著者
中野 茉莉恵 有馬 正貴 長田 洋資 桜井 研三 升森 智香子 水野 将徳 都築 慶光 小野 裕國 後藤 建次郎 近田 正英 麻生 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

【緒言】単心室症例のFontan術後にhepatic factorの偏在が側副血行路を生むことが報告され、長期予後への影響が示唆されている。肝静脈血を左右の肺動脈に灌流させる必要があるが、Fontan手術施行例では肝静脈と肺動脈を繋ぐルートの作成に苦慮する場合も多い。今回、Total cavopulmonary shunt (TCPS)術後に肝静脈-肺動脈ルート作成に難渋した心房内臓錯位症例に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、良好なFontan循環を確立した症例を経験したので報告する。【症例】2歳10ヶ月女児。在胎39週5日、2896gで出生。胎児期より心房内臓錯位を指摘されており、出生後、左側相同、両大血管右室起始、肺動脈狭窄、卵円孔開存、下大静脈欠損半奇静脈結合と診断した。心房は左心房が右前方、右心房が左後方の関係にあり、肝静脈は椎体の左側を走行し右心房に開口していた。生後7ヶ月時に肺動脈絞扼術、心房中隔作成術を施行した。1歳1ヶ月時にTCPSを施行、左上大静脈と左肺動脈を吻合した。2歳4か月時、Total cavopulmonary connection(TCPC)の方針となり、心外導管のルーティングについて検討した。肝静脈が椎体の左側にあるため、導管を右側に通して作成すると椎骨や心室によりルートが圧迫される可能性が考えられた。一方で、左側に作成すると、ルートが長く屈曲することやTCPS吻合部近辺の肺動脈形成が必要となると予想され、どちらの術式を選択しても導管狭窄やhepatic factorの分布に偏りが生じる可能性があったため、肝静脈-半奇静脈吻合を選択した。術後1ヶ月時に施行した心臓カテーテル検査では、肝静脈圧 11 mmHg, 半奇静脈圧 9 mmHg, 肺動脈圧 8 mmHgで、肺動静脈瘻の発生はなく良好なFontan循環を維持していた。【結語】下大静脈欠損を伴う左側相同に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、その後も良好なFontan循環を確認した。肝静脈-半奇静脈吻合は、下大静脈欠損の症例に対する右心バイパスの有効な吻合方法である。
著者
小野 義美
出版者
熊本大学
雑誌
熊本ロージャーナル
巻号頁・発行日
no.2, pp.3-24, 2008-03

本稿は、非嫡出子の戸籍続柄区別記載問題について、最高裁の判断により確定判決とされ、かつ、法務省立法担当者によって高く評価されたことにより重要な位置付けが与えられた本件控訴審判決が、どのような判決理由を展開しているのか、非嫡出子の差別問題を解決する上で、どのような意義と問題点をもっているのかについて検討することを中心的課題とする。

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著者
小野瀬 宏
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.129-130, 1993-03-08 (Released:2009-06-12)
参考文献数
3
著者
林 誠 岩間 圭祐 小野 誠司 木塚 朝博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.225_3, 2017

<p> 野球の投手における練習方法に、自分自身のピッチングフォームを巻き戻すように行う逆再生シャドーピッチングがある。本研究では、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者と低い者との間で投球能力に違いがあるのか、さらに、動作をイメージする能力が逆再生シャドーピッチングや投球能力に影響しているか否かを明らかにすることを目的とした。大学野球投手16名(平均球速;128±5.6km)を対象者とし、逆再生シャドーピッチングテストとコントロール及び球速を測るピッチングテスト、動作のイメージの鮮明さを測るイメージテストの3つを実施した。その結果、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者と低い者はそれぞれ8名ずつであった。また、高い者は低い者と比べ球速に有意な差はないがコントロールにおいて有意に優れ、イメージテストにおいても有意に得点が高いことが認められた。これらのことから、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者はコントロールと動作を鮮明にイメージする能力に優れていることが明らかとなった。したがって、自分自身が投げるピッチング動作を鮮明にイメージできることが、コントロールの向上につながっている可能性がある。</p>
著者
林 誠 小野 誠司 木塚 朝博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.223_1, 2018

