著者
木山 竜一 林 邦雄 原 真里子 藤本 正文 川畑 友二 川上 勝 中島 成元 藤下 利夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.960-965, 1995-06-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
3 8

A novel series of 6-alkyl-7-oxo-4, 7-dihydropyrazolo[1, 5-a]pyrimidine-3-carboxylic acid derivatives was prepared as angiotensin II (AII) receptor antagonists. When evaluated in an in vitro binding assay using COS cells transfected with a cDNA encoding a human AT1 angiotensin II receptor, the compounds in this series showed Ki values in the range of 0.4-4.0 nM. In anesthetized spontaneously hypertensive rats (SHRs), administration of the 6-propyl derivative 4d (1 mg/kg, i.v.) reduced the mean blood pressure (MBP) by a maximum of more than 30 mmHg from the normal value.
著者
川上 直人 橋本 剛
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2018-GI-39, no.6, pp.1-6, 2018-02-23

近年,囲碁や将棋の AI が人間のトッププレイヤーに勝利するなど完全情報ゲームの研究は大きな成果を上げており,次のターゲットとして不完全情報ゲームが注目されている.バックギャモン,ポーカー,麻雀においてはトッププレイヤー相当の実力を持つ AI が研究されているが,ガイスター ・ 軍人将棋など,チェスや将棋とルールが似ている不完全情報ボードゲームでは強い AI の研究があまり行われていない.本稿では不完全情報ボードゲームの一つである 「ガイスター」 AI を題材とし,GPW 杯ガイスター AI トーナメント 2017 で優勝した AI のアルゴリズムを紹介する.
著者
小南 陽子 相方 浩 平松 憲 田中 未央 苗代 典昭 中原 隆志 本田 洋士 長沖 祐子 村上 英介 宮木 大輔 三木 大樹 河岡 友和 高木 慎太郎 平賀 伸彦 柘植 雅貴 芹川 正浩 今村 道雄 兵庫 秀幸 川上 由育 高橋 祥一 佐々木 民人 茶山 一彰
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.456-464, 2013 (Released:2013-03-05)
参考文献数
24
被引用文献数
1

症例は61歳男性.毎年,検診にて40mm大の肝嚢胞を指摘されていたが,2011年の腹部超音波検査にて肝嚢胞の増大を指摘.造影CT検査などの各種検査を行ったが確定診断に至らず,嚢胞周囲の軽微な胆管拡張の精査目的にてERCPを施行.その際の胆汁細胞診にて多量の肝吸虫卵を認め,肝吸虫症と診断.プラジカンテルの内服により肝嚢胞の縮小と血中肝吸虫抗体価の陰性化が得られ,肝吸虫の駆虫が確認された.
著者
金子 仁美 川上 大輔 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-85, no.7, pp.1-8, 2010-05-20

我々は,楽曲の和声解析の記述仕様 (“KS notation”) を策定し,機能和声解析を行ってデータを作成し,その統計解析を行った.和声推定は自動採譜や楽曲検索など多数の目的に有用で,その和声進行の確率モデルの作成と統計学習のために有用である.また,音楽学的な見地からは,和声学の規則や傾向などが計量的に検証でき,時代や作曲者や楽曲スタイルを和声学的に解明する基礎となろう.機能和声記述のために,和音,転回,借用和音,省略,変位,転調,付加音などの記述を可能とし,さらに楽譜なしで演奏が可能なように音価も表現した.また,人間とコンピュータ双方の可読性の両立させコンパクトに表現できるようにした.データ作成には,RWC 音楽データベース所収のクラシック曲 50 曲について,人手により機能和声解析してデータを作成した.そのデータを統計解析し,音楽的な知見から説明を試み,機能和声モデルが従来のモデルより工学的和声モデルとして優位であることを示す.
著者
川上 正憲 中村 敬 中山 和彦
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.359-366, 2015

