著者
岩瀬 康子 佐々木 利佳 堀川 英世 釈永 清志 山崎 光章
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.214-217, 2012

  グルカゴノーマ摘出後に高度の低血糖が原因の覚醒遅延をきたした症例を経験したので報告する.46歳女性.上腹部腫瘤と耐糖能障害を認めたため,確定診断の目的も兼ねて腫瘍摘出術が施行された.術中経過は安定しており,血糖値は103~110mg/dlであった.術後に覚醒遅延を認めたため血糖値を測定したところ,4mg/dlであった.ただちにブドウ糖を投与し,血糖値が回復すると速やかに覚醒した.術後に神経学的異常所見は認めなかった.グルカゴノーマの周術期には血糖値が大きく変動する可能性があるため,頻回に血糖値を測定する必要がある.グルカゴノーマ摘出後に覚醒遅延をきたした場合は低血糖の可能性を考慮する必要がある.
著者
岩瀬 良三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1092, pp.109-112, 2001-05-21

3月25日の千葉県知事選挙に、自由民主党の推薦を受けて出馬しましたが、落選してしまいました。参院議員の職を辞しての戦いでしたが、政党の推薦を受けていない堂本暁子さんに、わずかな差でしたが、追いつくことができませんでした。 私を支援していただいた方には、大変申し訳なく思っています。今は、こうした人々の元へ、お礼に回っているところです。
著者
笠原 順三 白崎 勇一 川口 勝義 岩瀬 良一 中塚 正
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.920-933, 2000-12-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
29

To understand the Earth's geophysical phenomena, it is important to obtain multicomponent, continuous, long-range, and real-time marine data in global scale. To carry out observations in the sea, the most reasonable way at present is to use submarine cables for communication and power supply. There are cable projects using decommissioned submarine cables in Japan. GeO-TOC and VENUS projects. The H2O project is a US version of the VENUS project. Outlines of the two systems are presented with some new results.Some other projects using new fiber optic cables have been continued in Japan, but most of these projects are oriented toward seismic observations. The NEPTUNE and J-NEPTUNE projects are the most attractive projects in the near future to build multi-disciplinary observatories as Internet networks in the sea.
著者
戸澤 一矢 岩瀬 史明 内藤 敦 井上 章
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.608-610, 2020

<p>症例は妊娠37週の20歳代,女性。自宅で陣痛を発症,本人の訴えから陣痛間隔は3分であったが,かかりつけ病院へ搬送する際,発露状態を確認したため自宅での分娩介助を決断した。発露の段階では,破水は認められず卵膜に包まれた状態であった。会陰の保護をする間もなく卵膜に包まれたまま体幹まで娩出されたが,迅速に卵膜を破り対応ができた。救急隊が分娩に遭遇することは多くはなく,今回のような被膜児分娩(幸帽児分娩)に遭遇した場合の対応についても知っておく必要があるので,文献的考察を含め報告する。</p>
著者
町田 善康 山本 敦也 秋山 吉寛 野本 和宏 金岩 稔 神保 貴彦 岩瀬 晴夫 橋本 光三
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.181-189, 2019-01-28 (Released:2019-04-10)
参考文献数
31
被引用文献数
3 5

北海道東部網走川水系の 3 次支流駒生川において,住民が設置した複数の手作り魚道の効果を検証するため,魚道設置前後の魚類の種組成,生息個体数,およびサケ科魚類の産卵床の分布を調査した.その結果,魚道設置完了前の 2009 年および 2011 年には,駒生川の落差工よりも上流域には,サケ科魚類が全く生息しておらず,ハナカジカとカワヤツメ属の一種のみが生息していた.また,サケ科魚類の産卵床も確認できなかった.2012 年に 7 基の魚道の設置が完了した後,落差工よりも上流域でサクラマスおよびイワナの親魚と産卵床がそれぞれ確認された.また,2013 年に行った調査では,落差工上流域にサクラマスの生息を確認した.さらに,魚道設置 5 年後の 2017 年には,駒生川においてサクラマスおよびイワナの生息が確認でき,ハナカジカの生息個体数は減少する傾向にあった. 以上の結果から,駒生川に設置された木材や石などを利用した手作りの魚道は,遡上できなかった上流域へのサクラマスおよびイワナの遡上を可能にした.しかし,定住性の高い魚類に関しては回復に時間がかかっており,中流域の三面護岸が影響していると考えられた.
著者
鬼柳 善明 加美山 隆 古坂 道弘 宇野 彰二 持木 幸一 篠原 武尚 木野 幸一 佐藤 博隆 長谷美 宏幸 甲斐 哲也 塩田 佳徳 岩瀬 謙二 矢代 航 大竹 淑恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

