著者
多山 賢二 住田 初美 岡本 洋子
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.241-249, 2011
被引用文献数
1

有機酸の存在が不可欠な5種の酸味のメニュー ((1)すし飯, (2)酢の物, (3)ぽん酢醤油をかけた豆腐, (4)ハチミツドリンク, (5)飲むヨーグルト) において, 代表的な有機酸である酢酸, クエン酸, 乳酸にグルコン酸を加えた合計4種の内, どの有機酸を用いたメニューが最も美味しいか酸味度を揃えた上で評価した。その結果, グルコン酸は(5)においてクエン酸と共に最も好まれたものの,(3)でやや好まれた以外, その他のメニューでは最も好まれないグループに属した。(1)(2)(3)で酢酸が最も好まれたことは食べ慣れた味が美味しく感じることを示唆している。調理上のグルコン酸の評価を上げていくためには様々な検討や時間をかけた取り組みが必要と思われた。<br>  一般的なお寿司には多くの食塩が含まれるため, すし飯の減塩の手法を考えた。グルコン酸に着目した検討の結果, 食酢, 砂糖, 食塩の三者ですし飯を作る際, グルコノデルタラクトンを追加すれば, 食塩量を半量としても美味しさを変えることなくすし飯を味わえることが明らかになった。グルコン酸カリウムでも減塩できたものの, 食酢の酸味を緩和しすぎることから食酢使用量が多くなり過ぎ, 調理コストの点で好ましくなかった。<br>  食経験がある酢酸菌を入手しグルコースを主原料としたグルコン酸発酵を検討し, グルコースと酵母エキスの培地で酢酸が少ない条件では, 220時間でグルコン酸を9%蓄積させることができた。また, 米とアルコールからなる原料からもグルコン酸10%を含む醸造酢が試作できた。

2 0 0 0 OA 平気の平太郎

著者
岡本一平 著
出版者
采文閣
巻号頁・発行日
1931
著者
染矢 聡 吉田 智 李 艶栄 岡本 孝司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.75, no.758, pp.1983-1988, 2009-10-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
7

It is known that flying fish perform long-range flight in the air in order to escape from predators such as tuna and swordfish. During the unsteady flight, ground effect enables the flying fish execute to flight for the maximum range and longest time. In this study, it was investigated a basic characteristic of the flow around the flying fish fin in ground effect, in order to understand the flying fish gliding performance quantitatively. The streamwise velocity profiles around the airfoil model were measured by a high time-resolved PIV (particle image velocimetry) in an open loop wind tunnel. A moving ground essential to generate the ground effect was supplied using a rotating disk. Two plates were put in tandem as the test wing model of a pectoral fin and a ventral fin of the flying fish. It was found that decreasing the height of the airfoil model caused a larger difference between the velocity in the suction surface side and that in the pressure surface side of the pectoral fin model.
著者
林 佳音 岡本 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.50, 2008 (Released:2008-06-16)

ユビキタス社会が進むにつれ,外国人観光客でも旅行先で多様な情報を即座に手に入れることが可能になった.また,豊かな国の観光客は団体行動に拘束されることなく,自由な個人旅行を望む傾向にある.そのため,昨今の観光客のニーズは著しく変容している.観光案内情報をグローバルな視点で再検討する必要がある.しかし,現在の観光案内における地図や観光地の様々な情報は文化の差異などの問題によって、実際の空間に認知的な混同を起こしている場合が多い.従って,異なる文化圏の利用者でも使いやすい観光案内の情報システムのデザインが一層重要になってくると思われる. 一方,函館市は外国人観光客にも優しい観光振興政策を実施していて,特に,台湾-函館間の交流は益々盛んになっている.海外からの観光客のために有効な観光案内デザインは観光客の現実の観光体験からニーズを解明すべきである. 本研究では,シナリオの要求分析を通じ,函館市西部地区の観光環境に対して,観光客の経路探索における行為やニーズを解明することを目的とする.台湾人の観光客が体験したユーザストーリから,観光活動に関する要求事項や問題点を分類し,集約する.また5W1Hの方法で概念シナリオを作成した.函館市西部地区の観光活動に注目し,特にグローバルな視点から,観光客の要求事項や問題点抽出する研究を行った.
著者
岡本 紗知
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.67-72, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
11

