著者
丸山 信之 里見 龍太 岩崎 俊司 中山 宏
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.958-962, 1994-11-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
12

長期(8年間)にわたって周期性同期性放電(PSD)を呈したAlzheimer病の神経病理学的所見について報告した. 大脳のび慢性萎縮が高度で脳室の拡大も著しい. 大脳皮質の神経細胞脱落が高度で神経原線維変化や老人斑が多発し, 神経原線維変化は大脳皮質ばかりでなく, Meynert核, 視床, 被殻, Luys体, 海馬, 中脳網様体, 黒質, 橋網様体, 青斑核, 中心上核, 背側縫線核, 延髄網様体など中枢神経系の各所にみられた. Alzheimer病の病的過程の進行とともにPSDの発生機序が大脳皮質のみならず視床・脳幹網様体を含めた広汎な障害によるものと考えた
著者
齋藤 美也子 間宮 敬子 笹田 豊枝 中西 京子 阿部 泰之 岩崎 寛
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.E1-E5, 2015 (Released:2015-04-18)
参考文献数
14

p.505 著書所属 誤:2) 旭川医科大学 教育センター 正:2) 旭川医科大学 教育センター(現 信州大学附属病院 信州がんセンター 緩和部門)p.508 著者所属 誤:2) Education Center, Asahikawa Medical University 正:2) Education Center, Asahikawa Medical University(currently Division of Palliative Medicine, Shinshu University Hospital Shinshu Cancer Center)
著者
城戸 佐登子 林 谷秀樹 岩崎 浩司
出版者
獣医疫学会
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.77-87, 2001 (Released:2011-03-05)

1995年2月~1995年6月の5ケ月間に、関東地方1都6県の51動物病院で、ならびに1997年10月~1998年3月の6ケ月間に、関西、中国地方を中心にする1都2府10県の25動物病院で、カルテから選んだ15歳以上の犬および猫(以下、長寿犬または長寿猫とする)と、1994年4月~1995年3月の1年間ならびに1997年12月~1998年10月の11ケ月間に、それぞれ上記の51と25動物病院に来院し、5~9歳で死亡した犬および猫(以下、対照犬または対照猫)について、性、年齢などの宿主要因や食事や散歩などの飼育状況などについてアンケート調査を行い、各項目についてオッズ比を算出し、長寿に関連する要因の抽出を試み、以下の成績を得た。 1)長寿群と対照群との間で、犬では、品種、避妊の有無、飼育の目的、飼育場所、散歩の頻度、同居動物、食事内容、牛乳の給与および間食の項目で、猫では、性別、避妊の有無、飼育の目的、飼育場所、同居動物、食事内容、牛乳の給与および間食の項目で、両群間に有意差が認められた。 2)各項目ごとに長寿に関与するオッズ比を算出すると、犬では「雑種」、「毎年予防接種をした」、「毎日散歩をした」、「同居動物がいた」、「食事として手作り調理を与えた」および「牛乳を与えた」のオッズ比がそれぞれ3.36、2.40、3.21、2.44、2.46および3.75で有意に高く、「室外で飼っていた」が0.25で有意に低がった。猫では「雌」、「同居動物がいた」、「食事として手作り調理を与えた」および「牛乳を与えた」のオッズ比がそれぞれ5.16、2.32、2.34および2.00で有意に高く、「室内外で自由に飼っていた」が0.41で有意に低がった。 3)以上の結果より、長寿に関与する項目として抽出されたものは、犬猫ともに飼育者が飼育動物に対して行っている適切な健康管理や飼育管理の項目がほとんどであり、長寿な動物は飼育者から飼育や健康管理に手をかけられたものであることが明らがとなった。得られた成績は、今後のコンパニオンアニマルの飼育や健康管理を考える上で貴重な基礎知見になるものと考えられる。

3 0 0 0 岩崎村史

著者
岩崎村史編集委員会 編
出版者
岩崎村
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1987
著者
岩崎 聡 鈴木 宏明 茂木 英明 工 穣 宇佐美 真一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.35-41, 2011 (Released:2012-03-01)
参考文献数
13

