著者
滝澤 恵美 鈴木 雄太 小林 育斗
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.127-132, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

〔目的〕異なる股関節肢位でスクワットを行い,大内転筋が発揮する伸展トルクの特徴から役割を検討した.〔対象と方法〕健常男性1名が股関節内外転,回旋中間位(NS)と外転,外旋位(SS)でスクワットを行い,大内転筋と股関節伸展筋が発揮する伸展トルクを筋骨格モデルを用いて推定し,比較した.〔結果〕NSとSSともに,大内転筋や大殿筋,大腿二頭筋長頭が発揮する伸展トルクは半膜様筋や半腱様筋よりも大きかった.〔結語〕大内転筋は,前額面や水平面の股関節肢位に関わらず,中腰姿勢を伴う動作に対して抗重力筋の役割を有すると推察された.
著者
小林 豊 飯干 茜 渡邉 博文 井出 和希 堀内 祐希 手島 麻美子 中川 喜文 山口 安乃 小林 伸一郎 谷口 幹太 関 泰 榊間 昌哲 鈴木 豊秀
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.347-355, 2021 (Released:2021-12-29)
参考文献数
12

CKDシールは、腎機能情報共有により患者に有効かつ安全な薬物療法を提供することを目的に各地で検討されている。CKDシールに対する病院・薬局薬剤師のニーズに関する調査は存在するものの、患者が腎機能情報共有の必要性をどのように理解しているかは不明である。静岡県富士宮市でCKDシール貼付システムを構築するとともに、富士宮市立病院でシールを貼付した患者のニーズと、同地域における腎機能情報共有の現状と課題を調査した。2019年7月10日からの3か月間にお薬手帳にCKDシールの貼付を提案した228名の患者全員より同意を得た。医師と作成したプロトコルに基づく貼付を行った患者は62名(27%)であった。アンケートは入院患者、腎臓病教室受講患者、維持透析患者74名中67名(G3b/G4/G5/G5D=7/12/11/37、回答率91%)及び、腎臓病薬物療法の研修会に参加した薬局薬剤師20名中19名(回答率95%)から回答を得た。保険薬局で薬を貰った経験は患者51名(76%)が有したが、51名のうち腎機能を伝えた患者は10名(20%)のみであり、薬局薬剤師から腎機能を聞かれた患者は15名(29%)のみであった。一方、薬局薬剤師16名(84%)は検査値を入手できた時にのみ腎機能を確認していた。腎機能により薬を調節することへの患者の認知度は29名(43%)と低く、CKDシール貼付開始を全ての患者と薬局薬剤師が期待すると回答した。薬局薬剤師のCKDシール活用方法は用法用量等の確認だけでなく、患者とのコミュニケーションや生活指導が挙げられた。患者は薬局薬剤師に腎機能情報が必要との認識が低く、腎機能の共有はされていなかった。CKDシールが薬物療法適正化につながるだけでなく、腎機能情報共有の意義を患者に説明し理解を得ることで、CKDシールが貼られたお薬手帳の活用と薬剤師による腎臓病療養指導につながる可能性が示唆された。
著者
大竹 裕香 奥村 優子 山田 祐樹 小林 哲生
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.243-253, 2019-06-01 (Released:2019-12-01)
参考文献数
17

Many studies have suggested that the knowledge of picture books possessed by caregivers predicts their children’s language abilities, reflecting the richness of linguistic inputs in shared book reading. Previous studies have measured knowledge of picture books by asking caregivers to check the items they know from the lists of titles and authors of popular picture books (Title/Author Recognition Test). However, these studies have been conducted only in English-speaking countries. We developed a Japanese version of the Title/Author Recognition Tests to measure the picture book knowledge of Japanese caregivers. In Study 1, Japanese caregivers completed questionnaires on title/author lists that we developed and some measures related to shared book reading. The results revealed significant correlations between recognition scores and measures related to shared book reading. In addition, the score on the title list correlated with the age of the eldest child, which reflects the length of child-rearing experience. In Study 2, we compared the recognition scores of the caregivers with students of a course on childcare worker training and students with little experience of caring child. The results showed that the recognition scores varied reflecting both child-rearing experience and childcare worker training. These results suggested the validity of the recognition lists we developed. Future research is needed to investigate whether the scores on the recognition lists are related to children’s language abilities.
著者
久野 智之 打田 佑人 宇佐美 寿彦 小林 晋 高田 幸児 大村 真弘 松川 則之
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10722, (Released:2019-11-26)
参考文献数
12

