著者
緒方 さつき 森松 嘉孝 幸崎 弥之助 工藤 昌尚 田尻 守拡 井 賢治 渡邉 健次郎
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.99-103, 2006-03-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9

症例は42歳の男性。400ccの自動二輪車運転中に左側の駐車場から無灯火で出てきた普通車の右側面に衝突し,当院へ搬送された。来院時,呼吸は腹式呼吸で,両上下肢の知覚が消失し,両上下肢で徒手筋力テスト0であった。病的反射の出現は認めなかったが,肛門反射が完全に消失していた。重症の下位頸髄損傷を疑うも,頸椎単純X線,頭部CT,頸髄・胸髄・腰髄MRI検査にて異常所見は認めなかった。その後,6年前の急性一過性精神病性障害の既往が判明し,転換性障害の診断にて入院となった。徐々に症状の改善がみられ,リハビリテーション目的にて第13病日に他院へ転院となった。救急の現場において,症状と検査所見が一致しない事例をみた場合,精神病性障害である可能性に留意すべきである。
著者
石川 直也 工藤 和昭
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.125-130, 2008-11-25
被引用文献数
1

多気筒ディーゼル機関を用いた高EGR率の低NOx燃焼方式において、二段ターボを組み合わせることにより排ガス低減を試みた。エンジンベンチ試験ならびに車輌排ガス試験において、二段ターボとEGRガス温度制御を導入することにより大幅な排ガス低減効果が得られたので、その結果について報告する。
著者
小林 侑 宮田 瞳 工藤 雅孝
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1227-1235, 1992 (Released:2009-11-16)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

It is impossible to spend even a day without paper in recent cultural life. Papers are liable to be concerned in many kind of crimes, so that. For example, forgery of bills, duplicate of document, incendiarism and murder are as such. Nowadays demands that are expert discrimination of paper are on the increase. However, complete paper is hardly found in most of these criminal cases. Minute, degenerate and/or stained papers are apt to become evidential matter. Therefore, it is difficult to inspect these papers according as JIS or to inspect them in view of manufacturing technique. So characteristic method is necessary for forensic science.This report is a presentation with regard to some typical discrimination as follows which we have ever done and obtained good result on the field of forensic science.(1) Two examples for inspection of minute or degenerate paper fragment.(2) Two examples for analysis of coatings and filler in woodfree paper and mechanical paper.(3) Two examples for inspection of new domestic articles.
著者
宮本 拓人 知北 和久 阪田 義隆 落合 泰大 ホサイン エムディ モタレブ 大八木 英夫 工藤 勲
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.39-57, 2016-03-28 (Released:2016-04-05)
参考文献数
44

本研究では,北海道・十勝地方沿岸域にある生花苗川(おいかまないがわ)流域(面積 62.47 km2)を対象とし,淡水の電導度モニタリングに基づく解析を行っている。生花苗川流域の土地利用被覆率は,森林88.3%,農用地10.6%でほとんどが森林である。森林土壌は,30–40 cm深に1667年樽前山噴火によるテフラTa-b層,さらに深部には約40,000年前の支笏火山大噴火によるテフラSpfa-1層と角レキ層が基盤の上に分布している。これらの層は極めて透水性が高く,側方浸透流の流出経路の役割をもつ。また,レゴリス下の地質基盤は大部分が新第三紀中新世の海成層で透水性の高い砂岩・レキ岩を含み,これには日高造山運動によってできた断層も分布している。今回は,試水の化学分析から河川水の主要無機イオンMg2+, Ca2+, Na+, SO42-, HCO3-の濃度(mg/L)と25℃電気伝導度(EC25と表記)との間に相関の高い線形関係を見出した。他方,2013年の降雨期に生花苗川で水位・電気伝導度をモニタリングし,溶存イオン濃度とEC25との関係を用いて,上記五種のイオン濃度およびその負荷量の時系列を得た。本研究では,得られた流量と主要無機イオン負荷量の時系列にタンクモデルとベキ関数を適用し,河川への各種イオン物質の流出経路について解析を行った。流出解析の結果,2013年は表面流出と中間流出で流出全体の74.2%を占め,流域外への地下水漏出は16.8%を占めた。また,イオン物質負荷量に対するモデル解析から,全負荷量に対する表面流出,中間流出,地下水流出,河川流出による負荷量の寄与が求められた。結果として,五つのイオン種全てで中間流出による寄与が40.0~70.0%と最大であった。これは,中間流出に対応する基盤上の角レキ層と支笏テフラ層での側方浸透流による溶出が卓越していることを示唆している。
著者
藤吉 康志 工藤 玲 川島 正行 林 政彦 宮崎 雄三 青木 一真 山本 真之
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

