著者
松浦 悠人 岡本 真理 安野 富美子
出版者
一般社団法人 日本統合医療学会
雑誌
日本統合医療学会誌 (ISSN:24355372)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.26-35, 2022-05-20 (Released:2023-05-20)
参考文献数
53

目 的:国内の美容鍼灸に関する研究の現状を把握することを目的に研究論文レビューを行った。方 法:医中誌Webを用い、2021年4月26日に2020年12月31日までの文献を検索した。組入れ基準は原著論文、美容鍼灸の効果を評価したもの、除外基準は会議録、総説・解説、商業誌に掲載されたものなどとした。結 果:355編が検索され、44件が抽出された。出版年では、2007年から論文が増加傾向であった。各調査項目の最多では、掲載雑誌は東洋療法学校協会雑誌が28件、研究デザインは非ランダム化比較試験と前後比較試験が12件、施術目的は美顔が17件、評価方法は主観的評価が19件、介入方法はマニュアル鍼刺激が45件であった。結 論:美容鍼灸に関する国内の文献は2007年から増加傾向であったが、査読を経た学術論文として出版されているものは少ない現状であった。今後はよりエビデンスレベルの高い研究デザインで臨床研究を行い、美容鍼灸の有効性を評価していく必要がある。
著者
松方 冬子 蓮田 隆志 橋本 雄 岡本 真 彭 浩 高野 香子 川口 洋史 木村 可奈子 清水 有子 原田 亜希子 北川 香子 西澤 美穂子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

主たる成果として、松方冬子編『国書がむすぶ外交』(東京大学出版会、2019年)を刊行し、前近代のユーラシアの全域にみられた「国書外交」とその周辺にあった通航証について明らかにした。おもな論点は、今までtributary system(華夷秩序・朝貢体制・東アジア国際秩序などと訳される)と呼ばれてきたものは、その実態からみるならば国書外交と呼べるものであること、国と国をつなぐ仲介者(商人や宗教者、国書の運び手となることが多い)の役割が重要であること、である。台湾の中央研究院で日明勘合底簿の手掛かりとなる史料を発見するなど、多くの実証的な新知見を明らかにした。
著者
池田 裕子 岡本 真理子 山本 健 今村 武浩 山近 重生 斎藤 一郎 中川 洋一
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.10-17, 2014-04-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
26
被引用文献数
4

Purpose: The purpose of this study was to investigate sleep quality and its related factors in dry-mouth patients. Subjects and Methods: A cross-sectional study was conducted in 362 patients who visited the Dry Mouth Clinic at Tsurumi University Dental Hospital with the complaint of oral dryness. Sleep quality was assessed using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J), and factors associated with the PSQI-J global score were analyzed by multiple regression. The dependent variable was the PSQI-J global score, while age, gender, resting saliva flow rate (RSFR), stimulated saliva flow rate (SSFR), VAS score of nocturnal dry mouth sensation, the presence or absence of snoring, grinding, clenching, and mouth breathing, and anxiety and depression score in the Hospital Anxiety Depression Scale (HADS) were used as the independent variables. Results: The mean PSQI-J global score was 7.9±3.9, and 232/362 (64.1%) cases were considered to be poor sleepers who showed a score of less than 5.5. The multiple regression analysis showed that anxiety (standardizing coefficient 0.330) and depression score (0.151) in HADS, nocturnal dry-mouth sensation (0.165), and age (0.209) were significantly associated with the PSQI-J global score. Conclusion: Anxiety, depression, and sleep-related xerostomia were found to be factors closely associated with the risk of disturbance of good sleep quality.
著者
岡本 真一郎
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.47-56, 1986-08-20 (Released:2010-11-26)
参考文献数
20
被引用文献数
5 3

状況的要因が依頼の言語的スタイルの変動に及ぼす影響を検討するため, 男子大学生を被験者として, 2つの研究が行われた. 研究1では, 被験者 (73名) は同性・同学年の親しい相手, 疎遠な相手に対する, 依頼表現を筆答した. 疎遠な相手に対しては親しい相手に比べて, 6場面中4場面で依頼型が減少, 意向打診型が増加して, 依頼スタイルは間接化することが明らかになった. 研究2では親しい相手に対する依頼に限って, 依頼内容 (場面) によるスタイルの変動が検討された. 2組の恩恵場面群と1組の修復場面群でそれぞれ, 依頼を履行する際の相手のコストが変数として導入された. 被験者 (43名) は依頼を口頭で答えた. 予想された恩恵場面群だけでなく修復場面群でも, 依頼のコストが増すと依頼型が減少し, 意向打診型が増加した. 以上の結果の考察のほか, 他のスタイルの分布や, 慣用句, 依頼の長さについても分析・考察が行われた.
著者
岡本 真彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.131-142, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
69
被引用文献数
6 2

