著者
中野正博 松浦弘幸 玉川雅章 行正 徹 石川耕介 山中 真
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.87-99, 2017-12-28 (Released:2021-03-15)

転倒などで生じる複数の損傷が及ぼす深刻度を示すための総合評価指数を提案し,その指数を用いて転倒の保護防具の有効性を示す.転倒実験は,衝突試験用人体模型(人体ダミー)を用いて,日本自動車研究所(JARI)において行った.人体ダミーは,頭部,胸部,腰部に加速度センサが,首部には,力とモーメントの計測センサが設置されており,転倒時に計測された物理量のデータに基づいて分析を行う.これらの物理量のデータは連続量であり,これをもとに,連続量の身体各部の損傷の程度(AIS)を連続関数として定義し,それらを総合する評価指数としての生存確率Ps をより精密な指標として系統的に計算できるように拡張した.生存確率Ps を各種のヘルメットやジャケットなどの保護防具を着て転倒した場合で計算し,保護防具の有効性を示した.
著者
金子 一幸 川上 静夫 三好 正一 虻川 孝秀 山中 栄 望月 誠 吉原 進平
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.183-186, 1998-04-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
14

卵巣に嚢腫卵胞を有するホルスタイン種乳牛78頭を発情周期および直腸検査所見から3群に区分し, 各群別の処置により空胎期間の短縮を試みた. 初診日の発情徴候が良好で, 嚢腫卵胞と正常卵胞 (NF) が共存していた39頭 (NF共存群) には無処置で人工授精のみを行った. 初診日に発情徴候がみられず, 嚢腫卵胞と黄体 (CL) が共存していた16頭 (CL共存群) にはジノプロスト (25mg) を投与し, 投与後7日以内に発情が誘起された例には人工授精を行った. 嚢腫卵胞のみが認められた23頭 (卵胞嚢腫群) には, 酢酸フェルチレリン (200μg) 投与後14日にジノプロスト (25mg) を投与し, 発情誘起例に人工授精を行った. NF共存群, CL共存群および卵胞嚢腫群の初診から初回授精までの日数 (平均±SD) は, それぞれ0, 9.3±14.であった. また, 各群の初回授精受胎率は43.6, 43.8, 34.8%であり, 受胎に要した授精回数は1.9±1.1.
著者
遠藤 佑介 山本 尚人 石川 諄武 露木 肇 山中 裕太 嘉山 貴文 矢田 達朗 片橋 一人 佐野 真規 犬塚 和徳 竹内 裕也 海野 直樹
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.21-27, 2022-02-17 (Released:2022-02-17)
参考文献数
18

直接作用型経口抗凝固薬(以下DOAC)が広く使用されるようになり,患者の実情に即した適応用量以外の使用も増えている.われわれも一定数で低用量のエドキサバンを選択している.2014年から2019年までに経験した静脈血栓塞栓症は528例であった.経口抗凝固薬の使用なしが105例,DOACの通常用量が249例,エドキサバン低用量が98例,ワルファリンが78例であった.低用量エドキサバン使用例についてその患者背景と出血性・血栓性の有害事象について検討した.低用量エドキサバン96症例では,中枢型40例/末梢型56例,有症状11例/無症状85例で,低用量での使用理由は出血のリスクが48例,血栓伸展予防目的が48例であった.出血リスク症例48例中3例で出血のため抗凝固を中止したが速やかに止血が得られ,再開が可能であった.低用量エドキサバンは抗凝固なし/治療用量の抗凝固療法以外の選択肢として有用であり,出血リスクが高い症例に対しても有効な治療選択肢といえる.
著者
橋本 唯子 山中 節子 藤井 亜希子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.118, pp.2109, 2021-08-31 (Released:2021-09-16)

平成27年5月に和歌山大学図書館において発生したシバンムシによる虫害について, 発生から緊急対応・燻蒸処理とその後の点検などといった実施項目の概略を示し,以後虫害を防ぐための対策として研修・環境整備・殺虫およびクリーニング作業などを進めてきた経緯を紹介する。成果として職員の意識向上・資料保存環境の改善があげられると同時に, 記録の不足・消毒用エタノールなど必要物品の不足などの課題についてまとめ, 被災時に図書資料をどのように救出すべきか, 意識を共有する意義について言及する。
著者
六浦 潔 若松 功二 山中 尋詞 平尾 幸樹 西嶋 孝祥 手島 由裕
出版者
マツダ株式会社
雑誌
マツダ技報 (ISSN:02880601)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.119-124, 2019 (Released:2019-12-02)
参考文献数
3

