著者
二宮 啓子 内 正子 山本 陽子 市之瀬 知里 勝田 仁美 岡永 真由美
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、特別支援学校における医療的ケアへの支援体制と看護系大学・看護協会等との協働の実態とそのニーズを明らかにすることを目的とし、教育委員会、特別支援学校の看護師・教諭・養護教諭、看護系大学、看護協会を対象に、7つの質問紙調査等を実施した。その結果、教諭が医療的ケアを実施している特別支援学校では、看護系大学や看護協会等と連携しながら、教諭の医療的ケアの研修体制や看護師への支援体制の整備が進められていたこと、特別支援学校関係者が看護系大学、看護協会に期待していた「教諭や看護師の研修」、「看護師の雇用支援」や「研修や勉強会の開催」に各々の機関が答えられる可能性があることが明らかになった。
著者
山本 秀樹
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

町触として出される江戸幕府の出版法は、その上位規定として高札の「いかがわしい書物を取り扱ってはならない」との書物取扱法を持ち、写本にも準用されるものであることを明らかにした。また、豊富な現存史料の公刊がなされているにもかかわらず、それにもとづく史的記述がなされていなかった大阪本屋仲間の歴史記述を開始した。
著者
張 継権 早川 誠而 山本 晴彦 岡田 憲夫 多々納 裕一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.239-249, 2002-06-05
参考文献数
7
被引用文献数
2

1991年台風17号・19号と1999年台風18号の三つの台風は,9月中・下旬に九州北部西岸及び九州中部の熊本県に上陸し,九州及び中国地方を通り抜けるという,ほぼ同一時期に,同一経路をたどり,九州,中国・四国地方を中心に大きな農業災害を引き起こした.とくに,水稲,野菜,果樹,飼料作物等の農作物は,倒伏,落果,折損等による災害が発生し,農地や農業施設などの被害を含めて九州,中国・四国地方では,台風9117号・9119号による農業被害の総額は2811億円に達し,台風9918号による農業被害の総額は1135億円に及んだ.台風9117号・9119号では農作物,樹体,家畜,施設等が大きな被害を受けたが,台風9918号では樹体,家畜がほとんど被害を受けなかった.作物別被害状況をみると,最も大きい作物では,台風9117号・9119号の場合は果樹であり,作物被害総額の34%を占めているが,台風9918号では水稲であり,作物被害総額の43%を占め,被害状況に大きな違いが見られる.これは三つの台風の上陸後の勢力,台風による災害現象および被害機構などが異なったためである.
著者
山本 昌弘
出版者
島根大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

2型糖尿病は骨折の危険因子であり、骨密度では予測できない骨質低下による骨脆弱性が存在する。本研究により、骨質要素である骨代謝回転において、骨質がPTH分泌低下に基づく骨低骨形成、ならびに骨形成抑制因子スクレロスチン増加と関わりがあり、一方腹部動脈石灰化が骨質低下を介して椎体骨折リス上昇に関与すること明らかとなった。この結果により、骨質を劣化させる機序が骨脆弱性と血管石灰化に関与することが示唆された。
著者
鈴木 啓央 山本 裕二
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2013-1208, (Released:2013-06-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1

The purpose of this study was to quantify human dexterity by examining the movement involved in switching between forehand and backhand strokes when a ball moved from side to the other during table tennis. The hitting movements of expert and novice table tennis players were observed when balls were repeatedly moving in the same direction (periodic input condition) and when they were moving in two different directions successively (switching input condition). From the viewpoint of the switching dynamical system (Gohara and Okuyama, 1999a), the repeated movement under the periodic input condition was treated as an attractor, and the switching movement between strokes under the switching input condition was treated as transition of attractors. The dexterity with which movement were completed was quantified in terms of the fractal dimension. The fractal dimension was calculated according to Poincaré maps depicting the trajectories of the midpoint and angular velocities at the shoulder. Data from experts and novices almost reflected transitions of the third-order sequence effect, and the fractal dimensions included non-integers, which indicate that these fractal transitions had fractal properties. However, the fractal dimension of experts was lower than that of novices. The two output patterns corresponding to the two input patterns overlapped more for novices than for experts. The results suggest that the dexterity shown in switching movements can be quantified in terms of the fractal dimension based on the switching dynamical system.
著者
芝口 浩智 山本 知佳 黒木 政秀 二神 幸次郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.7, pp.977-982, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 4

