著者
嶋田 薫
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.16, no.supplement, pp.152-153, 2001-09-17 (Released:2007-03-29)
参考文献数
10

The Caco-2 human-epithelial cell line has been widely used as a tissue-culture model for permeability measurements to predict human oral absorption in the drug discovery stage. In my presentation I will address some of the strategic applications of the Caco-2 model. Physicochemical properties affect the permeability. For example, permeability tends to be underestimated in hydrophilic compounds. For determining the permeability of poorly soluble drugs, some solubilizing reagents or bovine serum albumin can be used. The expression of some carrier-mediated transport systems has been confirmed on Caco-2 cell monolayers; therefore, we should pay attention to evaluating compounds that may be substrates of the transporters. The pH of the medium also affects the result of this assay. Transport studies with an apical pH value at 6.0 or 6.5 showed better prediction of in vivo drug absorption in human. For compounds that are substrates of P-glycoprotein (Pgp), the use of a Pgp inhibitor resulted in a better estimate of absorption in humans. The results suggest that compounds can be ranked according to how well they are absorbed; namely, those with Papp less than 1×10-6cm/s (poorly absorbed), between 1×10-6cm/s and 1×10-5cm/s (moderately absorbed), and greater than 1×10-5cm/s (well absorbed). The data of the Caco-2 assays are sometimes different, however, from those in different laboratories due to fluctuations in permeability resulting from passages and culture conditions, even when using the same clone. For high throughput screening, the permeability in 96-well Caco-2 assay demonstrates a good correlation with known human absorption for a variety of compounds. This is comparable to a 24-well system. Automation machines can be successfully applied for Caco-2 assays. Several in silicostudies for the prediction of Caco-2 permeability have also been conducted. A database system to which scientists easily access should be developed in collaboration with information-technologyg roups.
著者
関根 麻理子 牧野 利明 田中 耕一郎 嶋田 沙織 四日 順子 古屋 英治 地野 充時 田原 英一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.182-203, 2021 (Released:2022-07-29)
参考文献数
25

医療安全委員会では,安全に漢方方剤を使用するための啓発活動を行っており,前回,日本医療機能評価機構の薬局から登録されたヒヤリ・ハット事例を分析した。今回は,同機構の医療機関から登録された医療事故とヒヤリ・ハット事例を分析した。漢方製剤が関係する事例は626件であった。医療事故には,薬剤性肝障害事例があった。 ヒヤリ・ハット事例に関しては,処方時では漢方エキス製剤の1包の内容量の勘違いによる用法用量の誤り,調剤時では製剤番号・外観の類似や漢方処方名の類似による調剤の誤り,投薬時では漢方処方名まで確認せずに,漢字表記やメーカー名だけで判断することによる投薬の誤りがあった。ヒヤリ・ハット事例は当事者本人や同職種者に限らず,他職種者や患者本人から発見される事例も多かったことから,ヒヤリ・ハット事例は同職種者間での共有に留まらず,他職種者とも共有することが,医療安全の推進につながると考えられた。
著者
青木 勇祐 小松 由枝 桐谷 幸治 嶋田 裕希 青砥 哲朗 柴田 卓巳 中山 慎一郎 渡辺 洋子 大倉 典子
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第1回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.148, 2005 (Released:2006-06-27)

都市環境や建造物に対して防災やバリアフリーの観点から「安全」を規定する法律はあるが、「安心」を実現するための法的な規制は未だない。本研究の目的はバーチャルリアリティを利用して、社会的弱者が安心して暮らせるために必要な「生活空間の条件」を明確にし、安心空間のガイドラインの策定に寄与することである。今回はまず、バーチャル環境から得られる印象と実環境から得られる印象との差異について検討した。
著者
小田口 浩 日向 須美子 関根 麻理子 中森 俊輔 竹元 裕明 黄 雪丹 大嶋 直浩 嶋田 典基 楊 金緯 天倉 吉章 日向 昌司 内山 奈穂子 小林 義典 袴塚 高志 合田 幸広 花輪 壽彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.11, pp.1417-1425, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
21
被引用文献数
8 13