パルス中性子源を用いたエネルギー分析型透過イメージング法の高度化と応用分野の拡大を行った。まず、解析コードを改良し、焼き入れ鉄のマルテンサイト相、日本刀や新材料の結晶組織構造情報の分布を得、硬さ分布の非破壊測定法を見いだした。さらに、CT法の開発を行った。水素貯蔵合金への適応可能性を示すとともに、小角散乱イメージング法を開発し、共鳴吸収スペクトルの定量解析を可能とした。磁気イメージング法の定量性の評価と磁性薄膜への応用、さらに、世界初のパルス中性子による位相コントラスト測定を成功させた。また、高計数率2次元検出器やカメラタイプで短時間チャンネル飛行時間測定ができる検出器の開発に成功した。
著者
早川 裕美子 石田 亜里 岩瀬 恭子 小野 真知子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.51-60, 1986-03-01

高等学校「家庭一般」の教科書(12教科書)に記されている調理実習の調理品を対象に食塩濃度および食塩量を調べた.1.全調理品の食塩濃度は,改訂前で最低0.5%(カレーピラフ;S_1出版など),最高1.6%(ハンバーグステーキ;Kなど)であった.改訂後では最低0.3%(天ぷら;Sなど),最高1.6%(涼拌絲,G)であった.食塩濃度の分布は,改訂前0.7〜0.8%, 1.1〜1.2%(50.0%),改訂後0.5〜0.6%(31.1%)の範囲に高かった.2.食塩量は,改訂前で最低0.4 g(魚の照り焼き;S_1出版など),最高2.7 g(チキンピラフ;G)であった.改訂後では最低0.3 g(涼拌黄瓜; C),最高3.3 g(チキンピラフ;S)であった.食塩量の分布は,改訂前1.1〜1.5 g(35.8%),改訂後1.6〜2.0 g(27.5%)の範囲に高かった.食塩量が3.0g以上と高い調現品は,改訂後のチキンピラフ(S) 1種類であった.3.食味テストの塩味の結果は,改訂前において塩からいと感じた調理品は全体の57%,ちょうどよい25%,塩味が薄いと感じたもの18%であった.改訂後では,塩からいと感じた調理品が全体の45%,ちょうどよい0%,塩味が薄いと感じたもの55%であった.全体的にみて,塩からいと感じる調理品が多く,食塩濃度の高い調理品は塩からいと感じる傾向にあった.4.塩味以外の食味テストの結果は,うま味の項目でおいしいと感じる調理品は,改訂前68%,改訂後72%であった.外観がよい調理品は,改訂前36%,改訂後52%であり,テクスチュアがよい調理品は,改訂前57%,改訂後59%,分量がよい調理品は,改訂前25%,改訂後17%であった.5.調理品別の食塩濃度について改訂後の値が高くなったのは,ピラフ類(0.7%→0.8%)であり,改訂後の値が低くなったのは,和風汁物(1.0%→0.9%),天ぷら(0.7%→0.4%)であった.また,調理品別の食塩量において改訂後の値が高くなったのは,中国風汁物(1.6 g→1.7 g),魚の照り焼き(0.4 g→0,5 g)であり,低くなったのは,天ぷら(1.2 g→0.5 g),和風汁物(1.6g→1.4 g)であった. 教科書別の食塩濃度では,改訂後の値が高くなったのは,さわらの照り焼き(K出版;o.7%→0.9%),すましじる(S ;0.9%→1.0%)などであり,低くなったのは,チキンライス(C;1.0%→0.7%),天ぷら(S ; 0.5%→0.3%)などであった.食塩量において改訂後の値が高くなったのは,すましじる(S ; 1.4 g→1.5 g),さわらの照り焼き(K;0.4g→0.5g)などであり,低くなったのは,チキンライス(C ; 2.6 g→1.5 g),天ぷら(S ; 1.0 g→0.4 g)などであった.6.実教出版(改訂後)の全調理品の食塩濃度は,最低0.2%(カスタードプディング,フルーツサラダ),最高2.3%(酢みそあえ)であり. 0.9〜1.0%の範囲(22.9%)に多く分布した.食塩量については,最低0.2g(カスタードプディング,マドレーヌ),最高5.7 g (正月料理)であり,0.1〜0.5 gの範囲(25.6%)に多く分布した.実習例別における食塩量の最低値は1.6 g (実習6のスチームドフィッシュ他)であり,最高値は5.7 g(実習2のチキンピラフ他,実習14の正月料理)であった.
著者
岩瀬醒 詞書
出版者
巻号頁・発行日
1861
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 宮崎 純弥 大田尾 浩 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.101-108, 2012 (Released:2012-12-05)
参考文献数
33
被引用文献数
3 3