Cytomegalovirus (CMV) remains the most important pathogen following solid organ transplantation and is the major cause of recipient morbidity and mortality during the first 6 months posttransplantation. To prevent CMV infection and/or to prevent symptomatic CMV disease, immunoglobulin (Ig) G including hyperimmune CMV IgG are used alone or in combination with antiviral medications. The CMV IgG titer, however, has a wide range and frequently depends on the company supplying the Ig preparation even if the preparations come from the plasma pool of a national blood donation agency. In the present study, we therefore simultaneously measured and evaluated the CMV IgG titers in various Ig preparations using two common methods: the neutralizing antibody (NT) and enzyme immunoassay (EIA). The CMV IgG titer in the present study indicated different values using both methods among Ig preparations that were made from the plasma pool of a national blood donation agency (about 3.5- or about 1.7-fold difference using the NT or EIA methods, respectively). Furthermore, there were no correlations in the CMV IgG titer between our findings and published data from the manufacturers, or between the two methods tested here. These findings suggest the importance and necessity of a standard method and/or sample for the measurement and assessment of CMV IgG in Ig preparations.
著者
山本 秀幸 仲嶺 三代美
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ErbB4はシナプス機能に重要な役割を演じている。以前に、我々は、視床下部の神経細胞(GT1-7細胞)を用いて、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)がErbB4をトランスに活性化することを見いだした。さらに、高濃度のGnRH処理ではErbB4が切断されることを見いだした。今回の検討で、ErbB4の活性化には、Gq/11タンパク質、PKC、PKD、FynおよびPYK2が関与することが明らかになった。これに対し、ErbB4の切断には、PKD、FynおよびPYK2は関与しないことが明らかになった。これらの結果は、二つの反応ではPKCの活性化後の分子機構が異なることを示唆している。
著者
山崎 克之 山本 麻希 山本 寛
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

新潟県粟島におけるオオミズナギドリの営巣地をフィールドとし、環境観測情報ネットワークの研究開発を進めた。データ解析の結果、平成23年度と24年度ではメスの帰巣パターンが異なることから、日本海の海面温度の上昇がトリの生態にあたえる影響を実証できた。また、ZigBeeネットワークのノード間で2msの精度でクロック同期を実現する方式を研究開発し、これを利用して有害鳥の検知撃退システムを開発した。発表論文は電子情報通信学会通信ソサイエティ論文賞を受賞した。本研究は生態学の専門家とのコラボレーションによって実現したものであり、この受賞によって生態学への情報ネットワークの研究が広まることを期待している。
著者
杉本 琢哉 近藤 哲矢 仁田 豊生 山本 淳史 尾関 豊 関戸 康友
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.183-188, 2006-02-01
参考文献数
24
被引用文献数
6

症例は76歳の男性で, 2001年10月に検診で胃の異常陰影を指摘され, 精査加療目的で当科を紹介された.血液検査では腫瘍マーカーは正常であったが可溶性IL-2レセプターは926U/mlと高値であった.上部消化管造影, 内視鏡検査では前庭部に2型の腫瘍を認めた.生検では悪性リンパ腫が疑われた.以上から, 胃悪性リンパ腫を疑い2001年12月胃全摘, 脾摘術を施行した.病理組織学的, 免疫組織学的検査で胃小細胞癌と診断した.術後CPT-11による化学療法を施行した.2003年8月の腹部CTで肝S7に22mm大の腫瘍を認め肝転移が疑われた.その他全身に異常を認めなかったため2003年11月, 肝S7S8部分切除術を施行した.病理組織学的に肝腫瘍は胃切除組織と同様であり胃小細胞癌の肝転移と診断した.肺転移の疑いがありVP-16による化学療法を施行中であるが胃切除から3年, 肝切除から1年1か月の現在生存中である.
著者
進藤 榮一 柳澤 和也 山本 博史
出版者
神奈川大学経済貿易研究所
雑誌
経済貿易研究 (ISSN:03865193)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-56[含 抄録], 2011

シンポジウム 2010年10月2日(土)13:30~17:00 神奈川大学横浜キャンパス・セレストホール
著者
篠田 知和基 松村 一男 山本 節 吉田 敦彦 渡辺 浩司
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

