著者
深見 重子 井関 幹郎 村瀬 雄二 石飛 アミ子 岩田 崇 村瀬 敏郎
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1372-1378, 1990-11-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

我が国における破傷風予防接種が, DPTワクチンを用い, 全国規模で開始され, 20年を経過した現時点での, 破傷風抗毒素保有状況を知る目的で, 国内二つの地域を選び, 年齢別に血中破傷風抗毒素価を測定した.1. 東京都渋谷区で採取された211例中102例 (48.3%) が感染防御水準の0.01 HAU/ml以上の抗毒素価を保有していた. 抗毒素陽性率は, DPTワクチンの接種を受けた可能性のある3歳から21歳までの年齢層では90.8%, 22歳以上では27.7%で, 21歳以下の年齢層で有意に高率であった. また, 抗体陽性者のしめる割合は加齢とともに減少した.2. 静岡県浜松市における外傷患者128例中60例 (46.1%) は0.01 HAU/ml以上の抗毒素を保有していた. 抗体陽性率は, 21歳以下の年齢層では96.7%, 22歳以上では29.5%と有意差が認められ, 現行のDPTワクチンによる破傷風予防接種が有効に働いていることが示唆された.
著者
岩田 諦靜
出版者
立正大学
巻号頁・発行日
1994

博士論文
著者
武本 充治 大石 哲矢 岩田 哲弥 山登庸次 田中 洋平 徳元 誠一 島本 憲夫 黒川 章 須永 宏 小柳 恵一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.418-433, 2005-02-15
参考文献数
32
被引用文献数
15

新しいネットワーク技術と端末技術が開発されることにより,近い将来ユビキタスコンピューティング環境が確立されるが,その環境でユーザにサービスを提供する方法については,まだ十分な技術が開発されていない.我々は,ユビキタスコンピューティング環境に適したサービス提供方法を実現するUbiquitous Service-Oriented Network(USON)アーキテクチャを提案した.USONアーキテクチャにおいては,サービス提供は,サービステンプレート(ST)に基づき,サービス構成要素(SE)を組み合わせることによるサービス合成と,SEとSTの使用履歴などからSTを生成するサービス創発から構成される.STは,BPELなどのワークフロー型サービス連携技術をユビキタスコンピューティング環境に拡張したものであり,SEは,Semantic Webなどと同様に,Semanticsを持つものである.本稿では,主に,サービス合成を実現するために必要となる基本的な機能とその実装について述べ,それらを実際に利用してのアプリケーションを使っての機能検証を行う.本稿で提案する技術により,近い将来のユビキタスコンピューティング環境におけるサービス提供が可能となる.While new network technologies bring ubiquitous-computing environments ever closer, methods to provide suitable services within such environments remain immature. We describe the Ubiquitous Service-Oriented Network (USON) architecture, a new service-provision architecture, covering the basic concept, components and their roles, and the service-provision mechanism. A USON provides services in two phases, a service-composition phase in which service elements (SEs) are combined on the basis of service templates (STs), and a serviceemergence phase in which a new ST is obtained on the basis of the history of usage of SEs and STs. An ST is an extention of workflow-stype service-coodrination description and an SE has the semantic information suitable for ubiquitous-computing environment. This paper mainly describes the functions of USON service-composition, their implemantations using P2P technologies and evaluation with actual applications. The establishment of USON technologies on networks will provide various services within ubiquitous-computing environments.
著者
宮本 伸二 葉玉 哲生 濱本 浩嗣 穴井 博文 迫 秀則 岩田 英理子 嶋岡 徹
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.862-865, 2002

症例は77歳,男性.身長169cm,体重66kg.特別な器具を用いず両側総腸骨動脈の拡大を伴う最大径7cmの腎下腹部大動脈瘤に対し全長12cmの小正中切開にて径腹的にYグラフト置換術を施行した.末梢側吻合は両側とも内外腸骨動脈分岐部で行った.術二日目に経口摂取を開始し術後経過良好で退院した.ほとんどの腹部大動脈置換術は小切開で可能と思われ,今後推奨される術式と考える.
著者
土井 浩一郎 今栄 直也 岩田 尚能 瀬尾 徳常
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-18, 2004-03
被引用文献数
1