本研究の目的は,床から立ち上がる動作の過程で,四つ這いをとるか否かに影響を及ぼす要因を明らかにすることである。方法は,地域在住の女性高齢者47名を対象に,握力,大腿四頭筋筋力,足把持力,上体起こし,長座体前屈距離,片足立ち保持時間を評価した。床から立ち上がる動作の過程で四つ這いをとる要因について,ロジスティック回帰分析を用いて検討した。その結果,立ち上がり動作の過程で四つ這いをとる要因として,上体起こしが選択された。これらの知見から,高齢者が床から立ち上がる際,四つ這いを経由するか否かには,体幹筋力が関係しており,体幹筋力が強いものほど四つ這いをとらずに立ち上がれる可能性が示された。
著者
高木 正見 中平 賢吾 岩瀬 俊一郎
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.1071-1079, 2016-11

レンゲは,明治から大正・昭和にかけて,水田の裏作緑肥作物として,わが国の近代稲作農業に大きく貢献してきた。また,緑肥としての効用や飼料作物として利用できるだけでなく,養蜂業にとっては,春季の蜜源植物として,レンゲは重要な存在である。レンゲ蜜は,国産蜂蜜の中でも代表的な蜂蜜なので,"はちみつの王様"と呼ばれ,現在では希少性も伴って,国産レンゲ蜜は最も高価な蜂蜜の1つであり,その一方で,ピンク色に染まったレンゲの絨毯は,1960年代以前,わが国の春の田園風景にとって,欠かせないアイテムであった。ところが,わが国におけるレンゲの作付面積は,1960年以降急激に減少した。その原因としては,化学肥料の普及や,わが国の畜産が農家の役畜的飼育から畜産専業の用畜的飼育,とりわけ企業的多畜化へ変貌し,飼料としてのレンゲの利用価値が低下したことが大きかった。さらに,レンゲ作付面積の減少に追い打ちをかけたのが,1982年に海外から侵入した,アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica,以下「アルタコ」と略)であった。養蜂家は,レンゲ栽培農家の減少に少しでも歯止めをかけようと,稲作農家にレンゲの種子を無料で配布し,水田裏作として播種してもらうという努力も行ってきた。しかし,アルタコによる被害は激甚で,稲刈り後に播種したレンゲが,開花する前に全滅するという事態が,九州から西日本全体に広がった。アルタコは,現在では全世界的な害虫であるが,もともとは,中東および中央アジアからヨーロッパにかけて分布する,マメ科牧草の害虫であった。わが国には,1982年に九州と沖縄に侵入し,分布を拡大し,現在は本州北部を除く日本全域に分布し,レンゲの害虫として問題になっている。しかし,米国から導入された寄生蜂,ヨーロッパトビチビアメバチ(Bathyplectes anurus,以下「Ba」と略)の効果が現れ始めた福岡県を中心にした西日本では,レンゲの花が回復しつつある。そこで本稿では,このアルタコのレンゲ害虫としての生態と,天敵である寄生蜂の導入の経緯,さらに,その寄生蜂を使った生物的防除を核にした本種の総合的害虫管理(IPM)について解説する。
著者
岩瀬 拓士
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1069, 2014-09-20

マンモグラフィ検診がまだ十分に日本に定着していなかった20年近くも前のことではあるが,当時我々が癌を強く疑って生検した石灰化の写真を,講演で来日したDr. Tabárに診てもらったことがある.一見多形性,区域性に見える石灰化ではあったが,彼は即座に良性と診断し,生検は不要だろうと答えたことを覚えている.生検結果が良性であったことを知る我々にとっては大変な驚きであったが,経験を積んだ今ならその診断理由をよく理解できる.当時の診断能力の差を思い知らされた貴重な経験となっている. 本書は,そうしたマンモグラフィの教育活動を世界中に展開してきたDr. Tabárの有名な著書「Teaching Atlas of Mammography」の第4版を訳したものである.第4版改訂を機に日本語への翻訳と出版が現実のものとなった.
著者
齋藤 孝義 丸山 仁司 菅沼 一男 鈴木 知也 佐野 徳雄 岩瀬 洋樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.805-808, 2014 (Released:2014-10-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

〔目的〕本研究は,座位での連続底背屈運動テストを転倒予測として用いることができるのか検証することを目的とした.〔対象〕対象者は65歳以上の高齢者50名とした.〔方法〕転倒群と非転倒群に分け,連続底背屈テスト,timed up & go test,functional reach test,5 m全力歩行テスト,立位つま先テストを評価した.その後,転倒と関係についてロジスティック回帰分析を用いて検討した. 〔結果〕2群間で全ての運動機能に差が認められた.ロジスティック回帰分析の結果,転倒の有無に影響する変数として底背屈テスト,立位テストが選択された.〔結語〕連続底背屈テストは座位で行なうことができ,安全,簡便に理学療法士以外でも実施できる転倒予測指標として有益であると考えた.