著者
周 立波 清水 淳 尾嶌 裕隆 山本 武幸 江田 弘 神谷 純生 岩瀬 久雄 山下 輝樹 田代 芳章 田 業氷
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,超高速光通信用可変分散補償器のコア要素である単結晶Siエタロンの加工技術を確立することを目的に,独自に開発したSiと化学反応するCMG加工技術を用いて,大口径Siウエハを高精度・高品位に加工できるOne-stop加工システムを開発し,CMG砥石およびプロセスの最適化を行い,固定砥粒加工だけでGBIR<0.3μm,加工変質層のない15μmの極薄Siウエハを実現した.
著者
岩瀬 達哉
出版者
新潮社
雑誌
新潮45
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.210-219, 2009-07
著者
佐藤 比呂志 岩瀬 貴哉 池田 安隆 今泉 俊文 吉田 武義 佐藤 時幸 伊藤 谷生
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

平成16年度には、2003年7月26日に発生した宮城県北部地震の震源域を横断する反射法地震探査を行い、中新世に形成された正断層が逆断層として再活動することによって発生した地震であったことが判明した。この北方の宮城県北部で1900年以降に発生したM6.5を越える内陸地震は、2003年の震源域の北方の領域から、南方に破壊してきたことが明らかになった。この一連の地震は、中新世の日本海の拡大時の最末期に形成された北部本州リフトの東縁のリフト系の再活動によるものであった。このリフト系の延長である水沢地域における石油公団が実施した反射法地震探査データと、現地の活断層調査によって、この地域の活断層はリフト系のハーフグラーベンを限る西傾斜の正断層が逆断層として再活動して形成されたものであることが明らかになった。また、リストリックな形状の正断層の再活動に伴って、浅層の高魚部分をショートカットして形成された、footwall short cut thrustも見いだされた。同様の再活動は、このリフト系の東縁の延長である三戸地域でも見いだされ、地表地質と重力から推定される密度構造から、中新世初期に活動したハーフグラーベンの東縁の断層が鮮新世以降再活動し、現在、活断層として知られる折爪断層はこの再活動によって形成されている。東北日本の太平洋側に分布する活断層は、仙台市周辺の長町-利府断層も含め、こうした中新世の背弧海盆の拡大に伴って形成されたかつての正断層が再活動したものである。したがって、震源断層は均質な物質中で形成される30度前後の傾斜を有するものではなく、50度前後の高角度のものとなる。本研究プロジェクトで検討した、中央構造線活断層系や糸魚川-静岡構造線活断層などの成果も含め、現在の大規模な内陸地震は、既存の断層の再活動によって発生しており、深部の断層の形状は地質学的なプロセスと密接に関連している。
著者
岩瀬 弘敬 柄松 章司 呉山 泰進 桐山 昌伸 伊藤 由加志 葛島 達也 岩田 広治
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.95-98, 1990-01-01
被引用文献数
1

慢性膵炎に起因する膵性腹水の1例を報告した.患者は20年来アルコールを多飲していた39歳の男性で,急激な腹部膨満と上腹部激痛で受診した.臨床所見と諸検査によって,多量の膵性腹水とともに肝硬変と慢性膵炎が存在すると診断された.全身的療法の効果が乏しいことから,発症16日目より腹膜灌流を開始した.メシル酸ガベキサート200mg,アミカシン100mgおよびヘパリン2,000単位を含む21の等張腹膜灌流液を腹腔内に60分で注入し,引き続き120分で自然流出させた.この持続的腹膜灌流は3時間ごとに5日間連続しておこなった.この治療によって臨床症状,血清アミラーゼをはじめとする検査結果は著しく改善した.すなわち,蛋白分解酵素阻害剤を添加した等張の腹膜灌流液による連続的腹膜灌流が有用であった.しかし,腹膜灌流の時期と継続期間,蛋白分解酵素阻害剤の種類と量,などなお考慮すべき点が残されている.
著者
早川 貴之 菅野 孝史 森下 昌紀 岩瀬 順一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

