著者
堀江 淳一 鈴木 圭輔 中村 利生 岡村 穏 岩崎 晶夫 平田 幸一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.174-179, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1

症例は基礎疾患のない26歳男性.視覚異常に続く痙攣,意識障害の14日後に頭痛,発熱が出現した.頭部MRIでは左帯状回の信号異常をみとめた.髄液検査では単核球優位の細胞増多をみとめ髄液human herpes virus (HHV)-6 PCR陽性からHHV-6脳炎,症候性てんかんと診断した.臨床症状はアシクロビル投与により速やかに改善した.3ヶ月後体幹,上下肢に異常感覚が出現し,多発性深部白質病変,中小脳脚病変,頸髄病変を認めたがステロイドパルス療法により改善した.てんかんで初発し,急性散在性脳脊髄炎の併発をみとめたHHV-6脳炎を経験した.免疫能正常成人の原因不明の脳炎の鑑別としてHHV-6脳炎を考慮する必要がある.
著者
平田,規子
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 : shoyakugaku zasshi : the Japanese journal of pharmacognosy
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, 2008-08-20

On the basis of a literature search on classical Chinese herbal and medicinal books and recent Chinese medical and pharmaceutical journals, I selected several crude drugs which have been used for the treatment of alopecia, thermal burn, benign prostatic hyperplasia, tonics, and dandruff prevention. Testosterone 5α-reductase inhibitory activity of the selected crude drugs and other randomly selected crude drugs was assayed to find novel agents for treatment of androgenic alopecia. The ethanolic solutions of Schisandra chinensis BAlLLON (五味子), Spatholobus suberectus DUNN (鶏血藤), Polygonum bistorta L. (拳参), Lygodium japonicum (THUBN.) Sw. (海金砂), Psoralea corylifolia L. (補骨脂), Myrica rubra SIEB. et ZUCC. (揚梅皮), Cornus officinalis SIEB. et ZUCC. (山茱萸), and Paeonia suffruticosa ANDR. (牡丹皮) showed strong inhibition of the enzyme activity.
著者
松浦由生子 石川大樹 大野拓也 堀之内達郎 前田慎太郎 谷川直昭 福原大祐 鈴木千夏 中山博喜 江崎晃司 齋藤暢 大嶺尚世 平田裕也 内田陽介 佐藤翔平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【目的】近年,膝前十字靭帯(ACL)再建術後の再断裂例や反対側損傷例に関する報告が増えている。我々もサッカー選手において反対側損傷率が高いことを報告したが(谷川ら,2012),その詳細については未だ不明な点が多かった。そこで本研究ではACL再建術後に反対側ACL損傷を来たしたサッカー選手の詳細を検討し,その特徴を報告することを目的とした。【方法】対象は2003年1月から2012年10月までに当院にて初回ACL再建術を行い,術後1年以上経過観察しえたスポーツ選手612例(サッカー選手:187例,その他の競技選手:425例)とし,それぞれの反対側損傷率を比較した。さらに,サッカー選手187例を片側ACL損傷173例(男性151名,女性22名:片側群)とACL再建術後に反対側ACL損傷を来たした14例(男性11名,女性3名:両側群)に分けて,片側群と両側群の比較を行った。