著者
日置 恭史郎 渡部 春奈 林 岳彦 岩崎 雄一 山本 裕史
出版者
日本環境毒性学会
雑誌
環境毒性学会誌 (ISSN:13440667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.22-37, 2020-07-20 (Released:2020-07-21)
参考文献数
63

Adverse outcome pathway (AOP) is a conceptual framework that organizes existing knowledge concerning the causal linkage between a molecular-level perturbation of a biological system and the resulting adverse outcomes. AOP is currently gaining attention as a potential pragmatic tool in the fields of ecotoxicology and chemical risk assessment. The present paper provides an outline of the AOP framework and discusses the history and current status of studies related to AOP by analyzing available information from published literature and AOP knowledgebase (AOP-KB).
著者
岩崎 務
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

古代ローマの詩人たちから、紀元前1世紀に活躍したカトゥッルス、ウェルギリウス、ホラティウスを取り上げ、その詩作品を「家郷喪失者」の観点から比較研究を行ない、以下のような考察を得た。カトゥッルスの恋愛詩、とくにレスビアとの恋を歌うものは、恋人との関係を、信義や義務に基づいた人間同士の正しい関係を表わす一連の言葉を用いて表現している点で独特であるが、そのような関係が実現する場所として「家」が強調されている。ウェルギリウスでは、最初の詩集『牧歌』において描かれる故郷の土地を追われる牧夫の慨嘆と悲しみに、家郷喪失の危機に面した詩人の経験が重ねられるし、その原因となった内乱は道徳的な退廃をもたらしていると見られている。『農耕詩』では、家郷がそのような混乱した世界が再生するための拠り所とされ、詩人は農耕民族であるローマ人の持つ本来の道徳的理想を示そうとしている。ホラティウスでは、初期の詩において、内乱によって自ら崩壊しようとするローマを去って、新しい故国となるべき理想郷を求めようと詩人が呼びかけるとき、詩人の被った家郷の土地没収と、共和派としての敗北が色濃く反映している。これらの詩人に共通して見られる倫理性は、彼らの出自、すなわち家郷と関連していると考えられる。カトゥッルスとウェルギリウスは、北イタリアのトランスパダナの、ホラティウスは南イタリアの地方都市出身であり、ワイズマンも指摘しているように、これらの田園都市では、ローマ人の古風な道徳観が中央以上に根強く存続しており、入植者の末裔である住民たちは新しい家郷の建設の中で伝統的な道徳を保持し、そのことに誇りを抱いてきた。このことが、あるいは恋愛に対しての、あるいは内戦に揺れる国の状況に対しての、あるいは自己の詩作活動に対しての、彼らの視点に大きく影響している。

4 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻28-30,
著者
稲津 和磨 岩崎 英哉
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.1-15, 2010-09-22

近年Google Mapsなどに代表される,Ajaxと呼ばれる手法を用いたWebアプリケーションが増加している.Ajaxを用いたWebアプリケーションはサーバ側とクライアント側で動作する2つのプログラムにより構成され,それらが協調して動作する.そのため,煩雑な通信処理を記述する必要があり,さらには,それぞれの実装言語が多くの場合は異なっているため,プログラミングが非常に煩雑になる.そこで本論文では,開発効率の向上を目的として,JavaScriptに基づくプログラム言語でWebアプリケーションを1つのプログラムとして記述し,処理の柔軟な分割を可能とするフレームワークを提案する.また,そのプログラム言語で記述されたプログラムを読み込み,サーバ側で動作するソースコードとクライアント側で動作するソースコードを出力するような機構を設計し,実装した.提案機構は,与えられたプログラムを解析し各構文要素がサーバとクライアントのどちらで実行するべきかを決定する.その際,分割方針を指定することで,同じソースコードから異なる分割を得ることができる.同じ動作をするWebアプリケーションを,提案機構と既存の手法のそれぞれを用いて記述し,プログラムを比較して記述性が向上していることを確認した.また,提案機構によるオーバヘッドは,Webアプリケーションで行われる一般的な処理については問題ない程度の小さなものであることを確認した.
著者
岩崎 晋也
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.49-68, 1998-03-25
被引用文献数
1

