著者
岩崎 常人
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.39-44, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
11

現在の3Dテレビや3D映画での立体像を再生する方式には、二眼式表示法が用いられている。二眼式表示法に共通した点は、人為的に両眼視差を用いることである。人為的に両眼視差を誘起して立体像を知覚させると、視機能の点では調節機能と輻湊機能との相互関係に解離を来す。そのために二眼式表示による3D映像の鑑賞は、眼精疲労を誘発しやすい。 眼精疲労は、その原因が複雑多岐にわたり、一つの原因に特定して予防や治療を進めることが困難である。しかし、古くから眼精疲労に関する原因的分類として、以下の5つがある。①調節性眼精疲労、②筋性眼精疲労、③不等像視性眼精疲労、④症候性眼精疲労、⑤神経性眼精疲労。この分類に従うと、二眼式表示での3D映像鑑賞による眼精疲労は、調節と輻湊機能とが解離することから、調節性眼精疲労と筋性眼精疲労に当てはめることができる。 3D映像を鑑賞することによって発症する眼精疲労の原因が、どこにあるのかを特に調節機能に重点をおいて考えてみる。また同時に、その眼精疲労の対策の一例についても、調節機能を尺度として推察する。

7 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正<岩崎潅園>//著
巻号頁・発行日
vol.第6冊 巻41穀部2,
著者
森本 桂 岩崎 厚
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.177-183, 1972-06-25 (Released:2008-12-18)
参考文献数
11

1) マツノザイセンチェウの最も有力な伝播者は,マツノマダラカミキリである。 2)大矢野町の枯損本から羽化したマツノマダラカミキリは, 71%がこの線虫を持っており,また1頭当りの持っている線虫数は平均3,146頭,最高8,783頭であった。 3)マツノザイセンチュウは,耐久型幼虫の形で,マツノマダラカミキリの体表面や上翅裏面に付着しており,また気門(特に腹部第1気門)の中には塊状になってはいっている。 4)この耐久型幼虫は,マツノマダラカミキリを高湿度に保つか,水に浸すと虫体から容易に離脱する。試験管による個体飼育では, 2~3週目に線虫落下の山がある (20°C, 93%RH)。 5) 野外では,耐久型幼虫はマッノマダラカミキリの羽化脱出から産卵を始めるまでの間に, 80%以上が虫体から落ちるものと思われる。 6) マツノマダラカミキリの後食部で,耐久型幼虫は脱皮を行ない,マツ樹体内へ侵入することができる。 7) 枝の一部を,羽化脱出直後のマツノマダラカミキリに後食させると,健全なマツでも枯れてしまい,その枯死木から多数のマツノザイセンチュウが検出できる。 8) 1939~'41年にまっくいむしの激害地から採集されたマツノマダラカミキリの標本から,マツノザイセンチュウの耐久型幼虫を検出できたので,当時のマツ枯損にもこの線虫が関係していたものと思われる。

6 0 0 0 OA 欧米遊蹤

著者
岩崎清七 著
出版者
アトリヱ社
巻号頁・発行日
1933
著者
加藤 暢介 増田 良太 西海 昇 加賀 基知三 猪口 貞樹 岩崎 正之
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.146-149, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
12

散弾銃損傷に対し,重症度から腹部の緊急手術と胸部の待機手術に分けて施行し良好な経過を得た症例を経験した.症例は60歳の男性.キジ狩り中に誤射を受け被弾した.胸部単純X線写真で左側胸腹部に計39個の散弾を確認した.胸部CT写真は銃弾の軌道に沿った左肺挫創と左血気胸を認めた.左胸腔ドレーン挿入時に一過性の気瘻と100mlの血性排液を認め,消化管損傷の可能性を優先し,緊急試験開腹手術を施行した.胸部37個の弾丸のうち合計23個が残ったが,血中鉛濃度の上昇を認めたため,18病日に肺内,心嚢内,左胸部皮下脂肪層・筋層内の銃弾を摘出した.血中鉛濃度は17病日に12.0ug/dlまで上昇したが,以後下降し受傷1カ月後は9.9ug/dlとなり,以後低値となった.散弾銃は,銃創による臓器損傷と体内遺残散弾による鉛中毒に注意が必要である.出血や重篤な臓器損傷がなければ鉛中毒予防のため散弾除去は待機手術で良い.
著者
岩崎 寛 山本 聡 権 孝〓 渡邉 幹夫
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.247-249, 2006 (Released:2007-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
12 14