新型MAZDA3では,マツダが考える音響性能の理想を定義し,量産性を見据え機能配分しスピーカーユニット,レイアウトを一新した。理想の音響性能を追求するため,CAE技術による車室内の音場特性の可視化を行いスピーカーユニットの最適な配置場所を見出した。容量3リットルのバスレフ型ウーファーのカウルサイド配置と,スコーカーとツィーターのドア上部への配置をベースとするシステムで,新型MAZDA3のサウンドは新世代商品群のリードとなる車種にふさわしい音響性能を実現した。本稿では,その内容について紹介する。
著者
石原 昌人 仲宗根 哲 平良 啓之 山中 理菜 親川 知 松田 英敏 東 千夏 神谷 武志 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.620-623, 2019-09-25 (Released:2019-12-17)
参考文献数
6

人工股関節置換術(THA)後の腸腰筋インピンジメントに対して腱切離を行い改善した1例を報告する.【症例】62歳女性.左変形性股関節症に対し左THAが行われた.術後より左股関節自動屈曲時の鼠径部痛を認めていた.歩行は可能であり鎮痛薬内服で経過観察を行っていたが,症状の改善がなく術後6ヵ月時に当院を紹介され受診した.左股関節の自動屈曲は疼痛のため不能で,血液検査で炎症反応上昇はなく,単純X線像でTHAのゆるみは見られなかったが,カップの前方突出を認め,腸腰筋インピンジメントと診断した.キシロカインテストで疼痛は消失し術後8ヵ月で手術を行った.腸腰筋は緊張しカップの前縁とのインピンジメントを認め腸腰筋腱切離を行った.術当日より疼痛は改善し術後3日目に独歩で退院した.術後2ヵ月でADL制限なく職場復帰した.腸腰筋インピンジメントの観血的治療として腱切離は低侵襲で有効な治療法と思われた.
著者
山中 千代衛
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-34, 2010-01-15 (Released:2015-08-08)
参考文献数
6

Nuclear fusion, the origin of solar energy, has been sustained for billions of years in the universe. For 50
著者
富田 真佐子 小高 稔 佐久間 光史 細田 裕 村山 隆志 山口 百子 水野 正一 吉田 英世 森沢 拓 山中 寿
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.91-98, 1996 (Released:2012-11-27)
参考文献数
24

We examined the relation of serum uric acid to mortality among 49,412 male employees aged 25 to 60 years old. Baseline data were collected during the health examinations performed between 1975 and 1982. Vital status was followed until 1985. Compared with men showing a uric acid level of 5.0-6.4 mg/dl, those with a level of 8.5 mg/dl and over had a 1.74-fold higher rate of mortality from all causes (p<0.05). Compared with men showing a uric acid level of 5.0-6.4 mg/dl, those with a level of 8.5 mg/dl and over had a 2.6-fold higher rate of mortality from cerebrovascular disease (p<0.01),1.7-fold higher rate of mortality from ischemic heart disease,3.1-fold higher rate of mortality from other heart disease (p<0.001),3.5-fold higher rate from liver disease (p<0.01), and a 7.0-fold higher rate from renal failure (p<0.01), respectively. Strong associations were obsereved between serum uric acid level and mortality from all causes, heart disease, cerebrovascular disease, liver disease, and renal failure. Associations was also observed between serum uric acid level and body mass index, systolic and diastolic blood pressure, liver function, serum total protein, serum total cholesterol, previous history of gout and circulatory diseases (p<0.001). Further investigation into the possible role of uric acid in the development of various disease is needed.
著者
小川 宣子 小林 由実 山中 なつみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.739-749, 2021 (Released:2021-11-27)
参考文献数
13