検討項目は,①初回受傷時年齢,②初回受傷側,③競技レベル,④競技復帰時期,⑤術後12ヶ月のKT-2000による脛骨前方移動量の患健差(以下,KT患健差),⑥術後12ヶ月の180°/s,60°/s各々の膝伸展・屈曲筋力の患健比(%)とした。なお競技レベルはTegner Activity Score(TAS)にて評価し,筋力測定には,等速性筋力測定器Ariel(DYNAMICS社)を使用した。また,両側群(14例)を対象として初回受傷時と反対側受傷時の受傷機転の比較を行った。項目は①コンタクト損傷orノンコンタクト損傷,②オフェンスorディフェンス,③相手ありorなし,④ボールありorなしとした。なお,相手に合わせてプレーをしていた際を「相手あり」とし,相手に合わせず単独でプレーをしていた際を「相手なし」とした。統計学的分析にはSPSS Ver.20.0(IBM社)を使用した。サッカーとその他の競技の反対側損傷率の差,片側群と両側群の初回損傷側の比較にはχ2乗検定を用い,その他の項目はWilcoxonの順位和検定を用いて比較した。さらに両側群の初回受傷時と反対側受傷時の受傷機転の比較にはMcNemar検定を用いた。有意水準5%未満を有意とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者に本研究の趣旨を説明し,書面にて同意を得た。また当院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】反対側ACL損傷率はサッカー選手7.49%(14例),その他の競技選手3.29%(14例)であり,サッカー選手が有意に高かった(p=0.02)。片側群と両側群の比較において,初回受傷時年齢は片側群28.5±9.5歳,両側群26.7±8.7歳(p=0.32)であった。初回受傷側に関しては,右下肢受傷が片側群49.2%,両側群64.3%で2群間に有意差を認めなかった(p=0.82)。TASは片側群7.5±1.0,両側群7.9±1.1(p=0.12),競技復帰時期は片側群9.3±2.0ヶ月,両側群9.6±2.0ヶ月(p=0.56),KT患健差は片側群0.0±1.2mm,両側群0.5±0.8mm(p=0.14)であった。膝筋力の患健比は180°/sでの伸展筋力が片側群87.2±15.3%,両側群86.4±10.0%(p=0.62),屈曲筋力が片側群88.2±18.9%,両側群87.8±14.8%(p=0.56),60°/sでの伸展筋力が片側群84.4±19.5%,両側群86.6±10.8%(p=0.98),屈曲筋力が片側群86.6±18.2%,両側群91.6±11.5%(p=0.32)でありいずれも有意差を認めなかった。両側群の受傷機転において,初回受傷時では相手あり4名,相手なし10名であったのに対し,反対側受傷時で相手あり11名,相手なし3名であり有意差を認めた(p=0.02)。その他の項目に関しては有意差を認めなかった。【考察】本研究においてサッカー選手がその他の競技選手と比較し,有意に反対側損傷率が高いことが示された。多種目の選手を対象とした先行研究での反対側ACL損傷率は約5%と報告されているが,本研究でのサッカー選手の反対側損傷率は7.49%であり,やや高い傾向にあった。両側群の受傷機転に関しては,初回損傷時よりも反対側損傷時の方が,相手がいる中での損傷が有意に多かった。サッカーは両下肢ともに軸足としての機能が要求される競技であるため,初回再建術後に軸足としての機能が回復していないと予測困難な相手の動作への対応を強いられた際に,反対側損傷を起こす可能性が高まるのではないかと推察した。以上のことから,サッカー選手に対しては初回ACL再建術後に対人プレーを意識した予防トレーニングを取り入れ,軸足としての機能回復や予測困難な相手の動きに対応できるagility能力を高めておくことが反対側ACL損傷予防には重要であると考えた。【理学療法学研究としての意義】本研究では,サッカー競技におけるACL再建術後の反対側ACL損傷は対人プレーでの受傷が多いという新しい知見が得られた。サッカーに限らず,反対側ACL損傷率を減少させるためには,スポーツ競技別に競技特性や受傷機転などを考慮した予防トレーニングを行っていくことが重要であると考える。
著者
三原 俊彦 平田 幸正
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.479-484, 1979

