著者
山本 光重 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.625, pp.55-60, 2002-01-23
参考文献数
6
被引用文献数
1

花火ショーの演出作業において, 花火師は花火の打ち上げ位置, タイミングや音楽との同期などの多くの要素を決定する必要がある.しかし従来, 花火師は危険性や金銭的なコストの問題から演出結果を視覚的に確認することができず, 演出作業を円滑に行うことが困難であった.そこで, 本研究では, 効率のよい演出作業を実現するための花火演出支援システムを提案する.ユーザは計算機を用いて打ち上げ位置, 花火の種類, 打ち上げタイミング, 音楽といった情報を入力し, 演出作業を行う.演出結果は入力されたデータに沿って, 花火の実写映像を利用して計算機上でシミュレートされ, モニタやHMD上に可視化される.これによって, 花火師は効率よく作業を進めることが可能となる.
著者
藤原 進 福村 好美 武藤 信夫 山本 康二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.149-150, 1992-09-28

電話、FAX、パソコン通信等電子通信の普及・発展に伴い、通信に関する各種情報を体系的に管理、運用できるシステムの必要性が高まっている。ディレクトリシステムは、通信に関わる情報を共通の構成法、アクセス法で提供することを目的としたシステムであり、そのサービスとプロトコルの国際標準が、X.500シリーズとして1988年にCCITTにより勧告され、国内外で研究開発が進められている。NTTの提供する104番号案内サービスも今後の通信の国際化、通信網の多様化・複雑化に伴い、X.500ディレクトリシステムの適用が期待されており、当研究所ではディレクトリシステムの実装技術や運用技術の研究を進めている。本稿では、ディレクトリ実現に必要な情報を、名前の階層構造に関する情報と属性情報に分類し、それらの管理方式について検討した。
著者
山本 倫也
出版者
岡山県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

対面コミュニケーションでは,単に言葉によるバーバル情報だけでなく,音声に対するうなずきや身振り・手振りなど言葉によらないノンバーバル情報が相互に同調して,対話者同士が互いに引き込み合うことでコミュニケーションしている。本研究では,この身体リズムの引き込み原理を小型パートナーロボットに導入することで,ロボットとかかわりあいながら学ぶ学習システムの開発した。まず,昨年度提案した音声駆動型うなずきロボットを介した協調学習のコンセプトに基づき,引き続き,PC制御による駆動機構の設計・製作と,駆動ソフトウェアの開発・評価を行った。ここでは,カメラとプロジェクタを搭載したプロトタイプロボットを開発し,評価実験を行った結果,ロボットを介した映像中継におけるうなずき反応提示の効果を示し,この成果を国際会議で発表した。また,ロボットを介した情報提示を円滑にするために,情報提示インタラクションにおける動作と発声のタイミング制御の有効性を明らかにした。ここでは,動作と発声を同時に生成するのではなく,適度に発声を遅延させることで「好き」「丁寧」など好ましいインタラクション効果をもたらすことを明らかにして,原著論文にまとめた。さらに,ロボットを介して教師から生徒に教えるために,顔パーツをモニタ前面に表示し,頭部に入り込んだような「面の皮」表示による教示インタフェースの開発・評価を進め,有効性を明らかにした。とくに,CGキャラクタによるプロトタイプではあるが,招待展示やイベント等でデモンストレーションを行い,体験できる形でシステムの有効性を示すことができた。
著者
弘末 太郎 山本 和男 友田 大輔
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.287-290, 2007-09-20

EPM(Enterprise Project Management)展開の一つの方法として,自発的活動の場としてのPMコミュニティ活動があげられる.日本アイ・ビー・エムの開発製造部門においても,ボランティア(自発的参加)べースでこの活動を展開している.しかし,周囲からのPMコミュニティに寄せられる期待が大きい反面,成果をあげるための作業展開にあたって,人的資源の安定的確保が課題となっている.作業要員や時間の確保ばかりでなく,参加メンバーのモチべーションの維持もコミュニティ活動を進める上で重要な成功要因であると認識できる.これらをプロジェクト人的資源マネジメントの観点から捉え,ボランティア活動べースプロジェクトの課題点の整理及び対策を提言する.
著者
山本 岳洋 中村 聡史
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.61-72, 2013-06-28