Ephedra Herb is defined in the 17th edition of the Japanese Pharmacopoeia (JP) as the terrestrial stem of Ephedra sinica Stapf., Ephedra intermedia Schrenk et C.A. Meyer, or Ephedra equisetina Bunge (Ephedraceae). The stems of Ephedra Herb contain greater than 0.7% ephedrine alkaloids (ephedrine and pseudoephedrine). Despite its high effectiveness, Ephedra Herb exert several adverse effects, including palpitation, excitation, insomnia, and dysuria. Both the primary and adverse effects of Ephedra Herb have been traditionally believed to be mediated by these ephedrine alkaloids. However, our study found that several pharmacological actions of Ephedra Herb were not associated with ephedrine alkaloids. We prepared an ephedrine alkaloid-free Ephedra Herb extract (EFE) by eliminating ephedrine alkaloids from Ephedra Herb extract (EHE) using ion-exchange column chromatography. EFE exerted analgesic, anti-influenza, and anticancer activities in the same manner as EHE. Moreover, EFE did not induce adverse effects due to ephedrine alkaloids, such as excitation, insomnia, and arrhythmias, and showed no toxicity. Furthermore, we evaluated the safety of EFE in healthy volunteers. The number of adverse event cases was higher in the EHE-treated group than in the EFE-treated group, although the difference was not significant. Our evidence suggested that EFE was safer than EHE.
著者
小林 孝史 嶋田 洸希 大歳 英征 伊佐 眞寿 武田 瑞樹
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.11, pp.1-6, 2022-07-05

これまで,SSH 接続時の認証時間(パスワード要求からパスワードを入力して送信してくるまでの時間)を利用した攻撃検知の研究を行ってきた.以前の研究では,この認証時間に閾値を設定したり,時間帯や接続元 IP アドレスに依る適応的に閾値を設定して検知を行ってきたが,認証時間を用いることの有効性が明らかになっていなかった.本研究では,認証時間を用いることにより,いくつかの機械学習においても検知率の向上に寄与できることを示す.
著者
野中 俊介 尾棹 万純 嶋田 洋徳
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.87-98, 2019-10-31 (Released:2022-02-19)
参考文献数
49

ひきこもり支援の初期段階においては,家族を介して間接的に支援せざるを得ないことが多い。 しかしながら,家族を対象とした心理的支援のどのような要因がひきこもり状態の改善に影響を及ぼすのかは明らかにされているとはいいがたい。本論考の目的は,ひきこもり者の家族を対象とした心理的支援を系統的に展望し,どのようなアプローチがひきこもり状態の改善に影響を及ぼすのかを予備的に検討することであった。文献収集においては,心理的支援の前後でひきこもり状態の改善を検討しており,日本語または英語でピアレビュージャーナルに公刊されていること,ひきこもり者の家族を対象としていること,という条件を満たす心理的支援の10本の研究を分析対象とした。χ2分析の結果,家族を対象とした心理的支援手続きのうち,「対応レパートリーの拡充」または「家族内相互作用の変容」を含む場合は含まない場合よりも,ひきこもり改善を示す者が多いことが明らかにされた。今後は,対応レパートリーや家族内相互作用に焦点を当てたアセスメントおよび介入研究を実施して知見を蓄積し,改善プロセスを明らかにする必要がある。
著者
久原 丈司 笠原 啓二 嶋田 格 松井 宏
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.33-40, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
8

デオドラント剤の防臭効果の持続性向上(ロングラスティング化)を目的として,臭いの原因となる皮膚常在菌の繁殖を抑えるために,デオドラント剤に配合されている殺菌剤4-イソプロピル-3-メチルフェノール(IPMP)と2,4,4′-トリクロロ-2′-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)について,腋窩上での経時残存性を評価した結果,トリクロサンはIPMPよりも有意に経時残存性が高いことが示唆された。次に,殺菌剤の腋窩上での経時的な減少要因の解明として,殺菌剤の揮発性,皮膚内部への浸透性,皮膚表面での拡散性,衣服への移行性を評価した結果,皮膚内部への浸透および衣服への移行が主要因であることが示唆された。また,殺菌剤の腋窩での残存性を高める成分(デオドラントキーパー)の探索を行った結果,デオドラントキーパーの要件としては,皮膚内部への浸透を抑えるため分子量が大きいこと,耐水性が高い必要があるためオクタノール/水分配係数(Log P)が大きいこと,殺菌剤との親和性(結合性)が高いことが必要であり,今回評価したIPMPのデオドラントキーパーとしては,分極部位を有しIPMPと水素結合等の双極子相互作用を起こしやすい構造であることが,残存性向上に有利に働くことが見出された。
著者
嶋田 英誠
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.36, pp.17-38, 2003-03