糖尿病患者の代表的な糖尿病性合併症とされている神経障害, 網膜症, 腎症 (蛋白尿) をどのような組み合わせで有しているかという点に関して, その実体を明らかにする目的で本調査を行った. 対象は, 1976年1月1日より1976年12月31月までの1年間に東京女子医科大学糖尿病センターを受診した1,191名の糖尿病患者である. 神経障害, 網膜症, 蛋白尿の有無による組み合わせよりI型-VIII型の合併症分類型を設定した. すなわち, I型はいずれの合併症も有しないもの, II型は神経障害のみを有するもの, III型は神経障害と網膜症を有するもの, IV型は神経障害, 網膜症, 蛋白尿のすべてを有するもの, V型は蛋白尿のみ有するもの, VI型は神経障害と蛋白尿を有するもの, 孤型は網膜症のみを有するもの, 粗型は網膜症と蛋白尿を有するものである。合併症分類型別頻度は, I型17.8%, II型16.4%, III型18.5%, Iv型15.7%, V型9.5%, VI型8.1%, 顎型10.0%, VIII型40%であり, I型, II型, III型, IV型の頻度が高かった.糖尿病罹病期間と合併症分類型との間には密切な関連がみられ, 罹病期間の短いものでは, I型, II型, V型が多く, 罹病期間の長いものではIII型, Iv型が増加した. しかし, VI型, VII型, VIII型においては, 糖尿病罹病期間の長短と頻度との間に密切な関係はみられなかった. 調査時年齢, 初診時朝食前血糖値と合併症分類型との間には著明な関連はなかったが, Iv型, VIII型において高血圧の頻度が高かった.
著者
平田 晃
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.22-26, 2003-11-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
正保 正惠 田丸 尚美 平田 道憲 今川 真治
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.130, 2010

<B>【目的】</B>2008年度の福山市保健所3歳児健診時のアンケートより、育児不安の高低と育児リフレッシュとの関連等がみられた。本研究は,福山市において,このような育児ストレス・不安をもつ親たちのために、実験的に母親同士のコミュニケーションとリフレッシュ、母子分離体験とを同時に得ることができるオリジナルのプログラムを設計し、効果を検討することを目的とする。<BR><B>【方法】</B>(1)アンケート結果に基づき、プログラムを設計、実施。(2)その際、_丸1_毎回の振り返りをKJ法で分析。_丸2_全8回のうち第1回目に2009年度版と同様のアンケート調査を行い、最終回にもう一度同じ内容のものを実施し、その変化を見る。_丸3_最終回にインタビュー調査を実施し、内的な変化を聴きとる。<BR><B>【結果】</B>(1)全8回のうち、最初の2回はアンケート結果に基づく講義や自己紹介、参加者中心プログラムについての理解、続く5回は、短い講話のあと2人が各自自由にリフレッシュタイムを取り、残った3人の親で5人の子どもを見守り、最終回にアンケート等を実施。(2)KJ法の分類では、講話よりもリフレッシュに対する感想が多く、貴重な体験であったとの記述があった。(3)_丸1_育児不安値が2008年度の中央値よりも高い母親が多く参加していた。_丸2_プレ・ポストの結果の得られた母親8名のうち、比較的高かった4名の育児不安値が下がり、低かった4名が上がるという結果になった。_丸3_個別にみると母子分離体験がうまくいき母子ともに自信を持った親子と、逆に参加によるタイムプレッシャなどの負担増や分離場面で問題が顕在化した親子が出てきた。_丸4_インタビューでは、ほぼ全員から育児の大変さが語られ、プログラムには肯定的であったが個性に配慮した改良が必要である。
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84(2004-MUS-056), pp.21-26, 2004-08-02

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感 (groove) は,その違いにより楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つであると言える.しかし,これまでグルーブ感と実際のドラムの発音時刻及び音量の関連については調べられてはこなかった.本研究では,プロのドラム奏者による 8 ビートと 16 ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を出した演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べる.グルーブ感の違いは,実際の発音時刻や音量からも読み取ることが出来た.
著者
樋口 健治 高橋 秀年 平田 利英
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.609-616, 1963

