著者
劔 陽子 山本 美江子 松田 晋哉
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.257-269, 2002-09-01
被引用文献数
1

中学・高校生に対し効果的な性教育を行うこと,継続的にピア・エデュケーションを実施することとともに,医学生がヘルスプロモーションに関する実践能力を修得することを目的として,毎年産業医科大学医学部で行われる公衆衛生学の学外実習の機会を利用した,ピア・エデュケーションによる性教育を実施した.事前アンケート結果に基づいて,中学・高校においてピア・エデュケーションを計画・実施した.事後アンケートでは高校生,中学生の90%以上が大学生のカウンセラーと話すことに「興味が持てた」「まあまあ興味が持てた」と肯定的に答えていた.大学生からは,ヘルスプロモーションの技法の修得や自己効力感の増大を示唆するような感想が寄せられた.今後は毎年行われる学外実習の機会を利用することで,継続的にピア・エデュケーションによる性教育を行っていき,行動変容につながるかどうかなど,長期的な効果を見ていく必要がある.
著者
山本 健
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
国際教養学論集 (ISSN:09177299)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.127-160, 1996-04

This paper airms to analyse a document which consists of the donation of Siegfried and the reinvestiture by the abbot-bischop Baturich representing St. Emmeram in order to clarify the connection between the manorial structure and a peasant's family in early-medieval Germany. In an environment of scarce resources, the lord played an important role in reconstructing a fragmented peasant world. The lord managed to create a few larger or more productive holdings for a small number of tenants. On the other hand, he hindered marriage and the establishement of an independent family for a large number of inhabitants in the agricultural world. In this way, the manor seems to have been characterized by the seigneurial manipulation of family groupings. As a result, the lord had plenty of human resources throughout his entire estate and allotted excess persons to new tenant couples still without children or to older couples whose children had departed. In this way, the lord established an institution for the allocation of human and agricultural resources. This meant that the manor was a kind of circulatory system of persons throughout the whole estate.
著者
山本憲 編
出版者
中尾清規堂
巻号頁・発行日
vol.下, 1883
著者
山本 芳美
出版者
都留文科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本課題では、19世紀末から20世紀初頭に、欧米や東南アジアに出稼ぎや移民した者を含めた日本人彫師の活動を研究した。各地の研究機関、大学、図書館、博物館などで、新聞や雑誌、古写真、公文書のデータベースや所蔵資料を調べ、香港、シンガポール、フィリピン、タイ、インド、イギリス、アメリカ、カナダで複数の日本人彫師が活動したことを解明した。本研究により、英米に渡った彫師Yoshisuke Horitoyo、香港の野間傳の足跡が判明した。また、船で渡航した当時、客を彫師のもとに効率よく送りこむ、ホテル、古美術商、写真師、彫師間のネットワークが横浜、神戸、長崎に形成されていた可能性も明らかとなった。

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著者
山本 明夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.768-774, 2007-09-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
12
著者
木本 哲夫 山本 祐規子 日野 恵子 古谷 聡美 阿賀 創 橋本 貴治 花谷 利春 新井 成之 池田 雅夫 福田 恵温 栗本 雅司
出版者
日本生薬学会
雑誌
Natural medicines = 生薬學雜誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.72-79, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
5

From the plant commonly known as Indigo Plant (Polygonum tinctorium Lour., Shimane, Japan) , Tryptanthrin was isolated which had cytotoxic effects on malignant tumor cells. The cytotoxic effects on human solid cancer cells, leukemia cells, murine glioblastoma cell, colon cancer and malignant melanoma cells in vitro were assayed. Tryptanthrin induced remarkable necrotic and apoptotic changes in the malignant tumor cells.
著者
初岡 昌憲 恩田 康平 保尾 謙三 竹内 摂 福井 優樹 善入 寛仁 加茂野 太郎 井上 昌孝 山本 一世
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.281-295, 2010-06-30
被引用文献数
1