平成10年よりフランス側の研究者としてグルノーブルのワルテル、シガノス、ソルボンヌのルクトゥ、アンジェのブルミエ、ブザンソンのエル、パリのポノを加えてた海外共同研究として発足し、平成11年より、制度の変更により、基盤Bとなった。共同研究としては都合4回の国際シンポジウムでの討議と、フランスでの共同調査でその実をあげた。一回目は「荒猟師の東西」と題し、ヨーロッパ中世の「荒猟師伝承」を古代にさかのぼってその起源と変遷を追求し、それと日本の怨霊伝承との接点をさぐった。このうち重要な部分がグルノーブルの研究雑誌IRISに掲載された。二回目はソルボンヌの北欧神話学の泰斗レジス・ボワイエとスイスの神話学者で「神々の母」を発表して注目をあつめているフィリップ・ボルジョ、それにインド・ヨーロッパ神話学のベルナール・セルジャンをまねいて「冥界の母神」として大母神の姿を比較検討した。三回目は「東西の老賢者」とし、ヨーロッパのアーサー王伝承におけるマーリンにみられる魔術師、あるいは世界の陰の演出者としての老人像にスポットをあてた。日本では役の行者、阿倍清明、久米仙人などのほか、サルタヒコに照明があてられた。4回目は母神にだかれた「おさな神」をとりあげ、オリエントの水辺の豊饒の女神と、犠牲神との対について考えた。わがくにではスクナヒコナ、ニニギ、あるいはオオクニヌシに幼児神の相貌が明らかだが、中世の寺院世界では稚児伝承があり、観音の奇瑞にもつらなるとともに、また、罪障と聖性の交錯する神話世界の特性もあきらかにされた。このほかに1日のみのシンポジウムを名古屋で2回、東京で一回行った。またフランスでの研究発表を5回行った
著者
脇島 修 猿田 茂 藤岡 達也 江坂 高志 山本 勝博 永尾 好輝 角谷 知彦 脇島 修 柚木 朋也
出版者
大阪府教育センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

PHS回線を利用した情報通信ネットワークを構築し、大阪府教育センターと研究協力員の小学校において、物理領域(1校)、化学領域(3校)、生物領域(2校)の遠隔実験授業を実践した。通信用のソフトウェアとしてはMicrosoft社のNetMeetingを使用している、画像等はデジタルビデオカメラで、音声はマイクでパソコンに取り込まれ、PHSで学校に配信される。通信速度が最大64kbsであるため、フレーム数は1秒間に1ないし2コマである。電波状態が良好な場合でも、速い現象には追随できない。動画は予め、ファイルで転送しておく。配信された画像やファイルはクラス全員が見やすいようにプロジェクターで拡大した。授業内容については、物理領域においては、「電流のはたらき」による発熱に焦点をあてた。発熱と発光に関連して、液体窒素中で炭素芯に電流を流し、発光させ、電球への仕組みへと発展させた。化学分野については「ものの溶け方」の項目の中で溶液からの巨大結晶づくりに関連するものであった。生物分野ではモンシロチョウの卵から成虫になる過程や昆虫の体のつくりを学習させた。特に、昆虫の食べ物や食べ方に焦点をあて、電子顕微鏡を用いた昆虫の口のつくりの観察を含めて小学校3年で2校実践した。授業実施後の児童へのアンケート調査によれば、今後も今回のような遠隔授業を受けたいと答えたものが96.7%あった。また、授業の内容がよくわかった及びだいたいわかったと答えたものの割合も81.5%あり、今回の授業の内容が発展的であることを考えあわせると、この遠隔授業により、児童の興味関心が引き出され、理解を進めたといえる。
著者
矢神 真奈美 加藤 大也 林 安津美 脇阪 涼子 小林 憲司 鷲野 香織 山本 絢子 立石 早祐美 澤井 喜邦 稲垣 一道 金山 均 片田 直幸 伊藤 光泰
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.430-435, 2011 (Released:2011-07-15)
参考文献数
18

2型糖尿病患者(60名)に対して食品交換表にて指導を24週間介入後,さらにカーボカウント基礎編を上乗せする指導(カーボカウント上乗せ群;30名:男性/女性=14/16)と,食品交換表による指導(食品交換表継続群;30名:男性/女性=16/14)に無作為に振り分け24週間介入し,各群介入前後で糖代謝,脂質代謝,BMI及びメンタル面の比較検討を行った.介入後両群共にHbA1c及びLDL-Cは有意な改善が認められた,さらにカーボカウント上乗せ群では,HDL-C,BMIの有意な改善が認められた.両群間の変化率の比較では,カーボカウント上乗せ群は食品交換表継続群に比べてHbA1c(-13.0±12.8vs-3.8±15.5%;p=0.014)及びHDL-C(12.7±19.5vs 3.0±15.1%;p=0.038)の有意な改善が認められた.メンタル面の評価では,カーボカウント上乗せ群では有意に食事の満足度が高く,食事療法継続の苦痛感が少ないことが認められた.故にカーボカウント上乗せ群では食品交換表継続群に比べてより糖代謝を改善し,さらに患者QOLを高める可能性が示唆された.