要旨:症例は21 歳の男性である.8 カ月前から男性型脱毛症に対してフィナステリドとミノキシジルを服用していた.ウエイトトレーニング中に突然,頭痛と視野異常を自覚した.視野検査では,左上四分盲を認め,画像検査では,右後頭葉に出血性脳梗塞を認めた.右後大脳動脈の塞栓症と考えられたが,塞栓源は明らかではなく,フィナステリドとミノキシジルの関与が疑われた.若年性脳梗塞を発症した場合,非認可薬を含めた服薬歴を詳細に問診する必要がある.
著者
小林 聡 石坂 克彦
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.265-267, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
7

症例は60歳代男性. 原因不明の微熱, 食欲不振に対してうつ病の診断で加療されていた. 全身倦怠感, 肝機能障害等を主訴に入院し, 精査の結果ACTH単独欠損症の可能性が考えられヒドロコルチゾン内服により症状は改善した. ACTH単独欠損症を含む慢性副腎皮質機能低下症には特異的な症状は無くプライマリ・ケアの場でも頻繁に遭遇する症状ではあるが, 疾患を想定し内分泌学的検査を行う事で診断・治療に結びつけ易い疾患であると考えられるので報告する.
著者
宮垣 さやか 長谷川 聡 梅垣 雄心 中村 雅俊 小林 拓也 田中 浩基 梅原 潤 藤田 康介 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0096, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】胸郭可動域制限は,肋間筋など胸壁に付着する軟部組織の柔軟性低下,呼吸筋の筋力低下,脊柱や肋椎関節の可動性低下などにより生じる。臨床現場においては肋間筋ストレッチングや肋椎関節の運動など,肋骨の動きの改善を目的とした胸郭可動域トレーニングが実施されており,呼吸機能の改善に有用であると報告されている。一方,呼吸時には胸椎も屈伸運動するといわれており,胸椎アライメントが呼吸機能に影響を及ぼすという報告もあるものの,胸椎後弯姿勢の改善を目的とした運動(胸椎伸展運動)が呼吸機能を改善させるという報告は見あたらない。さらには,頚部痛など整形外科疾患患者や脊髄損傷患者において,胸椎可動性の低下が呼吸機能低下に影響するとの報告もあることから,肋骨の動きの改善だけではなく,胸椎の伸展運動が呼吸機能を改善することが予想される。そこで本研究では,胸椎伸展ストレッチング(以下胸椎ストレッチ)が,脊柱アライメント,胸郭拡張性,呼吸機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は喫煙歴のない健常男性15名(平均年齢24±3.4歳)とした。胸椎ストレッチ前後に胸椎アライメント,呼吸機能,胸郭拡張差,上部および下部肋間筋・胸部脊柱起立筋の筋弾性率を測定した。胸椎アライメントの測定はSpinal mouse(Index社製)を用い,安静立位での胸椎後弯角度を測定し,胸郭拡張差は腋窩,剣状突起,臍レベルの三箇所で測定した。呼吸機能はAutoSpiro(ミナト医科学社製)を用い,安静立位で対標準肺活量(%VC),一秒量(FEV)を測定した。筋弾性率は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能で測定し,各筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率(kPa)を求めた。上部肋間筋は右側の鎖骨内側1/3から下した垂線上の第2肋間,下部肋間筋は右側の前腋窩線上の第6肋間,胸部脊柱起立筋は第6胸椎棘突起右側方1横指の部位にて,全て安静吸気位で測定した。胸椎ストレッチは,対象者の両肩甲骨下角の位置で背部を横断する方向に株式会社LPN製ストレッチポールハーフカット(以下ハーフポール)を設置し,その上に背臥位となりセラピストが肩関節前方から鉛直方向に3分間抵抗を加えた。