科学リテラシーの向上には、『科学の本質:Nature of Science(NOS)』を適切に理解する必要がある。本研究は、国内の大学生が NOS をどの程度適切に理解しているかを把握するために実施した。具体的には、入学直後の国立大学 1 年生、理系・文系の各 2 学部に所属する学生を対象にアンケート調査を実施し、NOS(6 テーマ)の理解度を調べた。さらに、学生の所属学部や高校で学んだ理科科目の違いが NOS 理解に影響を与えるかどうかを調べた。その結果、理系と文系の学生間で、NOS の平均的な理解度に有意差は見られないことがわかった。一方、NOS 各テーマに注目した場合、学部や選択理科科目により、理解度の異なる NOS テーマがあることが明らかとなった。特に、科学に対する社会的および文化的影響や、科学研究における想像力・創造力の役割では、学部間で有意差が見られた。また高校で「化学・物理」を選択した場合、「地学」を選択した場合と比べて、科学の暫定的性質をより正しく理解する傾向があることも明らかとなった。本研究から、理科科目の総学習時間ではなく、選択した科目が、NOS の理解に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
岡本 隆 浅野 志穂 松浦 純生 Jan Otto LARS
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.39-47_1, 1999-09-15 (Released:2011-02-25)
参考文献数
15

スカンジナビア半島やカナダに分布するクイッククレイは鋭敏比が8以上で構造的に非常に不安定である。そのためクイッククレイ堆積域では河川侵食や地盤の凍結・融解, 工事にともなう振動によって地すべりが頻発する。著者らはクイッククレイ堆積域での地すべりの挙動と間隙水圧, 気象要素の関係を把握するため, ノルウェーのクイッククレイ地すべり地に試験地を設定し, 地すべりの自動観測を1997年11月から開始した。観測は, 降水量, 融雪水量, 気温, 地温, 間隙水圧, 地すべり移動量についておこなっている。電源を設置した小屋が計器のフィールドの近くに建てられ, 観測データは小屋の中のデータロガーによって15分間隔で収集されている。本報告では, その観測システムについて報告するとともに, 1年間の観測から得られた若干の結果についても併せて報告する。スカンジナビア半島やカナダに分布するクイッククレイは鋭敏比が8以上で構造的に非常に不安定である。そのためクイッククレイ堆積域では河川侵食や地盤の凍結・融解, 工事にともなう振動によって地すべりが頻発する。著者らはクイッククレイ堆積域での地すべりの挙動と間隙水圧, 気象要素の関係を把握するため, ノルウェーのクイッククレイ地すべり地に試験地を設定し, 地すべりの自動観測を1997年11月から開始した。観測は, 降水量, 融雪水量, 気温, 地温, 間隙水圧, 地すべり移動量についておこなっている。電源を設置した小屋が計器のフィールドの近くに建てられ, 観測データは小屋の中のデータロガーによって15分間隔で収集されている。本報告では, その観測システムについて報告するとともに, 1年間の観測から得られた若干の結果についても併せて報告する。
著者
岡本 和夫 CASALE Guy
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

微分方程式のガロア理論と付随する葉層構造のガロア理論の関係は、微分体の拡大の観点から梅村浩教授により研究されているが、これを微分方程式の観点から研究し両者の関係を明らかにすることが目的の一つである。一方、パンルヴェ方程式のガロア理論の観点からの研究は日本で盛んに研究されているが、ここでも微分グルポイドの視点は有効であると期待される。例えば、パンルヴェ方程式の既約性について新しい証明を得ることを目標の一つとしている。前者が微分ガロア・グルポイドの可積分性に関する研究であり、後者がそのパンルヴェ方程式への応用である。これら2つの研究は今のところ独立に並行して遂行する。第一の研究課題が進展すれば、その第二の課題への適用が可能となり、ともに発展が期待できる。具体的にまず考察すべきは以下の視点である。すなわち、非線型微分方程式のガロア理論においては、微分体の拡大と微分方程式の特殊解との関係を確立することが肝要であり、そのときの鍵となるのが付随する葉層構造のガロア理論である。分担者の今回の滞在予定期間は当初一年であったが、2ヶ月ほど延長し上記研究目的に挙げた研究を遂行した。目標の一つは、微分方程式のすべての解を含む微分体を構成するであるが、これはすぐ上に述べた付随する葉層構造の完全第一積分を含む微分体を通して行われるものである。パンルヴェ方程式の既約性について、ガロア・グルポイドを用いるやり方はもとのパンルヴェ自身が考察したアイデアに近いものであるので、何とか完成したい。とりわけ、パンルヴェ方程式に関するデュラックの予想についての研究はじゅうようであるからこれを遂行した。日本各地の研究者との交流は重要であるから、引き続き積極的に行った。また、得られた成果は部分的なものであったとしても研究会などで発表し、これはさらなる発展に資するものと期待している。そのためには他機関の研究者との交流に取り組み、研究打ち合わせを行った。海外の研究集会にも参加し、研究成果を公表した。また、研究代表者がパンルヴェ方程式に関する若手研究者を中心とする研究グループの構築を図っているのでこれに協力したが、今後とも協力するつもりである。
著者
川村 軍蔵 信時 一夫 安樂 和彦 田中 淑人 岡本 一
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.35-39, 2001-01-15
被引用文献数
1 4

