著者
関口 靜雄 岡本 夏奈 阿部 美香
出版者
光葉会
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.900, pp.60-69, 2015-10
著者
岡本 弘道
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ6 『周縁と中心の概念で読み解く東アジアの「越・韓・琉」―歴史学・考古学研究からの視座―』
巻号頁・発行日
pp.89-98, 2012-03-01

1609年の琉球侵略から1879年の琉球処分に至るまでの「近世琉球」期は、明清両朝への朝貢・冊封関係、そして島津氏およびその上位の徳川幕府に対する従属関係が琉球王国を規定した時期である。そのため、明清両朝の華夷秩序と近世日本の日本型華夷観念との衝突やその中で生じる矛盾を琉球は抱え込まなければならなかった。17世紀末頃までにその枠組みを確立した琉球の外交は、島津氏と幕府に対する対日外交、そして朝貢使節の派遣と冊封使節の迎接に代表される対清外交に大別される。両者は琉球の「二重朝貢」として並列されることもあるが、その位相は全く異なるものであり、琉球の外交に制約を課すとともにその国内体制とも密接に絡み合い、逆に琉球の存在意義を保障する役割を果たしていた。 近世琉球期の外交については、既に重厚な研究蓄積が存在するが、本報告ではそれらの成果に依拠しつつ、その国際的位置づけと外交の枠組みに関するいくつかの問題について検討を加え、その中に見いだせる「主体性」もしくは「自律性」について考えてみたい。
著者
岡本 怜嗣
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.15, pp.214-238, 2010-03

鎌倉時代中期に活躍した仏師・肥後定慶は二件の幕府関係の造像を行った。その一つが藤原頼経室であった竹御所追善の造仏であり、もう一つが藤原頼経発願の五大堂五大明王像であった。これら二つは運慶の次世代の仏師造像として早い時期のものである。本稿では、肥後定慶がこれら二件の幕府関係の造像に採用された背景の検討を行った。その結果として今回は、中原行兼という人物に注目した。肥後定慶が中原行兼の知遇を得たことによって、どのような過程で採用が行われたかというメカニズムの検討を行った。
著者
岡本 雅享
出版者
福岡県立大学
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.73-99, 2012-01-08

筆者は拙稿「アテルイ復権運動の軌跡とエミシ意識の覚醒」(『アジア太平洋レビュー』 第8号)で、1980年代後半から2000年代にかけて東北で生じたアテルイ復権運動を検証したが、 本稿では、ほぼ同じ時期(1990年代前半)、南九州(熊本県球磨郡免田町)で起きたクマソ復権運動の軌跡を辿り、それが意味したものを検証し、南九州人のアイデンティティについて考察する。
著者
津志田 藤二郎 村井 敏信 大森 正司 岡本 順子
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.817-822, 1987
被引用文献数
33 45

(1) 茶葉を窒素ガスや炭酸ガスのなかに入れ,嫌気的条件に置いたところ, γ-アミノ酪酸とアラニンが増加しグルタミン酸とアスパラギン酸が減少した.一方,テアニンやカフェイン,タンニン含量は変動しなかった.<br> (2) γ-アミノ酪酸は血圧降下作用を示す成分であるといわれることから,窒素ガス処理を行った茶葉で緑茶を製造した.その結果,一番茶,二番茶,三番茶ともにγ-アミノ酪酸含量が150mg/100g以上になった.<br> (3) ウーロン茶,紅茶のγ-アミノ酪酸含量は,茶葉を萎凋する前に窒素ガス処理するより,萎凋後に窒素ガス処理するほうが高くなった.<br> (4) 窒素ガス処理した茶葉から製造した茶は独特な香りを持っていたので, GC-MSで香気成分を分析,同定したところ,窒素ガス処理しないで製造した茶に比べて,脂肪酸のメチルやエチルエステルが増加していた.しかし,これらの成分の臭いは窒素ガス処理した茶が持つ香りとは,異なっていた.
著者
田中 健一 岡本 豊 竹岡 明美 井野 隆光 河野 茂勝 大幡 勝也 川合 満 前川 暢夫
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.199-206, 1984-04-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
3

