著者
田辺 義次 赤松 徹 前田 哲哉 岡本 昭二
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.755-759, 1975-10-01 (Released:2012-03-24)
参考文献数
15

本症の報告は少ないが, けつしてまれなものではない。著者らは, 19, 24, 38才の男子例を経験した。臨床像は3例ともほぼ同様で, 軟骨様硬の索状硬結が陰茎包皮の冠状溝への移行部に蛇行状に認められた。性病歴なく, そのほかの既往歴にも本症との関連性が疑えるものはなかつた。また外国の症例で強調されている性交渉との関係は認められなかつた。組織学的特徴はリンパ管壁の肥厚ないし硬化である。肥厚した壁は結合織が大部分を占め, これに浮腫性変化とわずかのリンパ球および組織球が混在している。内腔は壁の高度肥厚のため, また肥厚に加えて内壁に付着した血栓様構造ないしその器質化のため狭小化, ときに閉塞状態になつている。きらに電顕的に内皮細胞を観察し, 光顕像とあわせて硬化性リンパ管炎と考えた。とくに治療せずに経過観察, 6~8週で略治の状態になつた。病名および「異所性モンドール病」について若干の文献的考察を行なつた。
著者
関野 愉 相羽 玲子 相羽 寿史 塚原 武典 田代 俊男 岡本 浩
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.283-288, 2001-09-28
参考文献数
42
被引用文献数
2

数種類の洗口剤を用いて,初期のプラーク形成抑制効果に関して臨床的検討を行った。歯周疾患の徴候のない25〜35歳の成人8名を被験者とした。実験開始前,14日間にわたり専門家による歯面清掃と口腔衛生指導を行った。実験開始時から全ての機械的歯面清掃を中止し,洗口剤10mlで1日2回1分間の洗口を4日間行った。実験開始時と4日後,全歯面に対してPlaque lndex(P1I)を用い診査を行った。4日目の診査後,専門家による歯面清掃と被験者自身によるブラッシングを再開し,10日後に再ぴ歯面清掃を中止し,他の洗口剤により4日間洗口を行った。以上の方法で,1)蒸留水(DW),2)0.12%グルコン酸クロル・ヘキシジン水溶液(CHX),3)酸化電位水(AW),4)0.1%フッ化第一スズ水溶液(SnF_2),5)0.02%塩化セチルピリジニウム含有洗口剤(CPC)の5種類の洗口剤を用いて検討を行った。全歯面におけるP1I 値は CHX で0.75,AW 1.21,SnF_2 1.20,CPC 1.55,DW 1.61であった。これらを比較検討したところ,CHX と他の全ての洗口液,AW と CPC とDW,SnF2とCPCとDWの間に統計学的有意差が認められた。また,全ての洗口剤において前歯部のp1I 値は小臼歯部,大臼歯部のものよりも低く,頬舌側面のp1I値は隣接面よりも低かった。
著者
酒井 義人 松山 幸弘 岡本 晃 石黒 直樹
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.96-103, 2007 (Released:2008-01-22)
参考文献数
20

筋弛緩薬として知られるeperisone hydrochloride(EMPP,ミオナール®)の効果につき検討した.6カ月以上持続する男性慢性腰痛症患者74名をランダムに3群すなわち,A群:物理療法のみ行った25例,B群:EMPPを4週間投与した24例,C群:McKenzie法を行った25例に分け,2,4週後にJOA score,Faces Pain Scale-Revised (FPS-R),VAS,SF-36を評価した.また腰椎伸展・屈曲における腰背筋酸素化を,近赤外分光器(NIRS)を用い酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb)を評価した.2週後ではすべての評価で差を認めず,4週後の評価では,VASでA群とC群間で有意な差を認めた.NIRSでは,2週後で差を認めず,4週後で腰椎伸展時のOxy-HbがB群で有意に増加した.疼痛に関してはMcKenzie法が効果的でVASでは4週という短期間で有意に改善した.EMPP投与では改善はされるものの有意な疼痛改善には至らなかったが,NIRSでの評価では腰椎伸展におけるOxy-Hbの増加が有意にみられた.慢性腰痛患者の保存治療として運動療法とEMPP投与の併用が望ましいと考える.
著者
三宅 和子 岡本 能里子 村松 賢一 永瀬 治郎
出版者
東洋大学短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