耳垢には乾性耳垢と湿性耳垢があることが知られており、以前から性状の違いは耳垢に含まれる脂質の量と組成により決定されるといわれ、これまで湿性耳垢の脂質の組成に関する報告がほとんどであった。耳垢は日頃臨床の場でよく遭遇し、生理作用もあるといわれているが、詳細はいまだ検討されていないのが現状である。今回われわれは脂質の中で最も多く含まれるといわれている脂肪酸の構成成分を乾性耳垢と湿性耳垢で分析し、比較検討した。高速液体クロマトグラフにより代表的な必須脂肪酸、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を乾性耳垢と湿性耳垢で測定した。測定した 7 種類の脂肪酸を試料 1 g あたりに換算した量で比較するも有意な差は認められなかった。ただし、まだ同定されていない脂肪酸成分の反応が湿性耳垢でみられたことから、湿性耳垢のみに含まれる特異的な脂肪酸成分の存在が示唆された。
著者
倉田 毅 田村 慎一 小島 朝人 岩崎 琢也 佐多 徹太郎 山西 弘一
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1989

HIV感染後、エイズ発症に至るまでの体内での動態についてはよくわかってはいない。in vitroでみると、HIVと突発性発疹の病原体であるヒトヘルペスウイルス6(HHV6)は、CD4陽性Tリンパ球を標的とする。エイズ発症初期の全身リンパ節の系統的腫脹(PGL)の特徴は異常なリンパ濾胞の過形成と樹状突起細胞の腫大であり、B細胞の増生である。悪性リンパ腫として疑われて生検されたPGL初期のリンパ節で抗原の分布を免疫蛍光法、ABC法でみると、HIVは主として胚中心を中心として濾胞内に大量に存在するのに対し、HHV6は濾胞周辺領域に大量に検出された。両ウイルスは、23例でみるとエイズの症状の進行と共に、萎縮期の全身リンパ節における検出率が減少した。HIV抗原は樹状突起細胞を中心にその周辺に網状に、HHV6抗原はマクロファ-ジおよびリンパ球にみられ、両者の分布域と細胞は明らかに異なっている。今回の事実から、HHV6は、HIVがリンパ節内において活性化されると共に、異なった領域で活性化され相互に作用しながらCD4陽性細胞を破壊するものと推定される。他のウイルスが日和見感染としてエイズの後期において活性化されるのに対し、この2つのウイルスはPGL期において重要な役割を担っていることが明らかになった。AC患者の末血20名をみると、両抗原が検出されることはないが4ー7日の培養で、6名でHIV、7名でHHV6が検出されてきた。この時期においては両ウイルスは活性化されているとはいえず、ACからPGLへの進展の要因が何であり、それがどのようにHIVとHHV6動かすかについての検討が次の課題である。
著者
箙 一之 岩崎 泰典 小村 淳
出版者
社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会論文集 (ISSN:13467727)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.241, pp.25-32, 2004-03-25 (Released:2017-09-06)
参考文献数
1
被引用文献数
1

The authors have developed a new stem named "SEA-Arrow" to improve the propulsive performance of medium-speed ships such as LPG carriers. Having no protrusion of the bulbous bow, the SEA-Arrow can reduce bow waves and thereby greatly increase the propulsive performance. LPG carriers are required to have box-shape tanks arranged to the fore part of the hull because of necessity for efficient arrangement of LPG tanks, as well as develop a higher ship speed than oil tankers and bulk carriers. And LPG carriers are restricted in their lengths due to limitation in the facilities of their loading/unloading ports. Under these restrictions, the authors have carried out R&D of LPG carriers' hull form, aiming at improving the propulsive performance by minimizing the bow waves. By adopting the SEA-Arrow, the authors could reduce the wave resistance to a half and achieve a 6-10% reduction in the required main engine horsepower. This paper describes the features of the SEA-Arrow and its performance based on the model test results.
著者
岩崎 拓也
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.426-442, 2018-09-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
18

正書法が一般に浸透していない日本語の文において,読点を打つ・打たないということは恣意性の高い選択である.本研究では,接続詞の直後に読点が打たれる要因を探ることで,日本語の文における読点使用の理由の一端を明らかにすることを試みた.分析データには,BCCWJ のコアデータを使用し,モデル構築にはElastic Netを用いた正則化付きの一般化線形モデルを作成した.この手法をとることで,過学習を防ぐことと,従来では扱うことができなかった情報量の多い変数を取り扱うことができる.モデル評価には,10分割サンプルによる交差検証を実施した.今回構築したモデルを用いて元データの再分類を行った結果,再現率は78.99%であった.また,係数を確認したところ,語彙素「で」,接続詞が文頭にあるとき,語彙素「が」,レジスター「白書」,語彙素「然しながら(しかしながら)」といった指標が接続詞の直後に読点が打たれる強い指標であった.
著者
岩崎 直子
出版者
日本精神衛生学会
雑誌
こころの健康 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.52-61, 2000-11-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
25
被引用文献数
1

