著者
酒向 治子 平田 麻里子 猪崎 弥生
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.164, pp.85-90, 2017

本研究では,岡山県内の教員歴が比較的少ない小学校教員を対象として,ダンス教育におけるジェンダー・イメージ(男らしさ/女らしさ),ダンスに対する態度(抵抗感と羞恥心[恥ずかしさ])に関する質問紙調査を行い,実状を把握することを試みた。その結果,①ジェンダー・バイアスについては未だ根強く残っており,特に「創作ダンス」が女性らしいと思われる傾向にあること,②抵抗感や羞恥心については,過半数が抵抗感や羞恥心を抱いていることが明らかとなった。今後さらなる調査研究を進め,長年ダンス教育で指摘されてきた小学校教員のダンス(表現運動)へのバイアスや負の意識のメカニズムを解明する必要性が浮き彫りとなった。
著者
酒向 治子 平田 麻里子 猪崎 弥生
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.166, pp.109-115, 2017

本研究では,地方都市A市内公立中学校保健体育科教員を対象として,ダンスのジェンダー・イメージ(男らしさ/女らしさ),ダンスに対する態度(抵抗感と羞恥心[恥ずかしさ])に関する質問紙調査を行い,実状を把握することを試みた。その結果,①ジェンダー・バイアスについては未だ根強く残っており,種目(領域)別にみると「創作ダンス」が女性らしいと思われる傾向にあることが明らかとなった。また,②抵抗感や羞恥心については,抵抗感や羞恥心ともに中立化の傾向を示したものの,未だ抵抗感や羞恥心を抱く教員が多いことが明らかとなった。
著者
平田 秀
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学准教授 小林 正人, 東京大学教授 林 徹, 東京大学教授 西村 義樹, 東京大学名誉教授 上野 善道, 日本女子大学教授 松森 晶子
著者
平田 晃己 嶺井 陽 南部 路治 佐久間 博明 池宮 秀一郎 新里 朋子 石原 綾乃 相澤 直輝 大屋 祐輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.A-98_2-A-98_2, 2019

<p>【背景および目的】</p><p>当院では, 心肺運動負荷試験(以下CPX)実施中に, 毎分ごと被験者が指さしでBorg scaleを表出し自覚的運動強度評価を確認する. 症例によっては運動と同時にBorg scaleを表出するというdual taskが困難な場合がある. 我々はCPX中のBorg scaleの確認が困難となる因子を検討した.</p><p> </p><p>【対象と方法】</p><p>当院にて2014年1月7日から2017年12月6日の期間に症候限界性CPXを実施した心大血管症例を対象とし, AT到達時にBorg scale確認の可否によって可能群(のべ206名, 男性163名, 女性43名, 55.5±14.5歳)と不可能群(のべ21名, 男性15名, 女性6名, 72.7±11.1歳)に分けた. はじめに2群間の基本情報(年齢, 性別, NYHA , BMI, β遮断薬の有無, CPX経験回数), ラボデータ(NT-proBNP , Hb , eGFR , Alb , Na , K , Cl , AST, ALT , CRP), 心エコー検査結果(LVEF, E/A), CPXデータ(Peak VO<sub>2</sub>/W, Peak P<sub>ET</sub> CO<sub>2</sub> , VE/VCO<sub>2</sub> Slope)に関して単変量解析を実施した. 次にBorg Scale確認の可否を従属変数, 各項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を実施し, 抽出された因子に対してROC解析を実施した. 統計解析ソフトはJMP Pro ver13(SAS)を用いて5%未満を有意水準とした.</p><p> </p><p>【結果】</p><p>可能群に対して不可能群では, 年齢が有意に高く(P<0.01), CPX経験回数が有意に少なかった(P<0.01). Peak VO<sub>2</sub>/Wは有意に低かった(P<0.01). ロジスティック回帰分析の結果, 年齢が独立因子として抽出された(単位OR:1.13 , 95%CI:1.06-1.20 , P<0.001). 年齢に対するROC解析の結果ではカットオフ値が73歳(AUC:0.84 , 感度:0.71 , 特異度:0.88)であった.</p><p> </p><p>【考察および結論】</p><p>dual taskは, 各課題に対する処理能力と適切な注意配分・分割が必要とされる. 不可能群は, 運動耐容能の低下を認めており, CPX中のペダリングに対する負担が強く, 一方のBorg Scale表出が困難になったと考える. CPX実施においてBorg確認を困難にさせる因子は年齢であり, そのカットオフ値は73歳であった. 73歳以上の症例で初めてCPXを実施する際には, 丁寧な説明と準備が必要と考える.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は琉球大学臨床研究倫理審査において承認されており(承認番号1078), 「ヘルシンキ宣言」及び「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を遵守して実施している. 研究の意義, 目的, 方法, および個人情報保護の手続きを院内に掲載し, オプトアウトできるよう環境を整え, 研究に対しては特に説明と同意は行っていない.</p>
著者
三原 俊彦 平田 幸正
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.965-973, 1978-11-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8