第41次南極地域観測隊における越冬期間中に,南極大陸氷床上の3点,すなわち,とっつき岬付近の裸氷帯N7,みずほ基地,やまと航空拠点YM175においてGPS観測を行い,各点の流動速度を求めた.N7の移動速度はN60°Wの方向に約1.5cm/dayであった.みずほ基地の移動速度はN60°Wの方向に約6cm/dayという値であり,H. Motoyama et al.(Nankyoku Shiryo, 39, 94, 1995)が得た結果とよく一致している.YM175ではN71°Wの方向へ0.8mm/dayという水平方向の速度とともに,1.1mm/dayの上昇速度という結果を得た.この上昇運動はやまと山脈地域において提案されている隕石集積機構を支持するものである.
著者
岩田龍子著
出版者
文眞堂
巻号頁・発行日
1977
著者
岩田 惠理 平 治隆 安部 義孝
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.137-142, 2014
被引用文献数
1

ユーラシアカワウソは,イタチ科カワウソ亜科のうちでもっとも広い分布域を持つ種である。ヨーロッパの園館で飼育されているヨーロッパ産亜種(<i>Lutra lutra lutra</i>)には 4つの系統があるとされ,そのうち Aラインと Bラインに属する個体が日本国内で飼育されている。しかしながら,この2系統の遺伝的差異は明らかとされていない。そこで,Aラインと Bラインに属する個体各1頭の血液より抽出した DNAを用い,ミトコンドリアシトクロム<i>b</i>遺伝子の部分配列を決定した。 Aラインと Bラインの個体から各々 307bpの配列が得られ( <i>A-line cyb</i>,<i>B-line cyb</i>),両者は98.7%の相同性を示した。また,2つの配列は制限酵素断片長多型(RFLP)法によって判別が可能であった。 <i>A-line cyb</i>は既報のヨーロッパ産亜種と100%の相同性を示したが, <i>B-line cyb</i>はデータベース上のいずれの配列とも一致しなかった。国内で飼育されていた亜種不明のユーラシアカワウソから得られた既報の配列と比較を行ったところ,<i>A-line cyb</i>,<i>B-line cyb</i>ともに一致する配列が認められた。以上の結果より, Aラインと Bラインの個体が持つミトコンドリアシトクロム <i>b</i>遺伝子にはわずかながら違いが認められたが,これを系統差と断言するためには,ユーラシアカワウソ亜種の分類の再検討を含め,更に詳細な解析が必要であると考えられた。
著者
大上 裕也 橋山 智訓 岩田 満 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.126, 2006 (Released:2007-05-30)

現在、高齢化社会を迎え独居高齢者の数も増加傾向にある。そのため、遠隔地から近親者等が高齢者の生活状況や健康状態を確認することができる見守りシステムが必要とされている。しかし、既存の見守りシステムは日常活動の詳細な抽出 や遠隔地と通信すべき情報の質などの検討が不十分であり、実用的なサービスを提供できていない。 そこで、我々は3軸の加速度センサ用い、詳細な日常活動 を検出することで、高齢者の健康状態や異常事態が検出可能な見守りシステムの開発を試みている。本論文では、その第一段階として、様々な歩行状態で歩いた際に加速度センサからどのようなデータが得られるか確認し、その分類方法について検討する。
著者
岩田 勝哉
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.19-32, 1977-01-30 (Released:2009-10-21)
参考文献数
26
被引用文献数
4 7