社会福祉は、福祉国家成立以降、その対象を国民全般と規定してきた。しかし一般国民を前提にシステムを構築した結果、従来村象としてきた、児童、障害を有している人を、平均的な市民に対する例外的存在として、原理的に位置づけることになった。つまり、社会福祉における自由や平等、公正といった基本原理を語る場合は、平均的な市民を前提としてその原理を構築し、例外的な存在については、可能であれば拡大解釈をし、できなければ異なる原理を適用してきたと思われる。だが、これらに人々を本当に例外的な存在として扱わなければならないのか、平均・例外という二分化された人間観は所与のものなのか、という点について、社会福祉の領域で十分な検討がなされてきたとは思われない。本稿は、社会福祉における統合的な人間観の構築という視点に立ち、近年多様な領域で注目されているセンの「潜在能力」アプローチの意義と課題を検討した。特に、検討すべき点として、これまで選択能力の制限から自由を行使する資格がないと見なされてきた知的・精神的障害者等の問題をとりあげ、健常者を含めて、選択する能力自体を、「機能」の評価をする際の可変的要素としてとりあげることの必要性を提示した。
著者
岩崎 良之
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR MULTIPHASE FLOW
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.126-132, 2013-06-15 (Released:2013-07-11)
参考文献数
10

From ancient times fire has been extinguished mainly by using water. But there may be some problems in large amount of water discharge against fire, such as enough water volume for fire extinguishing may not be secured in case of large-scale natural disasters, and also secondary damage may be caused by discharged water. CAFS, one of fire extinguishing method by using air foam, is the solution because it utilizes small amount of water very efficiently. This report presents an overview of fire extinguishing with air foam, how to generate it and verification experiments of fire extinguishing effect with CAFS foam in MORITA Corporation.
著者
篠原 昭二 原口 勝 福田 文彦 岩崎 瑞枝
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.2-17, 2014

世界的な長寿を誇る我が国において、 死因の第 1 位を占めるのががんであるが、 時に耐えがたい苦痛を伴う場合がある。 そういった苦痛を緩和するための専門的な施設として緩和ケア病棟や拠点病院における緩和ケアチームの設置などが積極的に行われている。 一方、 疼痛緩和の手段として WHO 方式による麻薬を使った方法も確立されているが、 それでもターミナルの中期から後期にかけての患者さんでは十分なペインコントロールが出来ていないケースが少なくない。 そんな愁訴に対して、 徐々に鍼灸治療やハウトケア始め、 種々の代替療法が行われているが、 その実態や効果等、 不明な点が多い。 そこで今回、 緩和ケアの実態を理解するとともに、 鍼灸治療のエビデンスや疼痛緩和手段の一つとしてのハウトケアを取り上げ、 討論することとした。
著者
瀬戸崎 典夫 鈴木 滉平 岩崎 勤 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.253-263, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
28
被引用文献数
2

本研究は,TUIを有するタンジブル天体学習用AR教材を開発した.また,開発したタンジブル天体学習用AR教材の教育現場における教材としての適性およびインタフェースについて評価した.次に,協同作業における学習者特性を観点として教材を評価した.さらに,本教材を使った協調学習における発話を分析することで,本教材の利点および改善点を明らかにし,本教材を用いた授業実践に向けての示唆を得ることを目的とした.その結果,本教材は学習者の興味を引きつけるとともに,月の満ち欠けのしくみの理解を促し得ることが示された.また,学習意欲を高める上で有用であることが示唆された.さらに,協同作業に対する意識が低い被験者においても協調学習を支援する教材として有用である可能性が示された.発話分析の結果,TUIやARを実装することにより,仮想環境内で現実環境のオブジェクトを関連付けることでき,学習者間の知識共有に有用であることが明らかになった.
著者
大森 圭貢 熊切 博美 小野 順也 立石 真純 笠原 酉介 武市 梨絵 横山 有里 岩崎 さやか 多田 実加 最上谷 拓磨 笹 益雄 飯島 節
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab1089-Ab1089, 2012

