著者
堀井 洋 田井 秀樹 山本 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.115-120, 2006-07-07
参考文献数
10

近年オンライントランザクション処理システムに対する高可用化の要求が増してきている.従来,多階層で構成されるシステムを高可用化するには,各層個別の高可用化機構を連携させた複雑な構成をとる必要があり,また,障害検知時間に依存したサービス停止時間も必要であった.本論文では,オンライントランザクション処理システムをEnd-to-Endで高可用化する機構の提案を行い,その実装と検証を記述する.本機構では,クライアントは障害検知を待たず,応答時間が遅くなった時点で同じトランザクション要求を副系のアプリケーションサーバに対して再送する.正系,副系のデータベースサーバはPAXOSコンセンサスアルゴリズムを利用してトランザクションログを複製するとともに,重複したトランザクション要求のコミットを防ぐ.我々は,本提案手法を既存のWebアプリケーションに適用し,その評価を行った.その結果,本システムが一般的なWebアプリケーションに適用可能であることを確認した.
著者
小島 美子 山本 順人 桜井 哲男 八重樫 純樹 山口 修 藤井 知昭 樋口 昭
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

今、急速に衰減または変質しつつある日本の民謡をデータベース化するために、その基礎となる民謡分類法とデータベース化の方法を検討するのが本研究の目的である。I研究課題と研究経過 では、主に次のような研究経過について述べた。最初は通文化的な民謡分類の確立をめざしたが、これには問題が多いこと、また民謡のデータベース化に当たって情報検索に必要な項目を民謡分類は別の次元の問題であることがわかり、さし当たってデータベースの原データとしては文化庁の全国民謡緊急調査の調査票が適切であることがわかったため、これをもとにデータベース構築を考え、4葉の350曲についてのデータの試行作成を行った。IIには4項にわたって以上の経過を裏付ける研究報告を収めた。1日本の民謡分類法 では、日本の民謡分類を歴史的に検討し、文化庁の全国民謡緊急調査の分類法はその一応の帰結であることを明らかにした。2諸民族の民謡分類法 では、ベラウ、ハンガリー、アフリカなどの民族音楽をもとにした民謡分類について検討し、民謡の分類そのものが、それぞれの文化の性格の反映であり、通文化的分類法をたてることは難しいことを明らかにした。3民謡の検索 ではロシヤ、韓国の民謡をもとに、情報探索に必要な項目を検討した。4民謡のデータベース化 では、基本的な民謡データの分析をもとに、データ試行作成に至った諸段階について具体的に説明し、台帳案などを例示した。このようにして一応民謡データベースのデータ試行作成に至ったが、実際には5万曲以上と思われるぼう大な民謡をデータベース化するためには、すべての原データを確保できるかどうか、という問題も含めて、原データの情報をできる限り盛り込もうとするこの案が可能かどうかなど問題点も明らかになってきた。今後民謡のデータベース化についてはさらに共同研究を継続したいと考えている。
著者
山本 裕一 山本 耕一郎 徳田 功 長島 知正 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.204, pp.15-20, 2000-07-12
参考文献数
11

人の発声する母音は, 一般にピッチと呼ばれるほぼ同じ形状をした単位波が繰り返される基本構造を持つが, 繰り返されるピッチ毎にその周期間隔および波形は微妙に"揺らぐ"ことが知らされている.この母音に含まれるピッチの"揺らぎ"は, 母音が人間的で自然な発声音として知覚されるために必要不可欠であることが分かってきた。現在の主流な音声合成法の一つである線形予測符号化法でも, 人間的性質持った母音を合成するために, 自然なピッチ揺らぎを再現することはきわめて重要である。そこで本論文では、「線形予測符号化法の枠組で自然な音声を合成するために重要な要素は何か?」について比較検討を行なう。
著者
山本 和貴
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.39-46, 2013 (Released:2013-03-09)
参考文献数
47
被引用文献数
2

Starch gelatinizes when sufficiently heated in the presence of sufficient amount of water. Upon gelatinization, starch crystallinity is lost with the granules swollen. Depending on the botanical origin of starch, requirements for heat gelatinization may differ. Starch gelatinization can also be induced by high hydrostatic pressure. Requirements for pressure gelatinization may also differ depending on botanical origin of starch, pressure, water, and temperature. Characteristics of pressure gelatinization will be briefly reviewed as compared with heat gelatinization.
著者
近藤 誠一 山本 章博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

We present a method to solve Inductive Logic Programming (ILP) problems by using an Integer Programming (IP) solver. An ILP problem is to learn a set of clauses in first-order logic from positive examples, negative examples, and background knowledge. In our method, we transform a given ILP problem to an IP problem, and then solves the IP problem by using an IP solver. We carry out experiments on classification tasks and show how our method works.
著者
高木 彰彦 遠城 明雄 荒山 正彦 島津 俊之 中島 弘二 山野 正彦 源 昌久 山本 健児 熊谷 圭知 水内 俊雄 久武 哲也 山野 正彦 源 昌久 山本 健兒 熊谷 圭知 水内 俊雄 内田 忠賢 堤 研二 山崎 孝史 大城 直樹 福田 珠己 今里 悟之 加藤 政洋 神田 孝治 野澤 秀樹 森 正人 柴田 陽一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

公共空間と場所アイデンティティの再編について、地理思想史、理論的研究、経験的研究の観点から検討を行った。研究成果として、『空間・社会・地理思想』10(2006)、『空間・社会・地理思想』11(2007)、『空間・社会・地理思想』12(2008)を毎年刊行したほか、英文報告書として『Reorganization of public spaces and identity of place in the time of globalization : Japanese contribution to the history of geographical thought(10)』(2009)を刊行した。
著者
竹田 敏一 山本 孝夫 山本 敏久 代谷 誠治 北田 孝典 宇埜 正美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

