著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
10

A large number of Photobacterium phosphoreum (6-7 log/g) was isolated from “tamagoyaki” (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced “tamagoyakis”. After the incubation at 10°C for 48 hr or at 25°C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of “tamagoyaki” was caused by contamination with and multiplication by P. phosphoreum.On the surface of “tamagoyaki”, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or “yakichikuwa” (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250μg/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.
著者
白井 芳則 更科 広実 斉藤 典男 布村 正夫 奥井 勝二
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.840-845, 1991 (Released:2011-08-23)
参考文献数
14

69歳以下の男性直腸癌治癒切除例のうち, 骨盤内自律神経を温存しえて再発や転移を認めない症例を対象に, アンケート調査および術前, 術後の性機能検査を行い, 術後の性機能障害について検討した.手術時の平均年齢は55.9歳, アンケート調査時は平均57.7歳であった.アンケート調査結果より, 骨盤内自律神経をすべて温存した群 (全温存群) では勃起障害7.1%, 射精障害21.4%であったのに対し, 下腹神経を損傷し骨盤神経叢を温存した群 (部分温存群) では勃起障害26.3%, 射精障害100%であった.術式別では低位前方切除例および側方郭清非施行例に性機能障害が少なかった.性機能検査結果より, 勃起障害は切手法, AVSS負荷試験で確認されたが, 全温存群においても術後に精液量の減少を認めた.また陰茎の流入動脈系に異常を認めた症例はなく下垂体, 性腺機能にも大きな変動はみられなかった.
著者
斉藤 進 高間 総子 豊巻 孝子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.165-168, 1972-07-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
9

環境条件が味覚にどのような心理的影響を与えるかについて実験するため, 温湿度, 照明, 音響などを調節できる特殊な官能審査室を設け, John, W. Mitchell が行なった1:2点官能審査法を採用し, パネルによる審査をした。その結果, 総合的に温湿度, 照明, 音響などの環境要素を変えた場合と, 照明のみを変えた環境条件下で行なった場合では何れも5%の水準で有意差があり, 環境が味覚の心理に影響したものと思われた。
著者
斉藤 正美
出版者
日本女性学研究会
雑誌
女性学年報 (ISSN:03895203)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.3-22, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
31

本稿の目的は、「ライフプラン(ライフデザイン)教育」とはどのような内容や取組なのか、特色ある取組を行っている都道府県、特に高知県及び富山県を中心に、行政担当者や学校関係者等への聴き取り調査を行い、明らかになった現状と課題を指摘することにある。さらに取組が全国に浸透している要因の考察も行う。「ライフプラン教育」とは、国の少子化対策の交付金等により結婚を支援する「婚活政策」の一環で、地方自治体が中学・高校・大学生や市民に人生設計を考えさせ、若い時期での結婚や妊娠を増やそうとする取組である。 聴き取り調査の結果、ライフプラン教育には、婚活企業の関係者や国の少子化対策等の審議会委員等、婚活や婚活政策の利害関係者が関与していること、また取組内容は、早いうちの結婚や妊娠を奨励し、LGBTや独身、子どものいない生き方、ひとり親など、多様性の確保に課題があることが判明した。共働きの家事・育児を自己責任で解決するよう、モデル家族に「三世代同居」を提示するなど、性別役割分業と自助努力が強調されていることも特徴であった。 こうした課題を持つライフプラン教育だが、全国の自治体に浸透し、継続され続けている。その要因としては、「優良事例の横展開」という交付金のあり方に加え、男女共同参画との連携が交付金の採択要件とされたものの、2000年代前半の右派や自民党によるバッシングにより男女共同参画が後退し、歯止めとして機能しなくなっていたことが浮き彫りになった。さらに少子化対策として整備された少子化社会対策基本法、次世代育成支援対策推進法が、妊娠・出産や家族の役割を強調する法律であったことも影響していた。 本稿は、2000年代以降の男女共同参画政策の変遷を踏まえ、地方自治体におけるライフプラン教育の取組に関する現状と課題を提示するもので、少子化問題の解決策と個人の自由意志による生き方の尊重が相反しないあり方の検討に資するといえよう。
著者
斉藤 憲治 三塚 牧夫 麻山 賢人 藤本 泰文
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-120, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
47
被引用文献数
1

