著者
澤田 岳彦 川村 隆一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.305-314, 2010-05-31
被引用文献数
2

1996年から2006年までの典型的な夏季静穏日を抽出して,北海道の熱的局地循環に伴うGPS可降水量の日変化傾向を調査した.北海道の日平均可降水量は,オホーツク海沿岸で29〜32mm,渡島半島で24〜26mmと,東部で高く西部で低い分布を示した.対照的に,日平均地上混合比はほぼ逆の分布であった.熱的局地循環の発達に伴って,熱的低気圧が15時に最盛期を迎え,18時頃に可降水量偏差(日平均値からの偏差)が極大となるが,その極大域は石狩山地の南東側に偏っていることが見出された.また,夜間においても可降水量が相対的に高い領域が北海道東部を覆っていた.主な要因として,北海道上空で終日卓越する北西寄りの一般風によって,山岳上空に集積した水蒸気が風下側へ輸送されていることが示唆された.
著者
芦川 将之 川村 隆浩 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.503-515, 2014-11-01 (Released:2014-09-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2

Open Crowdsourcing platforms like Amazon Mechanical Turk provide an attractive solution for process of high volume tasks with low costs. However problems of quality control is still of major interest. In this paper, we design a private crowdsourcing system, where we can devise methods for the quality control. For the quality control, we introduce four worker selection methods, each of which we call preprocessing filtering, real-time filtering, post processing filtering, and guess processing filtering. These methods include a novel approach, which utilizes a collaborative filtering technique in addition to a basic approach of initial training or gold standard data. For an use case, we have built a very large dictionary, which is necessary for Large Vocabulary Continuous Speech Recognition and Text-to-Speech. We show how the system yields high quality results for some difficult tasks of word extraction, part-of-speech tagging, and pronunciation prediction to build a large dictionary.
著者
川村 隆浩 古崎 晃司 櫛田 達矢 渡邊 勝太郎 松邑 勝治
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.102-109, 2016-05-14 (Released:2016-07-15)
参考文献数
18

近年,科学計量学等での活用を目的にさまざまな科学技術用語シソーラスの構築が進められている.しかし,人手での整備には多大なコストと時間を必要とするため,自動,半自動的な構築・改訂手法の研究が盛んに行われている.そこで本論では,人手で十分に整備された情報がない新興・先端学術分野においても適用できるよう,文献抄録に書かれた自然文を入力としたシソーラス拡充手法を提案する.具体的には,近年,進展が目覚ましい単語の分散表現を活用し,新語を既存シソーラス階層内に適切に位置づける手法を検討する.実験では,医療系論文56.7万編から500次元の単語ベクトルを構築した上で,主成分分析による次元削減とクラスタリングを行った上で,既存シソーラス用語と新語との空間的な位置関係から意味的な関係性を推定した.そして,専門の作業者3名による結果と比較し,3-Bestで再現率80%以上であることを確認した.今後は,作業者への新語追加位置推薦システムを構築することでシソーラス拡充手法の半自動化を図っていきたい.
著者
杉 正人 川村 隆一 佐藤 信夫
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.717-736, 1997-06-25
参考文献数
51
被引用文献数
15

気象庁全球モデルを用いて、アンサンブル気候実験を行い、海面水温 (SST) 変動に強制されて起きる大気の長期変動と、季節平均場の予測可能性について調べた。モデルの34年時間積分を3回実行した。3つの時間積分はいずれも1955-1988年の実測のSSTを境界条件としているが、大気の初期状態が異なっている。季節平均場の全変動のうち、SSTの変動で強制されて起きている変動の割合 (分散比) を計算した。この分散比は、SSTが完全に予測された場合の最大予測可能性 (ポテンシャル予測可能性) を示すものと考えられる。気圧場の分散比は一般に熱帯では高い (50-90%) が、中高緯度では低い (30%以下)。このことは、季節平均気圧場の (ポテンシャル) 予測可能性は、熱帯では高いが、中高緯度では低いことを示唆している。一方、季節平均降水量の分散比は、ブラジルの北東部の74%、インドモンスーンの31%というように、熱帯の中でも地域によって大きく異っている。全球平均の陸上の地表気温の分散比は高い (66%) が、ほとんどの陸上の地点での局地的な地表気温の分散比は低く (30%)、海面水温予測にもとづく局地的な陸上の気温の予測可能性が小さいことを示唆している。
著者
グエン ミン テイ 川村 隆浩 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2970-2978, 2013-12-01

