著者
山田 大 多和田 悟 益野 健平
出版者
日本身体障害者補助犬学会
雑誌
日本補助犬科学研究 (ISSN:18818978)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-37, 2009 (Released:2011-02-10)

盲導犬として多く活躍するラブラドール・レトリーバーは、食べる事が好きな犬種である。視覚障害者と生活する盲導犬は、スーパーやレストランなどの食べ物を扱う公共の施設に出入りする機会がある。そのような場所で、盲導犬は人の食べ物に反応してはならない。訓練の段階で、食べ物に反応する犬がどの程度いるか調査をした。その中でも特に食べ物に対する反応が強い犬に対して、拒食訓練を行った。そして拒食訓練終了後にスーパーやレストランを利用して、模擬試験的にその犬の食べ物に対しての反応の変化を検証した。特定の食べ物や状況で勝手に人の食べ物を食べない事を教える事は可能であると考えられた。しかし一度人の食べ物の味を知り、興味を持ってしまった犬に対して、食べ物に全くの興味を持たない事を教える事は難しいと考えられた。盲導犬の候補となる子犬の頃から、人の食べ物に対して反応しない事を教えておく必要性がある事が示唆される。
著者
黒嶋 敏 谷口 央 金子 拓 播磨 良紀 鴨川 達夫 畑山 周平 山田 貴司 福原 圭一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、戦国時代でも非常にまれな合戦での「大敗」に着目して、敗者側の大名領国に与えた政治的・社会的影響および精神面への影響を考察し、そこから戦国大名権力の特質に迫ろうとするものである。3年間の研究期間を通じて、7つの「大敗」事例に関する史料の収集・調査、ならびに関連する史跡の現地調査を行った。また、期間最終年次となる2017年の12月には、「戦国合戦<大敗>の歴史学」と題する公開研究会を東京大学において開催し、研究代表者を含む7名が成果を報告した。
著者
宮口秀樹 沖田 一彦 小竹 亜季 山田 典子 松田 弥亜子
出版者
広島県立保健福祉短期大学
雑誌
広島県立保健福祉短期大学紀要 (ISSN:13420070)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.69-76, 1999-03
被引用文献数
2

片麻痺患者の身体イメージを理解することを目的に, 片麻痺患者29名にSD法による身体イメージの測定を行った。方法は, 川原ら(1991)が身体イメージの因子として抽出した5因子, 1.評価性, 2.活動性・俊敏性, 3.活動秩序感, 4.力量, 5.情動的感情的の中から片麻痺の表現に適すると思われた形容詞対の中から25項目選択した。測定は上肢と下肢にそれぞれ7段階の評価尺度を用いた。さらに, 身体のイメージを12色の色鉛筆で表現してもらった。結果は, 平均で見ると上肢を下肢よりもマイナスのイメージでとらえる傾向がみられた。また, 重い-軽いというような力量性を表す形容詞対でイメージが反映されやすいことが分かった。身体の色のイメージは上肢下肢とも赤系, 青系, 黒をイメージする者が多かった。下肢の機能と比較し上肢の機能は複雑であることがイメージの違いになった可能性が示唆された。国立情報学研究所で電子化
著者
岡本 成史 山田 博司
出版者
独立行政法人医薬基盤研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インフルエンザワクチンの経鼻接種は、粘膜表層への抗インフルエンザIgA抗体の産生を誘導し、インフルエンザウイルス感染における交叉防御効果に関与すると考えられている。しかし、実際に抗インフルエンザIgA抗体がこの交叉防御効果に関与する直接的な証明はほとんどなされていない。そこで、我々は、昨年度よりインフルエンザワクチンの粘膜免疫により抗ウイルスIgAモノクローナル抗体を作製し、その抗体の抗ウイルス交叉防御効果の可能性について検討を行った。H3N2型のAインフルエンザウイルス広島株に対する抗ウイルスIgAモノクローナル抗体を採取し、その交叉防御効果について検討したところ、同抗体が広島株以外の複数のH3N2型株に対する交叉性の抗ウイルス中和活性を有することを明らかにした。IgA抗体は、モノマー及びポリマーと形態に多様性を有することから、同抗体のモノマー、ポリマーの形態別による抗ウイルス中和活性の変化の有無を検討した。その結果、ポリマーの形態の方がモノマー形態よりも各ウイルス株に対する交叉反応性の中和活性が数倍以上高いことを明らかにした。次に交叉反応性の中和活性に作用する抗原認識部位についてエスケープミュータントを用いた解析を用いて検討したところ、ヘマグルチニン(HA1)のIgG抗体結合部分と推定される210番目のアミノ酸が関与することを示唆した。以上の結果から、IgA抗体が交叉反応性の中和活性を有すること、その交叉中和活性を効果的に作用するためにポリマーの形態が重要であることを明らかにした。
著者
山田 秀秋 谷田 巖 渡辺 信 南條 楠土 今 孝悦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.43-45, 2021
被引用文献数
1

