム (Algorithm),ビッグデータ (Big Data),計算能力 (Computing Power) の協調による,高度な人工知能処理を可能にする大規模かつ省電力なクラウド基盤である.本稿では,ABCI のサーバシステムにフォーカスしつつ,ABCI の概要と,システム設計上の論点と我々が採った方策について紹介する.
著者
田村 暢章 三宅 実 小川 尊明 大林 由美子 長畠 駿一郎 羽場 礼次
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.364-367, 2005-07-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

Malignant tumors rarely arise from jaws cyst. We report a case of squamous cell carcinoma arising from a nasopalatine duct cyst. A 70-year-old man presented with a swelling in the palatal gingiva at the middle of the maxilla. Oral examination showed a 28×25mm swelling with a puncture mark, asmooth surface, and normal color. Radiographic examination revealed a round translucent image measuring 15×12mm in diameter in the middle of maxilla. The image was clearly demarcated. Under general anesthesia, extirpation of the cyst was performed for a diagnosis of nasopalatine canal cyst. Histopathological examination of the resected specimens showed transition of histologically normal cystic epithelium to squamous cell carcinoma. After the first operation, partial resection of the maxilla was performed. Three months after the partial resection, left jugular lymph node metastasis was detected. Partial neck dissection, chemotherapy, and irradiation were performed. Twelve months after partial resection of the maxilla, right jugular lymph node metastasis was found. Radical neck dissection was performed.For 2 years 4 months, there was no disease recurrence. However, the patient died due of pneumonia on April 13, 2002.
著者
松田 春華 小川 智子 塚田 理奈 児玉 友紀 山崎 亜希子 小迫 由佳 宮本 啓代 森本 美智子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_47-4_55, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
47

本研究の目的は,青年期の女子大学生を対象とし,睡眠の質に影響を与える要因とその関連性の強さを明らかにすることであった。分析対象者は,A大学の2~4年生126名である。睡眠の質には,Pittsburgh Sleep Quality Indexの日本語版(PSQI-J)を用いた。PSQI-Jと各因子の関連性を重回帰分析を用いて検討した結果,PSQI-J合計得点に対して“STAI特性不安(A-Trait)合計得点”(β = .230,p < .01),“起床時刻の前進”(β = .221,p < .01),“足先の冷えの程度”(β =.191,p < .05)が関連していた。睡眠の質を高めるためには,これらの要因に焦点をあてて,方策を検討することが必要であることが示された。複数ある因子のなかでも不安傾向が睡眠の質に最も影響しており,睡眠の質を改善するには,メンタルヘルスに重点をおいた方策が必要となる可能性が示唆された。
著者
辻 澄子 小川 俊次郎 柴田 正 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.14-18_1, 1989-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

食品中のホウ酸を直接, 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール (EHD) でキレート抽出した後, 非水条件下でクルクミン発色によるホウ酸の簡易迅速定量法を確立した. 試料中のホウ酸は酸性下で5%EHD含有のヘキサン-酢酸ブチル (4:1) 溶液で抽出した. 抽出液の一定容量にクルクミン氷酢酸溶液及び濃硫酸を加えて発色させた後, 過剰のプロトン化クルクミンを水で分解し, アセトンで希釈して比色定量を行った. 殻付き冷凍えび, 塩蔵くらげ, 寒天, 牛乳, 豆乳及びワインにホウ酸を10,100及び500μg/g添加したときの回収率はいずれも97.0%以上であった. 検出限界は0.3μg/gであった.
著者
鵜沢 滋 小松 昭彦 小川原 鉄志
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.276-283, 2002-05-20 (Released:2018-02-26)

当社では,アルミ固体電解コンデンサに迫る電気的特性と実用性を有するアルミ電解コンデンサを開発し,1998年にZシリーズとして商品化した.このZシリーズの駆動用電解液には,水を主溶媒とした電解液(水系電解液)を用いている.従来,水系電解液を用いたコンデンサは,低インピーダンス特性が期待できる反面,高温条件下では,アルミニウム電極箔と水との著しい化学反応(水和反応)により短時間で急激な特性変化を起こすという欠点があった.また,開発当初に行った温度加速試験において,このコンデンサの寿命は,寿命推定に適用されるアレニウス則(2倍/10℃加速の法則)が成立せず,アルミ電解コンデンサの信頼性に最も重要な寿命の予測ができないという課題も抱えていた.これらの大きな障害により,従来のアルミ電解コンデンサ駆動用電解液は,水を少量添加することはあっても,主溶媒として使われることはあり得なかった.当社では,これらの課題を克服できれば,水系電解液の持つ高い電気伝導特性を生かして,超低インピーダンスの理想的なコンデンサを製造することができると考え,20年前より研究開発を行ってきた.その結果,溶媒として水を単独で用いた電解液でも,従来の有機溶媒を用いた電解液とほぼ同等のコンデンサ寿命特性を有することを確認した.そして,水の反応性を制御することに成功し,多くのノウハウを集積して実用性の高いアルミ電解コンデンサを開発し商品化するに至ったのである.ここでは,水系電解液を用いたコンデンサの開発について述べる.
著者
秋葉 崇 小川 明宏 寺山 圭一郎 土谷 あかり 中川 晃一 榊原 隆次 丸岡 弘
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.695-699, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
16
被引用文献数
2

