著者
斉藤 了文
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
no.24, pp.p105-112, 1993-08
著者
アハメド モハメド 木村 和弘 ソリマン モハメド 山地 大介 岡松(小倉) 優子 マコンド ケネディ 稲波 修 斉藤 昌之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.125-131, 2007-02-25

脂肪細胞から分泌されるレプチンは摂食調節やエネルギー消費を調節するだけでなく,直接あるいは腫瘍壊死因子(TNF-α)を介して間接的にヒト好中球機能を修飾する.ウシ好中球はfMLP受容体を持たないなどヒト好中球とは異なる特徴を持つ.そこで本研究ではホルスタイン牛好中球の脱顆粒応答および活性酸素産生能に村するレプチンとTNF-αの作用を調べた.なおウシ好中球には活性型レプチン受容体Ob-RbとTNF-α受容体(TNF-R1)の発現が確認された.ヒトレプチン,ヒトTNF-α,活性型ホルボールエステル(PMA)とオプソニン化したザイモザン(OZP)は脱顆粒を惹起しなかった.一方,アナフィラトキシンを含むザイモザン活性化血清は(ZAS)は脱顆粒を誘導した.しかし,レプチンやTNF-αはZASによる脱顆粒反応にも影響しなかった.レプチンを除く,TNF-α, PMA, OZPとZASは活性酸素の産生を異なる強度で誘導した.さらにTNF-αはOZPとZASによる活性酸素産生能を増強し,この活性増大作用の一部分はNADPHオキシダーゼの細胞質コンポーネントであるp47^<phox>の膜移行の増加で説明された.レプチンはいずれの刺激に対しても影響を示さなかった.これらの結果よりヒト好中球とは異なりレプチンはウシ好中球の脱顆粒応答および活性酸素産生能に村して直接的な作用を示さないことが明らかとなった.
著者
アハメド モハメド シャバン ゼイン 山地 大介 岡松(小倉) 優子 ソリマン モハメド アブエルダイム マブルク 石岡 克己 マコンド ケネディ 斉藤 昌之 木村 和弘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.509-514, 2007-05-25
被引用文献数
11

脂肪細胞分泌因子,レプチンは摂食やエネルギー消費のみならず,免疫細胞機能を修飾することが知られる.ウシ単核球(PBMC)をレプチン単独あるいはT細胞マイトージェンCon Aと同時に刺激すると,レプチンはPBMCの増殖を10-40%増大させた.一方,PBMCからTリンパ球を分離し,同様に刺激すると,レプチンはTリンパ球の増殖を抑制したので,レプチンはPBMCに含まれる単球マクロファージなどに作用してTリンパ球増殖因子を産生させる可能性を示した.次に単球マクロファージを分離してサイトカイン遺伝子の発現を調べたところ,多寡はあるものの腫瘍壊死因子TNF-α,インターロイキン(IL)-1β,IL-12p35,IL-12p40,IL-18遺伝子の恒常的な発現が見られた.レプチンを作用させるとTNF-αとIL-12p40mRNAの発現が増大したが,他の遺伝子の発現は変化しなかった.TNF-αの分泌量を調べると,実際に培養液中の濃度が増加した.また培養液中のIL-1β濃度が増大した.そこで伏在性のpro-IL-1βやpro-IL-18を活性型に分解させるタンパク分解酵素caspase-1の発現について調べたところ,レプチンによってその遺伝子の発現が増大した.これらの結果より,レプチンは単球マクロファージに作用しIL-12p35/p40の複合体形成や活性型IL-1β/IL-18を分泌させTリンパ球の増殖を促進すると考えられた.
著者
斉藤 幹良
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.3, pp.168-174, 2016 (Released:2016-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