統計学的解析は,第2・第6肋間の肋間筋と脊柱起立筋の3筋の弾性率,3箇所での拡張差,%VC,FEVについて,対応のあるt検定を用いて胸椎ストレッチ前後の値を比較した。なお,有意水準は5%とした。【結果】肺機能について,胸椎ストレッチ前後に%VC(前:90.0±10.1%,後:91.3±9.6%)は有意に増加したが,FEVは介入前後で有意な差は認められなかった。筋弾性率について,上部肋間筋(前:18.9±7.5kPa,後:14.7±6.4kPa),下部肋間筋(前:17.6±9.2kPa,後:13.8±7.3kPa),脊柱起立筋(前:18.1±9.9kPa,後:13.1±5.1kPa)は,介入後に有意に低下した。胸郭拡張差について,腋窩レベル(前:5.5±1.8cm,後:6.2±1.9cm),剣状突起レベル(前:6.7±1.9cm,後:7.7±2.0cm)で介入後に有意に増加し,臍レベルでは変化は認めなかった。胸椎後弯角度は,胸椎ストレッチによる変化は認めなかった。【考察】本研究の結果より,胸椎ストレッチは,肺活量を増加させ得ることが示された。胸椎ストレッチにより改善がみられると予想された胸椎アライメントは,介入による変化を認めなかった。一方で,各筋の弾性率の有意な低下から,胸椎ストレッチによって,上部および下部肋間筋,さらに,ハーフポールにより圧迫された脊柱起立筋の柔軟性が向上したことが示された。これにより,腋窩・剣状突起レベルでの胸郭拡張差が増し,上位胸椎部分の胸郭拡張運動が改善したことで肺活量が増加したと考えられる。これまでは主として肋骨の動きに関連の強い肋間筋にアプローチする手技が胸郭可動域トレーニングとして取り上げられ,これらの手技により呼吸機能が改善するという報告がされている。しかし本研究では,胸椎の屈伸運動に着目した胸椎ストレッチによっても上位胸郭可動性が向上し,呼吸機能が改善することが示された。また同時に,肋間筋のみならず,胸郭構成筋として着目されることの少ない,脊柱起立筋の柔軟性も,呼吸機能に関連していることを示唆する結果となった。【理学療法学研究としての意義】本研究では,これまで着目されることの少なかった,呼吸時の胸椎伸展運動を促すようなストレッチによっても胸郭可動性が改善することが示唆され,胸郭の可動性低下を認める拘束性換気障害に対する有用な治療手段の一つとなり得る可能性が示唆された。

5 0 0 0 IR 幽霊と参加

著者
小林 久高 猿渡 壮
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.1-19, 2014-09

「幽霊を信じる人ほど投票に行ったりボランティア活動をしたりする傾向がある」などと言えば,多くの人は不思議に思うに違いない。本稿の目的は,この奇妙な命題が真実であること,ならびに,この奇妙な命題が成り立つメカニズムについて,計量データを用いて明らかにすることにある。議論ではまず,霊的意識,政治参加,社会参加の間にプラスの相関関係が存在することが示される。次いで,霊的意識が自然志向,象徴志向,儀礼志向,共振性と関連していることが確認され,それらが人間の社会性や身体性に根ざした環境との結合に関わる原初的な意識であることが示唆される。最後に,この原初的な意識が参加を促す1つの道筋について,同類への愛着との関係を考慮しつつ分析される。人の政治活動や社会活動への参加の理由を個人の合理的な利益追求に求めるという観点は重要に違いない。しかしながら,参加を目的合理的な利益実現行動とする視点からは説明できない現象が存在することも事実である。本稿では,「幽霊と参加」という問題を分析することによって,政治参加や社会参加の背後に,個人利益の合理的追求には還元できない世界が存在することを示すものである。
著者
西村 伸也 棒田 恵 渡部 裕樹 橋爪 隆一 小林 勉 石黒 翔梧 甲賀 達郎 横川 遥哉
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.84, no.759, pp.1049-1056, 2019 (Released:2019-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

