著者
大庭 哲治 松中 亮治 中川 大 工藤 文也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1047-I_1056, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
9

厳しい経営状態にある地域鉄道を維持するにあたっては,むやみに運行費用の削減をするのではなく,事業者ごとに路線特性を考慮し,運行費用の適正化を目指すことが必要である.そこで本研究は,平成23年度に運行されていた日本全国の地域鉄道事業者を対象に,運行費用の相違が生じる要因を明らかにすることを目的として,運行費用と路線特性の関連性について分析した.その際,従来から作業量の指標として用いられている鉄道車両の走行距離に加え,時刻表に基づいて算出した鉄道車両の走行時間を新たに分析指標として加えた.その結果,線路保存費,電路保存費,車両保存費,運転費,運輸費の5費用項目において路線特性と運行費用の関連性について統計的に明らかにし,また鉄道車両の走行時間が運行費用を分析するにあたって有効であることを示した.
著者
芹田 透 工藤 宏幸 坂井 建雄
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.675-681, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
41

〔目的〕肩関節の臨床症状評価の一助とするため,肉眼解剖手法により棘下筋に分布する動脈を観察した.〔対象と方法〕解剖実習遺体17体19側の棘下筋に分布する動脈の走行および分布領域を調査した.〔結果〕棘下筋に分布する主な動脈は肩甲上動脈と肩甲回旋動脈で,どちらも筋の内面を走行していた.肩甲上動脈が,上肩甲横靱帯と肩甲切痕で形成されるトンネル内を走行して棘下筋に達する例もあった.2動脈の分布領域は標本により異なった.〔結語〕棘下筋に分布する動脈には,深層を走行し,トンネル内を通過するなど,圧迫を受けやすい特徴がみられた.また,動脈分布形態は多様であり,臨床症状の個人差への影響が示唆された.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
奥川 裕 / 工藤 恵理子
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.131-143, 2009-03-10

Previous studies have shown that people tend to overestimate the extent to which others can discern their internal states, such that liars tend to overestimate the detectability of their lies (e.g., Gilovich, Savitsky, & Medvec, 1998). In this study, we examined the effect of regulatory focus on the tendency to overestimate the detectability of lies. According to the regulatory focus theory (e.g., Higgins, 1998), prevention-focused people try to avoid failure. We hypothesized that the magnitude of the overestimation of detectability by liars increases when they are prevention-focused rather than promotion-focused. In the experiment, participants were randomly assigned to be an actor (liar) or an observer. Liars overestimated the detectability of their lies by observers and this tendency was more pronounced when liars were prevention-focused.
著者
隼野 寛史 宮腰 靖之 真野 修一 田村 亮一 工藤 秀明 帰山 雅秀
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.372-382, 2013 (Released:2013-05-31)
参考文献数
38
被引用文献数
1

1936~2007 年の網走湖産シラウオの漁獲量変動を調べた。シラウオは 1930 年代前半から網走湖に生息し,漁獲されるようになった。漁獲量は 1~94 トンの間で変動した。その変動には 1 年間隔の周期性が認められ,生活史に起因すると考えられた。漁期はじめの資源量は CPUE と稚魚密度により,36,763×103~487,590×103 個体と推定された。大規模な増水のあった年には降海が促され,不漁になる一方,翌年の親魚量は多くなった。親魚数と次世代資源の加入量には Ricker 型の再生関係が良く当てはまった。
著者
石野 正彦 長田 洋 工藤 司 五月女 健治 片岡 信弘
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.273-276, 2016 (Released:2016-11-30)

情報化社会でのIoT(Internet of Things)のイノベーションによって、産業界や消費者向け情報サービス分野において、さまざまなビジネスモデルの構築が可能になってきた。たとえば、物流、セキュリティ、安全性、自動検知、データ収集・分析などが容易となる。また、それらのビッグデータの活用や予測に役立てられる。現在登場しているIoTを活用した応用システムやビジネスモデルを分類し、代表的な事例を研究した。将来に向けてIoTを活用した新しいビジネスモデルによるイノベーションを考察する。
著者
由井 正敏 工藤 琢磨 藤岡 浩 柳谷 新一
出版者
岩手県立大学総合政策学会
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-9, 2001-07
被引用文献数
4

