著者
山本 祐子 圓川 隆夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.143-152, 2000-06-15
被引用文献数
8

多くの産業が成熟期を迎えた今日, 企業は既存顧客の維持に重点を置いている.その一環として顧客満足度(CS)の測定は基本であり, 多くの企業が, 満足度を高めることで顧客が再び買いたいと思う意志や行動であるロイヤリティを高めようとしている.しかし, そこには「ロイヤリティ=CS」という前提が暗黙の内に存在しており, これが顧客心理を反映しているかは実際には疑問が残る.そこで本研究は, 顧客がロイヤリティを決定付ける要因の構造をアンケート調査により検証し, 「ロイヤリティ=CS」という関係の妥当性を探ることを目的とする.その上で, CSがロイヤリティに及ぼす影響の程度や傾向を複数の製品・サービスについて検討する.
著者
越後 潔 菊地 宣史 山田 篤志 横田 和隆 尾崎 功一 山本 純雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部ブロック合同講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.105-106, 2002-08-29

This paper reports evaluation of gait of the legged robot for uneven terrain. In order for the legged robot to move on the uneven terrain without tumbling down, appropriate walking plan is necessary. The paper proposes a new walk planning method comprising path planning, gait planning, and trajectory planning, and quantitatively evaluates the gait generated by the proposed method.
著者
飯草 恭一 手代木 扶 藤田 正晴 山本 伸一 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.936-948, 1998-10-25
被引用文献数
12

捕捉・追尾機能を必要としない衛生通信および放送のための車載用として, チルト角45度, ビーム幅18度の円偏波コニカルビームを, 15GHzにおいて同軸円筒スロットアレーアンテナで実現した.アレー配列軸に垂直な方向においては, 一般に±45度の傾きのスロットをλ_g/4間隔(λ_gは外皮導体に切られたスロットの影響を含んだ実質的な管内波長)で配置したペアを素子単位とすることにより円偏波を実現できるが, チルト方向ではスロットの垂直成分と水平成分の射影が等しくないため, 軸比が悪くなる.そこで, スロットの傾き角とペアを構成するスロット間隔の調整による軸比改善法について理論的, 実験的な検討を行った.また, 開口面分布の振幅と位相はそれぞれスロットの大きさと位置によって調整されるが, スロットの移動によりチルト方向への光路長が変化し, アンテナパターンや軸比の劣化が起こる.そこで, この光路長変化を考慮したスロット移動量の補正についても明らかにした.
著者
山本 雅一 吉田 操 村田 洋子 室井 正彦 小川 利久 門馬 久美子 榊 信廣
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.2723-2727, 1990-12-01
被引用文献数
20

1975年から1989年7月までに経験した421例の食道癌を対象とし, 食道癌症例における重複癌について検討を加えた. 重複癌は51例 (12.1%) で, 同時性26例 (6.2%), 異時性25例 (5.9%) であった. 重複部位の検討では胃癌が25例 (全体の 5.9% ;重複癌の 49%) と多く, 同時性15例, 異時性10例であった. また, 早期胃癌は19例(76%)であった. 次に多い重複部位は, 口腔, 咽頭, 喉頭などの頭頸部領域の16例 (同時性5例, 異時性11例) (ぜんたいの 3.8% ;重複癌の 31%) であり, うち10例 (62.5%) は食道癌診断以前にそれらの癌が診断されていた. 3重複以上の多重複癌は5例 (重複癌の 9.8%) であり, いずれも初癌から5年以上の生存例であった. 食道癌切除後の経過年数との検討では, 術後5年以上7年未満経過症例の重複癌発生率 (23.1%) は, 3年以内の症例の発生率 (1.1%) と比較すると有意に高かった. 近年, 食道癌における重複癌症例は増加しており, 現況を踏まえた日常診療が需要と考えられた.
著者
浅野 俊夫 山本 淳一 平澤 紀子 井上 雅彦
出版者
日本行動分析学会
雑誌
日本行動分析学会年次大会プログラム・発表論文集
巻号頁・発行日
no.25, 2007-07-19

