著者
阿倉 薫 畠中 光恵 向井 みどり 坂井 雅英 綾田 昌弘 岡本 茂 古川 順康 弥生 恵司
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.31-36, 1995 (Released:2011-11-08)
参考文献数
15

原発性乳癌119例について, 核DNA量 (DNA index=DI) と癌細胞の核の大きさ, 核の異型度, 細胞診の判定, リンパ節転移, t因子との関連性について検討を行った. DIの測定は新鮮摘出腫瘍を用い, 末梢リンパ節をploidy standardにした. その結果, hypoploid (DI<1) が6例 (5%), diploid (DI=1) が39例 (32.8%), aneuploid (DI>1) が62例 (52.1%), multiploidが12例 (10.1%) であった. 術前穿刺吸引細胞診標本 (Pap. 染色) から癌細胞50個の長径を計測し平均を求めた, 最小は6.3μm, 最大は13.9μmで2倍以上の差が認められた. 核異型が軽度な症例は12例, 中等度は44例, 高度は51例であった. DIと比較してみると軽度異型はdiploidが多く, 異型が高度になるにしたがってaneuploidが増加した.術前の細胞診判定はpositiveが107例, suspiciousが10例, negativeが2例であった. 悪性と判定できなかった12例のうち11例はdiploidであった. 乳癌細胞の核の大きさとDIは正の相関がみられ, DIが大きくなるにつれて核は大きく, 異型も強くなり細胞診の判定は容易であった. しかしhypoploid (DI<1) やdiploid (DI=1) の癌細胞は大部分が小型で異型に乏しく, 細胞診で正確に判定できない症例が多かったが, 倍率1,000倍で詳しく観察することによって正診できる症例が増すと思われた. リンパ節転移はhypoploid (DI<1) とdiploid (DI=1) は少なく, aneuploidとmultiploidは多く, 有意差が認められた (p<0.05). DIとt因子については有意差は認められなかった.
著者
小牟田 清 前田 恵治 五十嵐 敢 岡本 茂 川瀬 一郎 桝野 富弥
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.435-439, 1991-06-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

症例は52才, 女性.視力障害を主訴に眼科受診しブドウ膜腫瘍と診断された.胸部レ線で左肺S6に腫瘤陰影と全肺野に小結節性散布性陰影が認められた.気管支鏡肺生検では, 肺腺癌と診断された.眼病変は肺癌のブドウ膜転移と考えられた.初診時より血清アミラーゼ値の高値を認め, そのアイソザイムは唾液腺型優位であった.また, 剖検肺腫瘍内アミラーゼ活性が高値であったことより, アミラーゼ産生肺癌と考えられた.
著者
田中 厚成 岡本 恒 服部 恭介
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.31-48, 2013-02-28

近年発展の極めて著しいスーパー・コンピュータを用いた大規模数値解析により、流体中の圧力の3次元等圧面、および流体が作用する複雑な等応力面が、3次元立体形状として可視化され、更にそれらの形成、移動、および変化を求めることにより複雑で難解な流体現象を説明する方式が確立しつつある。これは単に工学的意義が大きいばかりでなく、今世紀まで残された数学の難問の一つである流動現象の支配方程式の解を3次元的に図示しているとも受取ることができる。この数値解析には世界トップクラスのコンピュータを年単位で連続運用する必要があり、結果の検証には、等圧面、等応力面の形状、強さ、位置、移動速度等の詳細で膨大な基礎データが必要になる。このため長期間かけてシステマチックな基礎実験研究の裏付けに基づいて成されたものである。 本研究では複雑多岐な等圧面、等応力面を用いた流体のダイナミクス(動力学)を流体の支配方程式の解析解(:数式解)と見なしている。第1報で関数解析により有意な解を得る条件を定め、その条件から得られる解により流体中の多数の渦構造圧力が提示できることを示した。第2報では解法の有効性を高める漸近解の収束方式、高次微分の信頼性等を検討した。本報では数値実験で用いている弱周期境界条件を用いても数式解は安定し、且つ、流体中の渦構造圧力の個数、形状、間隔を合わす上で有効であることを示す。これにより本方式の実用化の可能性も提示することができたと考える。
著者
岡本 貴幸 爲季 周平 榎 真奈美 藤沢 美由紀 阿部 泰昌
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.B0057, 2006

