著者
難波 弘行 佐橋 紀男 山本 昌彦 吉田 友英 柳川 かおり 廣木 信重 泉本 恵 岩崎 琴恵 日高 奈津子
出版者
日本花粉学会
雑誌
日本花粉学会会誌 (ISSN:03871851)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.73-82, 2004
参考文献数
17
被引用文献数
2

スギ花粉症患者におけるアレルギー疾患の合併症, 花粉に対する生活様式, 薬剤の使用状況などを調査する目的でアンケートを実施し, 290名の有効回答数を得た.半数以上の患者がスギ花粉症以外のアレルギー疾患を合併しており, OASの発症率は約10%であった.複数のアレルギー疾患を合併している患者の方が, OASの発症率が高かった.79.4%の患者が, テレビなどのマスメディアから花粉情報を利用していた.そして, 68.3%にあたる190名の患者が, 花粉情報が役立っと回答した.ほとんど全ての患者が, 花粉飛散期に外出していたが, マスクやメガネの着用率は低かった.洗濯物や布団の乾燥方法などに関しても, 十分な花粉対策が行われていなかった.内服薬に関する調査では, 約56.5%の患者がほぼ正確に服用出来ていた.しかし, 外用薬の使用に関しては, 症状の強さに合わせて使用されている様子がうかがわれた.
著者
山本 昌 草森 浩輔
出版者
京都薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、新規骨粗鬆症治療薬であるテリパラチド(hPTH) をマイクロニードル (MN)に封入した hPTH 封入 MN (hPTH-MN) を作製し、その皮膚透過性の改善を試みた。放出試験において、MN に含有された hPTH は、試験開始後5分までにほぼ全量が速やかに放出された。また、hPTH-MN 皮膚適用後の血清中 hPTH 濃度は速やかに上昇し、高い吸収性を示した。さらに、骨粗鬆症モデルに hPTH-MN を適用後、薬理効果を示すことが明らかとなった。最後に、hPTH-MN 適用後、水分蒸散量の上昇が一時的であったことから、皮膚への障害性はほとんどみられないことが認められた。
著者
伊澤 佳久平 野間 晃幸 山本 昌志 木村 勝紀 伊藤 裕之 竹友 直生 沼野 香世子 川島 眞
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-5, 2008-01-01
被引用文献数
2 1

慢性的便秘で乾燥皮膚を有する20歳~39歳までの女性56名を2群に分け,LB81乳酸菌(<i>Lactobacillus delbrueckii</i> subsp. <i>bulgaricus</i> 2038株ならびに<i>Streptococcus thermophilus</i> 1131株)を使用したヨーグルトあるいはこれにコラーゲンペプチド(CP)ならびにセラミド(CE)を配合したヨーグルトをそれぞれ120 mlずつ1日2回,4週間摂取させた.摂取前後の比較で,両群ともに皮膚の弾力性,乾燥および鱗屑の程度が改善された.CP・CE含有ヨーグルト摂取群ではキメ密度が有意に改善された.肌状態に関するアンケート調査(19項目)では,両群とも多くの項目で改善がみられた.両群ともに便秘の症状が有意に改善されたことから,本結果にヨーグルトの整腸作用が関与している可能性が考えられた.<br>
著者
佐々木 功 藤田 卓也 村上 正裕 山本 昌 中村 英次 今崎 一 村西 昌三
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.1256-1261, 1994-09-15
被引用文献数
13 18