エビデンスすなわち効果があることの科学的実証に基づいた治療や支援を重視するという医療分野での国際的な大きなうねりは、教育や福祉にも広がり国際標準となりつつあり、ヒューマンサービスの前提条件であるといっても過言ではなくなった。このような動向を踏まえて、本学会は、いちはやく国際標準の支援方法のとりまとめに着手した。そのとりまとめを行った方々を中心に、世界の中で日本の置かれている現状を広く学会員および関連分野の方と共に議論していただき、関連する分野での研究や実践の促進を図ることを目的としてこのシンポジウムを企画した。
著者
遠藤 健司 駒形 正志 西山 誠 池上 仁志 田中 恵 山本 謙吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.115-120, 2005 (Released:2007-12-14)
参考文献数
15

画像診断にて原因不明な腰・下肢痛の中には,脊髄終糸の過緊張によって発症するものも存在する.今回,25例のTight filum terminale(以下TFT)に対して,終糸の切離を行った症例の術後経過を検討した.TFTの診断は,腰痛または下肢痛,膀胱直腸障害,脊椎不橈性,非髄節性神経障害,TFT誘発テストにより臨床診断を行った.手術は,終糸切離をS1高位で行った.術後の症状は全症例中,腰下肢痛の改善が96%に,筋力の回復が68%,知覚異常の改善が68%,膀胱直腸障害の改善は79%,体幹前屈制限の改善は80%で認められた.疼痛の経過は,VAS(Visual Analog Scale)で評価したが,術前の最大疼痛を10とすると,術後平均は3.3(0~7)であった.TFTは腰椎椎間板ヘルニアと鑑別を要するが,膀胱直腸障害の存在,MRI所見,誘発テストが陽性であることが異なる点である.画像診断で神経圧迫症状のない腰痛,下肢痛の鑑別診断としてtight filum terminaleを考慮する必要があると考える.

1 0 0 0 OA 研究紹介

著者
河澄 響矢 河野 健二 塚田 捷 桑島 邦博 山本 智 吉村 宏和 中村 正人
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-22, 1999-06

リーマン面のモジュライ空間の上で新しい「テンソル解析」をめざして/安全な分散環境を目指して/第一原理電子状態計算による水のプロトンリレー型解離の解明/タンパク質のフォールディングの分子機構/見えてきた星間分子雲形成:富士山頂サブミリ波望遠鏡による観測から/太陽輻射変動メカニズムの解明に挑戦する/電離層内電場の観測
著者
山本 雅人 小笠原 寛弥 鈴木 育男 古川 正志
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1184-1191, 2012-10-15

2011年3月11日に発生した東日本大震災の際,携帯電話などの通信手段が途絶えた中で平常通り機能していたTwitterでは,災害情報や避難地情報などについての情報伝播が活発に行われた.本稿では,東日本大震災発生後のTwitterにおけるリツイートをベースとした情報伝播ネットワークを作成し,震災時のネットワークを分析することで,多くのユーザが関心をもち,より緊急性の高い話題の情報伝播の様子について分析する.そして,観光分野や災害時におけるTwitterでのリアルタイム情報発信の可能性について言及する.
著者
山本 玲子
出版者
京都教育大学
雑誌
教育実践研究紀要 (ISSN:13464604)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.81-89, 2006-03-31

現在,小学校への英語教育の導入に関しては全国で賛否両論あり,またそのあり方も議論の途上である。京都教育大学附属京都小学校では,全学年において,週1回の担任とALTによる英語授業を実施している。また附属京都中学校と小中一貫教育をすすめる中で小5・小6・中1を中等部と位置づけ,小・中の教諭が連携してカリキュラムの開発・充実に当たっている。今年度より,中学の英語科教員が小5・小6の英語を担当するにあたり,小1から英語に接してきた子どもたちの内面を分析するとともに,学習初期の生徒が第二言語を習得する過程に照らし合わせ,特に子どもの心理面・モチベーションに焦点を当てて考察した。また,公立小・中学校でも徐々に実施されつつある中学校教員が小学校へ出向する形の小中連携についても,附属のケーススタディを基に考察を試みた。
著者
西村 尚之 山本 進一 千葉 喬三
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.95-103, 1992-10-30
被引用文献数
4 2

