著者
小林 敏生 影山 隆之 金子 信也 田中 正敏
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.21-27, 2002-03
被引用文献数
3

夜勤を含む複数の交代制勤務形態を有する電子部品製造業における技術系男性職員の不眠症の有症率および抑うつ状況について調べるために,日勤,2交代勤務,固定夜勤に従事する男性従業員を対象にして横断的な質問紙調査を行い,256名の回答について検討した。不眠症の定義は「入眠困難」,「中途覚醒」,「早期覚醒」,「熟眠困難」のうち1つ以上の不眠症状が最近1カ月以上持続して週1日以上あるために,二次的に生活上の支障を生じて困っている者とした。また抑うつ度の判定にはCES-D日本語版を用い,16点以上の者を「抑うつ傾向あり」と判定した。不眠症の有症率は日勤群10.4%,2交代勤務群34.5%,夜勤群15.9%と2交代勤務群で最高値,日勤群で最低値を示した。CES-D得点は2交代勤務群で最高値,夜勤群で最低値を示し,日勤群ではその中間値を示した。また抑うつ傾向の有症率は日勤群31.2%,2交代勤務群48.3%,夜勤群29.5%で,2交代勤務群で日勤群,夜勤群と比べて有意に高率となったが,日勤群と夜勤群の間には有意差を認めなかった。またすべての勤務形態において「不眠症有り」の者のCES-D得点平均は「不眠症無し」の者のCES-D得点平均より有意に高かつた。以上の結果より,本職場においては睡眠および精神衛生状況は2交代勤務群で最も悪化していることが示唆され,今後の本職場における交代勤務体制のあり方を検討するうえで重要な知見であると考えられた。
著者
根本 裕太 倉岡 正高 野中 久美子 田中 元基 村山 幸子 松永 博子 安永 正史 小林 江里香 村山 洋史 渡辺 修一郎 稲葉 陽二 藤原 佳典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.719-729, 2018-12-15 (Released:2018-12-27)
参考文献数
35