アトピー性皮膚炎に身体醜形障害を併存する1例を報告した.神経質性格を基盤にしたアトピー性皮膚炎の患者が,皮膚症状に対する「とらわれの精神病理構造」を認める場合,外来森田療法は有用である.治療者は,彼女の語り,および彼女の実存を主体的,実存的に我がものとして引き受け,「生の欲望」の涵養を行った(実存的交わり:ヤスパース).また,本症例は皮膚科医師に「顔の皮膚症状は良くなっている」と言われているにもかかわらず,「自分としては良くなっているとは思えない.納得できない」という「皮膚科医師の客観的判断と,本人の主観的判断の不一致」を認めた.こうした認知様式は,身体醜形障害に由来するもので「妄想的心性」もしくは「外見の欠陥に対するとらわれ」と呼ばれる.こうした認知様式が彼女のドクターショッピング行動を引き起こしていたことを指摘した.
著者
林 令子 梶本 忠史 澤村 眞美 平尾 利恵子 大屋 健 桑原 遥 岸本 有紀 木村 佳代 川上 圭子 永吉 直美 植村 由加里 中井 敦子 野田 侑希 田井中 幸子 陰山 麻美子 大幸 聡子 佐川 秋雄 香川 邦彦 篠原 圭子 幸原 晴彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.874-880, 2015-12-30 (Released:2015-12-30)
参考文献数
13

当院では2005年より糖尿病患者の罹病期間,生活歴,血液検査結果,合併症,治療法等を1枚に集約した糖尿病サマリーシートの開発を行ってきた.1)基礎データ表の作成,2)電子カルテへのテンプレート機能を用いた入力,3)コメディカルとの作業分担,4)糖尿病連携手帳1形式出力の4つのステップを経て実用運用可能となった.医師事務補助作業者を含むコメディカルとの作業分担や自動入力プログラムを用いることで糖尿病サマリーシート入力の高速化が実現し,外来診察時に約1分で記入することが可能となった.外来診察時間は短縮し,より多くの患者の評価が可能となると同時に糖尿病診療の地域連携の発展に貢献するものと思われる.
著者
川上 周三
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-25, 2016-03

本論文は、幕末社会変動の実相に迫ることを目的としている。序論では、この目的とそれに接近するための課題の提起とその課題に沿って、章別構成を行ったことについて述べた。第2章では、本論の分析枠組みであるアルジュン・アパデュライのランドスケープ論・イマニュエル・ウオーラーステインの世界システム論・マックス・ヴェーバーの社会層論・アンソニー・ギデンズの構造化論・資源動員論・社会の4側面論について述べた。第3章では、江戸幕藩システムの概要を、政治システム・経済システム・教育システムに分けて論じた。政治システムでは、江戸幕藩体制の仕組みの概要、経済システムでは、江戸時代の米を基本とする封建経済の仕組みと商品経済の発展に伴う封建経済の揺らぎとその克服のための改革の概要、教育システムでは、幕府官僚の育成機関である昌平黌・長州藩の藩校明倫館と私塾の松下村塾・薩摩藩の郷中教育と洋学教育について論じた。第4章では、幕末社会変動の社会システム分析を、国際環境・経済・政治・思想に分けて分析した。国際環境では、鎖国体制とペリー提督の開国要求・下関戦争及び薩英戦争とその後の長州藩と薩摩藩の鎖国から開国への方針転換・薩長両藩の藩士のイギリス留学について論じた。経済では、薩長両藩の藩政改革について論じた。政治では、幕藩独裁政治、雄藩を加えた公武合体政治、一橋慶喜・松平容保・松平定敬の一・会・桑と孝明天皇・中川宮・二条関白の公武合体政治、大政奉還と倒幕について論じた。思想では、幕府公認の朱子学、その批判者としての古義学の伊藤仁斎、古文辞学の荻生徂徠、水戸学の相沢正志斎、国学者の本居宣長と平田篤胤を取り上げ、幕府政治の改革思想・朱子学思想の解体・尊皇思想の昂揚について論じた。幕末社会の4側面を5つの分析枠組みで分析した結果、幕府側は5つのランドスケープの結合が乖離しているのに対し、倒幕側は5つのランドスケープの結合が噛み合っていること、また、武士層と公家層だけでなく、農民層や商人層も倒幕運動に参加したこと、それにより、資源動員力で倒幕側が幕府側に勝り、それによって社会構造のルールの書き換えとしての構造化が起こり、幕府から明治への社会変動が生み出されたことが分かった。本稿では、第4章の(2)経済から第5章の結論までを論じている。
著者
川上 恵一郎 清崎 雅宣 天谷 洋 中牧 剛 日野 研一郎 友安 茂
出版者
The Japanese Society of Hematology
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.334-340, 2000