本論文は,実世界での人々の行動を分析し,状況に応じた適切な情報提示などへ役立てることを目的に,Twitterなどソーシャルメディアから行動ネットワークを構築する研究の一環である.ソーシャルメディアからの行動抽出にあたっては,さまざまな理由から呟かれなかった行動が数多く存在し,結果として行動ネットワークがスパースになってしまうという問題が存在する.そこで,行動の性質とユーザのゴールを考慮した行動ベース協調フィルタリング手法を提案し,欠損行動の推測を試みる.また,協調フィルタリングによる頻度の原理の副作用としての低頻度だが価値のある情報が埋もれてしまう問題に対して,人が成功している人や行動にどのように影響を受けるか,を単純にモデル化し,一定の重み付けを行う方法を提案する.そして,東日本大震災発生時のtweet 337,958件を対象に評価実験を行った結果,提案手法を用いることで行動ネットワーク内の欠損行動ノードを一定程度,補完できることを確認した.
著者
櫻井 渓太 川村 隆一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.7-22, 2008-01-31
参考文献数
23
被引用文献数
1

竜巻発生近傍(発生前後2時間以内,半径50km以内)のレーウィンゾンデデータ(55事例)とJRA-25長期再解析データを主に用いて,日本の竜巻発生環境場の実態を統計的に調査し,シビアストーム発生のポテンシャルを示す既存のパラメータについて,その診断基準が日本ではどの程度有効かどうかを考察した.K指数(Ki)と対流抑制(CIN)の頻度分布から,他の大気安定度パラメータに較べて,両パラメータの有効性が高いことがわかった.また,水平風の鉛直シアーに関するパラメータではストームに相対的なヘリシティ(SRH)が有効な指標であることが再確認された.複合パラメータに関しては,対流有効位置エネルギー(CAPE)の有効性が低いために,どの複合パラメータも実用面で問題がある.このため,KiとSRHの積で定義される新しい複合パラメータ(KHI)を提案し,環境場の事例解析により検証を行った結果,米国と比較すると日本では対流圏中層が湿潤で下層の鉛直シアーが大きい,ミニスーパーセルの発生環境場で竜巻被害が起こることが多いと考えられる.KHIのシビアストームの検出率は高いが,上層の寒冷渦に起因する竜巻の事例等では検出が難しいことも示唆された.
著者
全 泰賢 川村 隆浩 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2485-2493, 2012-11-15

近年,商品やサービスを販売するECサイトの市場規模がますます拡大している.しかし,多くのECサイトの商品検索機能はカテゴリ絞り込みやキーワード検索に限られており,単語での特徴指定が困難な商品の検索においては難がある.たとえば,ECサイトの中でも特に売上げが伸びている服飾系の商品においては,ユーザは事前にブランド名やデザイン種別などの商品知識を頭に入れる必要があり,それによって商品群を絞り込んだ後にも何十というサムネイル画像を順番に見ていかなければならない.そこで本研究では,ユーザが閲覧した衣服(デザイン)の履歴を,商品画像の局所特徴量と商品説明文中のキーワードから,我々が事前に用意した服飾オントロジ上にマッピングする.そして,オントロジ内の距離計算によってユーザのデザインに関する嗜好を推定し,ユーザ嗜好に沿った衣服を抽出・推薦するエージェントシステムを提案する.また,推薦精度に関する評価実験を行い,70%超の再現率を達成していることを確認した.E-commerce market has been expanding, recently. However, search functionality for products in most of e-commerce sites are limited to keyword search and category selection, thus there is a problem to search for the product, to which it is difficult to specify its characteristics by words. In terms of a fashion product whose sales have been increasing year after year, users are required to learn the keywords like brand names and design terms in advance, and after just narrowing a list of the products they need to check small thumbnail images of enormous items one by one. Therefore, we propose an 'agent' service, which maps the user's browsing history of the product designs to the prepared fashion ontology based on local features of product images and keywords in product descriptions. Then, it estimates his/her favorite designs by calculating distances in the ontology and recommends the unseen items to the user. Also, we conducted an experiment for the recommendation accuracy, and confirmed more than 70% of recall.
著者
沈 偉 川村 隆浩 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.7-14, 2008-06-23
被引用文献数
1