目的 本研究では,若年層(25-49歳)と高年層(65-84歳)における世代内/世代間交流ならびにそれらの組み合わせと精神的健康との関連について検討することを目的とした。方法 2016年に地域住民を対象とした質問紙調査を実施した。有効回答を得た若年層3,334人(回収率24.6%)および高年層3,116人(回収率46.0%)を本研究の解析対象者とした。精神的健康については,WHO-5を用いて,合計点数が13点未満もしくはいずれかの設問に対し1点以下の回答をした者を「不良な健康状態」と判定した。世代内/世代間交流については,親族や仕事関係の人を除いた者との交流頻度を調査した。若年層においては「20-40代」,高年層においては「70代以上」との交流を「世代内交流」,若年層における「70代以上」,高年層における「20-40代」との交流を「世代間交流」とした。また,これらの組み合わせとして両世代との交流がある者は「両世代交流あり」,両世代とも交流がない者を「交流なし」とした。統計解析においては,精神的健康を目的変数,世代内/世代間交流を説明変数,性別,年齢,最終学歴,婚姻状態,同居者,主観的経済状況,地域活動への参加,就労,健康度自己評価,手段的日常生活動作能力を調整変数としたロジスティック回帰分析を行った。結果 若年層3,334人のうち,精神的健康が良好な者が61.5%,「世代内交流あり」は51.3%,「世代間交流あり」は21.9%,「両世代交流あり」が16.5%,「交流なし」が42.7%であった。一方,高年層3,116人のうち,精神的健康が良好な者は65.8%,「世代内交流あり」は67.9%,「世代間交流あり」は34.3%,「両世代交流あり」は29.9%,「交流なし」は21.1%であった。ロジスティック回帰分析の結果,いずれの世代においても「世代内交流あり」,「世代間交流あり」は交流していない者と比較して精神的健康状態が良好であった。世代内/世代間交流の組み合わせと精神的健康との関連では,両世代において,「世代内交流のみ」と比較して「交流なし」は精神的健康が有意に劣り,「両世代交流あり」は良好であることが示された。結論 若年層と高年層において世代内交流ならびに世代間交流が良好な精神的健康と関連し,両世代と交流している者はさらに精神的健康が良好であることが示唆された。
著者
齋藤 佳敬 山田 武宏 小林 正紀 榊原 純 品川 尚文 木下 一郎 秋田 弘俊 井関 健
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.12, pp.1601-1608, 2019-12-01 (Released:2019-12-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Paclitaxel (PTX)-associated acute pain syndrome (P-APS) is characterized by disabling but transient arthralgia and myalgia in up to 80% of patients administered with PTX. Non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) are widely administered to patients with cancer who have pain or fever, and are mainly used to manage P-APS. In this study, we investigated how P-APS appear in the patients who were administered NSAIDs prior to PTX injection. The incidence or severity and duration of P-APS in patients previously administered NSAIDs were compared to those of patients who were not administered NSAIDs. The relationship between previously administered NSAIDs and rescue administration for the relief of P-APS was also evaluated. It was revealed that the incidence and duration of P-APS were 72% and 4.67±2.30 d, respectively, in the control group and 84% and 6.19±3.30 d, respectively, in the NSAIDs group. There was no significant difference in the incidence and duration and the severity of P-APS between the two groups. Patients who were previously administered NSAIDs tended to obtain less pain relief from NSAIDs administered as rescue medications, and needed other medication. Univariate and multivariate analysis revealed no correlation between previously administered NSAIDs or patient characteristics and the incidence of P-APS. In this study, it was found that clinical condition that needs NSAIDs and previously administered NSAIDs prior to PTX injection do not affect the incidence, severity, and duration of P-APS. These results will help in educating patients about their medications and will contribute to the management of P-APS.
著者
松宮 美奈 向山 ゆう子 小林 寿絵 中村 大輔 髙木 寛奈 上杉 上 水落 和也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0967, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに】線維筋痛症は原因不明の全身疼痛が主症状で,うつ病など精神神経症状・過敏性腸症候群など自律神経症状を随伴する疾患である。2013年の線維筋痛症診療ガイドラインによれば,有病率は人口の1.7%(日本推計200万人)であり,80%が女性で40~50代に多く,10歳前後に多い若年性線維筋痛症(Juvenile Fibromyalgia:JFM)は4.8%のみである。発症要因として外因性と内因性のエピソードがあり,治療はプレガパリンを中心とする疼痛制御分子の標的療法が中心で,運動療法は,成人例に対して長期間に渡り有酸素運動を行い疼痛が軽減した報告がある(エビデンスIIa)が,JFMでは,いまだ確立した治療法がない。JFMでは患児と母親の相互依存性や,まじめ・完璧主義・潔癖主義・柔軟性欠如などコミュニケーション障害を伴う性格特性が特徴であるとも言われており,当院では,小児リウマチセンターにおいてJFMの集学的治療を実践している。その内容は,生活環境からの一時的な隔離を意図した短期入院による母子分離,臨床心理士による心理評価と小児精神科によるカウンセリング,ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン®)点滴静注を中心とした薬物療法,そしてリハビリテーション治療である。【目的】本研究の目的は,JFMに対する理学療法(PT)の実施状況と集学的治療による効果を明らかにし,JFMに対するPTの課題を明確にすることにある。【対象と方法】2007年4月から2012年12月までにJFMと診断され当院小児科に入院し,PTを行った症例を対象とし,患者属性,発症要因,入院期間,PT実施期間,PT内容,PT開始時及び退院時の運動機能と移動能力を診療録より抽出し後方視的に調査した。【倫理的配慮,説明と同意】当院では入院時に臨床研究と発表に対する同意を文書で得ている。【結果】調査期間に小児科に入院したJFM症例は33名であった。33名のうち6名は調査期間内に複数回の入院があり,これを別の入院例とみなして,対象を42例としたが,診療記録不十分のため調査項目の確認ができなかった3症例を除外し,39症例(30名)を対象とした。平均年齢は12.2歳(7~16歳),平均発症年齢12.1歳(7~15),性別は男児7例,女児32例であった。入院期間は中央値17日(7~164日),PT期間は中央値12日(1~149)だった。発症の誘因としては,内因性誘因では家族関係のストレス27例,学校関係のストレス22例であり,外因性誘因と内因性誘因の重複が11例にみられた。主症状は筋・関節痛39例,左上肢の慢性疼痛1例であり,ほぼ全例に睡眠障害や冷感,起立性調整障害など自律神経系合併症状を認めた。PT内容は,独歩可能な症例には歩行練習(屋外歩行やトレッドミル,水中歩行),自転車エルゴメーターなどを実施し,歩行困難な症例には下肢自動運動や座位・立位練習,車いす自走や歩行補助具を使用した段階的歩行練習を行っていた。また,キャッチボールやサッカーなどレクリエーショナルアクティビティも随時行われていた。PT中は疼痛が増強しない範囲で負荷を設定し,疼痛を意識させずに運動できるよう配慮し,受け入れのよい課題を選択し,目標を本人と相談しながら実施するなどの配慮がうかがえた。PT実施率は高く,疼痛や体調不良でPTを欠席したものは1症例,1日のみであった。入院中の疼痛の変化は改善28例,変化なし5例,悪化6例であり,移動能力は入院時に歩行(跛行なし)20例,歩行(跛行あり)9例,車いす移動10例が,退院時は歩行(跛行なし)28例,歩行(跛行あり)6例,車いす移動5例であった。【考察】成人の線維筋痛症では手術や感染などの外因が誘因となることがあるが,今回調査した小児では全例が内因性誘因を有していた。PTの介入は母子分離環境による心理社会的効果と薬物療法による疼痛軽減に合わせて,できる範囲の運動を導入することで,気晴らし的効果と身体機能維持改善の効果が期待できると思われた。PTの効果のメカニズムとして,JFMではセロトニン欠乏が睡眠障害や疼痛を引き起こすという知見が最近得られており,歩行などのリズム活動がセロトニン神経を賦活化し疼痛の悪循環を断ち切る可能性もある。疼痛で活動性が低下し,休学を余儀なくされている症例も多く,生活機能障害に対するPTの予防的・回復的・代償的な関わりはJFMの集学的治療に重要な役割を果たすと思われる。【理学療法学研究としての意義】線維筋痛症に対する運動療法の効果は成人では文献が散見されるが,小児では少ない。今回の調査は,JFMに対して症状の改善に運動療法が寄与した可能性を示唆している。
著者
小林 眞代
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.506-510, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

