著者
岩田 和子
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

日本、北京、上海、湖南、広東、および台湾の図書館、研究機関に所蔵される湖南説唱本の各種版本を閲覧、収集した。各種伝承媒体を経て民間に広がる故事と湖南説唱本の関係、説唱文芸全体からみた湖南説唱本の位置を新たに把握することができた。日本、中国における学会発表、論文発表を通して研究成果を報告した。
著者
岩田 美保 イワタ ミホ Iwata Miho
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.43-45, 2011-03

本研究は,3人きょうだいを含む一家族の夕食時の縦断的な会話データから,きょうだい3人(S(小5)・M(小4)・Y(小1))が学童期にあたる時期の,平日を中心とする母子4者間および休日を中心とする父母子5者間の夕食時においてどのような他者が話題に挙げられるのかについて検討した。母子4者間,父母子5者間に共通し,「友人」に関する言及が突出して多くみられ,また,「友人のきょうだい」に関してもよく言及されていた。一方,父母子5者間に特徴的な他者についての言及として,「社会的な人物(政治家など)」,「スポーツ選手・芸能人」,「TVアニメのキャラクター」,母子4者間に特徴的な言及として,「園の教師」「園の友人」が挙げられ,食事のメンバーが異なることで,他者についての言及や話題に違いが生まれることが示唆された。それら他者の話題の多様性は他者理解を支えるものとしての家族の会話として重要であると考えられた。
著者
安齋 寛 岩田 隆太郎 砂入 道夫
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

カブトムシ幼虫の腸内細菌叢は、1齢から2齢の間に腸内に定着し、その菌叢は、飼料に含まれる多糖類の種類によって変化し、特異的な菌叢が定着することが推定された。カブトムシ幼虫腸内や糞からは、キシランを分解する細菌が単離された。
著者
浅井 将 城谷 圭朗 近藤 孝之 井上 治久 岩田 修永
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-01-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

アルツハイマー病の原因物質アミロイドβペプチド(amyloid-β peptide:Aβ)はその前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein:APP)からβおよびγセクレターゼの段階的な酵素反応によって産生される.アルツハイマー病の発症仮説である「アミロイド仮説」を補完する「オリゴマー仮説」は,オリゴマー化したAβこそが神経毒性の本体であるとする仮説であるが,オリゴマーAβのヒトの神経細胞への毒性機構や毒性を軽減する方法は未だ不明であった.そこで我々は,この問題点を解決すべく若年発症型家族性アルツハイマー病患者2名および高齢発症型孤発性アルツハイマー病患者2名から人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)を樹立し,疾患iPS細胞から神経細胞に分化誘導を行って細胞内外のAβ(オリゴマー)の動態と細胞内ストレス,神経細胞死について詳細に検討した.その結果APP-E693Δ変異を有する家族性アルツハイマー病患者由来の神経細胞内にAβオリゴマーが蓄積し,小胞体ストレスおよび酸化ストレスが誘発されていることがわかった.一方,1名の孤発性アルツハイマー病患者においても細胞内にAβオリゴマーの蓄積と上記と同様の細胞内ストレスが観察された.これらの小胞体ストレスおよび酸化ストレスはβセクレターゼ阻害薬によるAβ産生阻害やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)によって軽減された.このように孤発性アルツハイマー病においても Aβオリゴマーが神経細胞内に蓄積するサブタイプが存在すること,およびこのサブタイプに対する個別化治療薬としてDHAが有効である可能性を示した.
著者
岩田 伸人 LEE LisaYu-ting
出版者
青山学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