Absorption of azetirelin, a new thyrotropin-releasing hormone (TRH) analogue, from the gastrointestinal (GI) tract was evaluated. The bioavailability of this compound after oral administration was considerably poor in rats. Studies were undertaken to elucidate the mechanisms for this low oral bioavailability of azetirelin. The plasma azetirelin levels following intravenous and hepatoportal vein injection were virtually identical over the dose range of 0.02-0.1 mg/kg, indicating a minor contribution of the hepatic first-pass metabolism of this drug. Azetirelin was stable against peptide hydrolases both in luminal fluid and intestinal mucosal homogenates, whereas its degradation occurred when incubated with cecal contents under an anaerobic condition. In addition, complete degradation of azetirelin during the GI transit was disclosed by analyzing the fecal sample collected after oral administration of [^<14>C] azetirelin. These results suggested that gut bacteria may be responsible for the hydrolysis of azetirelin in the GI tract. The low intestinal permeability of azetirelin was revealed by a modified everted gut experiment in various segments of the rat intestine. The poor membrane transport characteristics of azetirelin may be due to its high hydrophilicity. From these results, it was suggested that the insufficient oral bioavailability of azetirelin may be mainly attributed to its low intestinal permeability due to a lack of lipophilicity, and also to the degradation of the peptide by intestinal microflora.
著者
山本 昌弘
出版者
島根大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

2型糖尿病は骨折の危険因子であり、骨密度では予測できない骨質低下による骨脆弱性が存在する。本研究により、骨質要素である骨代謝回転において、骨質がPTH分泌低下に基づく骨低骨形成、ならびに骨形成抑制因子スクレロスチン増加と関わりがあり、一方腹部動脈石灰化が骨質低下を介して椎体骨折リス上昇に関与すること明らかとなった。この結果により、骨質を劣化させる機序が骨脆弱性と血管石灰化に関与することが示唆された。
著者
山本 昌宏 代田 健二 斉藤 宣一
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

逆問題に対して、再生核ヒルベルト空間ならびに多重スケール核に基づいて、多次元の任意形状をもつ領域における数値解析手法の研究と開発を目指したが、この方法は正則化手法と密接に結び付いており、また離散化のためには有限要素法などを駆使しなくてはいけないことが、より鮮明になり、その方面の研究を進めた。実績は以下のとおりである。(1)相転移問題や熱伝動現象で初期値を決定する逆問題などの応用逆問題で上記の着想に基づいた数値解析手法を開発し、成果として公表した。(2)再生核ヒルベルト空間の手法をチホノフの正則化に適用した場合の近似解の安定性・収束の理論や正則化パラメータの最適な選択原理の講究を実施し、成果を出版した。逆問題個有の不安定性があり、データの微小変動に対して逆問題の解の偏差が極めて大きくなる可能性があるが、そのために正則化の数値計算のためには必要な離散化には特別の注意が必要である。すなわち、逆問題の数値解の精度をあげるために離散化を細かくしていくと、逆問題自体の不安定性からしばしば精度が悪くなる。そこで、逆問題の数値解法においては、要求されている解の精度の範囲において離散化の精度を適宜コントロールすることが必要不可欠である。これへの1つの解答を与えた。該当年度においては正則化法に有限要素法を用いて安定な数値解法を提案し、論文を完成させ公表した。(3)また、継続中の課題としては、再生核ヒルベルト空間の1つの数値手法である多重スケール核の方法の逆問題への応用についての研究があるが、これまで得た成果を本萌芽研究での知見を活用して将来的に大きく発展させる素地ができたと判断している。
著者
下浦 享 小橋 浅哉 小池 真 中村 尚 川邉 正樹 永田 俊 三谷 啓志 井尻 憲一 山本 昌宏
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.6-11, 2011-05

「原子核とその安定性」/「放射線と半減期」/「原子核分裂」/「セシウム137およびヨウ素131の環境化学」/「放射線に関する単位」/「大気中の物質拡散」/「海洋中の物質拡散」/「生態系における濃縮(生物濃縮)」/「放射線の生物影響」/「体外被曝と体内被曝」/「土壌中の汚染物質の拡散の数理と予測」
著者
相羽 元彦 山本 昌昭 久保 長生
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.290-290, 1995-03-25

第13回学内病理談話会 平成6年11月12日(土) 中央校舎1階会議室
著者
俣野 博 舟木 直久 山本 昌宏 ヴァイス ゲオグ 栄 伸一郎 谷口 雅治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

