著者
大竹 恵子 島井 哲志 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.37-47, 1998-12-25 (Released:2015-03-04)
参考文献数
26
被引用文献数
4 3

The present study was to investigate the emotion and behavioral coping strategies in elementary school children, and the relationship between stress responses and social support. The survey about coping, and subjective symptoms and perceived social support were conducted with 712 (395 boys and 317 girls) upper level elementary school children. The results showed that: 1) Children frequently used emotional and behavioral coping strategies in stress situations. 2) Six coping strategies were found by factor analysis, i.e., problem solving, behavioral avoidance, distraction, seeking social support, cognitive avoidance, and emotional avoidance, 3) Children who frequently used behavioral avoidance showed the highest scores of stress responses, 4) Boys who chose emotional avoidance were easily tired and irritable. These results suggested that it is important for the health of school children to have emotional and behavioral coping strategies, and the approach / avoidance conceptualization of coping help to clarify the ways in which children cope. Finally, it is suggested that further research about the relationship with coping strategies and health in school children is necessary in order to develop stress management education.
著者
嶋田 憲司
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.162-166, 2014-02-05 (Released:2014-02-05)
参考文献数
4
著者
高取 克彦 岡田 洋平 梛野 浩司 徳久 謙太郎 生野 公貴 奥田 紗代子 鶴田 佳世 庄本 康治 嶋田 智明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.52-58, 2007-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
33
被引用文献数
4

リハビリテーション専門病棟入院中の慢性期脳卒中片麻痺患者32例を対象に,Functional reach test(FRT)を応用した非麻痺側上肢の最大リーチ見積もり距離(Perceived reachability: PR)を評価し,実際のリーチ距離との誤差(以下,誤差距離)と入院期間中に生じた転倒回数との関係を調査した。PRはリーチ目標物が遠位から近位に接近する条件で評価し,誤差距離は実測値との差を絶対値で記録した。また両者の関連性を,他の要因を含めて検討するために,調査項目にはこの他,FIM移動項目点数,Functional reach距離(FR距離),下肢Brunnstrom's recovery stage,下肢感覚障害の程度,転倒恐怖心を含めた。解析は誤差距離と転倒回数との相関と,転倒の有無で分類した2群間の誤差距離とFR距離それぞれの比較,および上記評価項目の全てを含めた転倒関連因子の抽出とした。誤差距離と過去の転倒回数との関係にはピアソンの積率相関係数を用い,転倒関連因子の抽出には目的変数を転倒の有無に2項化したステップワイズ法でのロジスティック回帰分析を用いた。結果として,誤差距離と転倒回数には有意な相関が認められた。また転倒の有無を基準に2群化した場合,誤差距離は転倒群が有意に大きかった(p<0.01)。ロジスティック回帰分析の結果では,誤差距離,FIM移動項目点数,性別が転倒関連因子として採択された。回帰式を用いた判別分析による予測判別率は85%であり,転倒群の92%は6cm以上の誤差距離を有していた。以上のことから,片麻疹患者に対するFRTを応用したPR見積もり誤差の評価は,転倒ハイリスク患者を判別する簡便な評価法の1つとなる事が示唆された。
著者
山本 奈歩 堀 祐貴 髙廣 理佳子 菅 幸生 嶋田 努 崔 吉道
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.127-134, 2019-03-10 (Released:2020-03-11)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Albumin-bound paclitaxel (nab-PTX) plus gemcitabine (GEM) therapy (GnP) is often administered to patients with unresectable metastatic pancreatic cancer. However, chemotherapy-induced peripheral neuropathy (CIPN) is a serious side effect. In this study, we investigated the risk factors for CIPN in patients who were receiving GnP therapy for pancreatic cancer at our hospital and had a history of prior chemotherapy. The patientsʼ background, laboratory data, previous treatment history, concomitant medication, dose and number of medicines, and occurrence status of side effects were examined. The frequency of CIPN in patients receiving GnP therapy at our hospital was 72%. Multiple logistic regression analysis revealed that a history of FOLFIRINOX therapy (FFX), including oxaliplatin (L-OHP) administration, (odds rate: 3.864, 95% CI: 1.160-12.868) and female sex (odds rate: 3.673, 95% CI: 1.102-12.242) were risk factors for CIPN. In addition, the severity of CIPN was significantly higher in patients with a history of FFX administration (P = 0.011). Further, the cumulative dose and the administration period of nab-PTX until the onset of CIPN were significantly lower in patients with a history of FFX administration (P = 0.016, P = 0.004, respectively). We suggest that special care in monitoring GnP therapy is necessary in female patients with a history of FFX administration.
著者
嶋田 直哉
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.57-72, 2007 (Released:2018-01-12)

A play Red Demon written by Hideki Noda has been produced in four versions since its first performance in June, 1996.; in Japanese, Thai, English, and Korean. It seems this play has been effective for more than ten years. This paper examines the reason. This play keeps an exquisite “sense of distance with reality” to politics after 9.11. And the play expressed a kind of “de-borderline-ness”, showing us memory and history.
著者
瀬戸山 雅人 嶋田 正和
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.302, 2004 (Released:2004-07-30)