For centuries, traditional townhouses and their villages have succeeded to the systems which are gradually transformed by the residents' demands of the times. Unique elements exist within a village's structure, space composition and its resident's behavior in relation to the natural environment, local climate and history. Heyai, a system of sharing the gap between townhouses by extending several rooms outward. These constructions eliminate the majority of space between neighboring houses. Dashidana, on the other hand, is a multi-functional space found in fishing villages, and along with Heyai, both are vital elements for the design of townhouses in Izumozaki, Niigata. The present study clarifies the characteristics of the spatial transformation of the townhouse focusing on Heyai, a townhouse frontage, as well as the renovation of a corridor, and Dashidana. The study examines the distribution of Heyai in relation to the frontage of the townhouse in Izumozaki. Additionally, the study analyzes the transformation of space composition and how Dashidana have been influenced by changes of the village's structure.  The following results and observations were obtained during the study.  1) Heyai, the system for sharing the gap between townhouses by extending rooms outward is common in Izumozaki. This area provides a shoe locker, Butsudan (a family altar), and a sink cabinet. 2) Gyoka (a fisher townhouse) tends to have a narrow frontage, with its Heyai mainly located on the "Kami (west)" side of Izumozaki. Alternatively, Syoka (a merchant townhouse) have wider fronts and Heyai are located on the "Shimo (east)" side of the village. 3) These townhouses possess Dashidana on the back-side, which is used as a working space for fishers, a drying space or storage. Architectural features of Dashidana such as its floor level, the texture of walls, floors and ceilings differ between fisher townhouses and townhouses owned by merchants. 4) The construction of a bypass road along the shore in approximately 1980 changed the village structure and prompted the establishment of a main entrance for visitors on the back side of the townhouse. 5) Changes in the village structure have led to a decrease in Dashidana, the renovation of the corridor floor and a change in the approach of the townhouse. 6) Visitors approach a fisher townhouse from the front or rear, however, as for a merchant townhouse, the approach is only made from the front. 7) In the case that a guest approaches from the rear of a fisher's townhouses, the townhouse whose receiving space is located on the front-side maintain the traditional way of living. Conversely, lifestyles are inverted for residents living in townhouses whose receiving space is located on the back-side.  Following the changes made to the village structure in Izumozaki, an approach from the back-side of the townhouse has become an important aspect of daily life. Moreover, there has been a transformation in the space composition related to the traditional space, Heyai, Dashidana, the renovation of the corridor floor and approach of the townhouse. The study clarified the systems in which residents of seaside townhouses have adapted to change by altering the function of certain rooms, but at the same time, maintained traditional space composition wherever possible.
著者
石渡 渚 鈴木 佳奈子 松本 晴菜 矢島 慶子 小野 麻里子 土田 沙織 保戸塚 麻里 湯原 瑞紀 前澤 佳代子 寺島 朝子 小林 典子 木津 純子
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.319-324, 2009 (Released:2009-12-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