【はじめに】運動機能は比較的良好であったが、重度記憶障害により能力との乖離を認めた症例を経験した。運動療法に加え記憶を代償するため外的補助具の使用により、活動範囲が拡大した症例についてPTの役割を検討する。<BR><BR>【症例】44歳男性。公務員。(現病歴)頭痛、嘔吐出現。2日後発熱、見当識障害を認め、3日後K病院を受診しヘルペス脳炎と診断。機能障害として左片麻痺、重度記憶障害が残存。8日後ベッドサイドにてPT開始。1ヶ月後ADL能力拡大目的にてOT開始。更なるリハビリテーション目的にて4ヵ月後当院入院。<BR><BR>【評価】(画像所見) CTより右前頭葉、側頭葉、後頭葉にLDAを認め、両側前頭葉、右側頭葉に軽度脳萎縮を認める。(理学所見)随意性はBRS左上肢、手指、下肢とも6。深部感覚は左下肢中等度鈍麻。筋力はMMT右下肢5、左下肢4。姿勢筋緊張は立位、歩行時に左上肢屈筋群、足関節底屈筋群軽度亢進。歩行は屋内T字杖使用100m、非使用で80m可能。(ADL)最小介助だが自発性は無く、促して行ったことも忘れる。排泄はトイレの場所が分からず、しばしば紙オムツ内に排泄する。FIMは運動項目47点、認知項目21点。(神経心理学的所見)記憶は、病前20年程の逆行性健忘と重度の前向性健忘を認める。更に、前向性健忘に由来する日時や場所の見当識障害、近時記憶障害を認める。記憶検査は、RBMT SPS 1/24、SS 0/12、WMS-R言語性記憶73、視覚性記憶 62、一般的記憶66、注意/集中力103、遅延再生50↓。知的機能はWAIS-R VIQ105 PIQ78 FIQ92。遂行機能はBADS総プロフィール得点18、全般的区分平均。<BR><BR>【経過】入院時より歩行練習と並行してサーキットトレーニングを実施するが、指示通り実施不可能。外的補助具としてメモリーノートを導入することで問題解決がある程度可能あり、手続き記憶の残存が示唆される。次の段階では、外的補助具として地図を利用して目的地に行く練習を実施。1ヶ月後、歩行能力はT字杖非使用で屋外歩行200m可能となるが、地図の使用が習慣化せず、一度病室を出ると帰室困難。病室隣のトイレに行くにも迷う。2ヶ月後、遠位監視下で地図を使用して目的地まで間違わず移動が可能となり、4ヶ月後、院内移動が自立。記憶検査は著変なし。FIMは運動項目85点、認知項目27点となる。<BR><BR>【考察】本症例は、重度記憶障害によりPT場面での歩行能力と病棟での活動が乖離していた。手続き記憶が残存していることに着目し外的補助具の使用を検討した。外的補助具の使用が習慣化したことで目的動作へつながり、院内の生活が自立したと考えられる。<BR><BR>【まとめ】PTとして残存している手続き記憶に着目し、移動能力の向上を目的にアプローチ法を検討、実施した。結果、活動範囲は拡大し、院内の生活は自立に至った。<BR>
著者
岡本 耕一 岡村 誠介 井本 佳孝 木村 哲夫 竹内 尚 宮本 弘志 四宮 寛彦 岡久 稔也 和田 哲 高山 哲治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.260-266, 2012-02-20
参考文献数
13