喘息惹起を目的として作られた同じ動物モデルに鼻アレルギーが惹起できる可能性を示した.酢酸エチルに溶解した10%TDI溶液を1日1回連続5日間モルモット鼻前庭に塗布し, 3週間の無処置期間をおいて5%TDI溶液で同様の方法によりチャレンジした.この誘発法をその後週2回約3カ月くりかえした.誘発期間中呼吸困難の程度にかかわらず, くしゃみ, 鼻汁が動物に観察された.鼻汁中には多数の好酸球が認められた.組織学的検索においては分泌機能の亢進と共に, 好酸球浸潤, 肥満細胞の脱顆粒を示唆する像が鼻粘膜に認められた.TDI結合モルモット血清アルブミンを用いて鼻粘膜よりのヒスタミン遊離を検討した場合, 抗原刺激による有意のヒスタミン遊離増加が感作動物に観察された.実験結果は喘息と鼻アレルギーの発症機序に共通性のあることを示唆すると共に, TDIによる喘息モデルがアレルギーの基礎的臨床的研究にも適していることを示した.
著者
岡本 晃充
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

励起子相互作用による蛍光消光を効果的に使用した新しい発想のオン-オフ蛍光核酸プローブ(近赤外)を設計・作成した。このプローブは、プローブだけのときには色素の二量化によってほとんど蛍光を示さないが、標的配列(DNA・RNA)とハイブリダイゼーションしたとき二量体構造が崩れ、強い蛍光発光を与えた。
著者
見学 美根子 (2011) 岡本 晃充 (2010) WANG D. オウ タン
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

神経細胞内のmRNA動態観察において、RNA配列の染め分け、つまりマルチカラー核酸解析は、mRNAのライブセルイメージングの原点としてどうしても確立したい技術である。それが可能になれば、アメフラシの神経細胞の中でのmRNAのトラフィックスのモニタリングへ応用できるようになる。本年度は、まずモデル系として、励起子制御機構にのっとった新規蛍光プローブ群を用いて、ヒトガン細胞(HeLa細胞)およびマウス神経細胞(海馬から取り出す)における新規mRNA蛍光検出法へと展開した。ここで検討されたプローブは、チアゾールオレンジ色素の色素間励起子結合効果を利用しており、標的のmRNAと結合した場合にだけ488nm励起により強い蛍光を発する。われわれは、まず細胞内mRNA分布の静的観察のために、このプローブを用いた蛍光in situハイブリダイゼーション法を確立した。この方法は、ガラスプレート上に固定化した細胞に対し、新規蛍光プローブを含む溶液を加えるだけである。これにより、従来までの蛍光in situハイブリダイゼーション法で用いられてきた工程を大きく簡便化することができた。この新規観察法を通じて、mRNAが細胞内でどのように分布しているかを蛍光発光によって確認することができた。この方法は、次の段階として目指すべきである神経細胞内のmRNAのトラフィックの観察に有用であると思われ、引き続き研究を進めることによって、新たな蛍光観察法の確立を目指したい。
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2013-03-08

『n次創作観光』出版記念イベント : 北海道で「n次創作観光」は可能か? : 観光とコンテンツの出会いが拓く北海道の未来. 2013年3月8日(金). 紀伊國屋書店札幌本店1Fインナーガーデン, 札幌市.
著者
岡本 浩一 二宮 致 廣瀬 淳史 中村 慶史 尾山 勝信 宮下 知治 田島 秀浩 藤村 隆 太田 哲生
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.983-987, 2017 (Released:2017-06-20)
参考文献数
15

【目的】食道癌術後縫合不全におけるCaHMB・L-アルギニン・L-グルタミン配合飲料(以下、アバンド™と略)投与の有用性につき検討した。【対象及び方法】2003年1月から2014年12月の期間に食道切除・胃管再建術を施行した食道癌205症例において、アバンド™を手術日の14日以上前から術後にかけて周術期栄養療法に追加したアバンド群55例と、非投与症例(対照群)150例における縫合不全発症率を検討した。また、保存的に治癒が得られた縫合不全症例19例(アバンド群8例と対照群11例)における縫合不全発症日数、縫合不全治癒までの期間、合併症などにつき後方視的解析を行った。【結果】両群間における縫合不全発症率に有意差は認めなかった(アバンド群14.3%、対照群7.3%、P=0.115)。縫合不全治癒期間はアバンド群で13.5±14.3日であり、対照群の35.0±17.4日と比較して有意に治療期間が短かった(P=0.043)。【結論】アバンド™は食道癌術後縫合不全の治療期間短縮に寄与する可能性が示唆された。