シュプリンガー・ネイチャーは,オープンアクセス出版のパイオニアとして,ジャーナルや書籍でのオープンアクセス出版の促進,また研究データ共有を促進する新たな出版サービスの開発を進めているほか,オープンサイエンスの動向を把握するための研究調査を継続的に行っている。2016年には,データ・シェアリングのための共通指針である「標準データポリシー」を作成したほか,2017年にはデータ・シェアリングに関する研究者の意識調査に基づいたホワイトペーパーを公開した。本稿では,これらの活動を行う「オープンリサーチ部門」の最近の取り組みと,日本での活動について紹介する。
著者
秋池 篤 吉岡 (小林) 徹
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0171112a, (Released:2018-07-24)
参考文献数
82

本稿は富士フイルムのFinePix700の事例をもとに、技術変化と既存のデザインの踏襲の関係性について探求し、大きな技術変化はときに優位性のある既存デザインの実現を困難にする場合があることを確認した上で、そのような場合にデザインと技術を高いレベルで達成するためのマネジメント方法について分析を行った。その結果、新奇性は高いものの、技術的な合理性に基づいたデザインを活用することで、技術とデザインの両立を達成し、競争力のある製品を生み出すことができたことを指摘した。これは、技術とデザインの関係性について、消費者行動論のみならず技術経営論の視点から両者を捉える必要性を示す点で大きな貢献を有する。
著者
塚田 武志 小林 直樹
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.31-47, 2011-03-25