感光色素を一種類しかもたないタコ類は色盲とされる。これを行動実験で検証するために, スナダコ5個体とマダコ7個体を用いて色覚を確かめる学習実験を行った。供試個体を負刺激球(白球あるいは灰色球)と同時呈示した青球(直径25mm, 反射スペクトルのλ_<max>=460nm)に触れてから餌を摂るよう条件付けた後, 負刺激球を明度が段階的に異なる灰色球に換えて移調試験を行った。移調試験では, スナダコは灰色球の明度にかかわらず有意に高頻度で青球を選択し, 色覚をもつ可能性が示された。マダコは灰色球の明度によって選択球が変わり, 色盲であると結論された。
著者
加藤 正也 今高 城治 岡本 健太郎 谷 有希子 山口 岳史 荻野 恵 土岡 丘 加藤 広行 有阪 治 Masaya Kato George Imataka Kentaro Okamoto Yukiko Tani Takeshi Yamaguchi Kei Ogino Takashi Tuchioka Hiroyuki Kato Osamu Arisaka 獨協医科大学医学部 小児科学 獨協医科大学医学部 小児科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 第一外科学 獨協医科大学医学部 小児科学 Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University First Department Of Surgery Dokkyo Medical University Department Of Pediatrics Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.173-176, 2014-07-25

症例1は6歳女児.インフルエンザ感染症初日に発熱しオセルタミビルを開始.第3病日,右下腹部に限局した圧痛が出現.腹部造影CTで糞石を認め急性虫垂炎と診断.保存的に加療し炎症反応と腹痛は改善した.症例2は5歳女児.第1病日に発熱と腹痛を認め,第3病日に鼻咽腔迅速検査でインフルエンザB型と診断しザナミビル吸入を開始.触診で右下腹部に反跳痛を認め,腹部単純CTで虫垂壁の肥厚と糞石を確認.急性虫垂炎の併発と診断し,第4病日に虫垂切除術を施行.切除虫垂に膿瘍を認め腹腔ドレーンを留置.第5病日に解熱し経過は順調であった.インフルエンザに伴う腹痛では感染に付随する腹痛と断定せず急性虫垂炎の可能性も考慮し腹部CTなどの画像検査を行うことが肝要である.
著者
金堀 哲也 岡本 嘉一 小倉 圭 前原 淳 島田 一志
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.217_2, 2017

<p> 成長期の野球選手における野球肘の有病率は非常に高く、野球肘の早期発見および予防の重要性が提言されている。野球肘の発症要因には酷使をはじめとして、ポジションや投球動作など、様々な要因が複雑に絡み合っている。Okamoto et al.(2016)は、学童期野球選手を対象にMRI診断を行った結果、41.9%に異常所見がみられたものの、投球数、投球頻度、ポジションとの関係性はなかったと報告している。すなわち、野球肘の発症要因において、投球動作との関連性は少なくないと考えられる。そこで本研究は、肩・肘に痛みのない学童期野球選手60名を対象に、肘関節MRI診断および投球動作の3次元動作解析を併用することで、MRI診断結果と投球動作の関係性について検討し、野球肘の発症要因となる投球動作を明らかにすることを目的とした。その結果、踏出足着地時の投球腕肩関節の外転角度においてMRI陰性群のほうが有意に小さかった。また、踏出足着地時の肩と腰の回転角度の差においてMRI陰性群のほうが有意に大きかった。以上のことから、踏出足着地時の姿勢がその後の投球腕の動作に影響を及ぼし、肘関節への過度な負荷を加えている可能性が示唆された。</p>
著者
落合 英二 岡本 敏彦
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.556-559, 1959-07-20 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
3 7

The results of dehydrogenation of anhydroignavinol and oxidation of des-N-methyl-anhydroignavinol are discussed and tentative structures for anhydroignavinol and ignavine are presented.