現在の歯科臨床の場には,MMA系レジンセメントやコンポジット系レジンセメント,セルフアドヒーシブレジンセメントといったさまざまなレジンセメントが存在する.今回われわれは,さまざまなレジンセメントのエナメル質,象牙質,12%金銀パラジウム合金(以後,金銀パラジウム合金)およびセラミックに対する引張接着強さを測定し,レジンセメントの接着性について検討を行った.実験には,MMA系レジンセメントとしてスーパーボンドC&B^[○!R](サンメディカル)およびマルチボンドII(トクヤマデンタル)を使用し,コンポジット系レジンセメントとしてレジセム(松風)およびパナビア^[○!R]F2.0(クラレメディカル)を,前処理を行わないセルフアドヒーシブレジンセメントとしてクリアフィル^[○!R]SAルーティング(クラレメディカル)およびリライエックス^<TM>ユニセムクリッカー^<TM>(3M ESPE),マックスセム(Kerr)を使用した.ウシ抜去歯に#600の耐水研磨紙を用いてエナメル質および象牙質平坦面を作製し,エナメル質および象牙質被着面とした.金銀パラジウム合金にサンドブラスト処理(0.5MPa)を行い金銀パラジウム合金被着面とし,セラミックブロックにサンドブラスト処理(0.3MPa)を行いセラミック被着面とした.被着面積は直径3mmに規定した.クリアフィル^[○!R]CRインレー(シェードXL,クラレメディカル)をテフロンモールドに填塞,硬化させCRブロックを作製した.それぞれのレジンセメントの製造者指示に従い,各被着面に対しCRブロックを接着させた.接着後24時間37℃水中保管した後,万能試験機(IM-20,Intesco)を用いてクロスヘッドスピード0.3mm/minにて接着強さを測定した.各被着面につき8試料とした.なお統計処理は,一元配置分散分析およびTukeyの検定を行った(α=0.05).前処理を行うMMA系およびコンポジット系レジンセメントは,セルフアドヒーシブレジンセメントよりもエナメル質および象牙質,金銀パラジウム合金,セラミック被着面に対する引張接着強さが有意に高い傾向が認められた.セルフアドヒーシブレジンセメントは前処理を必要としないため使いやすい材料であるが,前処理を行うレジンセメントよりも各種被着面に対する接着性が低下することが懸念される.
著者
山崎 祐未子 田村 啓敏 山本 弘幸 秋光 和也
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

先の全国大会で,揮発性モノテルペン化合物であるシトラール,シトロネラール,リナロールが非病原性Alternaria alternata (O-94)胞子の菌糸伸長と発芽を抑制することを示した.今回は,これら揮発性物質の作用機構を解明するための第一歩として,これらの物質の作用が殺菌作用か,または菌糸伸長を抑制する制菌作用であるかを検討した.揮発性物質で胞子を6時間処理し,その後揮発性物質を取り除いた状態で18時間静置すると,24時間揮発性物質を処理し続けた場合に比べ,胞子発芽率・菌糸伸長率ともに上昇した.しかし,シトラール処理区では,約40%の胞子の発芽率が回復しなかった.次に,胞子を2時間無処理の状態で静置して菌糸を一度伸長させた後,22時間揮発性物質を処理すると,いずれの物質も菌糸伸長を抑制した.以上の結果は,これら3つの揮発性物質は制菌的な菌糸伸長抑制作用を持ち,シトラールについては抗菌活性も保持することを示唆した.現在,GCおよびGC/MS分析によりラフレモン葉から揮発するモノテルペン化合物の種類の特定を進めている.
著者
山本 久文 宇都宮 潔 長谷 章 玉木 一弘 村川 章一郎 青柳 利雄
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.63-67, 1983

Mycoplasma pneumoniae (M. pn.)による髄膜脳炎の1例を報告した。症例は16歳, 男子学生。昭和54年12月3日より高熱と激しい頭痛が出現し, 12月5日当科に救急入院した。入院時は軽度の不穏を伴なう傾眠状態で, 項部硬直著明, Kernig徴候陽性, 病的反射はなく, 胸腹部にも異常所見はなかった。胸部X線写真異常なし。白血球数14, 900, 髄液は細胞数1864/3, リンパ球93%, 蛋白113mg/dl, 糖73mg/dlであった。入院時血清および髄液のマイコプラズマCF抗体価は, それぞれ512倍, 32倍と高値であることが判明し, 血清寒冷凝集反応も1024倍と上昇しており, M. pn.による髄膜脳炎と診断した。エリスロマイシンとプレドニゾロンの併用にて, 臨床症状の著明な改善をみた。M. pn.による髄膜脳炎の頻度は多くないが, 原因不明の髄膜脳炎を診た時は, M. pn.も原因の一つとして考慮する必要がある。
著者
山本 佐恵
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.44-45, 2007-06-20