言語の包含判定問題とは,与えられた言語 L1 と L2 について L1 ⊆ L2 が成立するか否かを判定する問題であり,理論的な興味の対象であるだけでなく,プログラム検証などへの広い応用を持つ重要な問題である.この問題に関する既知の最も強い結果の 1 つが文脈自由言語と超決定性言語の包含判定の決定可能性である.このオリジナルの証明は,Greibach と Friedman によって与えられている.我々はこの問題に対して,小林らによって提案されている型に基づく言語の包含判定の手法を適用し,決定可能性に対する別証明を与えた.この手法は以下のような利点を持つ.(1) 部分型関係やポンプの補題などのよく知られた概念で理論が展開できる.(2) 型推論を効率的に行う方法は多数提案されており,それらを利用することができる.また,提案する証明は小林らのアイデアを正規言語よりも広いクラスに適用したはじめての例であり,その他の非正規言語クラスへの応用も期待される.
著者
小林 卓也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.46, pp.181-194, 2013-03

本稿の課題は,フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと,精神分析を専門とするフェリックス・ガタリとの共著『千のプラトー』(1980)に見いだされる言語観の内実とその射程を明らかにすることである。彼らが端的に述べているように,「あらゆる言語(langue)は本質的に非等質的な,混合した現実である」。しかし,チョムスキーによる生成文法を念頭に置きながら,言語学はこうした言語現象の多様性に目を向けようとせず,文法規則や言語の等質的体系性を抽出することだけに終始しており,そこには,われわれの多様な言語活動を均質化し規格化することで,自らの科学性を担保する政治的関心しかないと彼らは批判する。ここには,言語を異質な要素からなる多様体とし,その多様性をいかに捉えるのかという彼らの企図が明瞭 に現れている。本稿は,こうした彼らの言語観がどのような問題意識と結びついているのかを 以下の手順で明らかにする。 まず,『千のプラトー』において彼らがジョン・L・オースティンの発話内行為に見出した論点を確認し(第一章),それが60年代のドゥルーズ哲学の延長上にあることを指摘する(第二章)。というのもドゥルーズこそ,言語の本質を,身体や行為といった物理的なものと,それによって表現される意味や出来事といった非物体的なものの二元性という論点から考察していたのであり,『千のプラトー』の主眼は,その言語の二元性の連接をいかに捉えるのかということにあるからだ。こうした論点からすると,注目されるべきは『千のプラトー』において ルイ・イェルムスレウが占める役割である。イェルムスレウ言語学における表現と内容の連帯性,および形式と実質という概念の導入は,言語における二元性への問いに一定の回答を与えている(第三章)。最後に,彼らの議論がいわゆる言語理論の枠内に留まることなく,とりわ け彼らがミシェル・フーコーと共有するある歴史認識と結びついていることを確認し,その理論的射程を特定したい。
著者
横山 真 千葉 史 木口 裕史 亀井 宏行 阿児 雄之 宮前 知佐子 沖原 高志 小林 雅明 竹澤 一輝 早川 裕弌 ナワビ 矢麻 石井 友菜 川村 悠太 小林 和樹 根元 佑 谷川 遼
出版者
早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所
巻号頁・発行日
pp.1-120, 2017-10-21

早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所 調査研究報告 第4冊第1部墳丘の非破壊調査研究―埼玉県東松山市野本将軍塚古墳の三次元測量・GPR 調査―第2部横穴式石室の非破壊調査研究第3部 横穴墓の非破壊調査研究
著者
小林 由子
出版者
北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部
雑誌
日本語・国際教育研究紀要
巻号頁・発行日
vol.22, pp.28-45, 2019-03