症例は63歳,女性.検診にて異常を指摘され当科に紹介された.内視鏡検査にて十二指腸球部に細長い突起物を認め,内視鏡的ポリペクトミーを行った.この突起物は,病理組織学的に正常十二指腸粘膜で覆われBrunner腺の増生と拡張した静脈を有する粗な粘膜下組織を認め,内部に大小の嚢胞状に拡張した腺が認められた.本症例は稲本らやEzoeらにより提唱されたintraluminal duodenal protrusionやElongated non-neoplastic duodenal polypなる概念に相当するものと考えられた.
著者
岡本 竜哉 赤池 孝章 伊藤 隆明
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

マウスインフルエンザウイルス急性肺傷害モデルを用いて、一酸化窒素と活性酸素種によるニトロ化ストレスが、病態に及ぼす影響ついて解析を行った。その結果、ニトロ化ストレスにより、感染肺局所にて8-ニトロ-cGMPが生じ、HO-1をはじめとする酸化ストPレス応答を制御するシグナル分子として、肺傷害や肺線維化の病態形成に関与している可能性が示唆された。今後、この知見を間質性肺炎の新たな治療戦略へ応用することが期待される。
著者
岡本 直久 石田 東生 佃 晋太郎 古屋 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.871-877, 2003

高速道路におけるETCサービスの本格運用が開始されているものの, ETC車載器の普及は進んでいない. ETCは利用者数の増加に伴いその効果が増加するという特性を持つため, 現状のような低需要の状況では効果が発揮されない恐れがある.<BR>本研究では, 自動車保有者のETC車載器購入意思決定と, ETC車混入率がもたらす道路ネットワークサービスレベルへの影響とを関連づけた普及シミュレーションを作成した. シミュレーションに基づき車載器価格変動料金割引施策が, 車載器普及にどのような影響を与えるかを分析している. 特に車載器価格の初期低価が普及に大きな影響を与えることが明らかになった.
著者
岡本 真彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.2-10, 2001
参考文献数
37
被引用文献数
4 1
著者
羽間 稔 中野 正則 篠崎 雅史 藤澤 正人 岡本 恭行 柯 昭仁 岡 伸俊 浜口 毅樹 岡田 弘 松本 修 守殿 貞夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1047-1050, 1988-06

A case of a 32-year-old paraplegic male who fathered a girl following artificial insemination after an intrathecal neostigmine injection is described. The patient became a complete paraplegic after injury to the spinal cord caused by a traffic accident in 1971, resulting in ejaculatory disturbance. In June, 1984 the first intrathecal neostigmine injection was tried and 2.7 ml of semen was collected and offered to artificial insemination. However, the first to ninth attempt did not result in fertilization. The tenth attempt was made in March 7, 1986, and 3 ml of semen presenting 240 X 10(6) spermatozoa per ml with 5% of motile sperms was collected. This resulted in pregnancy, and the patient's wife delivered a healthy girl weighing 2552 g by cesarean section on November 19, 1986. This is the fourth case of a paraplegic who fathered a child following artificial insemination after an intrathecal neostigmine injection in the Japanese literature.
著者
田宮 基裕 松井 薫 河原 邦光 楠 洋子 笹田 真滋 小林 政司 松浦 由佳 森下 直子 上原 暢子 鈴木 秀和 岡本 紀雄 平島 智徳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.257-261, 2010
参考文献数
11
被引用文献数
1

背景.肺放線菌症は時に肺癌との鑑別が困難な場合があり,診断に苦慮する疾患である.症例.症例は65歳,男性.血痰を主訴に近医受診,胸部X線にて左上葉の腫瘤陰影を指摘され当院へ紹介.腫瘤陰影はFDG-PETでも強い集積を認め,肺癌が疑われた.気管支鏡検査を施行し,autofluorescence imaging(AFI)でマゼンダの色調を呈する慢性肉芽と思われる気道病変を左B^3bに認めた.同部位の擦過細胞診にて放線菌が検出され肺放線菌症と診断し,クラリスロマイシン,アンピシリンを投与し腫瘤陰影は縮小した.約4ヵ月後,再度気管支鏡検査を施行したところ,同部位の気道病変は消失し,AFIでも粘膜所見は正常であった.結論.AFIにて肺放線菌症の慢性肉芽を観察した報告はなく,治療効果判定に有用である可能性がある.
著者
岡本 五郎 賈 惠娟 水口 京子 Hirano Ken
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.39-46, 2003-02
被引用文献数
1