1958年に日本糖尿病学会が設立されたのを契機として, 全国各地の病院に糖尿病専門外来がつくられ, 糖尿病患者が長期にわたって管理を受けることができるようになった.1958年発足以来1976年まで18年間にわたって糖尿病患者の治療・管理を行っている糖尿病センターに通院している患者をみると, 糖尿病罹病期間の長いものが多数みられる.現在当センターを受診している糖尿病患者の実態を明らかにする目的で, 1976年1月1日より12月31日までの1年間に当センターを受診した糖尿病患者について一定の形式で問診, 診察, 諸検査を施行した.所定の調査項目の結果がすべて明らかとなった糖尿病患者1,629名の臨床像はつぎの通りであった.患者の男女比は1.23であり, 調査時年齢のピークは60歳代, 糖尿病推定発症年齢のピークは50歳であった.糖尿病推定発症より調査時までの推定罹病期間は, 従来の報告に比し長いものが多く, 10年以上の罹病歴をもつものが38.4%をしめた.糖尿病の家族歴を有するものは39.3%にみられ, 従来の報告に比し高い頻度を示した.糖尿病罹病歴の長いものが多かったこともあり, 糖尿病性合併症の頻度も高く, 糖尿病性神経障害、網膜症, 蛋白尿の頻度は, それぞれ, 53.0%, 39.4%, 33.5%であった.今後ますます糖尿病性合併症を有する糖尿病歴の長い患者の割合が増加してくることが予想される.
著者
柏木 貴雄 稲垣 忠洋 来住 稔 日下 聡 鈴木 琢真 平田 珠希 岩井 正秀 吉岡 直樹 三橋 隆夫 山村 博平
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.2045-2047, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

症例は73歳,男性.昼食で自家栽培していた椎茸,人参,ゴボウ等の煮物を食べ,興奮,幻視,瞳孔散大等の抗コリン症状を認めた.同じ食事をした妻と長女も軽度興奮,口周囲の痺れ等の症状を認めたことより食中毒による抗コリン症状と考えた.経過観察にて翌日には症状は軽快した.患者と妻の血清,調理残品,原材料からアトロピン,スコポラミンを検出し,ゴボウとチョウセンアサガオの根との誤食によるチョウセンアサガオ食中毒と診断した.
著者
武田 伸一 平田 彰
出版者
医学書院
雑誌
臨床検査 (ISSN:04851420)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.467-478, 2002-05-15

筋ジストロフィーの分野では,分子遺伝学の発展をもとに原因遺伝子とその産物の解明が進んでいる.原因遺伝子の解明は,各病型の診断を確実にしたばかりでなく,従来,用いられてきた遺伝形式と臨床症状に基づいた病型の分類に対して,ジストロフィノパチー,サルコグリカノパチー,ジスフェルリノパチー,カルパイノパチーなどの原因遺伝子に基づく新しい疾患概念の提唱に結び付いた.今後は分子病態の理解を背景に根治的治療法の開発が求められている.
著者
梅澤 章乃 竹川 佳成 平田 圭二
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-44, no.25, pp.1-5, 2017-05-25

対面コミュニケーションにおいて,人は対話者の顔の特徴から対話者の性格を推測するといったように,顔は人の印象を決める重要なパーツである.また,対話者の顔の印象が好ましいほど,対話者に対して親近感が湧く傾向があるということも知られている.自分自身の顔そのものを変えることができれば,他者に与える装着者自身の印象や雰囲気をより柔軟により強力に操作できると考えられる.そこで本研究では,ユーザの顔をアバタの顔に変えられる仮面型ディスプレイ e2 - Mask の提案を目的とする.
著者
平田 成
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.64, 2003

月のクレーターTychoおよびKingについて,そのimpact meltの分布を画像から解析し,クレーター形成のメカニズムについて考察する
著者
柴田 しおり 柴田 真志 片山 恵 吉岡 隆之 平田 雅子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.5_43-5_53, 2000-12-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
32

本研究の目的は起き上がり援助法の違いが看護者の生体負担に及ぼす影響を検討することであった。12名の女子大学生を被検者とした。被検者は2つの異なる方法の起き上がり援助を行った。ひとつは一般的にこれまで用いられてきた方法(A法)であり,もうひとつは力学的根拠に基づいて開発された方法(B法)であった。 起き上がり援助実施時に,酸素摂取量(VO2),心拍数および筋電図(左僧幅筋,左右上腕二頭筋,左大腿直筋および左脊柱起立筋)を測定し生体負担の指標とした。 VO2および心拍数はA法の方がB法より有意に高かった。A法の右上腕二頭筋および脊柱起立筋の筋電図積分値(iEMG)はB法より有意に高く,一方大腿直筋のiEMGはA法が低値を示した。これらの結果は,B法の方がA法に比べ看護者の生体負担が低いことを示唆している。これは下肢の使用の仕方が大きく影響していると考えられた。
著者
大野 勇輝 新口 昇 平田 勝弘 森元 瑛樹
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-28, 2015 (Released:2015-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