本稿では,印象に基づく楽曲検索実現のために,動画共有サイト上に投稿された楽曲動画を,可愛らしい,切ない,元気がでるといった印象に分類する手法を提案する.楽曲動画の印象分類のため,ユーザの投稿した時刻同期コメントに着目し,単語の品詞,文字の繰返し構造,楽曲のサビ区間の3つを利用する.実験では1,314本の楽曲動画を7印象クラスに分類し,提案手法がF値のマクロ平均で0.659を達成しベースライン手法よりも高い精度を得た.また,楽曲の歌詞や音響特徴量を用いた分類手法とも比較し,提案手法の有効性を示した.
著者
佐藤 利夫 野中 資博 山本 廣基 高田 竜一 福田 康伴
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.469-480, 2003 (Released:2013-02-19)
参考文献数
41

2030年頃に予測されている世界食料危機に対応するためには, 日本は海産資源に頼らざるを得ない. 特に生産力が高い沿岸浅海域の増殖環境の整備が不可欠である. しかし, 日本の沿岸浅海域では環境破壊や水質汚濁等により水産資源の増殖に重要な藻場の消失が進行している. よって沿岸浅海域の環境保全と藻場の回復を行う技術開発が極めて重要である.沿岸環境を劣化させている一因として, 火力発電所から排出されるフライアッシュ (FA), クリンカーアッシュ (CL) の沿岸域への投棄, および, コンクリートの基本材料となる骨材 (砂利および砂) の沿岸域からの過量な採取がある.本研究の目的はFAおよびCLをコンクリートに混合して再利用し, さらに地場産業からの廃棄物である低品質ゼオライトおよび鉄分含量が多い鋳物廃砂 (鉄分) も混合して, 生物易付着性を付与した廃棄物利用コンクリートを開発し, これを人工藻礁として活用することである. これが成功すれば, 浅海生産環境の保全・修復および廃棄物の再資源化を同時に解決することが可能となる.まず, 配合材料が異なるPlain (通常のモルタル), FA & CL FA & CL+ゼオライト, FA & CL+鋳物廃砂, FA & CL+ゼオライト+鋳物廃砂モルタル供試体の5種類を作製し, 人工藻礁としての利用性を検討するため, 耐久性・強度を評価した・次にFA & CLモルタル供試体について有害物質の溶出試験を行い, 海洋環境や生物に対する安全性を評価した. 次いで各モルタル供試体を海水に浸漬し, 表面に形成された生物膜のバイオマスをATP量, クロロフィルa量およびFDA分解活性を測定することにより評価した.強度試験の結果, FA・CLおよび鋳物廃砂やゼオライトを混合した廃棄物利用コンクリートは, 人工藻礁として十分な強度を有することが明らかとなった. また溶出試験を行った結果, FAとCLを混合したモルタル供試体から重金属類および有機リンの溶出はほとんど認められず, 廃棄物利用コンクリートを藻礁として利用する上で安全性を確認する第一歩を踏み出すことができた.生物易付着性試験を行った結果, ゼオライトと鋳物廃砂 (鉄分) を配合した3系 (FA & CL+ゼオライト, EA & CL+鋳物廃砂, FA & CL+ゼオライト+鋳物廃砂) のATP量は, Plainと同等か多かった. クロロフィルa量は, FA & CL+鋳物廃砂>FA & CL+ゼオライト>FA & CL+ゼオライト+鋳物廃砂=FAamp;CL>Plainの順に多かった. FDA分解活性はPlainと各系に有意な差は見られなかった. 以上の結果から, FA・CLおよび鋳物廃砂 (鉄分) やゼオライトを混合した廃棄物利用コンクリートは, 生物の付着性も良好であり, 特に藻類の著しい増加が見られ, 人工藻礁として利用できる可能性が高いことが示された.
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-149, no.20, pp.1-8, 2009-11

近年のブログの普及により,ブログのコンテンツを利用するサービスや研究が盛んになってきている.ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読者によるコンテンツに大分する事ができる.ブログのコンテンツを利用する場合は,それらが別々に抽出できている事が望ましい.本論文では,ブログ記事集合を用いる事により,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.本手法は,ポストはブログ記事集合全てのブログ記事に出現するが,コメントはいずれかのブログ記事にしか出現しないというアイデアが基になっている.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を示す.
著者
山本 晴彦 早川 誠而 岩谷 潔
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.226-232, 1998-06-05
参考文献数
14
被引用文献数
8 1