<p> 野球の投手に求められる能力の1つに、コントロールの精度の高さがある。わずかな身体の乱れがコントロールの乱れを引き起こすため、コントロールに優れる者は自己の身体の乱れを認知しフォームを修正している可能性がある。先行研究において、関節位置再現や筋出力再現など自己の動作を正確に認知する能力を評価するテストが行われているが、それらの成績とコントロールの精度との関係を調査した研究は行われていない。そこで本研究では、コントロールの精度の高い者と低い者とで運動感覚や動作を鮮明に想起するイメージ能力に違いがあるのかを明らかにすることを目的とした。大学野球投手16名を対象に、関節位置再現テストと筋出力再現テストに加え、動作を鮮明に想起する能力を評価するVMIQ-2テストと頭の中でイメージを操作する能力を評価するCMIテストを行った。その結果、コントロールの精度が高い者と低い者とで関節位置再現と筋出力再現には有意な差は認められなかったが、CMIテストで有意な差が認められた。これらから、単一の関節の位置や筋出力を再現する能力より、一連の動作をイメージする能力がコントロールに影響することが明らかとなった。</p>
著者
小野 芳朗 山田 正人
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.156-169, 1999-03-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
38
被引用文献数
1

内分泌攪乱化学物質をはじめとする有害な化学物質が廃棄物処理・処分システムで検出される。これらのリスクを評価し, 管理するための方法論を提示した。まず, 化学物質がヒトにおよぼす影響を確定するためには, 古典的なリスクアセスメントを実施し, 規制値をつくっていかねばならないことをU.S.EPAの例示をしながら解説した。そして, 廃棄物システムにおけるリスク管理の優先性を決めるために, 残留性, 生物濃縮性そして毒性を有する化学物質のスコアリングによる選択法をEPAの提案から紹介し, さらにわが国における文献上知られた処分場浸出水中の有害化学物質のリストアップを図り, モニタリングの重要な物質を示した。さらに, 環境試料のような混合物中に含まれる未知の毒性物質の評価法に関して早期警戒システム, ガイドラインとしてのバイオアッセイの適用性を論考した。
著者
小野 悠 尾﨑 信 片岡 由香 羽鳥 剛史 羽藤 英二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.84, no.755, pp.167-177, 2019 (Released:2019-01-30)
参考文献数
10