近年,Webに関する研究において,オントロジーの利用が盛んに進められている.しかし,オントロジーは構築の難しさが指摘され,構築するコストが問題視されている.そこで,本研究では一般ユーザを対象として,集合知としてオントロジーを構築するためのサイト,オントロジーWikiを提案する.
著者
小林 暁雄 坂井 寛章 桂樹 哲雄 伊藤 研悟 稲冨 素子 江口 尚 川村 隆浩
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 (ISSN:24349895)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.13, pp.23-33, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
15

農研機構内のプロジェクトや研究部門・センター毎に進められているバイオ研究課題では,データ管理や解析ツール開発が一元化しておらず,データの分散や個別化が問題となっている.これを解決するため,研究課題のニーズに基づきリソースを集約・重点化することにより資源の活用を効率化し,研究成果の最大化に繋げるためのプロジェクトが機構内組織横断的に進められている.本プロジェクトでは,機構の持つ高度計算資源を連携してオミクス情報を収集・解析し,研究データの来歴保証と研究の効率化を実現する解析パイプラインシステムの構築が取り組まれている.この計算資源には,機構内のゲノム解析サーバ及びスーパーコンピュータ「紫峰」を用いるとともに,ゲノムデータと解析されたデータを保存・機構内横断で提供する基盤として,農研機構統合DB を用いる.さらに,DDBJ Sequence Read Archive に準ずるメタデータを採用し,機構内で横断的にゲノムデータを解析・検索可能な解析パイプラインシステム を実現する. 本稿では,メタデータ入出力システムの詳細について解説するとともに,パイプラインシステムの現状と課題について議論を行う.
著者
桂樹 哲雄 森 翔太郎 十一 浩典 石川(高野) 祐子 小林 暁雄 伊藤 研悟 山本(前田) 万里 川村 隆浩
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 (ISSN:24349895)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.13, pp.47-61, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
15

農研機構では,2012-2015 年度に実施した機能性農林水産物・食品開発プロジェクトの成果物を元に,農林水産物が持つ機能性成分について文献情報と共に整理し,「機能性成分・評価情報データベース」として2018 年より公開している.一方,2019 年から,農研機構は島津製作所と共同で「食品機能性成分解析共同研究ラボ(NARO 島津ラボ)」を設置し,機能性農林水産物に関する様々な分析を実施してきた.また,農研機構内には戦略的イノベーション創造プログラム第2 期「スマートバイオ産業・農業基盤技術」(SIP2)の分析データも存在する.このたび農研機構では,機構内で得られた食品機能性成分データを一か所に集める狙いから,「機能性成分・評価情報データベース」,「NARO 島津ラボ」のデータ,SIP2 の成果等を集約し,「農研機構食品機能性成分統合データベース」を開発した.収録するデータには,公開情報だけでなく閲覧者を制限すべきクローズドデータが含まれるため,柔軟なユーザ認証機能を導入し,適切なアクセス管理を行えるようにした点に特徴がある.本データベースでは,データの属性に応じて検索結果をグループ化して表示するファセット検索機能やグラフ表示機能などを実装した.
著者
江上 周作 川村 隆浩 古崎 晃司 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.SWO-044, pp.08, 2018-03-18 (Released:2021-09-17)

Urban areas have many problems such as homelessness, illegally parked bicycles, and littering. These problems are influenced by various factors and are linked to each other; thus, an understanding of the problem structure is required in order to detect and solve the root problems that generate vicious cycles. Therefore, we propose constructing an urban problem linked open data (LOD) system that would include urban problems' causality. In addition, we propose a method for detecting vicious cycles of urban problems using inferences from the LOD. We first designed a Linked Data schema that represents urban problems' causality. Next, we instantiated actual causes and effects using crowdsourcing, supported with techniques based on natural language processing. In addition, we complemented the constructed LOD by drawing inferences using Semantic Web Rule Language (SWRL) rules. Finally, using SPARQL queries, we detected several root problems that led to vicious cycles, then urban-problem experts evaluated the extracted causal relations.
著者
小林 暁雄 桂樹 哲雄 伊藤 研吾 稲冨 素子 山崎 啓太 川村 隆浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3Yin214, 2022 (Released:2022-07-11)