We propose a novel magnetic gear with a high torque density and a huge gear ratio despite the small number of magnet poles. This magnetic gear combines a magnetic flux harmonics gear with a magnetic paradox planetary gear by replacing all planetary gears with steel pole pieces. Its structure and operating principle are described, and the effectiveness of the proposed gear is verified by 3-D finite element analysis.
著者
大久保 美保 安東 大輔 鶴崎 俊哉 志谷 佳久 上野 尚子 永瀬 慎介 濱本 寿治 平田 恭子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0877, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】臨床において、中枢神経疾患による筋緊張の異常は姿勢や動作による影響を受けやすく、日常生活動作や随意運動を遂行する上での障害となることが多い。また、程度も多様で個人差も大きく、各個人の動作時の筋緊張を客観的に評価する必要がある。先行研究では、Wavelet変換を用いて1)関節トルクを筋電信号から推定することができること、2)関節トルクの推定式から屈筋のトルクと伸筋のトルクとに分けることができること、3)これらの推定が同時収縮の場合と漸増抵抗の場合のいずれでも成り立つことの3点が示唆されている。本研究では片麻痺患者に肘関節の屈曲、伸展方向への等尺性収縮を行わせ、前腕に生じる力を計測し表面筋電からの実際の関節トルク値と先行研究のトルクの推定式との値を比較・分析し、運動の効率性を定量的に評価できる可能性の有無や、臨床での有効性を検討することを目的とした。【対象と方法】対象は片麻痺患者5名(男性3名、女性2名、平均年齢62.8±3.4歳)で、上肢のBrunnstrom stage(以下stage)が3~4(stage3が3名、stage4が2名)であった。対象者を背臥位にて患側の肩関節内・外転0度、肘関節90度屈曲、前腕90度回外位にて前腕をロードセル(以下LC)に固定し、肘関節屈筋群と肘関節伸筋群から表面筋電信号(以下SEMG)を導出した。SEMGおよびLC信号は筋電信号計測装置を経由してPCに取り込んだ。導出条件は1:安静後、2:麻痺側上肢ストレッチ後、3:非麻痺側肘関節最大随意収縮後の3条件で、漸増屈曲を5秒間かけて行い、その後、漸増伸展を5秒間かけて行った。力の強さは任意とした。SEMGとLC信号において、各条件ごとに(1)漸増屈曲(2)漸増伸展のそれぞれ5秒間を任意に抽出して0.5秒ずつに区切り10箇所の信号を分析信号とした。このSEMGからwavelet変換を用いて0.5秒間のエネルギー密度の総和(以下TPw)を算出した。LC信号より求めた関節トルクと屈筋群および伸筋群のTPwから対象者毎に回帰式を求め、関節トルクの予測値を算出し、実測値との相関を求めた。【結果】stage3の人では3例とも安静後は相関が得られた(p<.0001)。抵抗運動後はトルクの屈曲相、伸展相の2相性がみられず相関も低かった。Stage4の人では2例とも各条件下で相関が得られた(p<.0001)。各条件下での屈筋と伸筋の最大値を比較すると、屈筋において一方は抵抗運動後、他方はストレッチ後に最大値をとっていた。伸筋においては、一方はストレッチ後、他方は安静後に最大値をとっていた。【考察】stage4では関節トルクの実測値と推定値に強い相関があり、運動の効率性を定量的に評価できる可能性が示唆された。Stage3では静止時の筋緊張の状態や、与えられた環境因子に左右されやすいことが伺え、今後、これらの情報を加味して再検討することが必要であると考えられた。
著者
加藤 健一 平田 健太郎 水野 貴志 山田 晃平
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.9, pp.631, 2009