3次元端末特異点の特異点除去および因子収縮に関して以下に述べる研究を行った.(1)指数mが2以上の3次元端末特異点につぶれる既約例外因子の食い違い係数が1/mの因子収縮を繰り返すことにより,指数が1の端末特異点しか持たない代数多様体からの双有理射を具体的に構成した,その結果として指数が2以上の3次元端末特異点の上空にある食い違い係数が1以下の既約因子をすべて決定した.(2)3次元端末特異点について,食い違い係数が1未満(または以下)となるような因子だけすべてを例外因子としてもつような部分的特異点除去が存在するかというM.Reidの問題(経済的特異点解消の存在)に対して,元々の問題にある形では経済的特異点解消は一般には存在しないことを示した.さらに経済的特異点解消が存在するためにどのような特異点を許せばよいのかについて考察し,必要な修正の後に経済的特異点解消が存在することを示した.(3)既約因子を指数2以上の3次元端末特異点につぶす因子収縮のうち,その既約因子の食い違い係数が1となるものについて,4次元または5次元の巡回商特異点の中への埋め込まれ方および因子収縮を得るための重み付きブローアップの重みを具体的に定めることにより,すべて決定した.(4)指数が1の3次元端末特異点につぶれるものについて,とくにcD型およびcE型の端末特異点につぶれるような因子収縮のうち,食い違い係数が1であるようなものに明示的な記述を与えた.
著者
岩瀬 昭雄 伊積 康彦
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.411-419, 1996-06-01
被引用文献数
20

音響管を用いた多孔質材料の伝搬定数計測では, 試料を剛壁に密着状態と背後に1/4波長の空気層を設けた状態での2回のインピーダンス測定を行う方法が代表するように, 試料背後の空気層確保が必須条件で, 柔らかな材料の形態を変えないで上記2条件を実現する困難な課題に大きな努力が注がれてきた。本研究ではこの方向とは考えを異にした背後空気層を全く不要とする, 試料前後の伝達関数分析のみによる極めて単純な計測法を考案し, 有効性を検証した。その検証過程で, 多孔質試料には音響管壁で支持される共振振動が生じて大きな計測誤差を生むことが初めて明らかにされ, その回避が音響管を用いた計測法に共通する新たな問題として提起された。
著者
岩瀬 徹
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.202-205, 2004-09-30

「自然に根ざした生物教育」を実践するには,身近なフィールドを活用し,普遍的な観察方法を開発する必要がある。学校においては校庭は足元のフィールドであり,そこの主役は雑草である。雑草の種や生育には共通性が高く,教材としての効果が期待できる。かつては,専ら除去の対象であった雑草に対して教材としての市民権を与えようとした。長年の経験はいくつか発表してきたが,1987年に野外観察ハンドブック「校庭の雑草」を作成し,校庭をフィールドとする観察法の普及と定着を図った。また,授業展開の事例として,形やくらしから雑草の名前に近づく方法,校庭の雑草の分布を調べ環境との関係を考える方法,雑草群落の測定を通じて遷移を理解する方法などの概略を紹介した。さらに,近年の理科教育や生涯教育の一面と雑草との関わりなどに触れた。
著者
下川 賢一郎 岩瀬 賢明 三輪 亮佳 池田 麻理子 大野 修 山田 薫 宮本 憲二 上村 大輔
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.50, pp.487-492, 2008-09-01

(-)-Ternatin (1) is a highly N-methylated cyclic heptapeptide that was isolated from the mushroom Coriolus versicolor during our continuing search for potential anti-obesity agents from natural resources such as mushrooms. In our previous presentation (2006), we reported the isolation, structure elucidation and synthesis of 1, which potently inhibited fat accumulation against 3T3-L1 murine adipocytes. To clarify the detailed mode of action of (-)-ternatin (1) with regard to fat-accumulation inhibition in adipocytes, we started bioorganic studies of 1 and its analogues. We achieved the solution-phase synthesis of 1 and then evaluated its in vivo biological activity. Treatment with 1 at 5mg/kg/day was found to suppress the increase in body weight and fat accumulation in diet-induced obese mice. Due to the course, a structure-activity relationship (SAR) study of 1 was first investigated aimed at the recognition of the importance of side chain functionalities as well as a suitable site for advanced functionalization in its structure, e.g., biotinylation and introduction of a fluorescent unit.
著者
佐久間 哲哉 岩瀬 昭雄 安岡 正人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.505, pp.1-8, 1998
参考文献数
15
被引用文献数
6

