著者
山崎 浩 矢沢 久豊 平田 雄志
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.30-36, 1998-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
9
被引用文献数
6 9

ジャケット付き撹拌晶析槽の内壁面に予め形成した氷層から氷晶を成長させることによってのみ溶液が濃縮される新しい凍結濃縮法 (アイスライニング法) を開発した.セファロスポリンCNa溶液の凍結過程について濃縮液の濃度と液量を測定することにより, 本法はアイスライニングを使用しない単純凍結と比較して高濃縮液の回収に極めて優れていることが明らかになった.溶質の見かけの分配係数は, 濃縮液の溶質濃度に対する氷の溶質濃度の比として定義した.実験の結果, 分配係数は, 供給液濃度が低い場合, ブライン温度と供給液の氷点が小さい場合, また, 撹拌速度が大きい場合に減少した。さらに, 本法は, 蒸発濃縮法と比較して濃縮液中の溶質の劣化がほとんどないことが確認された.
著者
柳生 和男 平田 哲彦 小林 智 森藤 素良
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.18, pp.83-90, 1987-03-05

双方向CATV (Cable Television)技術をベースに、データ、音声、画像など多様な情報(メディア)を伝送できるマルチメディア・ブロードバンドLAN技術を開発した。このとき開発した技術の1つとして、テレビ1チャネル分の帯域(6MHz)を使って2Mbpsのディジタルデータを伝送でき、CSMA/CDでパケット交換できるサブネットワークがある。このサブネットワークをWS(Work Station)のLANに適用するに際し、下記の技術課題を解決した。(1)低コストを実現するため、コンパクトなLAN通信制御プロセッサを開発した。このプロセッサには、OSIのトランスポート層まで実装した。(2)高周波帯域での信号の衝突をより確実にするため、レベル調整器法及びケーブルキット方式を開発した。本方式により、任意のWSは、他のどのWSからの信号もほぼ同一のレベルで受信することができる。To meet the increasing needs of multi-media communication in local area, CATV (Cable Television) network has enhanced to transmit variable forms of information, including data, voice and image. One of the TV channel bandwidth (6MHz) is made available to provide the packet switched high speed (2Mbps) data subnetwork, in which access method CSMA/CD is used. The subnetwork is applied to the work station communication and has the following technical characteristics. (1) Low cost : compact board-type network communication access processor (NCA) has been developed to insert into the slot of the work station. Protocol up to OSI transport layer has been implemented in the processor. (2) Confirmed collision detection : high frequence signal level adjusting equipment and standardized set (cable-kit) of work station connector cables have been developed to meet this objective.
著者
西山 潤平 木下 伸一 和田 佳朗 桑田 成雄 平田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.479, pp.143-146, 2009-03-04
参考文献数
7

有人宇宙活動が進められる一方で,宇宙環境下における生命活動維持の中核を担う自律神経系機能に関しては未知な部分が多く残されている.本研究では,過重力負荷に伴う自律神経系反応を,その他覚的指標として有効性が確認されている瞳孔フラッシュ応答を指標として評価した.実験には,遠心加速度付加装置を用い,座位姿勢で体軸下方向に最大3Gを定常的に負荷し,過重力負荷中の交感,副交感神経系活動の変化を評価した.自律神経系活動を2名の被験者で評価した結果,1名の被験者では1Gと過重力負荷との間に有意な差が認められ,交感・副交感神経活動ともに亢進していたことを示す結果を得た.
著者
加藤 暁生 平田 八郎
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.75-80, 1990-04-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1) ナマコ (アカナマコ) の活動日周性を調べるために, ナマコの底面縁周性を活用した移動記録装置を作成した。2) ナマコの活動速度は低温区 (12~17℃) で平均49.6±2.8m・d-1と活発であったが, 高温区 (18~25℃) では平均21.6±6.3m・d-1と不活発であった。なお, 最高活動速度は16℃区の52.3m・d-1であった。3) ナマコのリズムパターンは, 水温12~17℃では双峰型 (日中54%: 夜間46%) を, また, 水温18~25℃では単峰型 (昼間12%: 夜間88%) を示す傾向が伺えた。4) そのように異なるリズムパターンの発現は, 代謝量の増減に伴う摂餌時間帯の増減によるものと推察した。
著者
小澤 洋一 芥川 恵造 柳澤 和宏 平田 靖
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.219-225, 2004 (Released:2007-05-28)
参考文献数
8
被引用文献数
4 12