本発表では,曲芸師,海老一染之助師匠演じる伝統芸能太神楽のひとつ,「くわえ撥(バチ)」を模擬した大道芸ロボット"SOMENOSUKE"の開発結果について述べる."SOMENOSUKE"は,撥に見立てた水平方向に回転するアームと,アーム上に取り付けられた目の役割を果たすUSBカメラで主に構成され,急須や毬に相当するブロックの増積に対してロバストな安定化を図ることが目的である.ここでは,ブロックの個数に応じたモデルの不確かさとカメラの画像処理に関するむだ時間を考慮するため,サンプル値H∞制御系を設計することでその安定化を達成した.動画を用いてこの様子は紹介する予定である.
著者
平田 和彦 伊藤 義広 安達 伸生 木村 浩彰 越智 光夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ca0233, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 膝関節軟骨損傷は,しばしばスポーツによって発生し,膝関節の疼痛や機能障害を引き起こす.関節軟骨は自己修復能力が低く,関節軟骨損傷は保存的治療のみでは修復困難であり,徐々に増悪し,変形性膝関節症に移行する.そのため近年,軟骨損傷に対し,外科的治療法が選択されている.軟骨損傷に対する外科的治療として,マイクロフラクチャー(MF)や骨軟骨柱移植(OAT),自家培養軟骨移植(ACI)などが選択され,術後の膝関節機能について多くの報告がある.しかし,患者にとって最も重要と思われる術後のスポーツ復帰状況に焦点を当てた報告は少ない.今回,当院で軟骨修復術を受けた患者のスポーツ復帰状況を調査したので報告する.【方法】 2004年8月から2008年9月までに膝関節軟骨損傷と診断され,当院で外科的手術をうけた患者を対象とした.術前・術後2年でフォロー可能であった33患者のデータを収集した.患者の内訳はMF11名(男性9名,女性2名,平均年齢31.4±16.9歳),OAT9名(男性7名,女性2名,平均年齢33±18.1歳),ACI13名(男性8名,女性5名,平均年齢30.0±9.6歳)だった. 臨床データは,膝機能評価として術前と術後2年のLysholm socreを測定した.活動レベルの評価は,Tegner activity scoreを使用し,受傷前と術前,術後2年で評価した.また,術式毎のスポーツ復帰率とスポーツ復帰までの期間を評価した.統計学的解析として, Lysholm scoreの経時的変化の比較には対応のあるt検定を用いた(P<0.05を有意).Tegner activity scoreの経時的変化の比較には,Bonferroni補正法によるt検定を用い,P<0.017=0.05/3を有意とした.統計解析にはPASW statistics ver.18(SPSS Japan,日本)を使用した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究では,世界医師会による「ヘルシンキ宣言」及び厚生労働省「臨床研究に関する倫理指針」を遵守し行った.また,本研究に参加するにあたり研究の趣旨について十分な説明を行い,同意が得られた症例を対象とした.【結果】 Lyholm Scoreは,MF(術前76.4±18.5点,術後2年97.2±4.1点),OAT(術前56.1±18.5点,術後2年94.7±10.7点),ACI(術前61.3±20.4点,術後2年92.5±8.75点) と3つの術式ともに術前と比較して術後2年で有意に高かった(P<0.05). Tegner activity scoreにおいては,MF(受傷前7.7±2.5点,術前3.9±4.7点,術後2年8.0±1.8点),OAT(受傷前6.4±2.4点,術前1.1±2.4点,術後2年5.7±2.4点), ACI(受傷前7.3点±1.5点,術前1.3±2.5点,術後2年5.9±2.0点)だった.すべての術式で受傷前と術前,術前と術後2年の間に有意な差を認めた(P<0.017).ACIのみ受傷前と術後2年の間に有意な差を認めた(P<0.017).スポーツ復帰率は,MF81.8%,OAT77.8%,ACI61.5%であった.スポーツ復帰までの期間は,MF6.9±3.4ヶ月,OAT12.9±8.1ヶ月,ACI18.9±7.4ヶ月であった.【考察】 今回の結果では,膝機能はMF,OAT,ACIで術後に同程度の改善がみられた.しかし,スポーツ活動レベルでは,ACIで術後2年の時点で術前レベルまで回復が見られていなかった。軟骨修復術後のスポーツ復帰は,手術侵襲の大きさや修復軟骨の成熟過程に基づいて計画される.ACIはOATやMFよりも手術侵襲が大きく,修復軟骨の成熟に長期間を要すため,スポーツ復帰に時間がかかる。Mithoeferらは,術後活動制限が長い程,スポーツ復帰に時間がかかると述べている.したがって、早期スポーツ復帰を目標とするアスリートにとっては,MFは有利である.しかし,理論上ACIは,修復軟骨の長期的な耐久性に関してMFやOATより優位でありより長期間のスポーツ活動を希望する場合,ACIは良い適応である.今回の結果より,軟骨修復術の選択はスポーツ復帰時期やスポーツレベル,さらに長期的な予後を考慮し,患者の希望と照らし合わせて行われるべきである.【理学療法学研究としての意義】 軟骨損傷を受傷したスポーツ選手にとって,手術後にスポーツ復帰が可能かどうかは,治療を選択する上で最も重要な情報である.さらに,スポーツ復帰に関する情報は,今後軟骨損傷リハビリテーションプログラムを発展させていく上での基盤となる.