【はじめに、目的】 両側松葉杖での一側下肢完全免荷歩行(以下,松葉杖免荷歩行)は,下肢の免荷を必要とする際の有効な移動手段であるが、その獲得に難渋することは少なくない.松葉杖免荷歩行には,肩甲帯下制筋,肘伸展筋,肩内転筋,手指屈筋などの筋が関与し,それぞれ徒手筋力検査法でgood以上の筋力が必要とされている.しかし,徒手筋力検査法による筋力評価は客観性が低いことが指摘されており,臨床での指標としては不十分な面がある.松葉杖免荷歩行の獲得に必要な上肢筋力を客観的な尺度で明らかにすることができれば,トレーニング内容や期間などを考える際の有用な情報になると考えられる.本研究の目的は,松葉杖免荷歩行獲得の可否と等尺性上肢筋力の関連を検討し,松葉杖免荷歩行獲得に必要な上肢筋力を明らかにすることである.【方法】 対象者は松葉杖免荷歩行練習の指示があった者のうち,20歳以上,上肢に骨関節疾患の既往がない,評価に必要な指示に従える,研究に同意が得られる,の全ての条件を満たす者とした.前向きコホートデザインを用い,年齢,身長,Body Mass Index,性別,松葉杖歩行の経験,松葉杖免荷歩行獲得の可否,上下肢筋力を評価,測定した.松葉杖免荷歩行が可能か否かは,200m以上の安全な歩行の可否で判断した.理学療法開始日から毎回の実施日に3名の理学療法士が確認し,2名以上が一致した評価を採用した.そして理学療法開始日に歩行可能な者を歩行自立群,理学療法開始から1週間以内に歩行可能になった者を獲得群,歩行可能にならなかった者を不獲得群に分類した.理学療法開始日に,握力,肘伸展筋力,肩伸展筋力,肩内転筋力,肩甲帯下制筋力,膝伸展筋力を測定した.測定には,油圧式握力計と徒手筋力計を用い,上肢筋力は左右それぞれの最大値の平均,膝伸展筋力は非免荷側の最大値を求め,それぞれ体重比を算出した.松葉杖免荷歩行と上下肢筋力の評価は,それぞれ異なる理学療法士が行い,さらにお互いに得られた結果を伏せるようにし,測定者バイアスを排除した.分析は,松葉杖免荷歩行獲得に関連する変数を検討するために,獲得群と不獲得群間の各変数をχ2乗検定とMann-WhitneyのU検定で比較した.次に有意差のあった筋力の変数が,獲得群と不獲得群を判別できるかをReceiver Operating Characteristic(ROC)曲線の曲線下面積から検討した.統計的有意水準は危険率5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院臨床試験委員会の承認を受け(受付番号第244号),対象者には十分な説明を行い,書面による同意を得て実施した.【結果】 対象者32名のうち,歩行自立群13名を除いた19名を分析対象とした.単変量解析の結果,獲得群(6名)/不獲得群(13名)の中央値は,身長168.5/161.0(cm),握力0.64/0.46(kgf/kg),肘伸展筋力0.24/0.19(kgf/kg),肩伸展筋力0.14/0.11(kgf/kg),肩内転筋力0.21/0.13(kgf/kg)であり,いずれも獲得群の方が有意に高値であった.その他の変数は,いずれも有意差がなかった.ROC曲線の曲線下面積は握力が0.95であり,獲得群を判別できる有意な指標であった.さらに握力0.57kgf/kgでは,感度83%,偽陽性度8%の精度で獲得群を判別できた.同様に肘伸展,肩伸展,肩内転のそれぞれの筋力の曲線下面積は,順に0.87,0.85,0.89であり,それぞれの筋力(kgf/kg)が,0.23,0.13,0.17では,感度80%以上,偽陽性度25%以下で獲得群を判別できた.【考察】 理学療法開始日に松葉杖免荷歩行が可能な者は半数以下であり,1週間の訓練後にも松葉杖免荷歩行獲得が困難な者が少なくなかった.獲得群と不獲得群間では身長,握力,肘伸展筋力,肩伸展筋力,肩内転筋力で有意差があったことから,理学療法開始1週程度の間に松葉杖免荷歩行を獲得できるか否かには,これらの因子が関連すると考えられた.さらに握力0.57 kgf/kg,肘伸展筋力0.23 kgf/kg,肩伸展筋力0.13 kgf/kg,肩内転筋力0.17 kgf/kgでは,それぞれ高い精度で獲得群を判別できたことから,これらの上肢筋力を上回った者では,1週間程度の理学療法によって松葉杖免荷歩行獲得が見込まれると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 松葉杖免荷歩行の獲得が容易ではないこと,そして歩行ができない者が1週間内に獲得できるか否かを理学療法開始時の評価によって予測できる可能性を示した研究であり,理学療法評価及び予後予測において有用である.
著者
岩崎 周一
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.123-154, 2013-03

本論の目的は、近世においてハプスブルク君主国の兵士たちが実際に生きた世界の実状を、当時の法 令・通達、および関係者が残した体験記・見聞録を史料として検討することである。 17 世紀末より、常備軍の必要性を確信したハプスブルク王権は、軍を可能な限りその統制下におこう とした(「軍隊の君主国化」)。しかし、忠良にして勇敢・優秀な自国民出身の兵士によって構成される、 国家による管理監督が行き届いた軍隊の形成という理想が実現されることはなかった。人々の意識にお いて、戦争や軍事は基本的に自分とは関わりのない厄介事であった。実際に軍人・兵士となったのは、 (1)傭兵を生業とする人々、(2)強制的な徴募の犠牲となって意に反して軍役につかされた人々、(3) それまでの生活環境から脱出し、社会的上昇を果たす機会として軍役をとらえた人々のいずれかであっ た。また兵士たちは、身分・出身・民族・宗教・言語などにおいて多種多様であり、共属意識にはきわ めて乏しかった。 近世の軍隊が抱えたこうした諸問題を解決する策として、18 世紀後半からは、現実に存在する多様性・ 多元性を超克するような「国民」意識や愛国心の涵養が主張されるようになった。そしてこの主張の実 現は、フランス革命とナポレオン戦争がもたらした動乱の後、達成すべき国家目標に変化する。ハプス ブルク君主国の軍隊は以後その崩壊にいたるまで、個々の領邦や民族ではなくハプスブルク君主国その ものに愛国心をいだく「国民」を担い手とすることをめざし、不断の苦闘を重ねることとなっていった。
著者
井上 哲理 野呂 影勇 岩崎 常人 大頭 仁
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1301-1305, 1994-10-20
被引用文献数
41 6