Environment protection is and will be the most important aspect of the tire development. A study of tire's life cycle assessment (LCA) was conducted under Japan Rubber Manufacturers Association, and revealed that the usage stage accounts for more than 85% of total CO2 emission in an entire life cycle of a common tire. From this standpoint, reduction of rolling resistance (RR) is the most important requirement, followed by extension of service life, which contributes to all other stages. Following the development of silica-filled tread compound, further reduction of hysteresis loss had been achieved by development of new materials for silica system, such as dispersion additive and novel modified polymers. In addition, recent implementation of non-linear viscoelastic properties in the Finite Element Analysis has greatly improved the precision of tire RR prediction. This will allow efficient application of low hysteresis materials in tire design.
著者
平田 鷹志 山崎 亘 カヤオ クリスチャンデウス 吉川 雅博 池田 篤俊 高松 淳 小笠原 司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._2P1-E03_1-_2P1-E03_3, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)

Recently, cleaning robots are becoming widely used. However, even if commercially-available cleaning robots can collect dust and small debris on the floor, they can not pick up trash such as PET bottles, cans, etc. We developed a cleaning robot intended for picking trash while dust collecting. This paper describes the architecture of the cleaning robot consisting of hardware such as an RGB-D sensor, a robot arm and a commercially-available cleaning robot, and also software for trash picking such as searching trash from RGB-D image, picking the trash via the robot arm and controlling the cleaning robot. We used commercially-available hardware and open source software such as Robot Operating System (ROS), Point Cloud Libraly (PCL) and so on.
著者
平田 なつひ 伊藤 正江 坪内 美穂子 龍 祐吉 柵木 嘉和 三矢 誠 河合 清
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.147, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 愛知県の三河湾は、豊富な海産物が多くとれる。特に愛知県一色町は、えびせんべいの生産量が日本一といわれている。えびせんべいの歴史は古く明治中期頃から食べられるようになったといわれている。最初は、中国製のえびせんべいの原料として製造されていたのが始まりといわれており、天むすと呼ばれそれが元祖であるようだ。本研究では、地域の小学生を対象にして手焼きせんべい作りの体験学習を行った。体験を通して、地場産業であるえびせんべいの理解とその加工や流通等の食に関する理解を深めることを主な目的として行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 愛知県一色町の小学生を対象に、平成元年から開始した。(平成14年~16年の3年間については、文部科学省の研究開発学校として生活総合学習の一貫として本企業は地域の支援として関わった。)体験学習として工場にて1.手焼き体験、2.栄養価を考えたオリジナルせんべい作り、3.地域の地場産業に関する話を行った。<BR><B>【結果考察】</B><BR> 1.手焼き体験では、手焼き調理の基本である決められた分量と手順があることを教えた。手焼きの技術である押しつける力についても体得させた。2.体得した技術や調理加工のコツをもとにオリジナルせんべいを作成した結果、しらすやねぎ入りせんべいなど栄養価を考慮したせんべいを焼こうとする動きが見られた。3.地域の地場産業に関する話を行った結果、働くことの意義ややりがいを理解することが出来た。このような地域の教材を通しての体験学習は、豊かな外部依存の日常生活を営む現代社会において、新鮮な目で地域の伝統文化や産業をみることが出来ると思われる。今後も地域の企業として食育に明確なテーマ性をもって関わっていきたい。
著者
村上 圭子 黛 岳郎 平田 明裕 星 暁子 有江 幸司
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.2-27, 2018