アフリカにおけるバイオ燃料について、アジア、ラテンアメリカに視野を広げながら草案をまとめた。本草案は国連大学高等研究所の研究員らと共同執筆する、2013年6月開催のアフリカ開発会議(TICAD)で発表される政策提言の基礎的材料となる予定である。アフリカのバイオ燃料研究の総括は、昔からの土地所有者たちとバイオ燃料用作物の農場開発を望む外国投資家たちとの対立を明らかにしている。また、バイオ燃料用作物の土地開墾のため森林が伐採されていることから、バイオ燃料は世界的規模の温室効果ガス削減への優れた解決策にならないかもしれないと指摘している。総括の内容は国連大学高等研究所内の一連のセミナーの一部で発表され、2012年1月にはオーストラリア、同年3月にケニヤとウガンダで関連調査が実施された。これら2011年度の調査により、東アフリカで栽培されているバイオ燃料用作物は石油代替燃料としての有効性が限定的であることがわかり、2012年度のバイオ燃料産業の実現性に関する研究に深い考察を与えた。ウガンダのエネルギー利用の事例研究結果は、『Energy Economics』誌に近く掲載される。またヤトロファが生態系サービスに与える影響に関し、オックスフォード大学動物学科の研究者らと協働してESPA(Ecosystem Services for Poverty Alleviation)の報告書をまとめ、2012年10月にインドのハイデラバードで開催された生物多様性条約(CBD)締約国会議で発表された。本報告書に基づいた専門誌掲載が準備中で、研究者らとの協働は続いている。さらに2013年3月タイのバンコクで開催されたワシントン条約(CITES)締約国会議のサイドイベントで発表された政策提言の準備と発表に携わった。
著者
岩田 和子
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

占代オリエントにおいても誓いは法的領域と宗教的領域の双方に跨る現象であり、様々な場面に見られる。重要な文献資料であるアッカド語の「エサルハドン誓約文書」とその関連文書を原文に即して研究することにより、当時の誓いのあり方を明らかにした。
著者
岩田 実 山崎 勝也 宇野 立人 薄井 勲 石木 学 小橋 親晃 浦風 雅春 小林 正 戸邉 一之
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.609-614, 2008-07-30
被引用文献数
1

症例は81歳男性.1975年より2型糖尿病を指摘され,2001年よりインスリン治療を開始,合併症については2期腎症,単純性網膜症,神経障害を指摘されていた.2004年3月末より,全身倦怠感,発熱が出現し当科入院.白血球尿および顕微鏡的血尿を認め,当初尿路感染症を疑い抗生物質を投与したが,次第に腎機能が悪化し,尿所見も改善しないため急速進行性糸球体腎炎を疑い精査を行った.MPO-ANCA (myeloperoxidase antineutrophil cytoplasmic autoantibody)高値や,腎生検にて細胞性半月体を認めMPO-ANCA関連腎炎と診断,プレドニン40 mg/日より開始し,腎機能障害,尿所見の異常,MPO-ANCA高値は速やかに改善した.ANCA関連血管炎は高齢者に好発するため,罹病歴の長い高齢糖尿病患者であっても,急速な腎機能の悪化や尿所見に異常を認めた場合は,急速進行性糸球体腎炎の合併も疑い,速やかに対処する必要があると考えられた.
著者
齋藤 ひろみ 森 篤嗣 橋本 ゆかり 岩田 一成 菅原 雅枝
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内でも外国人の児童生徒が増加しているが、日本生まれ日本育ちの子どもの言語発達支援・教育が新たな課題となっている。本研究では、こうした日本生育外国人児童生徒(日本籍の児童も含む)のリテラシーの発達について、作文を書く力に焦点化して調査を行った。外国児童生徒と日本人児童生徒から、出来事作文と意見文作文という2つのジャンルの作文データを収集し、産出量、表記、語彙、文法、内容構成等の観点で分析を行った。その結果、産出量、社会性の表出には日本人児童と同等の発達が見られたが、特殊音表記、文法適格性、結束性、陳述の適確さ・多様さ、論理性にやや遅れが見られ、これらを意識した指導が求められる。
著者
大橋 雅津代 佐藤 靖 岩田 博司 河合 光久 榑林 陽一
出版者
Japanese Society of Veterinary Science
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.1223-1228, 2007-12-25
被引用文献数
4 23

2、4、6-trinitrobenzene sulfonic acid(TNBS)をラットの近位大腸内に投与すると、遠位大腸の伸展刺激に対する痛み感受性の有意な増大が認められた。TNBSに直接暴露された近位大腸には粘膜壊死と炎症性細胞浸潤が認められ、組織中ミエロパーオキシダーゼの有意な増加が認められた。一方、遠位大腸には粘膜壊死は発生せず、ミエロパーオキシダーゼ含量の増加も認められなかったが、トルイジンブルー陽性粘膜型肥満細胞が有意に増加していた。さらに遠位大腸組織を器官培養し、粘膜型肥満細胞脱顆粒の特異的なマーカーであるrat mast cell protease-2(RMCP-2)の遊離量を測定したところ、TNBS処置ラットでは正常対象値と比較して有意なRMCP-2遊離量の増加が認められた。また、肥満細胞安定化作用を持つデドキサントラゾールの皮下投与によりTNBS誘発大腸過敏は有意かつ用量依存的に抑制された。以上の成績から、脱顆粒亢進を伴った大腸粘膜肥満細胞浸潤によるメディエーター遊離亢進がTNBSによる大腸過敏症の発現に関与していることが示唆された。
著者
川村 道彦 中村 佳正 畑田 一幸 岩田 恵司 竹内 茂 中馬 悟朗
出版者
岐阜大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