岡山市内の約40年生のコナラ林において, リターフォール量の調査を約4年間定期的に行った。調査林分の胸高直径5cm以上の樹木の胸高断面積合計は18.1m^2・ha^<-1>で, コナラはその71.5%を占めていた。年間の全リターフォール量は5.94〜8.07ton・ha^<-1>・yr^<-1>であった。また, その64.7〜76.6%を落葉が占めていた。年落葉量は4.55〜5.22ton・ha^<-1>・yr^<-1>で, その年変動は小さかった。コナラの年落葉量は全落葉量の約60%を占めており, 2.59〜3.08ton・ha^<-1>・yr^<-1>であった。落枝量の年変動は落葉量に比べて大きく, この原因は台風の襲来によるものであった。生殖器官の年落下量の約80%はコナラの雄花と果実であった。コナラの果実の年落下量は189〜744kg・ha^<-1>・yr^<-1>で, その年変動は大きかった。落葉量の季節変化は, 11〜12月に落葉の最盛期があり, 4月下旬〜6月上旬にも落葉量がやや増加するパターンを示した。また, コナラは他樹種に比べて落葉期がやや遅く, 短期間に落葉する傾向があった。落枝量は, 落葉量のような明らかな季節変化を示さず, 台風などの強風の影響によって激増した。
著者
山本 良子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
no.53, pp.273-285, 2007

本研究では,他者に悪い事象が生じるネガティブ状況に 限定し,その状況下で"非当事者"に,理論上想定されている"共感的苦痛"と"シャ-デンフロイデ"の両情動が実際に経験されているのかどうか,また,経験されている場合,どのように経験されているのか,その情動経験の詳細について把握することを主な目的とした。
著者
藤岡 裕己 山本 直克 赤羽 浩一 川西 哲也 高井 裕司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.403, pp.81-84, 2010-01-21

レーザダイオードや発光ダイオードなどの光半導体デバイスにおいて、出力光の光波制御は光通信や計測分野において重要な課題である。我々は、デバイス表面への微細構造加工による光波制御を目的として新デバイス構造の検討を行っている。従来デバイスでは活性層上部に非常に厚いクラッド層を有しており、表面構造からデバイス内部を伝搬する光波へ有効な影響を与えるためには高アスペクト比な加工が必要であった。そこで、我々は、活性層上部のクラッド層を極端に薄くした半導体ハーフクラッド構造を提案し、低アスペクト比で簡便な表面微細加工による光波制御を目指す。本論文では半導体ハーフクラッド構造とその作製プロセスおよび、半導体ハーフクラッド光源のデバイス特性について報告する。
著者
Chandra Bobby 小泉 達也 林 正博 山本 尚生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.278, pp.85-90, 2011-11-03

開発途上国におけるバックボーンネットワーク(伝送路網)は、長い年月をかけて構築されることが多く、投資力や地域発展速度の違いによって、ネットワークの構成が変化していく.また、大小様々な島で構成されている国の場合、使われる伝送設備の信頼性も多様である.このようなネットワークの信頼性を、その計画推進状況を含めて評価するには、従来のエンド・エンド信頼性やネットワークの完成形を考慮した先進国型の設評価法では不十分であると考えられる.経済的な活性炭の分布や、ネットワーク設備の構築過程を考慮した評価法が必要であり、地域間の信頼性格差を把握でき、時間経過(年代経過)とともに低信頼な地域の減少、改善を確認できる評価法が望ましい.本稿では、ネットワーク全体の中での地域の信頼性を個々に評価できる新しい評価尺度として一対多信頼度を提案する.同時に、本信頼度の算出に必要となる地域間の相対的通信需要(交流トラヒック)を求めるために、地域ごとの通信貢献度を定義して算出する手法も示す.適用例として、インドネシアのネットワークを対象とした評価実験を行なった.発展途上にある同国は、様々な島で構成されているため、現状ではネットワーク信頼性の地域間格差も大きい.本稿では、現在国家プロジェクトとして構築が進んでいる次世代バックボーンネットワークプロジェクトを対象として、提案した信頼度に基づく評価を行なった結果を紹介する.