メタ認知は, 曖昧な概念であり, 認知心理学の中でもアプローチが難しい概念であるとされてきた。一方で, 学校教育のみならず, 社会教育などの場面でもメタ認知の重要性が指摘され, 近年, 特にそのはたらきに注目が集まっている。メタ認知には, メタ認知知識とメタ認知モニタリングの2つの側面が含まれているとされる。本稿では, 最初に, 教科学習に関するメタ認知知識の発達変化についての研究を紹介し, 次に, 学校教育場面で行われる教科学習の中でも, 特に, 読解や問題解決の中に含まれる理解過程に焦点化して, それらの過程におけるメタ認知モニタリングのはたらきについての研究を展望する。最後に, これまでの研究のレビューに基づいて, 今後のメタ認知研究と教科教育研究の課題を示す。
著者
伊藤 君男 天野 寛 岡本 真一郎
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-27, 1998-06-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 緊急事態における避難行動に見られる事前の探索経験と集合行動の効果の検討である。実験室内に被災状況を模した迷路を作製し, 被験者の実際の脱出行動を観察した。実験では, 被験者は電気ショック装置を持った実験者から逃れるように教示された。実験1 (被験者64名) は, 2 (探索経験の有・無) ×2 (単独脱出・集団脱出) のデザインで行われた。探索経験は単独で行われ, その後, 単独または4人集団で実験が行われた。その結果, 探索経験は脱出所要時間の短縮を促進するという結果が得られた。また, 単独-未経験条件の被験者は他の条件の被験者と比較して, 脱出に要した時間を長く認知しているという結果が得られた。実験2 (被験者44名) では2種類の出口を設定し, 探索経験の際, 半数の被験者には一方の出口を, 別の半数の被験者にはもう一方の出口を学習させ, 本実験では4人集団で実験を行った。その結果, 集団脱出における同調行動が観察され, 集団による避難行動において, 不適切な行動であると考えられる同調行動の生起が示唆された。本研究の結果は, 探索経験の効果を証明し, ふだんの避難訓練の有益性を改めて示唆するものであった。
著者
有元 よしの 岡本 真 大向 一輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.3A2OS11b9, 2011

<p>2008年7月から3ヶ月ごとに全国各地で開催しているARGカフェ&ARGフェストを題材に、業種、職種、専門といったバックグラウンドが異なる人々、特に未知の人物同士が多い人々の間のコミュニケーションを促進し、コラボレーションへの発展を促す仕組みを論じる。 特に今回はJSAI2010での発表「ライトニングトークとパブでの立食パーティーによるコラボレーション促進の試み」以降の経過をまとめる。</p>
著者
依藤 彰記 細谷 友雅 岡本 真奈 粕本 愉美 五味 文
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1527-1533, 2019-12-05

ブリモニジン酒石酸塩点眼液(アイファガンⓇ,以下BT)の主な副作用として結膜充血,アレルギー性結膜炎などがあるが,角膜炎の報告は少ない。BT使用の経過中に発症した角膜実質炎3例を報告する。【症例1】62歳女性。4年前から両眼にBTならびに緑内障治療薬2剤を使用。右眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存し,矯正視力0.8と低下した。抗ヘルペス薬は中止したが再燃はない。【症例2】79歳女性。6年前から両眼にBTほか2剤を使用。左眼鼻下側角膜周辺部に実質深層の新生血管を伴う濃厚な弧状角膜混濁を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼と抗ヘルペス薬を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。視力低下は認めなかった。【症例3】76歳男性。3年前から両眼にBTとヒアルロン酸点眼液を使用。左眼耳下側角膜周辺部に実質深層の密な新生血管を伴う濃厚な半円状角膜混濁と結膜充血,濾胞を認めた。副腎皮質ステロイド薬点眼を使用し,BTを中止した。混濁は軽減したが残存した。全例BT使用中に出現した角膜炎であること,角膜ヘルペスの既往はないこと,実質深層の新生血管を伴う角膜周辺部病変で,既報の所見に類似していることから,BTが発症に関与した可能性のある角膜実質炎と診断した。緑内障治療中の患者に周辺部角膜実質炎をみたら,BT使用歴の確認も必要である。
著者
岡本 真一郎
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.4-16, 2001-03-30 (Released:2017-04-27)

本研究ではmatched-guise techniqueを用いて,名古屋方言の使用が話し手の評価に及ぼす影響を検討した.実験1では男性話し手については,共通語のはうが方言よりも知的で積極的であり,話し方や外見も優れているとされたが,社交性の評価は方言条件のほうが上回っていた.女性話し手は共通語のほうが方言よりも大半の側面に関して望ましい評価を得た.実験2では話し手(男性)の出身地を愛知県内であると明示した上で,使用言語を共通語,方言に操作した.活動性や見かけでは方言条件のほうが共通語条件より,また話し方や知性に関しては共通語条件のほうが方言条件より望ましく評価された.
著者
岡本 真彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.2-10, 2001
参考文献数
37
被引用文献数
4 1