著者
山本 泰智 佐野 元昭 関根 松夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.264, pp.17-22, 1994-09-30
被引用文献数
4

レーダは、現在、航空機や航舶の安全航行上必要不可欠な装置となっている。そして、レーダの信号処理では、いかにしてクラッタを抑圧しターゲットの検出を容易にするかが問題となる。本研究では、フラクタル次元を用いて適当な閾値を得ることにより、クラッタとターゲットの分離を試みた。我々は、X-バンドレーダを用いて、強雨とシークラッタに埋もれた2隻の船を観測した。実際に観測したデータからいくつかのサンプルを取り出して様々な閾値におけるフラクタル次元の変化を観ることに依って、最適な閾値を得ることができ、雨雲とシークラッタが抑圧されターゲットである船舶を検出できた。
著者
中村 広隆 原口 鈴恵 陳 偉中 田中 昌孝 小久保 秀之 張 トウ 古角 智子 河野 貴美子 相馬 隆朗 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.159-163, 2001-03-01

著者らは生物フォトンと温度変化の測定から意識集中時に指先の温度低下の場合を以前報告している。本研究では、この意識集中による皮膚表面温度変化に着目し、意識と生体機能の特性を解明するため、ヒトの手から発する放射赤外線による皮膚表面温度の測定を行った。その結果、今回の実験の例でも、手の意識集中時において皮膚表面温度の低下、リラックス時には上昇が観察された。
著者
山本 晃輔
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.202-210, 2013

本研究では,アイデンティティ確立の個人差要因が自伝的記憶の想起に及ぼす影響を意図的および無意図的想起の両事態から検討した。研究1では,313名を対象にアイデンティティ尺度(下山,1992)を実施するとともに,日誌法によって無意図的に想起される自伝的記憶の特性を評価させた。その結果アイデンティティ確立高群では,低群よりも重要でかつ感情喚起度が高く.鮮明な自伝的記憶が頻繁に想起されることがわかった。研究2では,114名を対象に研究1と同様のアイデンティティ尺度を用いて,意図的想起事態における実験を行った。その結果,研究1と同様の結果が示された。また,補足的な分析として,研究1と研究2を比較すると,意図的に想起された自伝的記憶は無意図に想起された自伝的記憶よりも鮮明でかつ重要であることが示された。これら一連の結果は,アイデンティティ確立度の個人差が自伝的記憶の想起に影響を及ぼす可能性を示唆している。全体的考察では,Conway & Pleydell-Pearce(2000)による自己-記憶システム(Self-memory system)による解釈が行われ,今後の課題について議論された。
著者
宇谷 明秀 西元 雅明 山本 尚生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.791-802, 2012-06-15 (Released:2012-06-26)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本論文では高次元連続型多峰性関数の最適化問題に対する解探索性能に優れた Artificial Bee Colony アルゴリズムに着目し,高次元(数百次元)の最適化問題に対して,一つの大域的最適解ではなく,複数の許容解を求めることができるように拡張発展させた実用手法を提案する.数値実験では多峰性を有する代表的な3つのベンチマ-ク関数(Rastrigin関数/ Schwefel関数/ Griewank関数)を用いてその解探索性能を評価した.数値実験の結果は既往の複数解探索手法に対する提案手法の優位性を示している.
著者
佐藤 亮太 廣田 啓一 山本 太郎 谷本 茂明 塩野入 理 金井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.140, pp.87-94, 2007-07-12

インターネット社会における匿名性に関する問題の一解決策として,我々は分散アイデンティティエスクロー(DECIDE : DECentralized IDentity Escrow)を提案している.DECIDEは,ユーザの匿名性を担保する管理者が複数存在する仕組みで,一定数以上の管理者が合意するとユーザの匿名性がユーザ間や管理者に対して剥奪される特徴をもつ.本稿では,この仕組みの適用先として,匿名性に由来する誹謗中傷などの問題が多発している電子掲示板に着目し,掲示板上でのユーザの振る舞いについてモデル化を行い,シミュレーション実験やその検証,補足をする被験者実験の結果を示すことで,インターネット社会における匿名のあり方についての基礎的な検討を行う.
著者
北山 加一郎 山本 太郎
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.39, no.446, pp.430-436, 1927-03-31
著者
千田 浩司 五十嵐 大 柴田 賢介 山本 太郎 高橋 克巳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1993-2008, 2011-06-15

入力データや演算ロジックを秘匿しつつ各種情報処理を可能とする技術の実現可能性が1982年にYaoによって提起されたが,実用上は非現実的な処理時間を要するためもっぱら理論研究のみにとどまっていた.しかしながら近年では,アルゴリズム改良や計算・通信環境の急速な発達に加え,医療分野やサービス分野等での個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護等の社会的ニーズの高まりを背景に,当該技術に対する実装報告や実用化の動きも見られるようになった.本論文では,当該技術のうち特に情報処理の種別を限定せず汎用的に適用可能な秘匿回路計算(Secure Circuit Evaluation)技術に着目し,従来のアプローチを概観した後,より効率的に処理可能,かつ運用上の利点が見込める委託型2パーティ秘匿回路計算を提案する.また実装により提案方式のパフォーマンスを明らかにするとともに,実用上の価値や課題を探るため実証実験を行った結果について報告する.さらに,個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護の実現に向け,技術的視点から考察する.A cryptographic technology concept that achieves various information processing keeping input data and/or an operation logic secret was proposed by Yao in 1982; however, it has entirely been stayed only in the theory research due to a heavy processing time. Recently, however, social needs for utilizing personal information safely in the fields of medicine and services etc. and for the cloud computing security are increasing with rapid development of ICT (information and communication technology) environments. In this paper, we focus on secure circuit evaluation as a solution for the Yao's concept and propose a delegation-based 2-party secure circuit evaluation. Moreover, we report on an empirical result of the proposed scheme to clarify the performance and to consider the potentiality on practical use, in particular, for safe uses of personal information and cloud computing security.
著者
久松 正和 森賀 邦広 山本 太郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.207-208, 1997-09-24

近年のPCの急激なパフォーマンスの向上により、ユーザがクライアントとして用いてきたマシンをサーバーとしても利用できるようになっている。我々は、このようなホモジニアスな環境を想定して、エンドユーザーがホームページのように手軽に立ちあげられる仮想空間を作成し、他ユーザーの仮想空間と相互に行き来できる共同仮想空間の実現を、目指している。エンドユーザが独自に作成する仮想空間は、膨大なコンテンツを擁するわけではないため、他の仮想空間と連結可能になることは大きな意味を持つ。現状実現されている仮想空間でも、URLでVRMLファイルを指定し、次々に空間を提示できる。しかし、アバタやオブジェクトを持って他空間との間を行き来する事はできない。また、大規模サーバーによるマッピングによって、仮想空間の連結をサポートするものもあるが、独自に作成されたものを任意に連結するには至らない。そのため、ユーザーが空間をまたがって協調作業する環境には不十分であると考えられる。
著者
山本 太郎
出版者
太平洋学会
雑誌
太平洋学会学会誌 (ISSN:03874745)
巻号頁・発行日
no.41, 1989-01