昆虫において、一見すると人間の脳のように高度な情報処理能力がなければ実現できないような精錬された行動を示すものがいる。発表者は、その行動の裏にある「昆虫でも実現できるようなシンプルな情報処理によるシンプルな行動決定のルール」の観点から、ヨツモンマメゾウムシの産卵時にみられる均等産卵分布について、どのような行動決定のルールがこの分布をもたらしているのかを研究してきた。雌のヨツモンマメゾウムシは、すでに卵を多く産みつけられた豆に対して産卵を避け、卵のついていない豆を選んで産卵することにより、豆当りの卵数が均等になる。その結果、豆内での幼虫の種内競争が均等に軽減される。本研究では、卵の均等分布をもたらすこの行動がどのような知覚情報をどう用いて実現されているかを、ニューラルネットワークモデルを利用して解析した。具体的には、単純なフィードフォーワード型のニューラルネットワークモデルを用意して、これに実際のヨツモンマメゾウムシの行動パターンを教師信号として誤差逆伝播法を用いて学習をさせた。このときヨツモンマメゾウムシが意思決定に用いている情報として、現在いる豆の卵数、1つ前の豆の卵数、2つ前の豆の卵数、蔵卵数、前回の産卵からの経過時間、他の雌との遭遇回数を使用した。ニューラルネットが教師信号を十分に学習したのを確認した後は、モデルの汎化性のテストを行った。汎化性のテストは、学習済みのニューラルネットを搭載した仮想のヨツモンマメゾウムシを豆を配置した仮想環境に置き、その環境で均等産卵が達成できるかで評価した。汎化性のテストの結果としてモデルが産卵行動の特徴を実現できていることが確認されたら、ニューラルネットの中で各情報がどのように重み付けされているかを解析した。
著者
嶋田 哲郎 植田 睦之 高橋 佑亮 内田 聖 時田 賢一 杉野目 斉 三上 かつら 矢澤 正人
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.A1-A12, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
9

GPS-TXは発信機内のGPSにより得た位置情報を無線で受信機に送信し,受信機で記録を残すシステムである.位置精度の誤差は6m,測定範囲は平地など開けた環境では受信機の位置を中心に半径10km以上の範囲をカバーするため,開けた環境で活動するガンカモ類を詳細に追跡するときに有効である.またGPS-TXではリアルタイムに位置情報を取得することができるため,位置情報を得られた時点の環境をすみやかに確認できる利点もある.こうした特性を生かし,2015/16年と2017/18年の越冬期における伊豆沼・内沼周辺のオオハクチョウ Cygnus cygnus,オナガガモ Anas acuta,マガモ A. platyrhynchosの環境選択をGPS-TXによって明らかにした.オオハクチョウは昼行性でハス群落の分布する岸よりの水面や給餌場所に滞在したほか,沼周辺の農地でも活動した.オナガガモは昼行性,夜行性いずれの特徴もみられ,2015/16年では,給餌場所を中心に分布しながらも,沼の北部から東部の農地へ夜間移動した例もあった.夜間に移動した農地までの距離は伊豆沼から平均2.5kmであった.2017/18年では,給餌場所を中心に分布し,昼間は餌付けがなされる駐車場付近に多く,夜間は給餌場所の奥まったヨシ群落周辺に分布した.マガモは夜行性で,雌雄とも伊豆沼西部に滞在し,夜間沼北部の農地へ移動した.夜間に移動した農地までの距離は伊豆沼から平均4.5kmであった.農地における土地利用をみると,オオハクチョウとオナガガモは乾田を,マガモは湛水田を選択した.GPS-TXはガンカモ類の環境選択を明らかにするときに有効な手法であり,さらに多くの種の追跡を行なうことでそれらの越冬生態を明らかにすることができると考えられる.
著者
嶋田 さおり 岸田 太郎 坂田 香代子 森田 君香 平岡 祥子 改野 芙美 松本 愛 中村 紀子 渋川 祥子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.110, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】家庭で一般的に行われている揚げ物料理の吸油率については、すでに調べられ文献等で公表されている。しかし、大量調理機器によって測定された吸油率のデータは見られない。学校給食の場合、厨房設備や作業工程などの事情から、一般的な揚げ物料理とは、食材やその切り方が異なることもある。そこで本研究では、学校給食で提供頻度の高い揚げ物料理について、吸油率を明らかにし、児童生徒に提供している給食の栄養価を正確に把握することを目的とした。【方法】愛媛県松山市において、平成22~24年度の学校給食献立3年分をもとに、提供頻度の高い揚げ物料理を、素材別、揚げ形態別、揚げ衣別に整理した。次に、提供頻度の高い揚げ物料理について、2か所の共同調理場で、ガス回転釜とフライヤーの2種の調理機器を使用して実際に調理し、調理前後の水分率、吸油率を測定した。各試料は、20人分で調整し、揚げる前と揚げた後の試料の全量をそれぞれホモゲナイズし、その中から1gを取り出してクロロホルム・メタノール法で2分抽出して測定した。【結果】提供頻度の高い揚げ物料理に使用されている素材は、魚が最も多く次に肉、甲殻類が続いていた。揚げ方の調理形態別では天ぷらと唐揚げが多く、揚げ衣別ではでん粉を主としたものが44%、小麦粉等が39%、衣なしが17%であった。これらの結果から素材は使用頻度の高い鯛を使用しその唐揚げと天ぷらについて吸油率を測定した。170℃で3分揚げた鯛の唐揚げは、ガス回転釜の吸油率が8.6%、フライヤーの吸油率が4.6%であった。これはガス回転釜投入時の平均油温がフライヤーよりわずかに高く、そのため取り出し時の油温と試料中心温度も高くなったことから、ガス回転釜の方の水分蒸発が多くその分吸油したことが原因と考えられた。鯛の天ぷらについては差がなく両機器とも約5%であった。
著者
古谷 陽一 渡辺 哲郎 永田 豊 小尾 龍右 引網 宏彰 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.609-614, 2011 (Released:2011-12-27)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