By using unialgal culture of the two species of green algae (Closterium moniliferum : 300μ in length and Selenastrum sp. 10μ) which were labeled with 14C, the assimilation efficiency in terms of carbon of three cyprinids, Kawachibuna (Carassius auratus cuvieri), Nigorobuna (C. auratus grandoculis) and Silver carp (Hypophthalmichthys molitrix) was studied at the various life stages. In addition, radioactivities of different fractions (oligo-and poly-saccharides, organic acids, lipides, protein and residue) of the both species of 14C-algae and of the fecal algae egested by Kawachibuna and Silver carp were measured.In Kawachibuna and Nigorobuna, the assimilation efficiency for Closterium increased with their growth until they attained to 20 mm in total length (B. L. 14-15 mm), and reached the maximum level of more than 20 mm length (57-63%) at the successive stage. In Silver carp of 20 mm total length, the assimilation efficiency for Closterium was lower than for Kawachibuna and Nigorobuna of the same length. In Silver carp of more than 33 mm total length (B. L. 26-27 mm), 54-64% of carbon was assimilated.Kawachibuna and Silver carp are already known to change their food items from zooplankton to phytoplankton when they grow up more than 15 and 24 mm in body length respectively. The body length at which the maximum values of assimilation efficiency were obtained coincides approximately with the body length at which the change in diet occurs. It is suggested that the increase in the assimilation efficiency for Closterium with the growth of the fishes is not directly correlated with the increase in the length of their intestines but with a functional differentiation of their digestive systems.The three cyprinids assimilated 12-16% of carbon of Selenastrum and the rate was fairly stable throughout their lives, in contrast with those for Closterium. No difference was found in photosynthetic activity between fecal algae of Selenastrum egested by young Kawachibuna and fresh ones, while the activity of fecal algae of Closterium was approximately one-fifth of the fresh ones. The difference in assimilation efficiency may be related partly to the physiology of digestion of the cyprinids and partly to differences in chemical nature and cell structure of the two species of algae.
著者
大野 耕一 辻本 元 増田 健一 岩田 晃 長谷川 篤彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では獣医領域における腫瘍や免疫異常疾患に対する遺伝子治療を開発することを最終目的として研究を行ってきた。具体的には1)イヌおよびネコの肝細胞増殖因子(HGF)を用いた遺伝子治療の基礎研究、2)イヌp53遺伝子導入アデノウイルスベクターの構築およびイヌ腫瘍細胞株に対する抗腫瘍効果の検討、3)FIVに対する,およびFIVを用いた遺伝子治療の基礎研究を中心に研究を進めてきた。イヌおよびネコの肝・腎不全に対するHGF遺伝子治療の基礎研究に関しては,HGF cDNAについてネコの完全長およびイヌの部分クローニングを行った。またイヌの肝疾患に対するHGF遺伝子治療の前段階として,各種肝疾患におけるHGFおよびTGFの発現について検討を行った。またクローニングされたイヌおよびネコHGFを発現プラスミドに組み込み、その発現プラスミドの投与法(直接あるいはリボソーム法)について検討を行った。小動物の腫瘍に対する遺伝子治療の基礎研究としては,まずイヌの各種腫瘍細胞におけるp53癌抑制遺伝子の変異と,セントロソーム異常について検討を行うとともに,我々の研究室でクローニングが行われたイヌp53遺伝子を組み込んだ組み換えアデノウイルスの作成し,その抗腫瘍効果を検討した。また抗腫瘍免疫の増強を目的として,ネコIL-18cDNAのクローニングと,イヌCTLA-4融合蛋白発現プラスミドの作成を行った。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症に対する遺伝子治療の基礎研究としては,FIV特異的治療の評価法の確立を目的として,血漿中ウイルスRNA量の定量法を確立し,その手技を用いて血漿中ウイルス量と病態との関連性について検討を行った。またTNFによるFIV感染細胞のアポトーシスのメカニズムについて検討を行うとともに,ネコのTNFレセプターについてクローニングを行った。さらに新たなFIVの治療標的を探る目的で,ネコの血管内皮増殖因子(VEGF)のクローニングも合わせて行った。
著者
岩田康宏 浦正広 中貴俊 遠藤守 山田雅之 宮崎慎也 田村浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.667-669, 2012-03-06

動画の評価基準の1つとして,物語の展開が挙げられる.しかしこれは一般に視聴後に抱く印象であり,既存の動画検索やレコメンドにおいては考慮されていない.そこで本研究では,視聴者が気に入った物語の展開と類似した展開の動画をレコメンドするサービスを提案する.タイムラインでコメント投稿が可能な動画共有サイトを対象として,動画に対して寄せられたコメントを解析する事で,動画の盛り上がりと感情の推移を抽出する.これにより物語の展開を導出する.これを様々な動画に適用する事で,同じ特徴を持つ動画同士を結びつけ,視聴者が指定した動画に類似する展開の動画をレコメンドする.
著者
岩田 隆 杉浦 弘隆 白幡 啓一
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.224-230, 1982
被引用文献数
5 6 3