Skin color and juice constituents in large(L), medium(M), nad small(S) fruits of four peach cultivars, Hashiba-hakuho(early maturing), were analyzed to elucidate the effect of fruit size on the quality. The fruits containing higher soluble solids than 12°Brix were samled at a commercial packing-house located in southen Okayama. They were stored at 25℃ until fully ripened. The skin color on the cheeks (yellowish) was dark in S fruits of Hashiba-hakuto and Hakurei, respectively, compared to the fruits of other sizes. The sucrose + fructose content in juice, the major source of the sweetness, was higher in S and M fruits in Hakuho, Shimisu-hakuto, and Hakurei, while the malic+citric acid content, the major sour constituent, was lower in L fruits in those cultivars, although no significant difference was found in Hashiba-hakuho. Asparagine, the biggest amino acid fraction and thought to deteriorate the fruit taste at high levels, was higher in L fruits tahn in S fruits in Hashiba-hakuho and Hakuho. The content in Shimizu-hakuto and Hakurei fruits was generally low and not affected by fruit size. The content of γ-decalactone, the major peachy aromatic substance, was higher in L fruits in Hashiba-hakuto, in M fruits in Hakuho and Shimizu-hakuto, and in S fruits in Hakurei, than in those of other sizes. Sensory tests revealed that the L fruits of Hakuho and S fruits of Hakurei were poor in flavor. These results suggest that the larger fruits of Hakuho, Shimizu-kakuto, and Hakurei, the representative white peach fruits in Okayama, have rather falatter tastes than medium size fruits because of their lower sweetness and sourness and weaker aroma, as well as poorer texture.岡山市一宮のモモの選果場に出荷された有袋栽培の'橋場白鳳'(早生),'白鳳'(早中生),'清水白桃'(中生)および'白麗'(晩生)から,3段階のサイズ(L,M,S)の果実を入手し,完熟状態(手で皮が剥ける)に達するまで25℃の室温においた.それらの果実について,果皮色と果汁成分の分析と果肉の食味テストを行い,果実のサイズによる品質の相違を検討した.'橋場白鳳'では,S果実は地色が暗く,'清水白桃'のL果実は着色が濃いが色調が暗く,'白麗'のL果実は着色が薄くて黄色が強く,いずれも外観が劣った.果汁中の主要な甘味成分であるスクロース+フルクトース含量は,'白鳳','清水白桃'および'白麗'ではSまたはL果実で高く,酸味成分のリンゴ酸+クエン酸含量は,それら3品種のL果実で最も低かった.'橋場白鳳'では果実サイズによる糖・酸含量の有意な差がなかった.果実に苦みを与えるアスパラギン含量は,'橋場白鳳'と'白鳳'ではL果実で高かったが,'清水白桃'と'白麗'ではどのサイズでも含量が低かった.モモ香の主成分であるγ-decalactoneは,'橋場白鳳'ではL果実で高かったが,'白鳳'と'清水白桃'ではM果実で,'白麗'ではS果実で高かった.官能テストの結果,'白鳳'のL果実と'白麗'のS果実は食味が劣った.これらの結果から,岡山の「白桃」を代表する'白鳳','清水白桃','白麗'の大果は,中程度の大きさの果実より甘味と酸味が低く,アロマが弱いなど,食味が薄く,肉質も劣ると考えられる.
著者
岡本 宏明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.177-187, 2009 (Released:2009-02-05)
参考文献数
54
被引用文献数
2

