著者
小林 博行
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.269, pp.85-98, 2014 (Released:2020-12-09)

The Seki Teisyo (関訂書), a manuscript compiled by Seki Takakazu (関孝和) in 1686, is known to consist of 15 treatises which Seki extracted from an early Qing astronomical and astrological corpus, the Tianwen Dacheng Guankui Jiyao (天文大成管窺輯要). Containing a detailed account of the Shoushi Li (授時暦) as well as a comparative study of Chinese and Islamic calendrical systems, these treatises have drawn the attention not only of Seki but of modern historians. In this paper, I show that 14 of the 15 treatises Seki selected had been composed by a late Ming scholar, Zhou Shuxue (周述学), who discussed issues with Tang Shunzhi (唐順之). Their time predates the era in which the mathematical basis of the Shoushi Li was scrutinized and a new Chinese calendrical system was invented incorporating Western astronomical knowledge. I also mention some earlier works that Tang and Zhou could have consulted. Although Seki never knew the author of the treatises nor their background, his concern centered on themes that seem to have derived from one of those earlier works: the Liyuan (暦源).
著者
菊地 紗耶 佐野 ゆり 小澤 千恵 平野 秀人 小林 奈津子 本多 奈美 松岡 洋夫
出版者
日本精神保健・予防学会
雑誌
予防精神医学
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.102-113, 2016

周産期におけるメンタルヘルス支援は、妊娠期および産後の母親のメンタルヘルス支援だけでなく、子どもの健全な身体的情緒的発達や、夫婦や親子といった家族関係の問題まで幅広い支援が求められている。地域母子保健や産科医療機関におけるスクリーニングは全国的に浸透してきているが、今後はそのスクリーニングを生かすために、その後のアセスメントと支援の質の向上がより重要になる。母子保健担当者や助産師等によるアセスメント能力の向上、支援技術の充実、更に必要な妊産婦に適切な精神科医療を提供するという一連の流れを全国的に実施できるような体制が必要である。各地域で積極的に取り組んでいる母子のメンタルヘルス支援の実践を生かし、今後は日本の医療保健福祉の資源に見合った、体系だった支援体制の構築という次の段階に進む時期である。
著者
阿藤 みや子 小林 賢 鈴木 洋司 鈴木 由美 金子 朋江 松崎 雄三 石上 園子 福田 安子 玉井 誠一
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.67-77, 2003 (Released:2017-03-30)
参考文献数
29
被引用文献数
1

血液型検査においてキメラが疑われた症例が見出されたので, HLA-A, B, CとHLA-DRB1のDNAタイピング, マイクロサテライト解析およびフローサイトメトリー解析を用いた確認試験により双生児キメラであることが示唆された. 本症例は, 37歳の男性で, 二卵性双生児の弟がいる. 平成14年9月左橈骨遠位端骨折のため越谷市立病院に入院したが, 輸血歴はない. この症例の末梢血を用いてABO血液型のフローサイトメトリー解析ならびにヨウ化カリウム法で末梢血からDNAを抽出し, マイクロサテライト解析, ABO血液型遺伝子タイピングおよびHLA遺伝子タイピングを実施した. フローサイトメトリー解析の結果, B型血球とAB型血球が90.04%と9.96%の比率で混在していた. すべての遺伝子検査で3種類ないし4種類のアリルが検出された. これらのことから, この症例が双生児キメラであることが示唆された.
著者
内海 慶 小町 守 町永 圭吾 前澤 敏之 佐藤 敏紀 小林 義徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-7, 2010-12

我々は,クエリ訂正を統一的に行う手法として,検索クエリログとクリックスルーログを用いたグラフに基づく手法を提案する.提案手法では,クリックスルーログを用いたラベル伝播により,入力されたクエリで検索を行った場合と同一のページに到達するクエリを獲得し,これをクエリの訂正候補とした.次に,獲得した訂正候補に対して,検索クエリログから生成した言語モデルを用いて尤度を計算し,ラベル伝播時のスコアとあわせて候補のランキングを行った.これによって,人手による学習コーパスを必要とせずに,入力されたクエリと高く関連し,かつクエリとして適切な候補をログから抽出できることを示す.In this paper, we propose a new method to refine web search queries. This method is based on a graph theoretic label propagation and uses web search query and clickthrough logs. Our method first enumerates query candidates with common landing pages with regard to the given query. Then it calculates likelihoods of the candidates, making use of language model generated from web search query logs. Finally the candidates are sorted by their scores calculated from the likelihoods and the label propagations. As a result, we are able to extract appropriate candidates from web search query and clickthrough logs, without using hand-crafted training data.
著者
加藤 博之 松谷 秀哉 小林 只 大沢 弘
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
no.11, pp.31-37, 2016-03-31