The Urban Design Centers (UDCs) in Japan are practical urban design platforms for public–private–academic collaboration with three characteristics: space planning by collaboration, initiatives of experts, and a hub facility open to all people. This paper explores possibilities and challenges for UDCs in built-up areas in major provincial cities, through the UDC Matsuyama (UDCM) case-study. UDCM was established in 2014 to revitalize Matsuyama City center. Interviews of people involved in UDCM, literature surveys, and participant observations were performed. Investigations showed the following achievements and problems of UDCM. (1) Space planning by collaboration ·The double-tiered systems - a governing organization as a collaboration hub and an executing organization - enables experts to engage and collaborate in various field activities. Money management by the university counteracts the funders' influence. ·To create an appealing urban space, UDCM participates in urban renewal projects in a variety of ways. Shortly after its establishment, UDCM participated in the conventional project planning process, using connections with local government. Once UDCM's performance became known, private enterprises and local organizations directly contacted UDCM for consultation and project support. (2) Initiatives of experts ·It was necessary for UDCM to formulate a vision for the city to share with many stakeholders and to position its role. However, during start-up, UDCM relinquished this formulating vision for two reasons: it was difficult for a new vision to be consistent with existing plans if positioned within the planning framework of local government; and, if positioned as UDCM's own, it risked being unsupported because UDCM initially had no performance record. Following better understanding of UDCM's role and effect, discussions restarted in the third year toward producing a vision for the city. ·UDCM achieves a balance between specialized and local knowledge, and between practical and research power, using experts in many fields including academics with specialized knowledge and skills, retired local government employees with broad human resources and local knowledge, and private experts with rich field experience. ·Human resource development is critical in provincial cities experiencing a continuing drain of young people to large cities. UDCM enhances the community's power through a variety of programs. (3) Hub facility open to all ·Establishing rules for use and operation of the facility through lively and engaging discussions with residents, within the pilot program framsework, enabled organized operation of the facility in the city center where many stakeholders are present. ·The hub facility is used in different ways according to citizens' needs: a place to rest for people with little interest in urban design; and, for people with an active interest, to provide relevant information for beginners and to hold events and participate in human resource development. The UDCM case-study demonstrated three important points in adopting UDCs in built-up areas in major provincial cities, which have complex relationship among numerous stakeholders. ·Produce a visible result by flexibly participating in public and private urban renewal projects in a variety of ways under the organizational structure by public–private–academic collaboration. ·Formulate a vision for the city to share with many stakeholders, and move into action to realize it, in cooperation with citizens and experts in many fields inside and outside the city. ·Establish rules for use and operation of the hub facility through discussions with neighbors.
著者
齋藤 希 酒井 孝司 小野 浩己
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成27年度大会(大阪)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.65-68, 2015 (Released:2017-11-15)

オフィスにおけるペリメータゾーンでは,日射等による不均一放射環境が生じる。前報までで,直達日射が卓越した室内を対象に,被験者実験と,数値人体モデルを連成したCFD解析の比較を行い,CFDの有用性を確認した。本報では,内付ブラインドを有する室内での温熱環境の実測を行った。また,実験に基づくCFD解析を行い,実測結果との比較を行った。その結果,実験では,スラット角度による熱の漏出傾向の差異を確認し,一定の知見を得た。また,室内の空気温度において,解析が概ね実測と一致することを確認した。
著者
小野 元治 大久保 裕行 岡崎 真一郎 石松 敏樹 宇留嶋 美奈 吉松 英明 加藤 徳弘
出版者
大分県農林水産研究センター
巻号頁・発行日
no.2, pp.11-39, 2008 (Released:2011-03-07)

イチゴの主要害虫に対し、天敵や微生物農薬および天敵に影響の少ない化学農薬を中心に防除効果を検討するとともに、既存の防除技術を組み入れた防除体系について検討した。1.灰色かび病に対して、サンクリスタル乳剤およびジーファイン水和剤の散布、ボトキラー水和剤のダクト散布が有効であり、うどんこ病に対しては、硫黄くん煙およびボトキラー水和剤のダクト散布に防除効果が認められた。2.主要病害に対して、天敵や微生物農薬を組み入れた防除体系による現地実証試験を行った結果、ボトキラー水和剤のダクト散布により、うどんこ病に対する効果は少発生により判然としなかったが、灰色かび病に対しては散布剤と併用することで十分な防除効果が認められた。3.ハダニ類に対して、チリカブリダニとミヤコカブリダニの4回放飼、ハスモンヨトウに対しては、フェニックス顆粒水和剤、プレオフロアブルおよびトルネードフロアケルの散布が有効であった。4.主要害虫に対して、天敵や微生物農薬を組み入れた防除体系による現地実証試験を行った結果、チリカブリダニとミヤコカブリダニの4回放飼は、ハダニ類の密度が上昇しないように薬剤散布と併用しながら放飼することで十分な防除効果が得られた。ハスモンヨトウ、アブラムシ類に対しても、適期防除を行うことや、防虫ネットの設置により防除可能なことが実証された。5.総合防除体系の確立により、本圃における慣行防除回数30回に比べ9回以上削減が可能となった。
著者
小野 朋子
出版者
鳥取大学
巻号頁・発行日
2014

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