アトランタ五輪の女子マラソンテレビ放送は視聴者の批判を浴びたが批判の的はアナウンサー(以下「アナ」)と解説者(以下「解説」)の言語行動に集中していた。本研究はこの批判が日本の言語社会構成員の規範や期待感を反映しているものと考え、どのような要因が視聴者の不快感を招いたかを究明する。女子テレビ放送の特徴を明確するため、比較として同マラソンのラジオ放送、男子マラソンのテレビ放送を使用し、数量的、質的研究の二つのアプローチで分析を行った。数量的研究ではこの放送のビデオを視聴した被験者(185名)にアンケート調査を行い、アナ・解説に対しての総合評価を目的変数、評価の要因と考えられる要素を説明変数とする重回帰分析を行った。その結果、評価の要因としてアナと解説に共通して「相手とのコンビネーション」と「声の特徴」、そのほかアナでは「説明内容の適切性」「緊張度」「説明の自然さ」「気になる表現の有無」など、解説では「解説としてのわきまえ」「態度」などが抽出された。質的研究では、女子マラソンをラジオ、テレビの放送の音声面で比較したところ、ラジオのアナ・トークがきわめて定型的なスポーツ放送独特のリズムパタンを実現し、解説がそれに合わせるいわゆる「餅つき」形であるのに対し、テレビはアナと解説のリズムが不定型で、あいづちの欠如やずれでリズムが作り上げられていない。また、女子のテレビ、ラジオ放送、男子テレビ放送の談話を比較すると、女子テレビ放送はアナ・解説に相づちがほとんどなく種類も少ない、発話が長く、話者交替時にインターアクションが3層構造をなさない、対話型話段から実況形話段の移行時に解説に対するアナのフォローがない、解説の発話権が自己主張的で、アナの使うべき談話標識を使う、などの現象が見られた。このように女子テレビではアナと解説の役割分担が欠如し、対話型インターアクションが放棄されているが、数量的研究の結果も支持するように、このことが視聴者の不快感と特に関連が深く、翻ればそこが日本の言語社会のスポーツ放送に望まれる談話を示唆しているといえよう。
著者
岡本 昌三 石井 尚一 向居 彰夫
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.22-24, 1959-07-10 (Released:2008-05-15)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

1)ジャージー種牡牛2頭を人工気候室(室温昼間32°C,夜間30°C,湿度55~60%)内に5週間収容して,うち1頭の陰嚢を流水をもつて冷却し,他の1頭は対照として無処置とし,その間の精液性状の変化を調べた。2)精液量は漸増し,精子濃度及び1射精当り総精子数は漸減して,特に第4~5週において著明な減少が認められ,この傾向には両区間に差が認められなかつた。3)活力,異常精子率及び精子生存日数については,対照区では著しく悪化し,精子の運動力を示すものなく,異常精子率は約90%にまで及んだが,冷却区ではほとんど変化が認められなかつた。4)以上の結果から造精機能の保持に対する陰嚢冷却の効果は期待されないが,精子の成熟過程における高温の有害作用はおおむね防除し得ると考えられる。
著者
近藤 成一 海老澤 衷 稲葉 伸道 本多 博之 柳原 敏昭 高橋 敏子 遠藤 基郎 渡邉 正男 神野 潔 野村 朋弘 金子 拓 西田 友広 遠藤 珠紀 山田 太造 岡本 隆明
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

未刊古文書釈文作成のための協調作業環境を構築することにより、未刊古文書の釈文を歴史学のコミュニティにおいて協同で行うことを提起し、史料編纂のあり方について新たな可能性を模索するとともに、歴史学のコミュニティの実体形成にも寄与する基礎とした。釈文作成のために外部から自由な書き込みを許す部分と、作成された成果を史料編纂所の管理のもとに公開する部分を構築し、前者から後者にデータを選択して移行するシステムを設けた。
著者
保母 敏行 飯田 芳男 石橋 耀一 岡本 研作 川瀬 晃 中村 利廣 中村 洋 平井 昭司 松田 りえ子 山崎 慎一 四方田 千佳子 小野 昭紘 柿田 和俊 坂田 衛 滝本 憲一
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.363-392, 2008-06-05
被引用文献数
6