科研費の補助のおかげで、今年度は多数の研究者と何回か研究討論ができました。また、情報交換や資料収集ができ、今後の研究の推進の基礎が得られました。これらをもとに今年中にその成果を発表するつもりで頑張ってきましたが代表者自身の結果を発表するには今、少し時間を必要としている状況です。私はマルチンの理想境界、特にピカール原理について研究を続けて来ました。他の研究者から得たいくつかの情報のうち、特に、中井三留,多田俊正両先先生による結果として、ピカール原理の非斉次性に関してきわめて特異な状況が起ることが知られ、従来の考え方を一変して新しい観点から研究を進める必要性を感じ鋭意研究中です。一方、研究分担者、中村佳正氏によるものとして、次の二つの結果を上げます。1.定常軸対称な重力場を記述するアインシュタイン方程式について、ある線型方程式系の解を成分とする行列の行列式で特徴づけられる(アインシュタイン方程式の)解の系列の具体的表示を得たこと。次に、アインシュタイン方程式のある境界値問題が、指数型の無限階微分作用素を用いて、局所的に解けることを示した。2.ある形式的ループ群に値をとる行列のリーマン・ヒルベルトの意味での分解可能性を示した。さらに、この結果をある定常確率過程のスペクトル密度行列の分解に応用して、線形予測問題の解、すなわち予測子と予測誤差の存在を明らかにした。
著者
岩田 正崔
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.781, pp.26-28, 2014-04
著者
高田 和夫 杉田 誓子 藤浪 隆夫 長嶋 正實 岩田 弘敏 高田 晴子 岩田 豊
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
日本総合健診医学会誌 (ISSN:09111840)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.382-388, 1997-12-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
16

高校1年生における「肥満」の判定基準を策定する目的で, 高校1年生男子50, 644名, 女子47, 457名を対象とし, 男女別に身長2cmごとの体重分布をHoffmann法で正規化して平均値を求めて基準値とした。この基準値は男女ともBMI=20の値にほぼ一致した。この基準で算定した肥満度別の「高血圧」発現頻度は肥満度が高いほど高く, また標準値を10%以上越える低体重あるいは過体重の生徒はいずれも問診によって身体活動性が悪いと評価し得た。高校1年生の体重の評価を行う時, 基準値の10%を越える低体重あるいは過体重の生徒は生活習慣改善の指導対象と判定すべきである。
著者
吉川 俊夫 岩田 博之 中原 崇文
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.92-100, 2002

研磨粉とエポキシプレポリマーの混合物の注型成形によって導電性硬化物を得た。導電性は研磨粉量の約1.5乗に比例した。硬化前に磁場を印加して研磨粉を磁化することにより, 硬化物の導電性を増加させることができた。この系の導電性は系の硬化収縮と連動して発生していることがわかった。硬化反応でのプレキュア温度が高いほど導電性の高い硬化物を得た。研磨粉量が80phr以下では樹脂層と研磨粉層に分離するが, 80phr以上では均一な組成の硬化物を得た。
著者
神取 秀樹 須藤 雄気 井上 圭一 岩田 達也 片山 耕大 山田 大智
出版者
名古屋工業大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

多くの生体分子は共通の構造をもとに多彩な機能を演出している。本課題で我々は、ロドプシンやフラビンタンパク質などを対象として機能の発見・転換・創成をテーマに柔らかさと機能との関わりを研究した。その結果、内向きプロトンポンプや新規チャネルロドプシン、環状ヌクレオチドを光で分解する酵素ロドプシンなどの発見を報告した。一方、機能転換については、ロドプシンやDNA光回復酵素に対して限られた変異導入により機能転換に成功したが逆方向は成功せず、非対称な機能転換が明らかになった。機能の創成に関しては、光駆動ナトリウムポンプの構造基盤に基づき、カリウムやセシウムをポンプするタンパク質を創成することができた。