地上リモートセンサーと同時にグライダーでのin situ 観測を実施することによって、大気境界層内の各種物理量が整合的に変動することが確認できた。さらに、大気境界層上端に発生した強い乱れは、小さな積雲の縁に存在する極めて狭い下降流によってもたらされていたことが分かった。また、エアロゾルの時空間分布と光学的特性の変動要因を解明するため、エーロゾルの量と光吸収特性の鉛直分布を導出するアルゴリズムを開発し、日射による加熱量を推定した。アルゴリズムの検証は、滝川で行ったグライダー観測データで行った。その結果両者にはまだ不一致が見られ、さらなるin situ観測との比較が必要であることが明らかとなった。
著者
新山 陽子 鬼頭 弥生 工藤 春代 松尾 敬子
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.267-286, 2015 (Released:2015-06-12)
参考文献数
26

Interactive exchange of information and opinions on risk is required in the field of food-related risk communication, and effective methods for communication are explored. In the case of effects on health by radioactive substances derived from the accident at Fukushima Daiichi nuclear power plant,people are extremely anxious about the health effects, regard government and media with distrust and tend to lack scientific information in face of the emergency, there is a compelling need for the interactive risk communication including elaborate information processing. This study aims to provide an interactive risk communication model and examine effectiveness of it through focus group communication. This model has the following characteristics; the purpose is not persuasion; scientific information that answers questions from participats is created through communication; experts make a presentation in two segments, followed by a group discussion only by participating citizens (‘horizontal discussion’). The examinations were conducted in Tokyo and Kyoto from June to August, 2011, on 51 people: 8 groups and confirmed the effectiveness by evaluation of the method and changes in knowledge and risk perception of participants.
著者
工藤 泰子
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.19-26, 2014

In 2013, the Great Sengu (major transfer of the deity to a new shrine building) was done at Izumo Taisha Shrine, for the first time in 60 years. Matsue Branch of the Bank of Japan estimated the tourist consumption in 2013 in Shimane Prefecture to be JPY25.8 billion. As for Matsue-city, the number of visitors to 9 main sightseeing facilities increased by 14%, during Golden Week (Japanese holiday season in early May) compared with previous year. However, we can't rest at ease. It was found that tourist visits are shifting to "matchmaking" places related to the legend of Izumo, from traditional facilities around Matsue Castle. We should not rely solely on attracting young ladies exploiting the recent history boom among them. We need to review the history of the city, and turn the existing resources into working tourist attractions. This study discussed how Matsue has developed as a tourist city in modern period.
著者
工藤 与志文
出版者
日本教授学習心理学会
雑誌
教授学習心理学研究 (ISSN:18800718)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.40-49, 2008-06

「誤前提課題」とは,学習材料の内容と矛盾する誤った前提にもとつく質問に対して答えるよう,学習者に求める形式の課題である。この課題に正答するためには,学習者は質問に直接答えるのではなく,質問の前提が誤りであることを指摘できなければならない。これまでいくつかの教授学習実験において,教授効果の評価のために,このタイプの課題が用いられている。本論文の目的は誤前提課題を用いた6つの研究の結果を概観することであった。検討の結果,誤前提課題は再生課題や転移課題よりも解決が困難であり,教授変数,特に知識の関連づけを促進する教授の効果を最も鋭敏に検出できることがわかった。上記のことから,(1)誤前提課題は,再生課題や転移課題とは異なる知識評価法として利用可能であること(2)誤前提課題に正答できた学習者は,獲得した知識を推論過程の制御に適用できる知識水準にあること(3)知識の制御的適用を促進するには,知識の相互関連性の教授が有効であることが示唆された。最後に,今後の研究や教育実践に与える寄与について論じられた。
著者
住本 勉 白鳥 靖人 飯塚 正明 国吉 繁一 工藤 一浩 田中 國昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.80, pp.19-23, 1996-05-28
被引用文献数
1

電荷移動錯体TMTSF-TCNQを形成する、テトラメチルテトラセレナフルバレン (TMTSF : ドナー性分子) とテトラシアノキノジメタン (TCNQ : アクセプタ性分子) を用いて、積層構造の電界効果 (FET) 素子を作製し、積層膜界面に形成される錯体層の導電率をゲート電圧により制御することを試みた。TMTSF/TCNQ積層型FET素子では、ゲート電圧を変化させるとソース・ドレイン間電流に変化が現れ、その相互コンダクタンスは、それぞれ1層のものよりも大きかった。また、積層させる順番を逆にすると、ソース・ドレイン間電流ー電圧特性のゲート電圧依存性も逆転した。この現象はドナー、アクセプタ系の電気伝導特性を反映したものである。
著者
椋木 香子 西田 幸代 鈴木 由美子 田岡 由美子 森川 敦子 工藤 道子 野崎 秀正 松野 仁英 松野 蓮香 松木 朋子
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、乳幼児期の道徳性の発達に即した幼児教育・保育のカリキュラムや指導方法のプログラムを保育現場と協働で開発することを目的としている。そのために研究期間において、乳幼児の道徳的認知発達に関わる諸要素を明らかにするとともに、海外の保育実践と比較して、我が国の社会的・文化的背景に即した道徳性育成について示唆を得ることを目的とした。1歳から5歳までの積み木遊びにおける遊びの発達と他者関係認識について調査した結果、幼児の道徳性は認識能力や身体能力の発達と関連があることが示唆された。また海外の実践事例との比較から、カリキュラムについての考え方の違いが指導方法に影響していることが示唆された。