2眼式立体映像は, 立体効果が大きいため, 有効な立体再生法として広く利用されている.しかし, 同映像はいくつかの問題点も指摘されており, 特に人間の視覚系に与える影響は実用化の妨げとなっている.本研究では, 2眼式立体映像が視覚系に与える影響を定量的に評価するとともに, 視覚系に負担の少ない映像の呈示条件について考察した.評価の方法として, 映像鑑賞中の両眼眼球運動および鑑賞前後の調節機能の測定を行った.これらの測定を両眼視差量の違う立体映像および通常の平面映像について行い, 結果を比較することで評価を行った.結果より, 鑑賞中の眼球共同運動が崩れる現象, および鑑賞後に調節反応時間の延長があり, 2眼式立体映像の視覚系への影響が見られた.映像の持つ両眼視差量が大きくなるに従い, これらの影響は大きくなり, 一方, 両眼視差量が1度以内であれば, その影響が通常の平面映像と差がないことがわかった.
著者
岩崎 亘典 和山 亮介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

地図タイルとはWeb上で地理空間情報を利用するために最も一般的なデータ形式である。本研究では、この地図タイルのDeep Learningで活用することを試みた。まず、旧版地形図の地図タイルからConvNetにより土地利用分類図を作成した。次に、Conditional GANを用いて様々なタイル画像の変換を試みた。地図タイルはDeep Learningのとして有効であることが確認できた。
著者
佐藤 恵子 岩崎 学 菅波 秀規 佐藤 俊哉 椿 広計
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.37-53, 2014-08-31 (Released:2014-10-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

All statisticians are expected to produce statistical outcomes of high quality and reliability. To ensure reliability in statistical performance and outcomes and to meet societal expectations, certain standards of conduct (SOC) must be established such that individual statisticians embrace their own principles and so that the community of statisticians as a whole functions with more self-control.In 2008, the Biometric Society of Japan began revision of the code of conduct, and the working group drafted an SOC. This particular draft re.ected the opinions of statisticians and the basic concepts which aligned well with ethical guidelines of the American Statistical Association and the International Statistical Institute. As forced guidelines rarely result in full compliance and increased ethical conduct, the SOC offers a framework to encourage individual biostatisticians to establish and hold their own principles and to act responsibly with integrity.The SOC comprises a preamble, mission statement, values, ten principles and background information. The draft SOC was approved by the Council of the Biometric Society of Japan in November 2013.The SOC will help statisticians improve their capacity to perform sound statistical practices, improve the working environment, cultivate the next generation of statisticians with professionalism, and acquire societal trust.
著者
阿部 香澄 日永田 智絵 アッタミミ ムハンマド 長井 隆行 岩崎 安希子 下斗米 貴之 大森 隆司 岡 夏樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2524-2536, 2014-12-15

核家族における育児負担軽減などを目的として,我々は家庭内で子どもと遊ぶロボットの実現を目指している.具体的には,子どもの遊び友達となり,親が家事などをする30分ほどの間,子どもの興味を引きつけ遊んでいてくれるロボットである.保育者が誰とでも遊べるように,このロボットがどんな子どもとも柔軟に遊べることが望ましいと我々は考えている.しかし実際は,子どもの内向的性格などが原因で一緒に遊べない場合がある.そこで本研究では,ロボットとの良好な関係構築が容易でない子どもへの対応方法を検討し,その方策として,子どもの性格に応じた行動選択の仕組みを考える.この仕組みを実現する第1歩として,本論文では“人見知りの子どもが親近感を持つために有効な遊び行動が存在する”という仮説を検証する.まず我々はロボットが子どもに対して親密な態度を示しやすい“親和的遊び行動”と,不安が強くても遊べる“不安緩和遊び行動”を定義し,遊び行動を分類した.そして保育者が遠隔操作するロボットと5~6歳児との遊び実験を行い,これらの遊び行動と親近感の関係を調べた.その結果,“親和的遊び行動”と“不安緩和遊び行動”の両方の要素を持つ遊び行動が,人見知りの子どもに有効であることが示唆される結果を得た.
著者
Iwasaki Hideo 岩崎 秀雄
巻号頁・発行日
1999-10-29 (Released:1999-10-29)

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (課程) 学位授与年月日:平成11年10月29日 副論文・参考論文はPDFに含まれていません。