NHK放送文化研究所では2016年に引き続き,2017年11月から12月にかけて「メディア利用動向調査」を配付回収法で実施し,2,340人から有効回答を得た。今回は主に次の4つのテーマで結果をまとめた。①4K・8K・・・4Kの認知率は全体で前年から増加(72%→76%)し,8Kの認知率も全体で前年から増加(47%→55%)した。4Kへの興味は「とても興味がある」が前年から増加(4%→5%)し、「まあ興味がある」も前年から増加(24%→31%)した。②放送のインターネット同時配信・・・認知率は35%にとどまるものの,利用意向は41%だった。利用意向を男女年層別にみると,男16~29歳・女30代では5割を超えるなど,若・中年層で一定の需要がある。③有料動画配信サービス・・・加入者は全体で前年から増加(4%→7%)した一方で,加入意向がある人は前年から減少(20%→13%)し,今後,新たな関心層をどうやって増やしていくかという課題が浮き彫りになった。④ニュースのサイトやアプリ・・・全体でもっとも利用されているのは「Yahoo!ニュース」(44%)だった。次いで多いのが「LINE NEWS」(22%)で,男女年層別にみると,女16~29歳では「LINE NEWS」(60%)が「Yahoo!ニュース」(50%)を上回った。使う理由としては「使いやすいから」が多く挙げられた。
著者
平田 大六 岡崎 直人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.905-911, 1999-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14

最近, また酒の歴史を感じさせる出来事があった。新潟県関川村渡邉邸の土蔵から, 宝暦の古酒が発見されたと言うことである。本稿では, 歴史的な背景を踏まえ, 本古酒の成分値から見る, 造られた当時の酒について推論していただいた。
著者
平田 幹男
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.205-211, 1997-03-25
参考文献数
19
被引用文献数
1

20世紀前半の傑出した歯科医の中心的人物だったシカゴのF.E. Roachは歯科補綴学の権威者として独創的な働きを補綴臨床のみならず,一般生活関連の道具にまで残している.発明家とも言える才覚を歯科補綴学,特に部分床義歯補綴の分野で遺憾なく発揮し,数多しくの貢献をもたらした.業績はポーセレンから,緩圧牲アタッチメント,ワイヤークラスプ,鋳造クラスプ,ワンピースキャスト義歯,鋳造器,歯科技工の各種インスツルメントにまで及ぶ極めて広範なものである.そしてRoachが最も強く意図したことは,補綴技術の"Standardization"と言うこととであり,質と量の両面に於て向上させることであった.非能率であった歯科医療,技工操作を近代化することを考えていたものと思われる.今回は,部分床義歯領域に於て多大の貢献をしたF.E. Roachの業績を中心に検証を進めてみた.
著者
岩尾 憲明 須波 玲 大森 真紀子 樋口 浩二 伏見 美津恵 中嶋 ゆう子 深澤 宏子 小笠原 英理子 小室 真祐子 奥田 靖彦 平田 修司 星 和彦
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.486-491, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3 4

分娩時大量出血が生じた際に希釈性凝固障害,あるいは播種性血管内凝固症候群の併発が止血を困難にしている場合が少なくない.また,分娩時出血は外科的縫合だけでは止血できない特殊性もある.このような状況では血液凝固因子を速やかに止血可能域の濃度に上昇させて止血を図ることが最も重要である.そのためには新鮮凍結血漿だけでは不充分であり,凝固因子の濃縮製剤であるクリオプレシピテートを使用して急速に凝固因子を補充することが必要である.当院産科において分娩時に大量出血を生じた14症例(平均出血量5,005.6ml)に対してクリオプレシピテートを投与したところ,全例でフィブリノゲン値の速やかな上昇を認め,止血を得ることができた.大量出血による希釈性凝固障害で高度の低フィブリノゲン血症を生じた産科危機的出血に対してはクリオプレシピテートを併用した輸血療法が極めて有用であると考えられる.
著者
図子 浩二 西薗 秀嗣 平田 文夫
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.593-600, 1998-10-01
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

