著者
樋口 彰宏 斉藤 大 新井 基洋 岡本 牧人 八尾 和雄
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.438-443, 1997

1996年6月より我々は整形外科関節手術用シェーバーシステムである, SE5, ペースセッター (ラージハンドピース) をESSに使用し始めた。56例 (99側) にSE5 (あるいはペースセッター), ハマー, 通常手術器具でESSを行い, その有用性の検討を行ったところ, SE5 (あるいはペースセッター) 使用症例 (あるいは側) はハマー, 通常器具使用症例 (あるいは側) に比して, 手術時間, 出血量, 術中副損傷, 創傷治癒など全てにおいて優れていた。シェーバーの安全性, 有用性はそのままで, ハマーの欠点を克服できた。SE5, ペースセッターは整形外科で広く普及していて, すでに所有している施設も多いため, 多くの耳鼻咽喉科医が, すぐにでもESSにシェーバーを使用できるという利点もある。
著者
川井田 政弘 佐藤 清二 岡本 亮二 池田 稲穂
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.369-373, 1986-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
17

A 11-year-old male complained of swelling of the cervical lymphnodes without fever and sore throat. On admission the patient exhibited hepatomegaly. On laboratory findings, hepatic dysfunction and 77% mononuclear leucocytes in the circulating bloods were found, although atypical lymphocytes were rare. High titer of EB viral capsid antigen IgG (VCAIgG) and EB early antigen-diffuse, restricted IgG (EA-DRIgG) was noted. EB nuclear antigen (EBNA) antibody and heterophile antibody were negative. The histological investigation of the lymphnode revealed chronic lymphadenopathy, and infectious mononucleosis was diagnosed. The patient recovered in 5 weeks from the onset.
著者
岡本 祐之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

ヒトおよびラット皮膚においてiNOSが誘導されNOが産生されることが明らかとなった。乾癬をはじめ、アトピー性皮膚炎、扁平苔癬、水疱症、膠原病などの炎症性皮膚病変においてiNOSが表皮ケラチノサイトに発現されていることが認められたが、iNOSの発現様式は疾患によって異なっていた。乾癬ならびにアトピー性皮膚炎の表皮におけるiNOS発現の推移を調べると、ステロイド外用剤による治療によって皮膚症状の改善とともにiNOS発現の低下が観察された。2種類の実験的接触皮膚炎、すなわちアレルギー性および一次刺激性皮膚炎では、表皮におけるiNOS発現に明らかな差は観察されなかった。紫外線皮膚炎におけるNO関与では、少量の紫外線(UVB)照射によりケラチノサイトはNOの産生上昇を示した。マウスに紫外線照射を行い、照射前または照射後にNOSの阻害剤であるL-NAMEを腹腔投与し耳介腫脹を日焼け細胞数を測定すると、腫脹の程度および日焼け細胞数ともL-NAMEの投与により抑制された。一方、紫外線のマウス接触アレルギー反応抑制作用に対する効果を検討すると、L-NAME投与は紫外線の抑制作用に影響を示さなかった。今回の研究において、NOは紫外線の皮膚に対する直接障害に関与するものの、紫外線が及ぼす免疫反応には効果が認められないことが示された。アトピー性皮膚炎患者よりリンパ球を採取し、ケラチノサイトと混合培養しそのNO産生への影響を調べると、ケラチノサイトからのNO産生がアトピー性皮膚炎患者リンパ球では正常人リンパ球に比べて有意に増強することが認められた。以上の実験結果より、紫外線をはじめとする種々の起炎刺激に対して生じる皮膚炎や炎症性皮膚疾患にNOが関与していることが示唆された。
著者
岡本 裕巳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.42-45, 1999-01-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
5