初年度の作業では、MA核種と金属燃料希釈材を併用した超長寿命炉心の概念を検討し、その核的な成立性が高いことを示した。また、MOX燃料ナトリウム冷却炉心と金属燃料鉛冷却炉心の、燃料形態・冷却材の違う炉心において、燃料にMAを添加して炉心計算・燃焼計算を実行し、MAの核変換率について中性子スペクトルの違いを用いて検討した。また、核変換の内訳を直接核分裂率と間接核分裂率、捕獲反応による核変換の3つの因子を用いて比較した。2年目の作業では、半理論的燃焼方程式によるMA核種の燃焼特性への影響を評価する方法を確立し、超長寿命炉心に適用した場合の最適初期装荷量について検討を行った。結論として、1)Np-237は、高中性子束においては、燃焼による出力変動に悪影響を与える。よって、低中性子束の領域で照射することが望ましい、2)ブランケットにNp-237を大量(57%,残りU-238)に装荷することによって、Puビルドアップによる出力上昇を緩和できる可能性がある、などの知見が明らかになった。最終年度では、KUCAのB架台において、金属燃料の希釈材候補である、Nb, Cr, W, Pbの各核種についてサンプル反応度の測定を実施した。いずれの核種も、適切な量を炉心中央部に装荷することにより、ペリオド法によって精度よくサンプル反応度の測定を行うことができた。この種の実験においては、サンプルの出し入れに伴う反応度のずれが大きな問題となるが、5回にわたる再現実験の結果、最初の1回を除いて再現性は非常によいことがわかった。
著者
山本 健兒
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.131-155, 1997

本稿の目的は,内藤 (1996) とSen and Goldberg (1994) の主張を,さまざまな文献に照らし合せて再検討し,移民問題研究のための基礎的視角を提示することにある.両者に共通する主張は,差別されるがゆえに在独トルコ人の間でイスラム主義が広がる,というものである.しかし,イスラム諸組織の性格把握と差別の内容について,無視しえない差が両者の間に認められる.本稿では,イスラム諸組織の多様性と性格の不透明性を示すとともに,在独トルコ人に占めるイスラム諸組織参加者の比率を推計した.さらに,差別がイスラム主義への傾斜をもたらすという論理に,より踏み込んだ議論を展開している内藤 (1996) の論拠を検討した.また, Sen and Goldberg (1994) は国籍が移民問題の鍵になるとみているので,在独トルコ人のドイツ国籍取得に関する動向も分析した.以上の検討から明らかなことは,在独トルコ人社会の中に多元性が認められる,ということである.他方,ドイツ社会も多元的である.それゆえ,ドイツ人と在独トルコ人との関係を分析する際には,二つの多元性に注意する必要がある.
著者
中村 透 山本 松樹 佐藤 弥
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.197-206, 2010-04-10 (Released:2011-01-08)
参考文献数
18

In this study, we investigated whether psychological states in an environment with visual stimuli can be modeled by physiological indices. As visual stimuli, films to elicit various types of emotions were presented. First, psychological ratings in response to these stimuli were investigated using semantic differential scales. Principal component analysis for the psychological ratings confirmed two primary components, which could be interpreted as the valence and arousal dimensions reported in previous studies. Then, while viewing these stimuli, psychological ratings and multiple central (electroencephalogram (EEG) and near-infrared spectroscopy (NIRS) ) and peripheral (heart rate (HR), skin potential level (SPL), respiration, thermogram, plethysmogram, and eye blinks) physiological activities were measured. Stepwise regression analyses revealed that the psychological valence could be accounted for by indices of the EEG, NIRS and HR. Psychological arousal was also explained by activities of the EEG and SPL. These results suggest that the psychological states in the visual stimulus environment could be modeled by the physiological indices.
著者
山本美朗編集
出版者
学建書院
巻号頁・発行日
1998
著者
山本 裕雄 栗田 裕司 松原 尚志
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.379-382, 2000-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
27
被引用文献数
13 14

Geologic age of the "Miocene" Iwaya Formation in Awajishima Island is examined by means of calcareous nannofossils and dinoflagellate cysts. Calcareous nannofossil flora indicates biozone NP 17 to NP 20 or CP 14 b to CP 15 b and a late Middle Eocene to Late Eocene age. The dinoflagellate cyst assemblages also show approximately the same age. These results reveal that the Iwaya Formation is the constituent of the Eocene-Oligocene Kobe Group.Molluscan assemblages resembling those from the Iwaya Formation have been known from the "Setouchi Miocene Series" in the coastal area of the eastern Seto Inland Sea. Molluscan fauna and stratigraphic correlation of the "Miocene" in this area should also be re-examined on the basis of precise geochronologic data.
著者
山本 博文
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41-53, 2007-05-30
参考文献数
15

Fukui Heavy Rainfall on July 18, 2004 gave the great damage to the Fukui City area as well as the mountainous midstream area of the Asuwa River. The major damage in the Fukui urban area is the destruction of the embankment at the left bank of the Asuwa River. Flood water depth and flood level were measured at 146 spots, and overflow depth above the embankment of the Asuwa River was also at 10 points. In addition, flood deposits were sampled and analyzed the grain size at 32 points. The inundation water flowed into the urban area from the collapsed embankment had one main flow along the main prefectural road which extends from east to west, and pooled in the lower area of the dammed-up tributary floor.