ガス加熱と誘導加熱 (IH) の違いが炒め加熱と焼き加熱調理の仕上がりに及ぼす影響について, 炒飯, ほうれん草炒め, 厚焼き卵の味, 物性, 組織構造から調べた. フライパンで水を加熱した時の昇温速度が同程度になるように火加減を設定した. 強火で予熱したフライパンと卵焼き器の鍋底と側面温度は, ガス加熱の方がIHの場合に比べて均一かつ高温になった. 炒飯とほうれん草炒めは強火で各々同じ時間炒め, 厚焼き卵は中火で卵の温度が同じになるよう作製した. ガスコンロで炒めた炒飯はIHヒーターに比べ, 食塩相当量が高く, 付着性が低かった. 炒飯の飯を走査電子顕微鏡で観察した結果, ガス加熱の場合では, IHの場合には見られない表面部分の崩れが観察された. ガスコンロで炒めたほうれん草はIHヒーターに比べ, 組織構造が保持されていた. 厚焼き卵の加熱時間はガス加熱の方がIHに比べて短かった. ガスで加熱した厚焼き卵の表面構造には太い均一な網目構造が観察され, 表面の凝集性が高いことの要因と考えられた. 本研究における加熱条件では, ガス加熱の方がIHに比べて食材からの水分蒸発やたんぱく質の熱変性が促進され, 炒め加熱ならびに焼き加熱調理の仕上がりに影響したと考えられる.
著者
竹村 明久 山中 俊夫 相良 和伸 甲谷 寿史 桃井 良尚
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.77, no.673, pp.153-159, 2012-03-30 (Released:2012-07-02)
参考文献数
13

It is necessary to prepare a plenty of subjects in order to ensure the statistical confidence in the sensory evaluation of odor. Therefore, it is convenient if the minimum number of subjects can be prepared according to the necessary accuracy of measurement. In this paper, the sensory evaluation experiment with 1-butanol was conducted and evaluations by six subjects were compared with those by sixty subjects under the same sixty votes in total. Moreover, confidence intervals of intensity and percentage of person dissatisfied were estimated, and relationships between confidence intervals and the number of subjects were indicated.
著者
寺本 直輝 島田 圭悟 杉田 由佳 グルゲ・ キールティ・シリ 吉岡 都 山中 典子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.788-791, 2021-12-20 (Released:2022-01-20)
参考文献数
14

ドングリによる中毒の診断に資するために,ドングリに含まれる総ポリフェノール(TPPs)の簡便,迅速な抽出手法を開発した.含水アセトンで振盪する本手法は高速溶媒抽出法(ASE)に匹敵する回収率であった上,再現性が高く,簡易であり,十分診断に応用できるものと考えられた.また,この手法でマテバシイのドングリのTPPs濃度を定量したところ,未熟果は熟果よりも有意に濃度が高かった.
著者
山中 雅也 奥村 徳夫 園原 史訓 小西 滋 杉本 博行 梶川 真樹
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.722-727, 2019-12-01 (Released:2019-12-28)
参考文献数
22

症例は18歳の男性で,突然の左肩痛と背部痛,腹痛を主訴に当院を受診した.腹部造影CTで,脾腫,脾周囲の血腫および遅延相での造影剤の血管外漏出像を認め脾破裂と診断した.循環動態は安定していたために保存的治療とした.また,顎下リンパ節の腫脹,疼痛があり,血液検査で単球の上昇,EB virus抗体VCA-IgM陽性,異型リンパ球の出現などを認め,伝染性単核球症による脾破裂と診断した.以後,再出血することなく軽快し21病日に退院した.脾臓は免疫において重要な臓器であり,若年者では脾破裂の場合も可能なかぎり温存することが望まれる.伝染性単核球症による脾腫が原因となって生じた脾破裂に対して,保存的治療で脾臓を温存することができた症例を経験したので報告する.
著者
山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.73, pp.111-116, 1989-05-15 (Released:2017-07-25)

本研究では,カメラのデザインをおこなう際に参照する基本的な要件を整理し,その体系的な把握のためにグラフ理論を応用し,構造的な分析を行った。1)グラフ理論を現実のデザインの場に持ち込む際に障害となるいくつかの問題点のうち,階層化と構造化の難しさを,「変形骨格行列」と「構造行列」を導入することにより容易にした。その結果,視覚的であり直感的に理解しやすく,デザイナーにとってなじみやすいという構造モデルの特徴の応用性を高める可能性が見いだせた。2)デザインを行う際のチェックリストの構造を最適化して表現することが可能であったばかりでなく,調査解析のプロセスにデザイナー自身が参加することが出来るため,デザイン要件を実感として構造的に意識するために効果的であることが判明した。
著者
山中 敏正 田村 良一 杉山 和雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.449-455, 1995-10-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