分子の中で, 原子はバネ(化学結合)でつながれた質点系のように振る舞い, 固有の振動数で振動している。その振動数は赤外線の振動数に相当し, 赤外線を分子にあてると固有振動と共鳴して吸収される。これを利用して分子内振動を調べるのが赤外吸収スペクトルである。赤外吸収スペクトルは, 化合物中の官能基の同定に用いられるほか, 分子の対称性を教えてくれることもあり, 構造化学上の重要な発見に寄与している。ここでは赤外吸収がどのように測定されるのか, どのように分子構造の研究に用いられるか, その考え方の基礎を解説する。
著者
岡本 善敬 山本 哲 武下 直樹 沼田 憲治
出版者
脳機能とリハビリテーション研究会
雑誌
脳科学とリハビリテーション (ISSN:13490044)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.17-22, 2013-08-09 (Released:2018-10-30)
被引用文献数
1

lateropulsionとは, 無防備な側方への傾倒により立位・歩行が困難となるが, 短期間に改善をみる症候である. また, 延髄外側梗塞を責任病巣としWallenberg症候群に伴って出現することが多いとされる. 今回, Wallenberg症候群を認めるも, 主症状であるlateropulsionが遷延した症例を経験した. 症例は60歳男性. MRIでは左の延髄背外側とともに小脳虫部に梗塞を認めた. これらはいずれも背側脊髄小脳路から情報を受け, 無意識下での姿勢制御に関与する領域であることから, lateropulsionが遷延する要因になったと考えられる.
著者
大庭 真人 岡本 雅史 飯田 仁
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.74-74, 2009

会話において,話し手の発話の分節に合わせ聞き手が動作を行う結果として話し手と聞き手との動作の間に同調が観られる事例が報告されている(Kendon, 1990).本研究では,コンテンツユーザとしての観客が漫才においてどのように笑いを享受するのかを分析するため,漫才師による公演を漫才師・観客ともに撮影収録した.漫才師2組に2本ずつの漫才を行ってもらい,230秒と298秒,357秒と262秒の映像音声データを収録した.このデータから,観客の同調現象に着目し,分析した.観客の漫才師に対する反応は「笑う」「拍手」をするといった非常に制限されたチャネルを通じて行われているようだが,実際には笑うという観客が同時に起こす反応に加え,漫才師が笑わせる合間の姿勢を変える動作においても,複数の観客間に同調現象が観察された.これは会場の離れた位置の観客間でも観察されており,漫才師に起因して生じることが分かった.
著者
岡本 一志 丸茂 里江 佐野 悠
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.227-244, 2017 (Released:2017-11-24)
参考文献数
13