1.はじめに 現在,建材としての膜材の利用形態は多岐に渡り,その音響的利用例も少なくない。膜材の音響特性に関して無限大膜モデルに基づく理論解析1)2)3)により吸音率・透過損失の予測が行われる一方,任意音場の波動音響学的予測を目的とした音響-膜振動連成数値解析手法4)5)が検討されている。本論文では,膜材が建材として使用される場合の大半において音場に及ぼす膜の張力の影響が微小であることに着目し,張力0を仮定した無張力膜モデルに基づき,FEM音場解析における無張力膜要素を提案する。無張力膜要素を用いた解析では膜振動場に対する数値解析手法の適用が不要なことから,張力を考慮した厳密な連成解析に比べて計算に要する記憶容量・時間が大幅に低減する。さらに,無張力膜要素は従来の空気要素・吸音要素と節点音圧未知量のみを介して接続されることから,その取扱いが簡便であると同時に,更なる記憶容量・時間の低減が図られる。本方法は音響管内の理想音場における数値解と理論解との比較によりその妥当性が検討された後,室内音場への適用例として,非通気性膜を有する室内の固有周波数解析,膜を含む多層吸音構造体を有する室内の伝送特性解析を行い,模型実験との比較からその有効性を検討する。さらに,吸音構造体表面において局所作用を仮定する従来の方法との比較検討についても行う。2.無張力膜要素の理諭的導出 厚さ0・張力0および面密度・流れ抵抗を有する無張力膜モデルを想定し,膜振動方程式,流れ抵抗に関する定義式および新たに定義した膜の実効面密度により膜面上音圧と粒子速度の関係を定式化する。次に,膜と多孔質材を含む室内音場を想定し,Galerkin法の適用により積分方程式を導出した後,前述した関係式の代入および変形により膜面の寄与を膜面上粒子速度を含まない形式で表す。ここで,膜面上の節点を膜両面で対を成すように同一座標に配置し,その節点対から構成される膜部分を一種の有限要素(以下,無張力膜要素)とみなすことにより,膜両面の寄与を無張力膜要素の寄与として取り扱うものとする。3.FEMによる解析方法 空気要素・吸音要素・無張力膜要素の3種類の要素を用いて解析領域の要素分割を行い,全体マトリクス方程式を構成する。ここで,全体マトリクス方程式は膜に関する無張力膜マトリクスが従来のマトリクス方程式に加わる形式で表され,その無張力膜マトリクスは面密度に関する実数部と流れ抵抗に関する虚数部から成る。無張力膜要素の適用により膜面上粒子速度に関する適合手続きが不要なことから,各全体マトリクスは各要素マトリクスの単純な重ね合わせにより組み立てられる他,膜面上粒子速度に関する節点未知量の排除および効率的なバンドマトリクスの生成により記憶容量・時間が低減される。無張力膜要素の取扱いに関しては,要素内の膜面位置・節点対に関する情報を予め要素内節点番号の配列に付与し,各節点の内挿関数は空気要素・吸音要素と同様の内挿関数を形式的に用いることができる。4.解析方法の適用と考察 剛壁からなる音響管内に膜と多孔質材を設置した1次元的理想音場を想定し,端部振動面の比放射インピーダンスに関して数値解と理論解の比較を行った。両者は低周波数域でほぼ完全に一致したことから,本方法の妥当性が確認された。さらに,膜が音響管内音場に及ぼす影響を調べた結果,膜面における音圧分布の不連続性,膜の設置による音圧分布の変化が確認された。次に,室内音場への第一の適用例として,非通気性膜を設置した模型室内の固有周波数解析を行い,模型実験との比較検討を行った。膜の設置による室内固有周波数低下の割合に関しては計算値の方が実測値よりやや高い割合を示すものの,膜が室内固有周波数に及ぼす影響の全般的傾向という点では実測結果と計算結果の良好な対応が見られた。従って,膜を有する室内の固有周波数予測に本方法は有効であることが認められた。室内音場への第二の適用例として,膜・グラスウール・空気層から成る多層吸音構造体を有する室内の伝送特性解析を行い,模型実験との比較検討を行った。種々の吸音構造体条件における受音点音圧の周波数応答に関して実測結果と計算結果は良好な対応を示したことから,吸音構造体を有する室内の音場予測に本方法は有効であることが認められた。さらに,吸音構造体表面において局所作用を仮定する従来の方法との比較検討を行った結果,局所作用を仮定する方法によると厚い吸音構造体では大きく予測精度が低下し,今回提案する方法が計算精度においてかなり優位であることが示された。5.まとめ 室内音場のFEM解析における膜材の取扱い方法として,膜の張力0を仮定し,面密度・通気性を考慮する無張力膜モデルに基づく新種の無張力膜要素を提案した。FEM音場解析における無張力膜要素の具体的な取扱い方法が述べられ,取扱いの簡便さ,適用による数値計算の効率化が示された。理論解が得られる音響管内音場への適用から本方法の妥当性が確認され,模型室内音場への適用から膜を有する室内の固有周波数予測,膜を含む多層吸音構造体を有する室内の音場予測における有効性が認められた。さらに,吸音構造体の取扱いに関しては局所作用を仮定する方法による予測精度の低下を指摘し,本方法の優位性が明らかにされた。