<B>目的</B><BR> 1) サンプルカードによるローラカードの伝達関数の決定.<BR>2) ローラカードを閉ループで制御する際の最適調整条件の検討.<BR><B>方法</B><BR>1) 系の骨格は過渡応答法によって推測し, その時定数はフィードローラの回転を周期的に停転することによって長方形波入力を作り, その出力の分散より求める.<BR>2) ウエブむらが定常不規則でガウシャンノイズとした時の制御装置の最適調整値を求める. <BR><B>成果</B><BR> 1) ローラカードの伝達関数は, むだ時間をもつ1次比例系となった.<BR>2) ローラカードのように大きなむだ時間を持つ系にはPID制御がもっともよい.<BR>3) PD制御はP制御やPI制御よりむしろよい制御をする.
著者
平田 健 加藤 智栄 八木 隆治 林 雅太郎 河野 和明 瀬山 厚司 久我 貴之
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.805-809, 2005-04-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
12

目的)手術切開創の創傷処置に閉鎖環境,消毒不要などの概念が導入され創傷処置が変わりつつある.当科ではフィルムドレッシングを導入し,従来のガーゼ処置と比較検討した.方法)胸腹部待機手術症例を対象とし,フィルム群 (F群)とガーゼ群 (G群)へ最小化法により振り分け,前向き研究を行った. F群では縫合直後にフィルムドレッシング材を貼付し抜糸まで交換せず経過観察した.創感染,コストなどについて検討した.結果) F群49症例,G群51症例.手術部位,手術時間,切開創の長さ,抜糸までの日数には差はなかった.切開創感染はF群で3例 (6.1%), G群で2例 (3.9%) で差はなかった (p=0.92). コストはF群 (255円)で, G群 (605円)に比し有意に低かった (p<0.001). 結論)フィルムドレッシングは切開創の管理,観察が容易で,創感染を増加せず,低コストであり,従来のカーゼ処置より有効であった.
著者
小池 良典 平田 泰久 小菅 一弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp._1A2-D18_1-_1A2-D18_2, 2009
被引用文献数
1

In this research, we develop a Passive Dance partner Robot (PDR) for realizing the effective human-robot cooperation. Different from the active-type robot with servo motors, passive robot is controlled by the servo brakes attached to the wheels of the robot and its driving force is the actual force/moment applied by a human. In this paper, we propose a motion control algorithm of the PDR for realizing the ballroom dance with a male dancer based on the estimation of the next dance step intended by him.
著者
平田 兼一
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.39-48, 1987-07-01
著者
村尾 佳紀 サラザル ホセ 平田 泰久
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1P2-K07, 2017

<p>We propose a novel method for motion guidance by creating a motion direction by using multiple vibration stimulations. In order to create the motion direction, we utilize a vibratactile illusion called Phantom Sensation. In this method, moving vibration stimulation on the user's skin, which is generated by controlled the position of Phantom Sensation, creates the motion direction. In this paper, we guide the user's wrist to the desired position using our proposal method. We control the produced direction and transmission time by the relationship between current position and desired position. We recognize that they can arrive at a desired position to move their wrist obeying the produced direction.</p>
著者
栗原 剛 平田 輝満 髙田 陽介 林 泰三 三崎 秀信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_915-I_922, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
7

2010年10月に羽田空港が国際化したことで,首都圏西部からの海外へのアクセス性向上や深夜早朝定期便の運航などによる旅行オプションの増加に寄与していると考えられる.そこで本研究は,羽田空港の国際化前後における国際線航空旅客の流動等への影響と効果について,独自のアンケート調査を実施し,空港の選択理由や国際化前後の同一個人の行動変化等について実態分析を行った.その結果,空港選択理由から首都圏居住者の空港アクセスの利便性が高く評価されていたほか,地方空港から羽田での乗換が便利になったことから,地方居住者にとっても利便性が向上したことが分かった.また,羽田空港へのアクセス性向上や発着時間帯の拡充等により,新たな海外旅行行程の選択肢が広がることにより,旅行需要が誘発された可能性が示された.