手指衛生は病院感染予防策として重要である.中でも速乾性擦式消毒剤(擦式消毒剤)は簡便性と高い消毒効果を兼ね揃え,現在の医療現場では必須となっている.そこでグローブジュース法に準じた方法により,薬学生を対象として,現場で汎用されている代表的な擦式消毒剤0.2 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有製剤,0.5 w/v%ポビドンヨード含有製剤,0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤,0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤の擦り込み量を変えて,消毒効果および持続効果を比較検討した.また,ノズル付きの各擦式消毒剤を用いて女子薬学生が日常手指消毒に用いるようにノズルを押して消毒剤を採取し,その用量を測定した.   各製剤を1 mL, 2 mL, 3 mLを3回ずつ擦り込んだ際の減菌率の比較において,いずれの製剤においても2 mL以上の擦り込みにより良好な消毒効果が得られた.さらに2 mLを3回擦り込むと,その消毒効果はいずれも4時間後まで持続した.また,日常の衛生的手洗いにおいて,0.2 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有製剤と0.5 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤は1回に約2 mLを採取していたが,0.5 w/v%ポビドンヨード含有製剤と0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有製剤は2 mL未満であった.手指消毒を効果的に行うには,消毒剤の採取量についても注意喚起する必要性が認められた.
著者
中條 雅彦 牛 凱軍 門間 陽樹 小林 順敏 関 磊 佐藤 美加 郭 輝 大友 篤 崔 宇飛 只浦 寛子 斎藤 辰典 永富 良一
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.383-389, 2014-08-01 (Released:2014-07-26)
参考文献数
40

Coffee administration has been shown to increase maximum voluntary contraction and muscular endurance. However, no study has addressed the association between daily consumption of coffee with muscular function. This cross sectional study aimed to investigate the association between frequency of coffee consumption (CC) in daily life and muscle strength among a population of working adult men. This cross sectional study included men (n = 516, mean age: 47.1) who participated in an annual health examination conducted in Sendai. The monthly frequency of coffee consumed was reported by a brief-type self-administered dietary history questionnaire. Leg extension power (LEP) was measured as an index of muscle strength. Subjects were divided into tertile levels according to CC. Analysis of covariance was used to examine the relation between the tertile levels of CC and LEP. After adjustment for potential confounders (including all lifestyle factors), the adjusted means (95% confidence interval) of LEP across the tertiles of CC were 17.4 (16.6 - 18.1) for the lowest tertile, 17.9 (17.4 - 18.5) for the mid tertile, and 18.9 (18.3 - 19.5) for the highest tertile (p for trend = 0.007). Higher frequency of monthly coffee consumption was associated with higher muscle strength.
著者
小林 哲夫
出版者
日本関節病学会
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.97-101, 2017 (Released:2018-07-31)
参考文献数
29

Bacteremia occurs through the translocation of oral bacteria from subgingival biofilms into the systemic circulation following daily oral hygiene activities and dental procedures. Bacteremia is caused more frequently in the treatment of periodontal disease than in other dental procedures. Periodontal treatment involves mechanical debridement, which consists of plaque control, scaling and root planing, and periodontal surgery. The debridement of bacterial biofilms in close proximity to the ulcerated epithelium of the gingival sulcus or periodontal pocket may lead to bacteremia. Therefore, it is essential to maintain oral hygiene and periodontal health in order to decrease the risk of bacteremia. It has long been debated by the American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS) and the American Dental Association (ADA) whether or not the risk of prosthetic joint infection (PJI) is related to bacteremia after professional dental treatments. Currently, there is strong evidence of such an association. In addition, the indirect evidence obtained from multiple moderate-strength studies suggests that the use of prophylactic antibiotics reduces the incidence of post-dental procedure bacteremia. However, there have been no studies regarding the relationship between bacteremia and PJI. In summary, it is necessary to consider the risk of dental procedure-induced bacteremia and patient characteristics when prescribing prophylactic antibiotics for patients with prosthetic joints who are undergoing dental procedures. It may be particularly beneficial for these patients to maintain good oral hygiene.
著者
小林 優子
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.95-108, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では,探究活動を行う高校生80名に対して質問紙調査と「振り返りメモ」の分析を行い,探究活動の前後における「科学の本質(Nature of Science: NOS)」に対する理解の変化を明らかにした。これにより以下の三点が明らかになった。第一に,選択式質問項目の分析結果から,自然科学の探究活動を行う生徒においては「暫定性」,人文社会科学の探究活動を行う生徒においては「理論負荷性」に対する理解に深まりが見られた。第二に,探究活動を通じて「暫定性」や「理論負荷性」に対する理解に深まりが見られた生徒の「振り返りメモ」の分析から,探究活動の中でも特に先行研究を検討する過程においてNOSに対する理解が深まることが示唆された。第三に,自然科学や人文社会科学といった探究する領域の違いや指導形態の違いによってNOSの理解の仕方に相違が生じる可能性が示唆された。以上より,探究活動を通じてNOSに対する理解が深まることが明らかになった。これらを踏まえ,探究活動が今後日本におけるNOS教授の足がかりとなる可能性を指摘した。
著者
松坂 尚典 佐藤 至 西村 義一 志賀 瓏郎 小林 晴男 品川 邦汎
出版者
岩手大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