近年、植物による癒しの効果に注目され、屋内空間においても多くの植物が配置されるようになった。しかし、それらが実際に人の生理的側面に与える効果に関する検証は少ない。そこで本研究では屋内空間における植物の有無が人のストレスホルモンに与える影響を調べた。その結果、観葉植物を配置した場合、無い場合に比べ、ストレスホルモンが減少したことから、室内における植物の存在はストレス緩和に効果があると考えられた。

6 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正<岩崎潅園>//著
巻号頁・発行日
vol.第9冊 巻63果部山果類1,
著者
岩崎 公弥
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.13-23, 1979 (Released:2017-04-15)

The local system of the Meiji government to unify the whole country started with the system of Ward-Section (daiku-shoku 大区小区) in 1872. But studies about the loacal system before 1872 were limited one about the erstwhile Tokugawa's territory. This paper deals with the local system of that time, particular with the trend to the village consolidation. More over, the author tried to make clear the connection among the consolidated village, oaza (大字) and hamlet through hierarchies of agricultural producers. This consolidation of village (administrative village in Edo period) in Saga daimiate was carried out for 1869-1872. The purpose of the consolidation of village was to construct village of more uniform size by dissolving a small village. The consolidation aimed at creating the absolute authority behind the policy with the slogan "wealth and military strength" (Fukoku-kyohei 富国強兵) and then accomplishing the concentralization of a bureaucratic authority by the appointment of man of talent in the public sellection of the village officer etc. These characters in the political reformation of Saga daimiate in 1869 had been inherited from the policy in the late Edo period. The consolidated village as its result became a terminal unit in section formation of Ward-Section in 1872, and then was given the character as a autonomous body by Formation Law of County, Section, Town and Village (gunkuchoson henseiho 郡区町村編成法) in 1872. And the consolidated village has survived as oaza since 1889. But oaza was neither a village community nor an actual administraive unit. The subject possessing a common land is mostly an erstwhile administrative village (an administrative village in Edo period) . Judging from the possessing condition of farm land by peasants, the territorial unit of their agricultural production was a hamlet or rarely a village (an administrative village in Edo period). At the result of the consolidation of village in the early period of Meiji era, the consolidated village performed a part of more administrative unit in the early period of Meiji era, but after 1889 it has not functioned as the actual administrative unit and the territorial unit of an agricultural product.
著者
横尾 真 岩崎 敦 櫻井 祐子 岡本 吉央
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1_34-1_52, 2013-01-25 (Released:2013-03-25)

本稿では,メカニズムデザイン(応用編)として,前回の基礎編に対して,現実からの要請にもとづく社会的に望ましい結果,もしくは設計者の目的を満たす結果,をもたらすための市場や制度をメカニズムとしてどう考えるかに焦点をあてる.まず,メカニズムデザイン理論における代表的な応用である,異なる種類の商品を同時に販売するためのオークション,いわゆる組合せオークションを,もっともよく知られているVickrey-Clarke-Grovesメカニズムを通して説明する.次に,従来は考えられていなかった課題を解決するためのメカニズムをどのように設計するかを解説するために,架空名義入札を取り上げる.加えて,メカニズムデザイン理論のよく知られた実践例である,検索連動型広告オークションとマッチングメカニズムの主要な結果に関して述べる.
著者
岩崎 賢
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.679-702, 2003-12-30