(社)日本分析化学会は1993年にU,Thの含有率を認証した二酸化ケイ素標準物質を開発して以来,燃焼灰,土壌,底質,河川水,排水,プラスチックス,工業材料,食品と多岐にわたる種類の標準物質の開発を続けており,現在頒布中の標準物質は23種類に上る.認証対象は特定成分の含有率で,成分はダイオキシン類,金属元素など環境分析で扱われるものが多いが,食品では栄養成分を対象とした.本会の標準物質の大きな特徴は純物質あるいはその溶液ではなく,上述のように,環境試料あるいは工業製品であること,つまり一般分析者が実際に扱う試料の形態であることである.認証値の決定方法は,まず均質性の保証された試料の調製と,多数の試験機関の参加による分析共同実験,そして得られた報告値をロバスト法を導入した統計手法で処理して評価し,信頼性ある認証値を得る,という手法によっている.また,これらの標準物質の開発時において,例えばダイオキシン類のガスクロマトグラフ分離の状況,PCBの抽出条件と塩素置換数の変化など,貴重な知見が得られたことは分析手法改善につながる収穫といえる.
著者
岡本 隆司
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.84-117, 1999-06-30
著者
大塚 雄一郎 根本 俊光 國井 直樹 花澤 豊行 岡本 美孝
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.9, pp.1225-1230, 2016-09-20 (Released:2016-10-07)
参考文献数
15
被引用文献数
2

甲状腺吸引細胞診の最も一般的な合併症である頸部腫脹には2つの機序が知られている. 1つは穿刺部からの出血による血腫形成 (甲状腺内と甲状腺外), もう1つは穿刺刺激に反応した腺内血管の拡張によるびまん性甲状腺腫脹である. 後者は過去の報告で acute and frightening swelling of thyroid と表現される重要な合併症であるが, 適当な名称がないため本文では便宜上 dTSaFNA (diffuse thyroid swelling after fine needle aspiration) と称した. われわれは甲状腺の吸引細胞診後の血腫形成を1例と dTSaFNA を2例経験した.
著者
岡本 浩一 杉森 伸吉
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

東京都と神奈川県に在住する成人を対象に、1500通の調査冊子を発送し、551人から回答を得た。リスク認知については、「恐れ」因子と「未知性」因子の2因子による相関構造が見出され、slovicらによる従来からの知見が認識された。また、社会的信頼感は、一般因子の存在が示唆された。リスク認知の2因子と、社会的価値観の種々のスコアとの相関を調べたところつぎのような結果が得られた。(1)政治的効力感の高い人ほどリスクの恐れが強く、リスクの未知性を高く感じている。(2)平等主義的価値観の強い人ほど、リスクの恐れが強く、逆に、権威主義的価値観の強い人ほどリスクの恐れが低い傾向があった。(3)リスクの統制感スコアの高い人ほど、リスクの未知性を低く感じる傾向があった。(4)社会に対する信頼感の高い人ほど、リスクの恐れぬ傾向があった。(5)社会的価値観のうち、個人主義尺度と政治的態度(進歩的か保守的か)はリスク認知と有意な相関をもっていなかった。(6)従来、リスク認知と相関すると報告されることの多い、神秘的世界観や宗教性はリスク認知と有意に相関していなかった。(7)情報への感受性の尺度のうち、情報認知の高い人がリスクの未知性を低く感じている傾向が有意であったが、情報探索傾向はリスク認知の変数と有意な相関をしていなかった。リスク認知が社会的価値観や社会的信頼感を心理的に投映している可能性を予測した研究であったが、その予測はおおむねデータによって裏付けられたといえよう。
著者
児玉 ひとみ 竹宮 孝子 斎藤 加代子 大澤 真木子 岡本 高宏
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.12, pp.2989-2994, 2011 (Released:2012-07-24)
参考文献数
14
被引用文献数
1

近年,外科を選択する女性医師が増えつつある.女性外科医が妊娠・出産を望む時期と専門医取得を目指す時期はほぼ重なっている.育児と両立しながら臨床経験を積む為には,多くの問題を解決しなければならない.東京女子医科大学は日本で唯一の女子のみで構成された医科大学であり,女性医師を支援するシステムが多く存在する.今後全国的にこれら支援システムがたちあがり,ワークライフバランスの概念が浸透してゆけば,女性外科医は出産後も母親であると当時に一外科医として社会に貢献し続けることができる.
著者
山本 将平 外山 大輔 杉下 友美子 金子 綾太 岡本 奈央子 小金澤 征也 藤田 祥央 秋山 康介 磯山 恵一
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.182-186, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
8