日本における女性教育家の草分けであり,今日の跡見学園の学祖となった跡見花蹊(一八四〇-一九二六)は,その本名を瀧野というが,従来もっぱらその花蹊の号によって知られている。跡見瀧野が花蹊と号したのは,「桃李言わざれども,下自ずから蹊を成す」という中国の古いことわざに基づく。しかし,中国における先秦時代から唐宋に至る間の桃李の語の持つ象徴機能をつぶさに検討すると,教育者としての跡見瀧野が花蹊と号するに当っては,もうひとつ狄仁傑(六三〇-七〇〇)にかかわる故事を見逃し得ない。すなわち狄仁傑が国家に有用の士を推薦した故事から始まって,唐代以降には桃李の語は門人の中から国家に推薦した有為の人材を意味するからである。ここから考えれば,幕末明治の混乱期にあって,跡見花蹊は国家に有用な女性の人材の育成を志したものと推測されるが,この推測が正しければ,当時にあっては真に画期的な女子教育の目標を掲げたものである。
著者
五十嵐 友里 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.149-161, 2008-05-31 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、社会不安におけるpost-eventprocessing(PEP)と解釈の関連を検討することであった。社会不安傾向高・低群にスクリーニングされた計12名の大学生は、スピーチが課される実験に参加した。実験参加者はスピーチの後と実験3日後に、聞き手の意図的に操作された行動に対する解釈について回答した。加えて、実験3日後にPost-EventProcessingQuestionnaire(PEPQ)へ回答した。群、測定時期を独立変数、ネガティブな解釈の生起率を従属変数とし、抑うつ傾向得点を統制した共分散分析を行った結果、高群におけるネガティブな解釈の生起率は時間とともに増加していた。PEPQについて群を独立変数としたt検定を行ったところ、高群において得点が有意に高かった。したがって、PEPが3日後の解釈に影響を与えていたことが示された。
著者
嶋田 貴志 岡森 万理子 深田 一剛 林 篤志 榎本 雅夫 伊藤 紀美子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.604-607, 2011-12-15 (Released:2012-01-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

5週齢のBALB/c系雌マウスにスギ花粉アレルゲンを5回感作した後,腹腔内にアレルゲンを投与して好酸球を集積させるI型アレルギーの遅発相モデルを作製した.このモデルに対して,モリンガ(Moringa oleifera)の葉を3種の混合比(0.3%,1.0%および3.0%)で混じた粉末飼料を自由摂取させ,好酸球の集積および血清中の総IgE量に対する影響を調べた.通常の飼料を与えた対照群と比較してモリンガ葉を0.3%および3.0%与えた群は,総白血球数および好酸球数で有意な低値を示した.血清中総IgE量では対照群と比較して3.0%のモリンガ葉を与えた群が有意な低値を示した.以上の結果より,モリンガ葉は経口的に摂取することでI型アレルギーに対して抑制作用を有する可能性が示された.
著者
栗田 哲史 安中 正 高橋 聡 嶋田 昌義 末広 俊夫
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-11, 2005 (Released:2010-08-12)
参考文献数
5
被引用文献数
8 3

山地形のような不整形地盤では、地震動の増幅特性が地形の影響を受けることが知られている。不整形地盤に入射した波と内部で反射した波の干渉により、伝達する地震波は複雑な様相を示す。この様な山地形の地震動特性を明らかにするために、横須賀市内の山地において、アレー観測を行ってきている。観測記録はデータベース化され、震動特性の分析に活用されている。本研究では、この山地形を対象として観測記録の分析及び3次元有限要素法による数値シミュレーションを実施した。観測記録を良く説明できる適切な解析モデルを作成し、山地形の増幅特性を評価することを目的としている。検討の結果、山地形を忠実にモデル化することによって観測記録を良く説明できるシミュレーションが可能となった。更に同モデルを用いて、山地形に地震波が入射した時に地震動がどの様な特性を示すのかを解析的に評価した。