RFID システムを用いた資料の図書館内利用調査を2 年間実施し,資料が書架から持ち出された回数およびその利用時間に関するデータ分析法を提案する.分析結果より,館外貸出に比べ3 倍程度の持ち出しが起きていること,利用時間のピークは2~4 分であり立ち読み的利用が中心であること,持ち出し回数と利用時間のピークは一致せず時期によって資料の利用形態が異なること,大半の資料が持ち出された回数はごく数回にとどまっていること,といった従来の貸出統計などには現れなかった利用傾向が確認された.得られたデータや分析結果を踏まえ,RFID システムを用いた資料利用調査の実施における検討事項についても議論する.
著者
岡本 尚之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0645, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】身体のリアライメントおよびリラクゼーション効果のエクササイズに日本コアコンディショニング協会(JCCA)により推奨されているストレッチポールを用いたベーシックセブンエクササイズ(Basic Seven Exercise,BSE)がある。BSEについて先行研究では脊柱起立筋の筋硬度の低下,胸椎可動性,重心動揺に対する効果が報告されている。しかし臨床場面では,認知機能面や身体機能面などの要因で対象者がBSEを完遂することが困難な場合が多い。そこで本研究はBSE実施群とストレッチポール上で基本姿勢を保持する群(Maintain the Basic Position,MBP)を比較することで臨床上BSE完遂が困難な者に対してのストレッチポールエクササイズ適応を判断する材料とすることを目的とした。【方法】対象はストレッチポール使用経験のない健常成人22名とした。対象者を11名ずつ実施順にBSE群とMBP群とに振り分け,各エクササイズ前後でのFFD,体幹回旋可動域(ROM),円背指数,左右体重比を測定しその変化をみた。FFDおよびROMの測定は関節可動域測定法に基づき同一測定者が実施した。ROMについては両側を測定しエクササイズ前で可動域の低かった側をデータとして採用した。円背指数は両上肢下垂の座位で2m先の鏡の自身と視線を合わせた状態を測定肢位とし,自在曲線定規を用いC7~L4棘突起までの背部の彎曲をなぞりその形状を紙上にトレースした。紙上にトレースした彎曲C7とL4を結ぶ直線をL(cm),直線Lから彎曲の頂点までの距離をH(cm)とし,Milneらの式を用いその割合を円背指数(H/L×100)として算出した。左右体重比はwii-fitを使用して測定し,左右比50%:50%からの左右変位数の絶対値をデータとして採用した。各エクササイズ方法についてBSEはJCCA既定の手順で行い10分間を目安に完遂した。MBPはストレッチポール上で10分間の基本姿勢保持とした。分析は統計学的処理としてエクササイズ前後で対応のあるt検定(有意水準5%未満)を実施した。また,効果量をG-POWERを用いて検出した。効果量はCohenの報告「小=0.2,中=0.5,大=0.8」を基準に判定した。【結果】FFDにおける変化量の平均値はBSE群:-1.34cm(p値:0.0456),MBP群:-1.96cm(p値:0.0069)。効果量はBSE群:0.09,MBP群:0.22であった。ROMにおける変化量の平均値はBSE群:9.09度°(p値:0.0004),MBP群:10.9度°(p値:0.00005)。効果量はBSE群:0.9,MBP:1.19であった。円背指数における変化量の平均値はBSE群:-0.81(p値:0.0833),MBP群:0.03(p値:0.9624)。効果量はBSE群:0.46,MBP群:0.01であった。左右体重比における変化量の平均値はBSE群:-0.38(p値:0.3897),MBP群:-0.66(p値:0.2424)。効果量はBSE群:0.25(小),MBP群:0.43であった。【考察】今回,BSEとMBPの即時効果をFFDとROM,円背指数,左右体重比の4項目で比較した。その結果,両群ともFFDとROMにおいて即時効果を認めた。また,FFD,ROM,左右体重比の3項目においてMBP群で効果量が大きかった。平沼らによるとMBPの効果として胸椎伸展と胸郭挙上,前胸部リラクゼーション,仙腸関節リアライメント,股関節後方のリラクゼーションなどが報告されている。本研究の対象者はストレッチポール使用経験がなく不慣れなうえ,さらにBSEではストレッチポール上で四肢,体幹の動きを伴うためより不安定な状態になる。しかしMBPはストレッチポール上での基本姿勢保持であるため脱力が容易でありリラクゼーション効果がより得られたことが考えられる。円背指数の測定は座位で行うため抗重力位で体幹を長軸方向に起こす働き(体幹軸のElongation)が必要である。飯田らや布施らの報告ではストレッチポール上背臥位での上肢運動や体幹回旋負荷により腹横筋厚の優位な増加が確認されている。腹横筋は横隔膜や多裂筋,骨盤底筋群とともに一つのユニットとして腹圧を高める働きがあり,体幹軸のElongationにおいて重要である。今回のBSE,MBPでは腹横筋などのインナーユニットの賦活が不十分であったため優位な変化を認めなかったと考える。【理学療法学研究としての意義】BSEよりも簡便なMBPでリラクゼーション効果が得られた今回の結果より,臨床上BSE完遂が困難な対象者に対してもストレッチポールが有効に利用できることが考えられる。しかしながら本研究における可動域測定はFFDおよび体幹回旋の2項目のみで全身的なリラクゼーション効果は不明であるため今後の研究課題となる。
著者
木ノ下 修 岡本 和真 小西 博貴 小松 周平 安川 覚 塩崎 敦 窪田 健 保田 宏明 小西 英幸 岸本 光夫 小西 英一 柳澤 昭夫 大辻 英吾
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.1281-1287, 2013 (Released:2013-07-05)
参考文献数
23