E型肝炎はアジア·アフリカの流行地域に限らず,先進国を含め広く世界各地で発生している.わが国でも3型や4型の土着HEV株による散発性E型肝炎は古くからあったが,今世紀に入ってその存在が認識された.国内の飼育ブタでHEV感染が蔓延している事実が明らかになるとともに,ブタや野生動物の肉·内臓摂食後の発症事例や劇症肝炎による死亡例の存在もあって,E型肝炎がにわかに注目を集め,診断や疫学に関する研究が急速に進んだ.その結果,本症における動物由来感染(zoonosis)の重要性が,わが国において,世界に先駆けて認知された.加えて,効率的な感染培養系も確立され,HEVのウイルス学も急速に進展しつつある.
著者
岡本 康孝 広瀬 昶 長谷川 篤彦
出版者
日本獸医師会
雑誌
日獣会誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.499-504, 1979

僧帽弁閉鎖不全が疑われた, 7才6ヵ月の雄のグレートデンについて, 心電図, 心音図, 胸部X線などの諸検査に加えてUCG検査を行なった.<BR>その結果, 以下のよう'な所見が得られた.<BR>1) 拡張期では, 僧帽弁弁尖の増厚した, 急峻, 尖鋭で振幅の増大した開放動態エコー像.<BR>2) 収縮期では, 厚みを増して層状を呈する僧帽弁前・後尖像と, その両弁尖間の隙間像.<BR>3) 正常な開閉動態を示す, 大動脈弁, 三尖弁, および肺動脈弁エコー像.<BR>4) 左右両心室の肥大と拡張, および心室中隔の肥大の二次的病態エコー像.<BR>なお, 剖検によりこれらUCG所見をうらづける肉眼的所見が認められた.
著者
森下 暢也 新井 亮 笹川 知里 岡本 直樹 池田 順一 Lim Pang Boey 井上 光輝
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.179-187, 2011

DVD と同じサイズのディスクに10TB を超えるような大容量次世代ホログラムの開発記録システム開発としてフェーズロックコリニアホログラムメモリシステム(MEXT キーテクノロジー事業)の開発を進め,最終的には20TB の可能性を示唆することが出来た。本報では,1)脂環式エポキシとポリエーテルからなるネットワークポリマーマトリックス中で,2)ナノレベルの相分離を利用してドットライク精密なホログラム記録のできるナノゲルフォトポリマー(NGPP)を開発したので報告する。
著者
河野 貴範 松原 行宏 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.077-080, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
4

我々の研究グループでは力覚提示デバイスを用いた学習支援システムの研究を行っている.また,視覚情報から力覚を錯覚させる擬似力覚という手法があり,擬似力覚提示を学習支援システムに用いた研究も行われている.しかしそれら2つの提示方法の学習における差異についての研究は行われていない.そこで本研究では各提示方法による学習効果や各提示方法の特性の比較を目的とし,力覚提示と擬似力覚提示,比較用に音声提示を組み込んだ漢字学習支援システムを開発した.システムを用いた実験により擬似力覚提示は力覚提示よりも感じられる度合いに個人差が見られたが,感じられた人は力覚提示と同様の教示的効果を得られることが確認できた.
著者
平川 仁 鈴木 基之 西野 宏 佐藤 雄一郎 石木 寛人 篠崎 剛 海老原 充 新橋 渉 上條 朋之 岡本 牧人 別府 武 大堀 純一郎 松浦 一登
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.75-81, 2018

頭頸部癌終末期患者における症状について多施設調査を行った。根治不能頭頸部癌と診断され,癌の進行による状態悪化のために入院となった患者を対象とした。11施設から100人の患者が登録され,そのうち転院した患者などを除く72人が死亡まで観察可能であった。最終観察時における出血や滲出液を伴う自壊腫瘍を持つ症例は36.1%であった。またそれに伴う制御不能な出血を認めた症例は5例であった。1例は頸動脈破裂による急速な転機をたどった。残りの4例は出血および血圧低下による止血を繰り返し最終的に心肺停止となった。栄養経路に関して61.1%で経腸栄養摂取が可能であった。頭頸部浮腫は36.1%に認めた。喉頭発声による意思の伝達は50%で不可能であった。頭頸部癌の終末期症状は決して軽いものではない。しかしその症状・頻度,病態の理解が進み,適切な指針を今後作成できれば,患者は終末期の時間を自宅近くの医療施設もしくは自宅で過ごすことができるようになると期待される。