俣野は,ベキ型および指数関数型の非線形性をもつ非線形熱方程式の解の爆発後の振る舞いを調べ,爆発の際に生じた特異点が一瞬にして消滅し,解が滑らかになることを証明した(文献1).また,ベキ型の場合の解の爆発のオーダーを調べ,これまで未解明であった中間的な超臨界指数の範囲では,球対称解の爆発のオーダーが必ずタイプ1になることを示した(文献2).山本は,2次元の楕円型方程式における2つの未知の移流項を決定する逆問題を考え,広義解析関数の理論などを用いて,Dirichlet-Neumann写像から2つの移流項の係数が決定できることを示した(文献3).ヴァイスは,二相障害物問題及び燃焼理論に応用が可能な放物型方程式の特異極限問題を研究し,単調性公式と平均振動数の性質を用いることにより,自由境界のハウスドルフ次元の評価の導出に成功した(文献4).栄は,帯状領域上の反応拡散方程式系の解でパルス状プロファイルを持つものの挙動を解析し,速度の十分遅い進行パルス状局在解が存在するとき,それらの相互作用を記述する方程式を導出した.その結果,進行パルス解が互いに反発しあうことを理論的に証明した(文献5).谷口は,反応拡散系における特異摂動問題の定常解の安定性を調べるのに有効な手法である「特異極限固有値問題法」(SLEP法)を,非有界領域上の問題にも適用できるように拡張し,その成果を双安定型反応拡散系の平面状進行波の安定性解析に応用した(文献6).
著者
山本 昌幸 栩野 元秀 山賀 賢一 藤原 宗弘
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.362-367, 2002-05-15
被引用文献数
5 5

1997年4月から1998年9月に瀬戸内海中央部において,たも網により1661塊の流れ藻をすくい,それに随伴していた幼稚魚22科34種10816尾を採集した。流れ藻1塊あたりの幼稚魚の採集尾数と採集された魚類の種数は春に増加し,6月に最高値を示し,秋冬に減少した。春の優占種はクロソイ,メバル,クジメ,夏はアミメハギ,ヨウジウオ,ウマヅラハギ,カワハギ,秋はニジギンポ,アミメハギ,ヨウジウオ,冬はクジメであった。これまでの報告と比較した結果,本海域の幼稚魚相は太平洋より日本海に類似していた。
著者
山本 昌生 山村 周史 久門 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.26, pp.1-6, 2003-03-07

本論文では、Itanium 2やXeonの性能評価や比較および最適化ポイントについて、HPC(High Performance Computing)向けベンチマークの実測結果に基づいて述べる。ベンチマークにはHPC分野の性能評価で広く利用されている姫野ベンチマークを使用した。また、各CPUの性能モニタリング機能を利用して、CPUやメモリのアーキテクチャレベルでの性能分析も行った。実験の結果、両CPUともHPC向けにはプリフェッチによる最適化が非常に効果的であることがわかった。とくに、Itanium 2ではコンパイラが行うソフトウェアプリフェッチのメモリ最適化効果によって、その性能が0.5GFLOPS?1.4GFLOPSと大きく変化し、コンパイラの最適化により性能が大きく左右されることがわかった。In this paper, we describe the performance evaluation, the comparison and the optimization of Itanium 2 and Xeon, based on the result of the benchmark for HPC(High Performance Computing). For the evaluation, we used the Himeno-BENCHMARK, widely used in the HPC field for the performance evaluation. Moreover, we analyzed the performance from the viewpoint of microarchitecture by using the performance monitoring counters built into the processor. The experimental results showed that memory prefetch operations are very effective for HPC on the both CPUs. Especially on Itanium 2, the performance has changed widely from 0.5GFLOPS to 1.4GFLOPS by the effect of a memory optimization with prefetch instructions which are generated by the compiler. So, we found that the performance of Itanium 2 is more strongly controlled by the compiler's optimizations than the performance of Xeon.