エダマメは収穫後の食味•外観の劣化が速いが, 莢を離さずに, 全値物体 (全株) をホリエチレン袋に密封する"葉付ぎ包装"によって品質が保持されることをさきに報告した. 本報はその効果を確認するとともに, 効果の発現に関係する諸要因を検討したものてある.<br>品種は'白山ダダチャマメ'を用い, 全株を0.03mmの低密度ポリエチレン袋に密封し, 20°Cに保持するのを葉付き包装の基本とした. 対照区は莢を有孔ポリエチレン袋に詰めた. 食味変化の目安としては全糖含量及び遊離アミノ酸指標 (ニンヒドリンに反応する80%アルコール抽出物) の変化を用いた.<br>莢の外観は, 対照区が20°C4~5日で変色し, 商品性が失われたのに対し, 0.03mmポリエチレン袋の葉付き包装では1週間以上よく緑色を保持した. 0.04mmでも同様であり, 0.06mmの袋では若干劣ったが対照区よりはるかに勝った. 全体を針孔包装したものは対照区より良好であったが, 密封包装に比べ劣化が速かった.25°Cにおいても葉付き包装の外観保持効果は明らかで, ライナー包装も有効であった.<br>対照区の糖及びアミノ酸は1~2日で急減したが, それらの減少は葉付き密封包装によって顕著に抑制された. また葉付き有孔包装によっても抑制されたが, 密封包装には及ばなかった. 根を切除した株, あるいは莢及び葉を付けた枝の密封は, 全植物体の密封に比べ効果が不確実であった. 葉身を全部切除した株ては著しく効果が減じ, 各葉身の1/2を切除した株ては効果が半減した. しおれた葉の株では, 葉付き包装による成分保持効果が減少した. 葉付き針孔包装もある程度の効果を示したが, 密封包装より劣った.<br>葉付き包装は豆の硬化抑制にもある程度有効であった. 袋内のガス濃度は, O<sub>2</sub>が12%, CO<sub>2</sub>が5%程度であり, 0.06mmの袋でもほぼ同水準であり, 温和なCA条件であった. このため, 莢のみを密封したときにみられるガス障害を回避できるものと思われた.
著者
奥島 雄一 岩田 泰幸
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.264-274, 2012-10-05

筆者らは,害虫防除業者によって駆除されたスズメバチの巣を用いて,自然史博物館の普及イベントの中でハチの巣の解体ショーを実施した.博物館と防除業者が連帯することによって,イベントを円滑に実施することができた.双方の連帯によって,博物館としては,一般市民の興味の高い素材の入手経路を確保できる点,防除業者としては廃棄物の有効的な利用法と啓蒙活動への参画となる点でメリットがある.イベントの実施は,大型の巣が入手しやすくなる9月以降に企画するのが理想的であり,計画的に確保しておく必要がある.また,自然史博物館におけるスズメバチ駆除虫のその他の活用事例も紹介した.
著者
奥村 香保里 毛利 公美 白石 善明 岩田 彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.932-941, 2015-03-15

従来は安全な技術であれば利用者は安心すると考えられてきたが,システムが安全なだけでは利用者が安心するとは限らないことが指摘されている.我々は情報システム・サービスの利用者の安心感の要因について調査を行ってきた.因子分析によって"能力・知識因子"が,個人情報の管理や保証などに関する提供者の能力についての意味を含むことが分かっている.提供者の能力については,提供者が情報提供をしなければ一般的に利用者が知りえないものである.よって,提供者が情報提供することが,利用者の安心感に関係があると考えられる.情報提供手法についての研究では,情報提供によって不安を解消するためには,納得させなければならないと考えられている.本研究では安心感の要因の1つとして納得感があると仮定し,情報システム・サービスの利用者の安心感と納得感の関係について質問紙調査および因子分析を行った.また,因子分析の結果から共分散構造分析を行い,納得感が安心感の要因としての側面を持つことを示した.It was thought that the user felt relieved by a safe technique. However, safe systems do not necessarily give a sense of security to the people. We have investigated the factors of sense of security for users of an information system and service. The result has been shown that the factor of "Capability and Knowledge" includes an ability to manage personal information and guarantee for users. Generally, providers' ability could not be taken users without provision of the information. Therefore, providing providers' information should have a relationship with user's sense of security. The research results of information providing method say that reassuring by providing information needs consent. In this research, on the hypothesis that consent is included in the factors of sense of security, we conduct a survey and the exploratory factor analysis of the relationship between sense of security and consent. Then, by using structural equation modeling (SEM), we show that consent would be one of the factors of sense of security.