In the New York World's Fair, 1939, the Japanese Commission exhibited at both the Japanese pavilion and the Japanese section of the Hall of Nations. The theme of the former was "Ancient Japan", while that of the latter was "Modern Japan". Architect Yamawaki Iwao was given the task of designing the "Modern Japan" exhibition. The purpose of this presentation is to provide a detailed account of my research to date on Yamawaki's exhibition design and particularly his photo-murals.
著者
鈴木 和恵 丸山 茂徳 山本 伸次 大森 聡一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.6, pp.1173-1196, 2010-12-25
被引用文献数
11 35

The Japanese Islands have long been considered to be the most evolved of all the island arcs in the oceans. A simple scenario has been implicitly accepted for the growth of the Japanese Islands: since subduction started sometime around 520 Ma, the TTG crust has increased over time in association with the steady-state growth of the accretionary prism in front. Here, we show very different dynamic growths of TTG crusts over time than previously thought, <i>i.e.</i>, four times more TTG crusts than at present must have gone into the deep mantle due to tectonic erosion, which occurred six times since subduction was initiated at 520 Ma. Tectonic erosion is a major process that has controlled the development history of the Japanese islands. It can be traced as a serpentinite mélange belt, which indicates the upper boundary of past extensive tectonic erosion.
著者
山本 朱美 石橋 晃
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.735-740, 1997-08-25
被引用文献数
6

リジン要求量は飼料中のアミノ酸の増加に伴って,増加すること,および血漿遊離リジン濃度から推定されたリジン要求量が飼養試験の結果と一致することを明らかにするため,開放鶏舎で大羽数を用いてリジン要求量を求めた.78週齢の産卵鶏を13区にわけて開放鶏舎で単飼し,47日間試験飼料と水を自由摂取させた.試験飼料のアミノ酸充足率はNRC (1994)のアミノ酸要求量の110および125%とし,リジン含量は両区とも6段階とし,残りの1区は市販飼料を給与した.卵重は3日毎,飼料摂取量は6日毎そして生体重は試験開始日と最終日に測定した.採血は,飼養試験の最終日に行い,血漿遊離アミノ酸濃度を測定しし4.NRC (1994)の110%のアミノ酸充足率では最大生産能のためには不足であった.産卵率,飼料効率および血漿リジン濃度から得られたリジン要求量はアミノ酸充足率が110と125%でそれぞれ0.56,0.56と0.57および0.61,0.59と0.61%と推定された.以上の結果から,リジン要求量は飼料中のCPないしはアミノ酸の増加に伴い上昇すること,血漿リジン濃度から求めたリジン要求量は生産能から求めた値と良く一致することが示された.
著者
黒田 佳子 井出 玲子 北野 由佳 山本 良子 東 敏昭
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.197-202, 2007-06-01
被引用文献数
1

地域住民を対象としたライフスタイルと自覚症状の関連を包括的に検討した先行研究はいくつか報告されているが,職域を対象としたものはあまり多くない.某食品会社の20-69歳の従業員4540名を対象としライフスタイルと自覚症状との関連についてとくに性差に着目し,男女いずれかでその該当割合が10%以上の自覚症状:「とくに疲れやすい」,「手足がむくむ」,「肩・首がこる」,「腰が痛む」,「視力が低下した」,「立ちくらみ」,「下痢しやすい」,「便秘しやすい」について検討した.男女別に各自覚症状の有無を目的変数とし,年齢・職種をモデルに入れ調整し,各ライフスタイル非良好者と比較したライフスタイル良好者のオッズ比(OR)と95%信頼区間(95%CI)を算出した.ライフスタイルに関する項目は,運動,睡眠,労働時間,朝食,栄養バランス,喫煙,飲酒の7項目である.男女とも喫煙および飲酒習慣について自覚症状の項目との関連が認められ,加えて女性では睡眠と筋骨格系症状との関連が示唆された.