目的:冷え症の危険因子となる身体症状を明らかにする。研究デザイン:2008年7月7日から11月14日にかけて前向きコホート研究を行なった。対象と方法:観察開始時に冷えを認めない女子短期大学生70名(年齢中央値20歳)。冷えの苦痛の程度をNumerical Rating Scale(NRS)で7月および11月に5日間ずつ記録した。身体症状は気血水スコア(寺澤)で評価した。冷え症の判定基準は冷えNRSの平均値5以上とした。結果:11月に17名が冷え症と判定された。有意な関連を示した自覚症状は「体がむくむ」で,多変量オッズ比[95%信頼区間]11.6[1.9 to 97.5]であった。また,冷え症群は非冷え症群より低身長であった(身長差[95%信頼区間]-5.9cm[-8.6 to -3.1])。結語:「体がむくむ」と「低身長」は冷え症の危険因子である可能性が示された。
著者
嶋田 総太郎
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.232-235, 2016 (Released:2018-02-06)
参考文献数
5

‘We-mode’ cognitive neuroscience aims to elucidate the internal cognitive processes of individuals undergoing interactions with others. This is qualitatively different from the traditional ‘third-person’ social neuroscience, i.e., observation of other’s actions that is accomplished by the so-called mirror neuron system, or the ‘theory of mind’ processes. In the we-mode cognitive neuroscience, it is emphasized that the individual must have a representation that is shared with others to perform joint actions. This shared representation would involve the goal of the task, knowledge about the relevant part of the task for which the individual is responsible, and the perspective of others participating in the ongoing task. In this short comment on the article by Sato, I would like to discuss several potentialities of we-mode cognitive neuroscience, i.e., the we-mode mirror neuron system that is under the influence of a ‘higher’ representation of others, and the we-mode ‘theory of mind’ that is endowed with an automatic and implicit representation of others. It appears promising that we can extend the existing framework of the traditional social cognition studies, in which the mirror neuron system and the theory of minds are thought to reflect different functions of social cognition, by pursuing ‘we-mode’ cognitive neuroscience.
著者
一瀬 航 嶋田 和孝
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21888884)
巻号頁・発行日
vol.2017-IFAT-124, no.4, pp.1-6, 2017-02-03

近年,機械学習を用いたテキストマイニング手法によって,テキスト情報と市場変動の関係性を発見し,市場分析に応用する研究が増えている.また,Web ニュースは企業の株価に少なからず影響を与えており,世に存在する個人投資家がこのニュース記事を参考にしていると考えると,Web ニュースから未来の株価が予測できる可能性がある.そこで本論文では,Web ニュースを対象とし,より多くの投資家が市場の分析に用いていると考えられる指標である日経平均株価の予測を目的とする.テキストを用いた金融予測では膨大なテキスト情報を用いて機械学習を行うことが一般的である.しかし,投資家は市場に影響を与える多様な情報を自ら取捨選択し,独自の着眼点にしたがって市場の分析を行っている.本研究では,この着眼点,つまり,分析にどのような情報が必要なのかという知識を専門家の分析記事から抽出し,これにより機械学習の精度が向上するかの検証と新素性の提案を行う.
著者
髙本 尚彦 嶋田 純 白石 知成
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.325-343, 2017-11-30 (Released:2018-02-13)
参考文献数
35
被引用文献数
2

地層が堆積した当時の水文情報が残っている可能性のある霞ヶ浦において,海水準変動,塩濃度変化,堆積物の堆積過程といった長期的な変遷を考慮した非定常の2次元鉛直断面地下水流動解析を行った結果,既往調査で得られた2地点のコア間隙水の塩濃度プロファイルを概ね再現することができ,2地点の陸域からの淡水地下水の寄与の違いを定量的に示すことができた。解析結果からも,湖岸に近いSiteK-1は地表水だけでなく陸域からの地下水の影響を受けやすい環境であるのに対し,湖心付近のSiteK-2は陸域からの地下水の影響を受けにくい環境であった。非定常解析を行うことにより,以上なような詳細な水文環境の変遷状況が明らかとなった。