実験動物(マウス及びラット)に放射性亜鉛(Zn-65)及び放射性マンガン(Mn-54)を投与して、胎子、胎盤、胎膜における両核種の取り込みを追跡した。さらに、妊娠末期のラットに両核種を投与したのち分娩させ、在胎中に胎盤を経て胎子に移行した両核種の量と、生後に新生子が母乳を介してもらい受けた量を調べた。1.妊娠17日のマウスにZn-65及びMn-54を1回静脈内投与したのち、24時間目における胎子の取り込み量を調べたところ、それぞれ1腹あたりで36%及び9%となった。すなわち、マウス胎子におけるZn-65の取り込みは、Mn-54のそれよりも約4倍ほど多くなることが観察された。2.妊娠0日、7日、14日のマウスに両核種を1回皮下に同時投与して、分娩直後の新生子における取り込みを調べた。分娩直後の新生子におけるZn-65の取り込み量は、妊娠0日、7日、14日群で、それぞれ1腹あたりの値が11%、12%及び28%となり、妊娠初期に投与された場合よりも妊娠後半に投与された場合の方が、胎盤を経て在胎中に取り込まれた量が多くなった。Mn-54でもほぼ同様の傾向が認められたが、分娩直後の新生子における取り込み量は、Zn-65に比べて1/3から1/4となった。3.妊娠末期のラットにZn-65を1回投与したのち分娩させ、分娩直後の新生子における取り込み量を測定した。そののち、同日に分娩したZn-65無投与ラットの新生子と一部交換して哺乳させた。分娩直後の新生子には投与量の3%(1腹あたりでは約30%)が取り込まれており、さらに離乳するまでには母乳を介して1.5%(1復あたりでは約15%)が移行した。Mn-54についても、ほぼ同様の傾向が認められた。これらの結果から、Zn-65及びMn-54に関しては、胎児への経胎磐移行とともに、母乳を介する汚染経路が重要であると考えられる。
著者
形井 秀一 篠原 昭二 坂口 俊二 浦山 久嗣 河原 保裕 香取 俊光 小林 健二
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.755-766, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
4

経穴部位の標準化は、1989年にジュネーブ会議で経絡経穴名 (奇穴八脈、奇穴も含む) が国際標準化されて以来、永年の懸案であり困難な課題とされてきた。それ以来、14年の時を経て2003年、WHO西太平洋地域事務局 (WPRO) 主導の下、日本、中国、韓国による経穴部位の国際標準化に関する非公式諮問会議が始まった。この会議は特別会議を含めると3年で9回を数え、標準化達成に向けて大きく前進した。そしてその目標は、2006年秋、日本 (つくば市) で開催される経穴部位標準化公式会議で結実する。これまでの経緯と今後の課題をまとめたので報告する。
著者
福留 広大 藤田 尚文 戸谷 彰宏 小林 渚 古川 善也 森永 康子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.183-196, 2017 (Released:2017-09-29)
参考文献数
34
被引用文献数
3 6