ムーンショット型研究開発「フードロス削減とQoL向上を同時に実現する革新的な食ソリューションの開発」では、美味しく、かつ、一人ひとりの体質や体調改善に効果的な料理を自動的に提供する、AIシェフマシンの実現を目指している。農研機構では、このAIシェフマシンの実現に向けて、栄養・機能性食品データ、調理レシピデータ、プロファイルなどを適切に構造化した知識グラフ(ナレッジグラフ)を構築し、一人ひとりの嗜好、健康状態に合わせたレシピデータを3Dフードプリンタに出力するシステムを構築している。知識グラフの構築にあたっては、食に関する大規模オントロジーであるFoodOnとリンクすることで、コンソーシアムが独自に解析・収集したデータでは網羅しきれない成分や調理手法などについても取り込んでいる。知識グラフに基づく推論技術としては、食に関する知識をビックデータで確率的に取り扱う手法の適用を検討している。本稿では、構築された知識グラフ及び収録されたデータについて解説するとともに、知識グラフに対する推論手法の適用実験について解説する。
著者
平田 英隆 川村 隆一 野中 正見 坪木 和久
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.899-912, 2021 (Released:2021-08-27)
参考文献数
26
被引用文献数
3

2017年1月、温帯低気圧に伴う前線に沿って発達した対流性の降雨バンドが三宅島に記録的大雨をもたらした。本研究は、この降雨バンドの強化過程における黒潮からの熱フラックスの役割について調査した。領域雲解像モデルを用いて降雨バンドの再現実験(コントロール実験)と黒潮からの顕熱および潜熱フラックスを除去する感度実験を実施した。低気圧に伴う温暖前線の北側で発生した非古典的な前線(アウターフロント)に沿って、降雨バンドが発達した。コントロール実験は、降水バンドの強度や移動をよく再現した。さらにコントロール実験では、降雨バンドが発達するにつれて、降雨バンドの南側の低気圧に伴う寒冷コンベアベルト周辺において、黒潮からの熱フラックスが明瞭となった。顕熱フラックスと比較して、潜熱フラックスは約2.3倍の大きさであった。コントロール実験と感度実験との比較は、熱フラックス、特に潜熱フラックスが、降雨バンドを強化することを示した。顕熱フラックスは対流圏下層の対流不安定度を若干強め、潜熱フラックスは地表付近の水蒸気量および対流不安度を大きく増加させた。アウターフロントに沿う前線性の上昇気流によって、強化された対流不安定は解放される。その結果、水蒸気収束、水蒸気の凝結および上昇流が強化され、降雨バンドの発達が生じた。これらの結果は、黒潮からの熱フラックス、特に潜熱フラックスは、水蒸気量と対流不安定度の増加を介して、大雨を引き起こした降雨バンドの発達へ寄与したことを示す。
著者
竹之内 隆夫 川村 隆浩 大須賀 昭彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.525-532, 2012-10-23

複数機関が保持するユーザのパーソナル情報を結合・分析し,新たな知見を得ることが期待されている.特に医療情報のようなパーソナル情報はプライバシに関わるため,結合のための情報開示を必要最小限にすることや個人特定を防ぐことが求められ,そのための技術として分散匿名化が注目されている.しかし既存手法では,双方の機関のユーザ集合が一致しない場合にユーザのパーソナル情報がその機関に保持されているか否かというユーザ存在が漏洩する問題があった.そこで本論文では,ユーザ存在を隠蔽した分散匿名化手法を導入し,実際の診療機関のレセプトデータを用いて疾病の相関ルール抽出や診療回数の相関分析を行う際の有効性評価を行う.
著者
川村 隆一 筆保 弘徳 山本 勝 富田 裕之 森本 昭彦 柳瀬 亘 吉田 聡 宮本 佳明
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

台風と爆弾低気圧による被害事例が日本全国広範囲で多発している。両ストームの発達・進路予測の改善、関連するストーム起源の極端現象の発生予測、そして変わりゆく気候環境下で両ストームの活動度がどのように変調するのかを解明する事は減災の観点からも喫緊の課題である。その問題解決に大きな不確実性をもたらしているのが黒潮・黒潮続流が熱・水蒸気供給を介して両ストームに与える影響である。暖水渦のような海洋中規模渦と低気圧の空間規模は1 桁程度異なっており、スケール間大気海洋相互作用の実態は依然として未解明である。そこで本課題では台風と爆弾低気圧の発達プロセスに果たす中緯度大気海洋相互作用の包括的研究を展開する。