わが国のイヌワシの繁殖成功率は近年低下しており、その原因としてうっぺいした森林の増加が推測される。イヌワシは疎開地や森林内のギャップで狩りを行うため、うっぺいした森林は不適である。このため、秋田県田沢湖町のイヌワシ営巣地を囲む二次林地帯に1-2haの小規模疎開地6ヵ所を伐採造成し、非営巣期のイヌワシの採餌行動の変化を調査した。その結果、造成疎開地における採餌行動頻度は対照区に比べ有意に増加し、その有効性が確かめられた。
著者
工藤 浩
出版者
至文堂
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.20-30, 2006-02
著者
工藤 慎太郎 濱島 一樹 兼岩 淳平 小松 真一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CcOF1067, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】足部横アーチ(横アーチ)の低下は,中足骨頭部痛や外反母趾の発生機序と関係するため,その形態を捉えることは,臨床上重要である.横アーチの測定方法として,第1~5中足骨頭の距離を足長で除した横アーチ長率(TAL)が知られ,その妥当性が報告されている.しかし,その再現性については検討されていない.また,TALは静止立位で測定する.臨床上,静止立位において,横アーチが保持できているが,歩行や走行などの動的場面において,横アーチが保持できず,中足骨頭部痛などを惹起している例も存在する.つまり,従来のTALは横アーチの形態を捉えることができるが,その保持機能を捉えられない.我々は先行研究において,従来のTALに加えて,下腿最大前傾位(前傾位)でTALを測定し,その差から横アーチの保持機能を捉える方法を報告した.本研究では,従来のTALと共に,前傾位でのTALの測定方法の再現性を検討することを目的とした.【方法】対象は健常成人8名(男女各4名,平均年齢19.3±2.4歳)の右足とした.検者は経験年数15年目と2年目の理学療法士(検者A・B)および理学療法士養成校に就学中の学生(検者C)の3名とした.各検者には実験実施1週間前に測定方法を告知した.各被験者に対し,1施行で静止立位と前傾位でのTALを3回測定し,中央値を採用した.測定にはデジタルノギス(測定誤差±0.03mm)を用いた.1施行ごとに1時間休息し,3施行繰り返した.統計学的手法にはPASWstatistics18を用いて,級内相関係数(ICC)と標準誤差(SEM)を求めた.なお,検者内信頼性にはICC(1,k),検者間信頼性にはICC(2,k),測定結果の解釈にはShroutらの分類を用いた.【説明と同意】被験者には,本研究の趣旨を紙面と口頭で説明し,同意を得た.【結果】検者AのICC(1,k)は静止立位で0.82(SEM:0.67),前傾位で0.92(SEM:0.36)であった.検者BのICC(1,k)は静止立位で0.80(SEM:0.02),前傾位で0.79(SEM:0.02)であった.検者CのICC(1,k)は静止立位で0.75(SEM:0.03),前傾位で0.98(SEM:0.04)であった.静止立位でのICC(2,k)は0.75(SEM:0.13),前傾位でのICC(2,k)は0.81(SEM:0.03)であった.【考察】歩行や走行において,立脚終期で,前足部に荷重が加わると,横アーチは低下する.中足骨頭部痛や外反母趾などの前足部の障害において,横アーチの過剰な低下を認めることがあるため,横アーチの形態を捉えることは臨床上重要になる.本研究の結果から,従来のTALは3名の検者とも,Shroutらの分類でgood以上と,高い検者内・検者間信頼性を示している.よって,横アーチの測定方法としての従来のTALの信頼性は高いと考えられた.諸家により,内側縦アーチの測定方法であるアーチ高率や踵骨角,第一中足骨底屈角の再現性は,触診の難易度と密接な関係があることが報告されている.そのため,従来のTALで高い再現性が得られた原因は,中足骨頭の側面に軟部組織が比較的少なく,触診が容易であるためと考えられた.臨床においては,横アーチの形態を捉える方法として,レントゲン上での第1,5中足骨角の測定やフットプリントでの評価などが用いられることが多い.しかし,レントゲンでの評価は,理学療法の臨床場面で簡便に測定することは不可能である.またフットプリント上の評価は信頼性に関して検討がされているが,報告者によって見解が異なっている.すなわち,従来のTALは,他の測定方法と比較して,簡便かつ定量的な測定方法と考えられる.一方,臨床において静止立位では,横アーチが保持できている例でも,歩行動作などの場面では,横アーチが過剰に低下する例も経験する.我々は先行研究において,動作場面での横アーチの保持機能を測定するには,従来のTALでは不十分であり,前傾位でのTALと比較することが必要なことを報告した.本研究の結果から,従来の方法と同様に,前傾位でのTALも,高い検者内・検者間信頼性を示している.そのため,前傾位でのTALの測定も臨床において簡便かつ定量的な測定方法であり,両肢位でのTALの測定は,横アーチの形態と保持機能を評価し得る信頼性の高い測定方法と考えられた.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から,従来のTALと前傾位でのTALの測定方法の信頼性が証明され,横アーチ保持機能の簡便かつ定量的な測定が可能になると考えられた.つまり,有痛性足部障害の疼痛発生機序を捉える場合や,足底挿板療法を処方する際に,同方法は客観的な測定方法として有効になると考えられる.
著者
工藤 遥 田村 俊明
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.213, 2014 (Released:2014-07-04)