〔目的〕足関節底背屈運動が血行動態と自律神経系に与える影響を検討し,起立性低血圧の対処法としての一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常男性8人(年齢28.8 ± 5.3歳)とした.プロトコルは,5分間の安静座位の後,1分間の足関節底背屈運動を行い,再度5分間の安静座位を保持した.その間,循環動態と自律神経の反応を評価した.〔結果〕心拍数,一回拍出量,心拍出量は,安静時の値と比較して,足関節底背屈運動中の値が有意に高値を示した.また,その効果は運動後1分まで持続した.LF/HF,HFなどの自律神経系の反応は,有意な変化が認められなかった.〔結語〕足関節底背屈運動の即時効果が認められ,その効果は1分程度持続した.足関節底背屈運動が,起立直後の血圧低下を回避する方法としての一助となる可能性が示唆された.
著者
大曽根 暖 小川 潤也 羽賀 望 本島 邦行
出版者
日本大気電気学会
雑誌
Journal of atmospheric electricity (ISSN:09192050)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.115-125, 2013-08-01
参考文献数
16
被引用文献数
1

In our previous paper, statistical relation between anomalous line-of-sight propagation in the VHF band and occurrences of earthquakes was presented. Basically, the anomalous propagation is mainly caused by anomalous refractive index of low atmosphere. In the present paper, the anomalies of the refractive index is captured by both the direct observation of radio ducts and the anomalous propagation in the VHF band, and the relation between them and the earthquakes are statistically clarified. Furthermore, the influences of meteorological conditions, which may disperse the anomalies of refractive index in the low atmosphere, are discussed. As a result, relation between anomalous propagation and earthquakes became increasingly clear by using anomalous propagation that concurrent with S-type ducts and meteorological conditions, wind velocity.
著者
小川 美奈恵 森本 康彦 北澤 武 宮寺 庸造
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.265-275, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究の目的は,ICT活用指導力の向上のための学習モデルを開発することである.教育の情報化の進展に伴い,求められているICT活用指導力の向上のために,多様なICT活用について気づきを与えられる「間違い探し」動画教材の作成と閲覧による学習モデルを開発し,その効果を明らかにするために,教員養成課程に在籍する学生と,教職大学院の現職教員に対して実践,評価を行った.評価の結果,「間違い探し」動画教材作成・閲覧前後でICT活用に関するマインドマップの有意な上昇,ICT活用指導力チェックリストの領域Bの全項目で得点の有意な上昇が認められた.また,自由記述から,教員養成課程の学生における「間違い探し」動画教材作成・閲覧だけでなく,現職教員においても「間違い探し」動画教材の閲覧を行うことで,客観的に指導について考察でき,ICT活用に関する知識を身につけさせることが可能であることが示唆された.
著者
北村 太一 小川 祐樹 諏訪 博彦 太田 敏澄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.3E1R65, 2012 (Released:2018-07-30)

本研究は,コミュニケーションに着目したTwitterフォローユーザ推薦手法を提案し,その有効性を検証することを目的としている.既存研究では,フォロー情報に基づく推薦手法を用いており,各ユーザ間のコミュニケーションを考慮していない.そこで本研究では,コミュニケーションに基づくフォローユーザ推薦手法を3つ提案する.評価実験の結果,関与・フォロー型推薦の有効性を確認している.
著者
小川 智弘 Tomohiro Ogawa
巻号頁・発行日
no.11, pp.85-98, 1995-03-31
著者
小川 智弘 Tomohiro Ogawa
出版者
共栄大学国際経営学部
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:1880859X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-13, 2009

アメリカのサブプライムローンの問題に端を発する、2008年夏に始まった今回の世界的な金融危機に直面して、資本主義経済は二度目の大きな挑戦を受けている。第一回目は1929年の世界大恐慌であり、このとき財政出動により経済を救うという形で、重商主義の時代以来初めて、大きな政府が登場した。そして、今回の危機で、政府が経済を救うという形で市場に介入し、さらに大きな政府が出現しようとしている。この問題を、資本主義経済に特有な長期の景気変動の問題と資本主義の本質という面から、その変わりゆく姿を資本主義のエートスの変化と捉え、市場と政府(ないしは国家)との関係として分析し、それがどのようになって行くのかを考察している。
著者
小川煙村著
出版者
新人物往来社
巻号頁・発行日
1998