症例は56歳男性.膵内分泌腫瘍に対し膵体尾部切除術が施行され,病理学的診断は膵内分泌腫瘍(Ki-67 LI:3%,NET G2),T2N0M0,fStage IIで癌遺残は認められなかった.術後補助化学療法を施行され無再発であったが,術後15年目に胃体上部後壁に約3cmの粘膜下腫瘤を指摘され胃部分切除を施行された.病理組織学的には膵内分泌腫瘍の胃壁内転移(Ki-67 LI:10%,NET G2)と診断された.術後15年目に再発した膵内分泌腫瘍の胃壁内転移は非常にまれである.
著者
臼田 章則 巽 恒治 岡本 能弘 西田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.480-490, 2001-10-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

A surveillance by questionnaire was conducted among pharmacists in a community pharmacy in Nagoya City, regarding their home health-care activity. The surveillance consisted of 115 regular pharmacists, of 104 pharmacy-stations, and 409 patients at home. The items in the questionnaire were divided into the following three major parts :1. To examine the current home-care activities by pharmacists, the length of stay, the contents of patient treatment and the conversation-time between a patient and a pharmacist were queried. The average stay of most pharmacists ranged from 10-19 minutes per visit. During this period, the ratio of pharmaceutical treatment and nurse-type care was approximately 50% for each. The conversation took place longer with home-helpers and patient than with patients alone.2. To examine the grade of pharmaceutical activity at home, to identify the person in charge of controlling medicines, evaluate compliance for medication, the extent of knowledge on medicines, and the amount of remaining medicines were queried. In many cases, helpers controlled medicines, rather than the patients themselves. The names and indications were poorly memorized, but the dosages were well understood by patients. The amounts of remaining medicines tended to be longer at the homes of patients living alone than for those with helpers.3. The causes of complaints from patients and the comments and/or appeals from patients and either their families or visiting care-providers were queried to determine what pharmacists can do to improve the situation. A substantial number of questions were related to pharmaceutical affairs such as the indications, adverse effects and drug interactions, followed by queries on diseases. In addition, numerous complaints about the difficulties of working as a home helper and problems in the human relations between patients and helpers were also expressed.The information thus obtained revealed that the home-care activities conducted by a pharmacist are still not satisfactory regarding the welfare of home-care patients, thus indicating that there is large room for improvements in the pharmaceutical home-care functions of pharmacists. The evidence obtained in the present investigation can hopefully provide a clue for pharmacists and patients to consider the present status of mutual home-care activities in order to improve the pharmacist' s role in home-care.
著者
岡本 聡
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, 2015

『伊勢物語』注釈において三十九段の二条后が亡くなる場面は正徹注において秘伝化されている。心敬は、これを「本覚の都」(空)と表現し宗祗以後の「五大」循環思想につながっている。ところが新注と言われる契注においては「常見」「断見」を否定する形でこれに独自の解釈を加えている。本発表ではこれを中心に「魂」の存続非存続について考察したい。
著者
尾畑 納子 桑原 宣彰 岡本 嗣男
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.157-164, 1999-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

農薬散布作業時に着用する農作業服の効果的な洗浄方法を確立するため, 各種洗浄条件のもとで, 綿, ナイロン, ポリエステル素材について, それらの除去性を中心に検討した。結果は以下の通りである。1) 繊維に付着する農薬量は, 40℃で24時間アセトン溶液に浸漬した後, ガスクロマトグラフのFPD検出器により定量することができた。2) 各繊維への農薬の付着量は, 綿が最も多く, 次いで, ポリエステル, ナイロンの順となった。3) その洗浄性は繊維の種類によって異なり, 綿は洗浄しやすく, 水のみでも可能であった。ナイロンは, 40℃でアルカリ性にしたSDS溶液で優れた効果が認められた。ポリエステルは, 洗浄しにくいが, LASとNCIの界面活性剤によって比較的良好な洗浄効果が得られた。

1 0 0 0 OA 難波江

著者
岡本保孝
出版者
巻号頁・発行日
vol.未定稿巻6,