小児がん患者家族の会(以下家族の会)は,がんの子どもを持つ同じ境遇の家族からなる自助グループであり,各小児がん診療施設に存在している.医療者とは独立した組織であり,家族にとって心強い存在であるにも関わらず家族の会がない施設も多数みられる.家族の会の立ち上げ,運営を企画する有志の家族がいないことが理由として考えられている.我々は,医師の声かけによって家族の会を立ち上げた.医師から直接,数名の家族に家族の会の幹事をお願いする方法で幹事を決定した.家族の会立ち上げ準備会で会の詳細を決定し,発案から3か月で家族の会を開催することができた.会の立ち上げには医師が関わったが,その後の運営には医師,看護師などの医療者は関与していない.家族の会の定期的な開催には,開催場所の確保,対象家族への案内が必須であり医療者の理解と協力が必要である.家族の会の立ち上げが医療者の声かけによってなされることでお互いの良好な関係が構築できる利点がある.また,これにより,家族の会がピアサポーターとして患者家族と医療者の橋渡し的な存在となりうる.本方法による家族の会の立ち上げは,今後,家族の会の立ち上げを考えている施設のモデルケースとなりうるためここに報告する.
著者
黒田 晃平 東 和生 村端 悠介 大﨑 智弘 柄 武志 伊藤 典彦 今川 智敬 岡本 芳晴
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.303-306, 2018-06-20 (Released:2018-07-20)
参考文献数
16

11歳のミニチュアダックスフントが全般発作を主訴に来院し,MRI検査で髄膜腫と診断された.抗がん剤等の治療を希望されなかったため,病変に対し温熱療法の1つであるラジオ波誘導温熱療法(オンコサーミア)を実施した.本症例は治療開始より1,065日で亡くなった.その間,てんかん様発作は認められたものの,一般状態は良好に維持されていた.今回の症例では,オンコサーミアによって長期間の生存が可能であった(33.1カ月).これは,手術及び放射線を併用した場合と同等の生存期間である.さらに,その期間は大きな副作用もなく,症例のQuality Of Lifeは良好に維持されていた.この結果から,オンコサーミアは犬の髄膜腫の進行を抑える効果がある可能性が示唆された.
著者
岡本 圭史
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第52回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.111, 2018 (Released:2018-05-22)

文化人類学と心理学の架橋は、容易に成功し難い課題である。その原因の1つは、人類学者による心理学の参照が、しばしばデータから切り離された概念の領有に陥っていたという点であろう。本発表では、いわゆる「宗教の認知科学」における霊的存在のエイジェンシーをめぐる議論について検討する。そのことを通じて、人類学者による認知心理学の正確な理解が、生活世界の中の霊の位置を新たな視点から描く助けとなることを示す。
著者
酒谷 粋将 岡本 賢吾 門内 輝行
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.685, pp.527-536, 2013-03-30 (Released:2013-06-03)
参考文献数
18
被引用文献数
4 1

This study aims to develop the roles of metaphors in architectural designs. We chose 210 architectural works of art containing metaphors in “SHlNKENCHIKU" magazines, then construct the database for metaphors based on structure mapping theory. We analyze the types and the metaphorical structures of these architectural designs and try to describe how these metaphors work. The results are as follows; 1) Various metaphors are generated from the experience of natural and artificial objects. 2) There are three levels of metaphors; “attributive”, “relative” and “semantic” metaphors. 3) We can describe the mechanism of creative architectural design process based on the metaphors.
著者
石川 孝子 福井 小紀子 岡本 有子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.153-162, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1

【目的】終末期がん患者の死亡場所の希望と実際の一致を促進する可能性のある,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施の促進要因を明らかにする.【方法】無作為抽出した全国1,000事業所の訪問看護師に,無記名質問紙調査を実施した.【結果】374名のうち,予後理解を促す支援をした割合は27.8%であった.予後理解を促す支援の実施の促進要因は,医師による患者への余命の告知あり(オッズ比3.22: 95%信頼区間1.81-5.73),予後理解を促す支援は看護師が説明すべきと認識している(2.12: 1.02-4.43),患者へ予後理解を促す支援の必要性を認識している(1.54: 1.08-2.21),1年間のがん患者の自宅看取り数が5人以上(1.78: 1.04-3.05)であった.【結論】患者の希望死亡場所の実現を目指し,訪問看護師による予後理解を促す支援の実施を促進するためには,上記4項目の推進の必要性が示された.
著者
岡本和樹 太田正哉 大谷洸貴 佐藤司 本車田匡隆 山下勝己
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.45-46, 2013-03-06

本研究では,広く普及している任意のQRコードをマーカとするARシステムを提案する.本システムは,Android, iOS, Flashなどのプラットフォーム上でQRコードを認識するZXingを用いており,HTML5/Javascriptによって記述したARコンテンツを表示できるマルチプラットフォームなARアプリケーションを容易に開発できる.