小河原(2016)で紹介されているように、北海道大学旧留学生センター(現高等教育推進機構国際教育研究部)では、2013年度から、一般日本語の中上級レベルを大きく組み換え、日本人と留学生が日本語で共に学ぶ「多文化交流科目」を最上級レベルと設定した「北海道大学日本語スタンダーズ」を構築し、「やりとり」「表現」「理解」という3つのモード、中級1・2・3および上級という4レベル構成で日本語での課題遂行能力を養うこととした。一般日本語コースの中上級レベルの対象者は、多様なニーズ・学習歴を持つ。対象者の中には、日本人学生対象の授業を履修し単位を取らなければならない者もおり、そのための高度な日本語能力を保証しなければならない。心理学や第二言語習得研究の知見からは、広く行なわれている言語構造や4技能を中心とする授業よりも課題遂行型授業の方が効果的に日本語の運用能力を養成することができると考えられる。一方、5年間の実践とスタンダーズに関する先行研究から見ると、文法や語彙のような「言語構造能力」の養成について課題は多い。そこで、本稿では、筆者の実践した「中級理解(基礎)3」の授業に基づき、課題遂行型授業における言語構造能力の養成について検討する。
著者
今井 浩三 中村 卓郎 井上 純一郎 高田 昌彦 山田 泰広 高橋 智 伊川 正人 﨑村 建司 荒木 喜美 八尾 良司 真下 知士 小林 和人 豊國 伸哉 鰐渕 英機 今井田 克己 二口 充 上野 正樹 宮崎 龍彦 神田 浩明 尾藤 晴彦 宮川 剛 高雄 啓三 池田 和隆 虫明 元 清宮 啓之 長田 裕之 旦 慎吾 井本 正哉 川田 学 田原 栄俊 吉田 稔 松浦 正明 牛嶋 大 吉田 進昭
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動 : 前年度立ち上げたホームページ(HP)に改良を加えて公募の円滑化を進めた。モデル動物作製解析の講習や若手研究者の交流促進を推進する技術講習会を開催した。成果ワークショップを開催し本活動の支援成果をアピールした。②モデル動物作製支援活動 : 相同組換えやゲノム編集など支援課題に応じた最適な胚操作技術を用いて、様々な遺伝子改変マウスおよびラットを的確かつ迅速に作製し、学術性の高い個体レベルの研究推進に資する研究リソースとして提供した。件数は昨年度より大幅に増加した。③病理形態解析支援活動 : 昨年より多い35件の病理形態解析支援を7名の班員で実施した。研究の方向性を決定づける多くの成果が得られた。論文の図の作成にもかかわり、論文が受理されるまで支援を行った。その結果、より高いレベルの科学誌にも受理された。④生理機能解析支援活動 : 疾患モデルマウスの行動解析支援を実施するとともに、諸動物モデルでの規制薬物感受性解析、光遺伝学的in vivo細胞操作、意志決定に関与する脳深部機能解析、等の支援を展開した。⑤分子プロファイリング支援活動 : 依頼化合物の分子プロファイリング316件、阻害剤キット配付86枚、RNA干渉キット配付・siRNAデザイン合成83件、バーコードshRNAライブラリーによる化合物の標的経路探索15件、を実施し、より多くの研究者の利便性を図った。
著者
案浦 聖凡 王 享弘 小林 晶
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.339-343, 1996-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

From 1986 to 1995, 256 patients who had an ACL injury were operated on in our hospital. We investigated ACL injury mechanism in these patients. We examined the relationship between the position of the knee joint and the derection of force when the ACL was torn. Valgus stress to the knee and external rotation of the tibia on the femur was thought to be the most common injury mechanism.Forty-four patients with an acute complete ACL tear were examined by Magnetic Resonance Imaging (MRI). Among them, 64% showed signs of “bone bruise” located at both the lateral femoral terminal sulcus and the postero-lateral part of the tibial plateau. These findings suggest that the common injury mechanism of the ACL involves severe anterior subluxation with impact of the posterior part of the tibia on to the femur. Particularly in a non-contact type of ACL injury, we think that contraction of the quadriceps exerts an anterior drawing force onto the tibial tubercle when the patient lands from a jump. This was thought to be the cause of the anterior tibial dislocation tibia, even if the tibia was rotated externally.