カメラのデザインプロセスにおいて, 設計要件の把握は重要なステップである。そこでデザイナーが情報を把握する方法として構造モデルを応用した結果, 設計要件の総合的な把握と, デザイナーの理解の程度の確認の方法として有効な手法であることがわかった。また, カメラの特徴と消費者による選好の関係を, エゴグラムを用いて解釈する方法は, デザインの初期段階での対象の概念化について補助的な役割を果たすことが確認された。
著者
藤井 英司 中村 竜太 大久保 義真 久住 孝幸 落合 剛 濱田 健吾 小林 慶一 石黒 斉 波多野 諒 中野 万敬 山中 基資 松井 則男
出版者
公益社団法人 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
雑誌
Colloid & Interface Communications (ISSN:27585379)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.2-19, 2023-03-10 (Released:2023-04-05)

国内には国立研究開発法人等の国立の研究機関だけでなく都道府県ならびに市立の研究所・センター(地方公設試験研究機関等)などが数多くあります。特に地方の研究所・センターは各地域の特色を生かした・地域の発展を支える研究・開発をされてきておられます。また、これらの研究所・センターにおいてコロイド・界面化学関連の研究についても数多くなされております。その一端をご紹介いたします。このご紹介を通して、各センター・研究所で研究をしている研究者の皆様方と本部会との交流の足掛かりともなればとも考えております。今回、岡山、秋田、神奈川、名古屋の各地域において、地域の産業・学術を担う研究組織である、岡山県工業試験センター、秋田県産業技術センター、神奈川県立産業技術研究所(KISTEC)ならびに名古屋市工業研究所におけるコロイド・界面化学分野の研究を紹介いたします。 〔1〕セルロースナノファイバー素材の界面制御技術を利用した金属ナノ粒子との複合化に関する研究 岡山県工業技術センター 応用技術部 食品・繊維科 藤井 英司岡山県工業技術センターの業務とナノ材料の複合化に関する研究事例を紹介する。「高圧湿式ジェットミル」を用い、マイクロ空間内での高剪断力およびキャビテーション効果を利用した複合化手法を開発した。セルロースナノファイバー素材の界面を制御し、金属ナノ粒子を複合化させたナノ複合体を作製し、特性評価をおこなった。〔2〕微小液滴撹拌を可能とする電界撹拌技術の開発とその応用 秋田県産業技術センター 中村 竜太・大久保 義真・久住 孝幸 〔3〕抗菌・抗ウイルス効果から空気清浄機まで ~光触媒評価総合サポート 地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC) 溝の口支所 川崎技術支援部 落合 剛・濱田 健吾 地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC) 殿町支所 研究開発部 小林 慶一・石黒 斉(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)は、神奈川県内中小企業を中心とする産業界から信頼される公設試験研究機関として、県内産業と科学技術の振興を図ることにより、豊かで質の高い県民生活の実現と地域経済の発展に貢献しています。本稿では、KISTECの溝の口支所と殿町支所が連携し、中心となって展開している「光触媒評価総合サポート」の概要と、主な研究成果を紹介します。 〔4〕液面プラズマを活用した金ナノ粒子担持複合粉体の調製 名古屋市工業研究所 システム技術部 製品技術研究室 波多野 諒気中電極と液面との間でプラズマを発生させる液面プラズマ処理技術を用いて、水溶液中で金イオンを還元し、アルミナ等の粉体上に粒径10~20nm程度の金ナノ粒子を均一分散担持させる手法を見出した。得られた金ナノ粒子担持複合粉体は、金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に由来する鮮やかな赤色の色調と抗菌性を示した。 〔5〕ゲル化と結晶化を利用した超撥水表面の形成 名古屋市工業研究所 材料技術部 中野 万敬・山中 基資接触角が150°以上である超撥水表面を植物由来原料から作製する手法を開発した。この表面は、低分子ゲル化剤が形成する一次元の自己組織体と脂肪酸が形成する微結晶とで構成された階層的な凹凸構造により超撥水性を発現している。本稿では、超撥水表面形成のメカニズムとこの表面が摩耗した後の接触角の自己復元性について述べる。 〔6〕名古屋市工業研究所 表面技術研究室 名古屋市工業研究所 松井 則男