現在,世界で50品目を超える抗体医薬品が承認されており,2013年の抗体医薬の市場規模は7兆円を超える.抗体医薬の適応疾患は,当初のがん,免疫炎症疾患ばかりでなく,感染症,骨粗鬆症,加齢性黄斑変性症,高脂血症などへも広がってきている.近年,免疫チェックポイント阻害薬,T cell engager,抗体依存性細胞障害活性増強抗体,antibody-drug conjugateなど新たな作用機序を有する抗体や薬効を増強した抗体が実用化され,従来の抗体医薬では難しい疾患や症例に対して新たな治療法を提供している.激しい競合の中でいかに新たな価値を提供できるかが課題であり,今後の抗体医薬の方向性として,薬効増強や血中動態の改善など抗体の機能増強技術がさらに進展して行くとともに,その一方で,コスト低減に向けた抗体のバイオ後続品の開発がさらに活発化して行くものと思われる.
著者
斉藤 洋一 大和田 守 加藤 俊一 井上 繁一
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.383-406, 2006

Monitoring investigations on the fauna of Odonata were made at the gardens of the Imperial Palace, Tokyo, ca. 115 ha, central Tokyo, from 2001 to 2005. A total of 33 species belonging to 8 families were recorded. Similar research were carried out at the same place from 1996 to 2000, and 27 species in 8 families were recorded (Tomokuni & Saito, 2000). The following six species are recorded from the Imperial Place for the first time. Aeschnidae: Aeschnophlebia anisoptera Selys, Polycanthagyna melanictera (Selys), Anaciaeschna martini (Selys) (Fig. 30) and Anax nigrofasdatus nigrofasciatus Oguma (Fig. 31). Libellulidae: Libellula quadrimaculata asahinai Schmidt (Fig. 35) and Sympetrum kunckeli (Selys). Three endangered species in Tokyo urban areas, Ceriagrion nipponicum Asahina (Figs. 9-10), Trigomphus melampus (Selys) (Figs. 19-21) and Aeschnophlebia longistigma Selys (Figs. 27-29) were discovered by the former study (Tomokuni & Saito, 2000), and they are still abundant in the Palace. Rhyothemis fuliginosa Selys (Fig. 41), which had also been very scarce in the urban Tokyo, was gradually increase its number from 2002-2004, and we were able to observe its outbreak in the summer of 2005.
著者
岡田 洋平 川上 理 福田 博志 長浜 克志 斉藤 一隆 大塚 幸宏 木原 和徳 森田 隆 大島 博幸 江石 義信 菅野 純
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.739-742, 1997-10
被引用文献数
2

3ヵ月前に無症候性肉眼的血尿に気づいた50歳男で,膀胱左壁の非乳頭状広基性腫瘍を認め,臨床病期はT3N0M0であった.生検材料の病理診断は小細胞癌であった.最初に行ったシスプラチン-アドリアマイシンの動注術前化学療法は無効であり,根治的膀胱摘除を行った.腫瘍組織は明らかに均質で,管状ないし索状に配列した小細胞より成り,pT3bR1L2V0N0であった.電子顕微鏡上,神経分泌顆粒を持つ小細胞癌と確認された.術後,シスプラチン,エトポシド,及びイホスファミドより成るアジュバント化学療法を4クール行った.術後26ヵ月に腫瘍再発の証拠なしに生存しているA 50-year-old man presented with asymptomatic gross hematuria which he had first noticed 3 months earlier. Clinical examinations revealed a non-papillary, broad-based tumor on the left lateral wall of the urinary bladder with a clinical stage of T3N0M0. The pathological diagnosis of a transurethral biopsy tissue specimen was small cell carcinoma. Neoadjuvant intraarterial infusion chemotherapy using cisplatin and adriamycin was initially administered but proved to be ineffective. Thus, we performed a radical cystectomy. The tumor tissue was apparently homogenous and composed of small cells arranged in sheets and solid patterns, and was staged to be pT3bR1L2V0N0. An electron microscopic study confirmed small cell carcinoma with neurosecretory granules. Postoperatively, 4 courses of adjuvant chemotherapy consisting of cisplatin, etoposide and ifosfamide were administered. The patient is alive without any evidence of tumor recurrence 26 months after the operation.