【背景と目的】医学部1 年生に対し、入学後のモチベーションの低下を防ぎ、能動的な学習姿勢を修得させ、さらに医師のプロフェッショナリズムを涵養する教育方法は、未だ確立されたものがあるとは言い難い。本学では1 年次に「臨床医学入門」の授業を通年で行なって、この問題への対応に努めており、本稿では本科目の全体像について報告する。【対象と方法】1 年次学生を対象とし、平成21年度より開講している科目「臨床医学入門」は毎週水曜の午後行われる。教育方法は講義、実習、演習(ワークショップ)など多岐にわたる。授業内容としては、(1)「こんな医師になりたい」をテーマに作文を書き、同級生全員の前で自己紹介を兼ねて発表、(2)「患者さんの願いと医師が果たすべき役割」をテーマとしたワークショップ、(3)「弘前大学医学部の歩みとこれから」の講義、(4)アーリーエクスポージャー、(5)地域医療の最前線の医師による講義「現場の医療を知ろう」、(6)コミュニケーション実習「模擬患者さんと話してみよう」、(7)地元について知る講義「津軽学」、(8)まとめのワークショップ、などから成っている。これらの教育内容はいずれも、Intrapersonal professionalism、Interpersonalprofessionalism、Public professionalismの涵養に通じるものである。これらは医師になる者の基本であり、特に本学学生の約半数を占める地域枠入学者のPublic professionalismの修得は重視されている。【結論】プロフェッショナリズムの涵養に焦点を当てた初年次教育は、長期的な効果が期待できる。
著者
伊藤 健一 野村 龍太郎 小林 一隆
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.43-52, 1973-01-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9

X線テレビあるいは電子顕微鏡といった, 本来白黒の情報しかない映像にその濃淡に応じて着色するカラーディスプレイのひとつとしてスライス方式のものを完成した.本又ではその着色原理および使用したスライス回路, カラーマトリックス, ビデオフィルター, マグニファイア回路シェーディング補正回路などにつき説明し, 最後に本方式の誤差に言及した.
著者
小林 俊雄
出版者
東洋大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
田中 和樹 キム ビョンゴン 小林 嵩 ベッカリ アブデルモウラ 難波 忍 西村 公佐 キム フーン チャン ユン 鈴木 正敏
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J101-C, no.2, pp.107-118, 2018-02-01

現在の1000倍以上のトラヒックが見込まれる5G以降の無線通信システムでは,ミリ波等の高い周波数帯の小セル局を多数設置して大容量トラヒックを収容する必要がある.小セル一局あたりの通信速度は数十Gbpsと想定され,光アクセス回線の大容量化は喫緊の課題である.更に,既に商用展開が進んでいるC-RAN構成は5G以降も有望なアーキテクチャーと考えられるものの,従来の光アクセス回線の伝送方式は通信速度の十数倍の伝送容量を必要とするため,代替技術が望まれる.光を搬送波として無線信号をアナログ波形のまま伝送するアナログRoF (A-RoF)伝送方式は,伝送帯域を大幅に低減可能で,有望な技術の一つである.本論文では,最初にA-RoF技術の既存適用例として,CATV伝送システムに用いられているIF-over-Fiber (IFoF)伝送方式を紹介する.更に,IFoF・A-RoF方式を無線基地局収容光回線へ適用した場合のシステム構成例を示す.続いて,数値シミュレーションによりIFoF伝送方式が適用可能な伝送条件の範囲を明らかにする.商用のLTE無線基地局及び実フィールドに設置された光ファイバを用いた実験を行い,数値シミュレーション結果との比較を行うとともに,IFoF伝送方式の商用システムへの適用可能性を示す.
著者
牧 利恵 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.765-768, 2020-12-15 (Released:2020-12-15)
参考文献数
7

要旨:就労支援領域で使用できる患者立脚型アウトカムが,本邦で求められている.そこで今回,Work Rehabilitation Questionnaire(以下,WORQ)の翻訳と言語的妥当性の検討を研究目的とした.方法は,Beatonによる尺度の異文化適応の順番に準拠した.まず,原著者に許可を得た後,2名が別々に翻訳をし,訳語をすり合わせた.次に逆翻訳を行い,原著者に確認をとり修正した.それから,専門委員会を開催して訳語を修正し,ドラフト版を作成した.その後,27名の対象者に予備テストを行い,答えやすさについての個別インタビューを実施し,さらに文言を修正した.最後に,最終版を原著者に報告し,日本語版がWORQのホームページで公開された.
著者
小林 良生
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.634-638, 1990-04-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1
著者
松岡 温彦 加納 郁也 小島 敏宏 小林 一 佐藤 道彦 水野 統夫 宮崎 泰夫
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.12, pp.23-29, 2010

Resort Office Research Group has continued the research for three years and this paper is our final report. We discussed, had fieldworks, and carried out an experimental project. We could deepen the concept of the resort office and make clear its problems. We classified the resort office into two types: individual type and corporate type. The former is offices that self-employed individuals open at resort places on their own accounts, and the latter is offices that firms open for their management purpose. These two types are different from each other in some respects. We think that corporate type is harder to develop than individual type because of economic reasons. Nevertheless, we emphasize the importance of the resort office. The merit of the resort office is creativity and it is the key element of the global competition in the knowledge society.
著者
小林 潔司 松島 格也 菱田 憲輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.299-318, 2008
被引用文献数
2

予約システムは供給制約のあるサービスを申し込み順に家計に割り当てるメカニズムである.本研究では,予約システムの経済便益として,1)家計が将来時点におけるサービス購入オプションを確保する便益と,2)大きな効用を持つ家計に優先的にサービスを割り当てる顕示メカニズムとしての便益に着目する.その上で,単一もしくは複数のサービスが供給される独占市場を対象とした市場均衡モデルを定式化し,予約システムの導入がもたらす経済便益を評価する.その結果,予約システムの導入により企業利潤,社会的厚生は増加するが,家計の経済厚生が逆に減少することを明らかにする.その上で,家計の経済厚生低下を抑止するためには,キャンセル料金の規制が必要となることを示す.
著者
小林実文 浅野利治絵
出版者
大日本図書
巻号頁・発行日
1975