A study was conducted to investigate the relationship between the characteristics of torque production with special reference to eccentric and concentric muscle contraction and the structural and functional properties at the lower limb joints in the human kinetic chain. Ten male college athletes were tested with a isokinetic dynamometer (biodex) for eccentric and concentric torques during extension and flexion at the hip and knee, and plantar flexion and dorsiflexion at the ankle (angular velocity ; 30, 60, 120 deg/s) . The peak eccentric and concentric torques were higher in the order hip, knee and ankle joints, as the size of each muscle acting on its joint increased. However, the rate of peak concentric to eccentric torque (CON/ECC, %) was higher at the ankle joint than at the hip and knee joints. They tended to increase in the order of angular velocity ; 30, 60, 120 deg/s. These results suggest that the ankle joint is charactered by higher eccentric torque production. This characteristic is probably due to the fact that (1) the ankle joint is located at the end of the human kinetic chain and plays a role in transmitting the power to the ground effectively, (2) the muscle tendon complex acting at the ankle joint must have increased stiffness and tolerate great stretch loads to store and reuse the amount of elastic energy, (3) the hip and knee joints located at the center are the main sources of power supply. On the other hand, no significant correlations were observed among the torques at the hip, knee and ankle. These results suggest that torque production is independent at each of the lower limb joints, and is based on the structural and functional properties of each joint. These findings seem to be useful to clarifying the methods of strength and power training that can be adapted to the characteristics of torque production and the structural and functional properties of the hip, knee and ankle joints.

1 0 0 0 OA TDMの落とし穴

著者
田口 和明 猿渡 淳二 平田 憲史郎 丸山 徹
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.215-222, 2015-04-10 (Released:2016-04-10)
参考文献数
37
被引用文献数
1

Therapeutic drug monitoring (TDM) is an essential tool for the optimal use of drugs. Although rare, the drug concentration in blood determined by TDM can be higher or lower than that predicted from the dosage amount and patient information. In such cases, it is necessary to consider the occurrence of false positives and false negatives in the measurement process. Dose adjustment based on the measured blood drug concentration poses potential risks of underdosing and overdosing in patients suspected of false positive and false negative data, respectively. Therefore, pharmacists involved in TDM are required to become familiar with false positives and false negatives in TDM. In particular, the possibility of false positives in TDM of immunosuppressants by the affinity column-mediated immunoassay (ACMIA) method should be considered, while TDM of vancomycin or phenytoin requires attention to false negatives during measurement by the particle-enhanced turbidimetric inhibition immunoassay (PETINIA) method. Moreover, interference from IgM in the measurement process may be of concern in false-negative results; therefore, the measured blood drug concentration needs to be verified when the blood IgM level is high. This mini-review outlines false positives and false negatives that should be considered in TDM and presents a discussion of the relevant literature.
著者
平田篤胤
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
佐藤 誠 平田 幸広 河原田 弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J74-D2, no.7, pp.887-894, 1991-07-25

計算機上での3次元形状モデリングを効率よく行うためのヒューマンインタフェースを実現するには,実際の3次元物体と同じように形状モデルを直接に操作できるような環境を構成することが必要である.このような環境を仮想作業空間と呼ぶ.人間が手を用いて物体を操作する場合,視覚や触覚・力覚などの感覚を無意識のうちに用いている.仮想作業空間を構成するためには,これらの感覚情報を人間に対して統合的に与えることが重要である.そしてこれらはすべて計算機処理により人工的に生成する必要がある.以上のことに基づき,本論文では,仮想作業空間を構成するために必要な入出力装置として,空間インタフェース装置SPIDARを新たに提案する.この装置は,指先の位置情報を得ることができると共に,指先に力覚情報を与えることができる.このSPIDARを用いて3次元形状の生成・加工のための仮想作業空間を構成する.そして,この仮想作業空間での3次元形状の直接操作性に対する力覚情報の効果を調べる実験を行い,その有効性を確認する.
著者
平田 昌弘
出版者
北海道共同組合通信社
雑誌
デーリィマン (ISSN:04166272)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.60-61, 2014

ユーラシア発-乳文化へのいざない 15