1997年台風9号に伴い山口県北部および島根県西部では7月26日から28日にかけて豪雨に見舞われた.むつみ村では, 7月26日〜28日に582〜782mmの降水を記録し, 7月27日の日降水量は429〜547mmを観測した.本豪雨は, むつみ村の周辺に位置する気象庁の4カ所の観測地点を大きく上回る局地的豪雨であった.この影響により, むつみ村にある4カ所の農業用溜池が決壊して土砂災害が発生した.とくに, 麻生溜池では下流域に氾濫水や土砂が大量に流出して水田内に堆積したため, 水稲が埋没する被害が発生した.現地調査の結果, 土砂堆積深と地上部乾物重および玄米重との関係は2次曲線で近似でき, 地上部乾物重は土砂堆積深が50cm, 玄米重は35cmで重量がほぼ皆無になることが明らかになった.
著者
栗原 由紀夫 大熊 貴子 平田 優子 杉山 清子 高橋 弥生 野中 美保子 宮本 光也 山本 規貴 杉山 総子 米山 武義
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.49-54, 2013-07-20 (Released:2013-07-27)
参考文献数
9

地域の要介護高齢者を支えるために,多職種間の連携・協働は不可欠である。しかしながら,必ずしも歯科医療従事者とその他の職種との連携は十分といえない。そこで「地域における顔の見える連携の構築」を目指して,「口腔ケアネットワーク(三島)」を立ち上げた。現在まで 2 回のシンポジウムを含む研修会を定期的に開催している。平成 24 年 10 月 20 日に開催した地域連携シンポジウムを通じて,患者や家族の思いをとらえ,情報と目的意識を共有して見守っていくことが関わる専門職の責務であり,地域の力になることを提言した。
著者
谷 直樹 野口 明則 竹下 宏樹 山本 有祐 伊藤 忠雄 中西 正芳 菅沼 泰 山口 正秀 岡野 晋治 山根 哲郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.1536-1541, 2007-08-01
被引用文献数
11

今回,我々は直腸癌術後の膵および肝転移に対する1切除例を経験したので報告する.症例は78歳の男性で,1993年に直腸癌に対して直腸切断術,肝S7の同時性転移に対する肝部分切除を施行した.術後は無再発に経過していたが,11年目の2004年10月腫瘍マーカーの高値を指摘され,腹部遺影CTを施行したところ膵体部および肝S4に腫瘍を認めた.ERCPで膵管の途絶を認め膵体部癌および肝転移を疑い膵体尾部脾合併切除および肝部分切除を施行したが,病理組織学的検査の結果はともに11年前の直腸癌からの転移であった.大腸癌の膵転移はまれな病態であるが,初回手術から長期間を経てから生じること,経過中に肺,脳,肝臓など多臓器に血行性転移を生じる例が多いこと,予後不良であるなどの特徴を有するので治療上の注意が必要である.本邦報告例の検討から,初回手術後長期経過して発見された膵転移は切除後の予後が比較的期待できる可能性があると考えられた.
著者
南 賢一 古川 正志 山本 雅人
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.10, pp.1-6, 2013-03-03

物流センター内の作業の中で,注文された商品を保管場所から取り出してくるピッキング作業に最もコストを要している.ピッキング作業を効率化する方法の一つに商品の配置の改善が挙げられる.本研究では,注文される商品同士の依存関係を共起ネットワークで表し,生成された共起ネットワークを自己組織化マップにより棚の位置に写像することによる商品配置の方法を提案する.Order picking has a great affect with efficiently controlling a large-scale logistic center. It is important for order picking not only to give workers a good tour plan but also to assign products to the storage shelves in the center. This study proposes a new method how to assign products to the storage using an ordered product relation network and Self-Organizing Map.
著者
山藤 千草 杉山 美紀子 三浦 健太郎 北見 由季 末木 博彦 飯島 正文 山本 雄一 上里 博
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.355-359, 2006 (Released:2011-02-18)
参考文献数
18

71歳,男性。40年来熱帯魚屋を経営している。約4ヵ月前より右手背の紅斑に気づき,ステロイド外用剤で加療するも軽快せず当科を受診した。初診時,右手背に24×20mmの暗紅色の扁平に隆起した浸潤性紅斑を認めた。病理組織所見では非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽腫像を示した。組織のZiehl Neelsen染色では抗酸菌は陰性だったが,組織片の塗抹標本では全視野で1~4個の抗酸菌を認めた。組織片の培養(小川培地)では表面が淡いクリーム状のコロニーを認め,生化学的性状より本菌をMycobacterium(以下M.)marinumと同定した。さらに分離培養株を対象にPCRおよびダイレクトシークエンス解析を行いM. marinumと確定した。塩酸ミノサイクリン 200mg/日の内服で8週間後に瘢痕治癒した。