症例は54歳,女性。慢性骨髄性白血病慢性期と診断され,4年後に急性転化をきたした。芽球はペルオキシダーゼ陰性,TdT陽性で,表面マーカーはCD7, HLA-DRが高値で,CD2, CD5, CD10も弱陽性ながら発現を認め,リンパ球系の形質をわずかに有した未分化芽球性の急性転化と診断した。インターフェロンαを20日間投与したが無効のため,VP療法(ビンクリスチン2 mg/週,プレドニソロン30 mg/日)に変更した。VP療法第1週終了後,右前胸部に可動性を有する小指頭大の皮下腫瘤が出現した。腫瘤はペルオキシダーゼ陽性,TdT陰性の芽球で占められており,表面マーカーはCD13, CD33が陽性であった。本例は全身性の未分化芽球性急性転化治療経過中に,局所性の骨髄芽球性急性転化を合併した1種のmixed blast crisisで,貴重な症例と考えられた。

1 0 0 0 OA 眉山美文集

著者
川上眉山 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1912
著者
橋田 充 山下 富義 西川 元也 川上 茂
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

癌細胞の動態、存在状態の多様性および治療薬の癌病巣への到達性の制御の困難さのため、普遍的に適用可能な治療法は未だ確立されていない。本研究では、まず、癌増殖・転移過程の非侵襲的解析に必要不可欠な基盤技術であるバイオイメージングによる可視化および定量法を確立した。さらに、DDSのコンセプトに基づき、有効な癌治療薬および遺伝子医薬品の送達システムの開発および治療への応用を行った。
著者
梅田 雅孝 古賀 智裕 一瀬 邦弘 來留島 章太 高谷 亜由子 清水 俊匡 福井 翔一 西野 文子 川尻 慎也 岩本 直樹 平井 康子 玉井 慎美 中村 英樹 折口 智樹 川上 純
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.401a-401a, 2016

<p>  【症例】68歳女性.【主訴】呼吸困難.【現病歴】2014年12月より労作時呼吸困難あり4月上旬に間質性肺炎を指摘され前医入院.ステロイドパルス,経口プレドニゾロン(PSL)30mg/日,シクロスポリン(CyA)150mg/日で加療行うも呼吸不全が進行し6月上旬に当院転院となった.筋症状を欠くがGottron徴候,Vネックサイン,ショールサインを認めClinically amyopathic dermatomyositis(CADM)と診断した.胸部CTでは短期間で進行する非特異性間質性肺炎パターンを呈し,急速進行性間質性肺炎(RPILD)の合併を認めた.抗MDA5抗体陽性,フェリチン1556ng/mlと予後不良因子を有したため,シクロフォスファミド静注療法,ステロイドパルス,CyA200mg/日行うも転院19日目に肺胞出血が出現し,人工呼吸器管理となった.転院24日目には貧血,血小板低下,Cr上昇の進行に加え,ハプトグロビン低下,破砕赤血球出現あり血栓性微小血管障害(TMA)と診断した.TMAに対し,血漿交換療法を追加し多臓器不全に対して集学的加療行うも呼吸不全が進行し転院36日目に死亡退院となった.【考察】肺胞出血やTMAはまれながら皮膚筋炎に合併することが報告されている.本症例は血清フェリチン高値に加えトロンボモジュリン高値を認めており,自然免疫異常を介した血管内皮障害が肺胞出血やTMAの病態形成に関与した可能性が示唆された.CADM合併のRPILDにおいては加療中の肺胞出血やTMAにも注意を払う必要があると考えられた.</p>