性的被害の実態と, 被害者および周囲の人々へのサポートに関するニーズを調べるため, 大学生を中心とした男女学生277名を対象に, 質問紙調査を実施した。さまざまな性的被害に関して具体的な行為を提示し, 調査実施時点までの被害経験率を調べたところ, 女性の74.0%および男性の25.0%が何らかの被害経験を持ち「レイプ既遂」の被害率は3.4%であった。そのすべてが「友人・知人」「恋人」などの「顔見知り」から被害を受けた“date/acquaintance rape (DAR)”の被害者であり, 社会に蔓延する“real”rape像にはあてはまらないことがわかった。一方, 被害者を身近でサポートする重要な他者 (=SOs) は, 時に自らも被害の影響を受けることが知られているが, 回答者の約3割は, 自分の身近な人が性的被害経験を持つSOsであった。そのうちの7割以上が自分自身のためにも「何らかのサポートが必要である」と感じていた。これらの結果から, 今後の調査研究と被害者支援の方向性について考察した。
著者
尾崎 誠 岩崎 勝郎 手島 鍛 土井口 祐一 山田 健治 高橋 克郎 貞松 俊弘
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.521-525, 1993-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

To assess the cause of hip lesions when combined with pelvic posterior inclinatiop such as osteoarthritic and rapidly destructive coxopathy-like changes, coverage of the femoral head to the acetabulum was measureed on computed torn ograms of 35 patients, and the relationship between degree of inclination and coverage was investigated. Patients were divided to in three groups according to their degree of pelvic posterior inclination: Group 1; less than 20° of inclination, 18 hips; Group 2; 21-25°, 6 hips; Group 3; more than 26°, 11 hips.There was no statistical difference in total coverage of the head among the three groups. Coverage of the anterior part of the head decreased and coverage of the posterior part of the head increased with an increase in posterior inclination.These findings suggest that the decrease in anterior coverage of the head with increasing pelvic inclination may lead fo the developmenf of some hip lesions.
著者
柴田 由紀枝 岩崎 雄一 竹村 紫苑 保高 徹生 髙橋 徹 松田 裕之
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.183-188, 2020 (Released:2020-11-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2

和賀川の清流を守る会 (以下, 守る会) は, 岩手県を流れる和賀川を公害から守り, 清流を保護することを目的として多様な利害関係者によって1972年に結成された。上流域に存在する休廃止鉱山の水質監視を主要な活動の1つとして, 守る会は, 会発足時から河川での水質調査, 1976年からは鉱山での水質調査を開始し, 測定結果を会報で報告している。排水基準を超過した場合も含むすべての測定結果が, 会報で公開・議論されている点は情報公開のあり方の点からも興味深い。また, 会報のテキスト分析によって, 1972年から2019年までの間に, ①公害への危惧, ②休廃止鉱山での水質監視や鉱害防止対策, ③水生生物など自然環境全体の保全, と会報の話題が変化していることが示された。守る会の活動を分析・整理した本研究の成果は, 排水基準の遵守のみに依拠しない休廃止鉱山における柔軟な坑廃水管理を検討する上で貴重な基礎資料となると考えられる。
著者
村嶋 正幸 成田 有吾 岩崎 英一 橋爪 永子 出口 晃 西川 政勝 出口 克巳 白川 茂
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.392-398, 1992-08-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

The effect of a novel compound, 3-isobutyryl-2-isopropylpyrazolo [1, 5-a] pyridine (ibudilast, KC-404), on human platelet aggregation and its mechanism of action were investigated.In vitro, KC-404 inhibited human platelet aggregation induced by ADP, collagen, adrenalin, platelet activating factor and arachidonic acid but not by ristocetin. Together, KC-404 and agents which increased cAMP (prostaglandin I2, prostaglandin E1 (PGE1), forskolin) or cGMP (3-morpholinosydnonimine (SIN-1)) produced synergistic inhibitory effects on platelet aggregation.KC-404 inhibited human platelet cAMP phosphodiesterase (PDE) (IC50: 50μM) and cGMP-PDE (IC50: 5.2μM) activities. cAMP and cGMP concentration of human platelets were not increased by KC-404 itself. PGE1, an adenylate cyclase stimulator, increased cAMP content; KC-404 enhanced the effect of PGE1 on cAMP accumulation. SIN-1, which stimulates guanylate cyclase, increased cGMP content; KC-404 enhanced the effect of SIN-1 on cGMP accumulation.These results suggest that effects of KC-404 on accumulation of cyclic nucleotides and inhibition of platelet aggregation are mediated via inhibition of platelet cyclic nucleotide phosphodiesterase activities.