本研究の目的は, 自尊感情尺度(Rosenberg Self-Esteem Scale; RSES)において, 逆転項目に対する否定的反応(Negative Self-Esteem; NSE)と順項目に対する肯定的反応(Positive Self-Esteem; PSE)がそれぞれ異なる心理的側面を持つことを提案することである。研究Iでは, 様々なサンプルの計5つのデータセットを分析した。確認的因子分析の結果, RSESにPSEとNSEの存在が示唆された。研究IIでは, 中学生に調査を行い, 因子構造の検証とそれらの弁別性について検討した。中学生においてもPSEとNSEの構造が支持され, NSEはPSEよりもストレス反応と強い負の相関関係にあった。つまり, RSESの否定的な項目に対して否定的な回答をするほどストレス反応が低い傾向にあった。研究IIIでは, 中学生を対象にして, RSES2因子の弁別性の基準として攻撃性尺度を検討した。その結果, NSEがPSEよりも敵意と強い負の相関関係にあった。これらの結果は, RSESに「肯定的自己像の受容」と「否定的自己像の拒否」の存在を認めるものであり, この解釈と可能性について議論した。
著者
伴 弘司 北沢 祥一 小林 聖
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.25-32, 2013-06-01 (Released:2013-09-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

様々な機器を無線で接続して自動化やシステムの効率化を進める機器間通信 (Machine-to-Machine,M2M) 技術が広がりを見せている.この技術を狭小な機器内空間に適用して機器内の部品間の通信用配線を無線化しようとするのがワイヤレスハーネスである.我々はこれまでにICT機器内の通信用ハーネスに着目し,その無線化の要素技術の確立と効果について検証を進めてきた.今年度からは対象を車両に向け,燃費向上や省エネ化を進める車載ハーネスの無線化技術の研究を開始したところである.ワイヤレスハーネスを特徴付けるものは,部品が多く金属に囲まれた狭小な空間内という伝搬環境と,低システム遅延や多元接続性などの通信要求仕様である.ただし,後者については適用シーンによって様々な考え方がある.ワイヤレスハーネスは軽量化をテコとする省資源・省エネに効果があるだけでなく,作業性向上などの様々なメリットがあるが,実用化例はまだ多くない.コストとともに信頼性や厳しいシステム要件がハードルになっているように思われる.そこで,我々のこれまでの研究成果を振り返るとともにワイヤレスハーネスについて内外の動向を紹介し,そのユニークさや有用性,課題などについて論じる.
著者
小林 和夫 Kazuo KOBAYASHI
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1・2, pp.29-56, 2019-03-20

本論では,ザカート(喜捨)を原資とする社会基金であるバイトゥル・マルを事例として,日本占領期ジャワにおけるイスラーム教理の制度化の歴史的背景を考察した.分析の結果,バンドゥン県のイトゥル・マルの導入というイスラーム教義の制度化は,ウィラナタクスマのロイスの構想とエリート官吏としての指導力,困窮者救済を義務とするイスラームの教理,そしてジャワ軍政当局のイスラーム対策の構造的欠陥と住民の動員・統制の必要性―という3つの歴史的条件が重なって行なわれたことが明らかになった.また,1942 年6月という軍政初期に導入されたバンドゥン県のバイトゥル・マルは,その規模や機能は限定的とはいえ,ジャワ軍政における事実上はじめての大衆組織としての性格をもっていたことが指摘された.
著者
齋藤 みのり 佐野 伸之 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.72-77, 2019

自閉症スペクトラム児の対人社会性を阻害する要因の一つに,ファンタジーへの没入現象が指摘されている.今回,ファンタジー没入行動により,様々な日常生活の遂行に支障をきたしていた広汎性発達障害男児に対し,ファンタジーを外在化する作業活動を通した支援を行った.本児は,架空のカードゲームを頭の中で展開する遊びに,様々な日常生活場面で没頭していた.作業療法では,頭の中に描いているファンタジーを外在化し,それを用いて一緒に遊べるよう模索した.また,徐々に交流の場が広がるよう促した.これらの支援により,本児の頭の中のファンタジーが整理され,現実とのつながりを築いていき,生活障害が軽快したと考えられる.