<p> 石垣島名蔵湾北部および西表島船浦の潮間帯砂泥域において,コアマモおよび他の海草類の被度を調べるとともに,平均潮位からの水深を測定した。干潮時に,ドローンによる空撮も実施した。両海域ともに,ラグーン状の窪地もしくはその周辺にコアマモ群落が広く認められ,コアマモの被度は水深50 cm前後で最も高かった。コアマモの分布面積はいずれも10 ha以上に及び,琉球列島で最大規模の群落とみられた。沖縄ではコアマモ群落の多くが著しく衰退しているが,船浦では,比較的長期間大規模群落が維持されていると考えられた。</p>
著者
野崎 守英 桜井 進 山田 隆信 中村 春作 山泉 進 百川 敬仁 豊澤 一 清水 正之
出版者
中央大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

1)私たちが意を用いたのは、なるべく多く討論の機会をつくることだった。1990年と91年にかけて、都合6度の会合の機会をえたが、これは、互いに考えを深め合うのにきわめて有効だった。2)私たちは、参加者の間に3つのグループを作った。ナショナリズム・ティーム、ロマンティシズム・ティーム、フォークロア・ティームがそれである。この3つのあり方が、18・19世紀に日本及びヨーロッパ領域に生じた言説のあり方を分析するのに、恰好の視角である、と私たちは考えたのである。そこで、何人かの思想家の思想を取り上げ、次の点を解明するために分析を施した。詳細は、報告書によって見られたい。(1)、「国家」がわれわれの時代において、世界空間を分かつ中心的な枠になったのはなぜか。そして、そうなったことにどういう問題点があるか。ナショナリズムの問題ということになる。(2)、ロマンティシズムといわれる思想動向が、心の故郷を過去に見出だすというかたちで登場するのはなぜか。ロマン的な心性というものは、まさにこの時期を特徴づけるものにほかならないが、その心の向きがかたどられているのはどんなヴェクトルか。(3)、この時期、ある人びとは、自分らの原型になると見做しうる生活のかたちを過去に探る営みをすることになる。こうしたフォークロアに関心を示す心のあり方に潜んでいるのはどういう動向か。3)この探究のあとで、私たちは、現代の倫理問題をどう考えたらよいか、その下敷きとなる知見をうることができたと思っている。今後、探究をより深めて行きたい。
著者
秋山 新平 新津 守 松尾 周也 野崎 太希 山田 惠
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
日本磁気共鳴医学会雑誌 (ISSN:09149457)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.30-32, 2020-02-15 (Released:2020-03-13)
参考文献数
8

Six hundred and ninety consecutive MRI images obtained on 1.5 T or 3.0 T devices were reviewed to investigate the prevalence and diagnostic pitfalls of the vacuum phenomenon (VP) of the knee joint. The VP was identified on 13 knees and 7 knees (53.8%) were diagnosed with osteoarthritis. Gradient-echo imaging facilitated the delineation of minute VP within the joint space with susceptibility artifacts.
著者
山田 耕筰[作曲]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1937-01
著者
関根 由莉奈 山田 鉄兵 南川 卓也 松村 大樹 深澤 倫子
出版者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

放射性廃棄物の安全かつ低コスト処理法の確立は、原子力分野における重要な課題の一つである。産業や鉱山開発において発生する放射性元素種や汚染環境は多岐にわたり、各々に適した処理・処分法の確立が強く求められる。本研究では、家畜骨を原料とするバイオナノアパタイト界面を活用して、陽・陰イオン性を含む様々な元素へ適用可能なグリーン・サステイナブルな環境浄化材料及びシステムを実現することを目的とする。
著者
山田 安紀子 出口 利定 小川 仁
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.51-60, 1985-06-30 (Released:2017-07-28)

本研究は、聴覚刺激に対する乳児の吸啜反応の変化について探ることを目的とした。吸啜反応は、空の哺乳びんの底に取り付けた圧力センサによって計測し、刺激音は、ホワイトノイズと音声の2種類を用いた。同時に行動観察を行ない、吸啜反応結果と併せて検討した。対象は、生後1ヵ月の正常乳児47名とした。実験の結果、聴覚刺激による吸啜頻度の変化は、回復パタンと抑制パタンの2つに大別できた。回復パタンは聴覚刺激による覚醒反応を、抑制パタンは定位反応を反映していると考えられた。刺激の種類による差は行動反応において認められ、特にモロー反射の生起率は、ホワイトノイズの方が音声より有意に高いことが示された。以上から、聴覚刺激が吸啜反応に影響を及ぼすことが示され、吸啜反応を聴力検査の指標として用い得る可能性が示された。