本稿の目的は古代アステカ人の宗教伝統の中心的要素である人身供犠に関して、宗教学的視点から新たな解釈を行い、従来と異なるより適当なアステカ宗教像を提示することにある。メキシコの歴史家アルフォンソ・カソの議論以来、研究者はアステカ人の供犠の説明として、アステカ人の神話に基づいて、彼らは人間の体を食料として捧げることで守護神である太陽神に活力を与え養おうとした、という説を採用してきた。しかし近年のいくつかの考古学的発見により、このような「太陽神の食事」式の説明はもはや支持し得ないものとなってきている。実際、この儀礼はいわゆる原初巨人解体神話という神話的主題、および建築儀礼との関連において理解されるべきである。筆者はここで「食べる」と「建てる」という二つの概念を鍵として、アステカ宗教と供犠の新たな理解のあり方を探りたいと考えている。
著者
横山 宏 岩崎 重剛 太田 充 石桁 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.60, pp.9-14, 1993-05-22
被引用文献数
2

著者らは、IGF法を用いて学生の勉学のやる気の実態調査を続けてきた。そして、やる気には4状態(やる気、やらされ気、やらん気、やれん気)があることが分かった。今回は、調査で得られたやる気のカーブの記載されたものが上の4つのどの状態であるかを推測する方法について検討した。推測では、やる気を起こしたり無くしたりしたときの理由文に含まれる特定のキーワード、やる気の度合い、やる気グラフの勾配に着目した。そして考案した方法で約100名の学生(大学生、女子短大生)のやる気の4状態を推測し、的中率60%強を得た。
著者
石川 知一 Yonghao Yue 岩崎 慶 土橋 宜典 西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2011-CG-144, no.7, pp.1-8, 2011-08-28

本稿では,磁性流体に注目する.磁性流体は,流体と磁性体の両方の振る舞いをし,この特性により,磁場に沿った 「スパイク状」 の形を生成する.磁性流体は,芸術作品として多用される.我々の目標は,磁性流体の芸術作品をシミュレーションすることです.しかしながら,磁性流体のスパイク形状は,完全に物理ベースの方法ではシミュレーションすることが困難であることが知られている.そこで,我々は SPH(smoothed particle hydrodynamics) 法と手続き型のアプローチを組み合わせた,視覚的にもっともらしい手法を提案する.結果として,磁力が印加されるときに磁性流体にスパイク形状が生成される様子をシミュレーションできることを示す.
著者
唐沢 重考 岩崎 朝生 中島 淳
出版者
東京農工大学農学部附属FSセンター
巻号頁・発行日
no.15, pp.29-34, 2017 (Released:2020-02-03)

九州本土において初めてワラジムシPorcellio scaberを確認した。本研究で採集した標本は,1)第1胸節背板の後縁中央部がほぼ直線であること,2)第1-4胸節背板の側部後縁がS字になること,3)第1,2腹肢外肢が1個の呼吸穴を持つこと,4)腹尾節の先端が尖ること,5)第2触角の鞭部が2節で構成されること,および,DNAバーコードによる類似度検索によりP. scaberであると判断した。また,福岡市内で採集された標本には体色に変異が認められた。
著者
岩崎 雄一 小林 勇太 末森 智美 竹下 和貴 梁 政寛
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.231-237, 2022 (Released:2022-09-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1

全国の河川の水質測定地点 (環境基準点) 2925箇所を対象に, 集水域面積や標高, 集水域及び3 km周囲の土地利用割合に加えて, pH (最小値) , 生物化学的酸素要求量, 浮遊物質量, 全リン, 全窒素の5つの水質項目を整備した。さらに補足的に, これらの整備した物理化学的特徴に基づき, 階層的クラスター分析を用いて, 森林の土地利用割合が集水域で卓越し水質の良好なグループ1 (986地点) , 田畑または都市の土地利用割合が集水域で卓越し水質の悪化が懸念されるグループ3及び4 (それぞれ345及び310地点) , グループ1とグループ3及び4の中間的な特徴をもつと解釈できるグループ2 (1284地点) の4つの特性が類似するグループに分類した。本研究により, 任意の化学物質の濃度が高い地点がどのような特徴をもった地点であるか等を簡易的に評価できる, 水質測定地点 (環境基準点) の物理化学的特徴を整理したデータベースが構築できた。