エオリアンハープとは、弦楽器の一種である。共鳴板とそこに張られた弦の間を風が通り抜けることによって音を発する仕組みになっている。様々な形態が見られるが、一般的には箱形の本体に弦が張られた琴のような形をしている。欧米では公園や公共施設に設置されていることが多いが、日本国内では目にできる場所は少なく、知名度も極めて低い。音に溢れた環境の中で時間に追われるようにして生活する現代に、エオリアンハープの音を通して風や自然を意識する暮らしを提案したいと考えた。そのため一般住宅の内に設置でき、風鈴のような気軽さで楽しめるプロダクトにすることを研究の目的として、最適な材質と構造を探った。
著者
工藤 由紀 伊藤 郁乃 新藤 直子 永井 英明 辻 哲也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.217-222, 2015 (Released:2015-10-07)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】最期までトイレで排泄を希望する患者は多くみられるが,トイレ歩行が行えた最終時期や影響因子についての報告は少ない.【方法】緩和ケア病棟で2010年1月~2011年12月に死亡退院した154名(中央値75.0±11.6歳)のがん患者について,死亡1カ月前・2週前・1週前のトイレ歩行の可否を後方視的に調査した.加えて6項目(①疼痛②呼吸苦③傾眠④せん妄⑤オピオイド投与⑥酸素吸入)の有無を調査し,トイレ歩行/非トイレ歩行の2群間で比較した.【結果】トイレ歩行症例は死亡1カ月前79名(51.3%),2週前54名(35.1%),1週前33名(21.4%)であった.傾眠・せん妄は非歩行群に,呼吸苦は歩行群に有意に高い頻度で認められた.【考察】がん終末期において①トイレ歩行の実態を示した②リハ介入の余地があると思われたが,意識障害の発現と労作時呼吸苦への対策が必要である.
著者
工藤 由理 中野 あずさ 佐藤 厚 今村 徹 佐藤 豊
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.463-468, 2005 (Released:2006-09-22)
参考文献数
12
被引用文献数
5 6

Recent authors reported a cerebellar contribution to cognitive functions such as executive function, personality, spatial cognition, language and memory. Middleton and Strick showed the neuroanatomical projection from the dentate nucleus to dorsolateral prefrontal cortex. Patients with cerebellar diseases were reported to have cognitive impairment in their neuropsychological assessments. The present patient with cerebellar hemorrhage showed disorder of executive function and memory disorder in his neuropsy-chological assessments. In his daily living, we found him to exhibit a distractible affection and disinhibition, which often disrupted the rehabilitation processes. A brain MRI showed no lesions in the bilateral frontal areas but SPECT showed a lower blood flow there. To approach these cases, we should recognize the existence of impaired higher brain function, and not only be mindful of motor deficits.
著者
工藤 晋平 淺田(平野) 慎太郎
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.140-162, 2017 (Released:2018-10-20)
参考文献数
158

This paper proposes a model explaining both the development and occurrence of delinquency and crime from the perspective of attachment theory. First of all, factors regarding the development of delinquency and crime are summarized, which includes attachment, and then their interactions especially at the onset of delinquency in adolescence are discussed. Then, the relationship between individual differences of attachment and offenses, such as sexual crime, violent crime, and drug abuse, are reviewed. It was concluded that each delinquent behavior connotes deviant forms of both attachment behaviors and attachment figures, that is, such actions relieved offenders from afraid, and in that sense, their actions were thought of as solutions, not problems. The Dual Circle Model of development and occurrence of delinquency and crime are presented as a contribution to the forensic field based on this information. Finally, a comparison with preexisting theories is discussed mainly regarding rehabilitation intervention. Future tasks and prospective studies are also suggested.