池干しによる駆除の2 年後に見られたオオクチバスMicropterus salmoides 稚魚が駆除の失敗によるものか再度の違法放流によるものなのか推定した.繁殖,成長,死亡についての過去の資料を参照しつつ,池干し時の残存個体または違法放流個体のサイズと数を逆算した.池干し時の捕り残しと仮定した場合,全長35cm 程度の成魚であれば8 尾弱または体長14cm 程度の0 才魚であれば 90 尾弱と推定された.池の干し上げの状況からこの数の捕り残しは現実的でない.池干しのおよそ1 年後の違法放流と仮定すると,調査で確認された稚魚が出現するには,全長38cm 程度を約5 尾または22cm 程度を約8 尾が放流されたと推定された.
著者
岡本 英生 森 丈弓 阿部 恒之 斉藤 豊治 山本 雅昭 松原 英世 平山 真理 小松 美紀 松木 太郎
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.84-93, 2014-10-18 (Released:2017-03-31)

大規模災害後の被災地では,ドアや壁が壊れて外部から侵入しやすくなった建物や,人々が避難して無人になった家屋や店舗が多くなることなどから,便乗犯罪が発生しやすい.また,災害によるダメージからの回復が遅れればそれだけ犯罪を誘発する要因が解消されず,犯罪は発生し続けることになる.逆に言えぼ,災害被害からの復旧・復興が速やかに進めば,犯罪発生は抑制されることになる.災害の被害が大きいほど,また災害被害からの回復が遅いほど犯罪が発生しやすいということは,阪神淡路大震災(1995年1月発生)のあとの被災地住民を対象とした調査では示されている.そこで,本研究では,地理的条件などが異なる東日本大震災(2011年3月発生)でも同様なことが言えるかどうかを調べた.東日本大震災のあとの被災地(宮城県及び福島県)の住民(n=1030)を対象にインターネット調査を実施し,ロジスティック回帰分析により検討したところ,震災被害が大きいと,また震災被害からの回復が遅いほど,「自転車・オートバイ盗」や「住宅への空き巣」が発生しやすいことなど,阪神淡路大震災後の調査と同様な傾向が確認できた.
著者
高山 佳奈子 山本 雅昭 神例 康博 松原 英世 品田 智史 張 小寧 松宮 孝明 斉藤 豊治 平山 幹子 佐川 友佳子 嘉門 優 永井 善之 大下 英希 中島 洋樹 井上 宜裕 前嶋 匠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本・中国・台湾・韓国などの東アジア諸国では、従来、それぞれソビエト連邦法、ドイツ法、日本法などの影響下に独自の刑事制度を発展させてきた。経済刑法もその一部であり、個別に発生する問題に対処するための立法が多かった。しかし、経済活動の国際化に伴い、各国に共通する問題が見出されるとともに、その対策においても、相互の方法を参照する意義が高まっていることが、本研究によって明らかになった。その意義は、個別具体的な立法のみでなく、刑法総論や制裁制度論全般に及んでおり、今後研究を継続する必要性もまた示された。
著者
高尾 善卿 渋井 孝志 斉藤 悟志
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.38-46, 1989-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6

開発中のH-IIロケット用のLE-7エンジン燃焼試験設備が, 種子島宇宙センターに完成した。この設備のうち, テストスタンド基礎, フレームデフレクターおよびスピルウェイ (煙道) は, 燃焼試験時の排ガスを受け止めて空中に発散させる役目をもつ。これらの設備はピット形状をした地下構造物であり, 設計荷重としては, 通常作用する土圧や積載荷重のほか, 特殊なものとして, 燃焼テスト時の振動をともなう推力, 音響振動, 温度等を考慮した。
著者
斉藤 巧弥
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.24, pp.21-38, 2017-03-24

This paper aims to analyze reports on keikan in the Yomiuri Shimbun and the Asahi Shimbun, and shed light on how the discourse of keikan changed from the 1870s to the 1910s. Keikan means anal sex primarily between males and was illegal in Japan from 1872 to 1881. The word first appeared in the two newspapers in the 1870s and disappeared in the 1910s. In these forty years, two periods are identified through the distinct patterns that the newspapers showed: 1875-1901 and 1905-1914. In the first period, keikan was associated with violence, crime, and intimate relationships. In the second period, keikan was described as “a problem of delinquent students”, and was counted as one of their wrongdoings. The change of discourse is explained by the characteristics of the newspapers, and the multilayered nature of discourse.
著者
半明 敬子 並川 宏英 斉藤 智宏 大上 英夫 田澤 賢次
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-16, 1999-03
被引用文献数
2

大腸癌発癌抑制作用が明らかとなっているアップルペクチンの作用機序の解明を目的に, アップルペクチン由来のオリゴ糖を用いて活性酸素に対する効果を分析し, 市販されている他のオリゴ糖やその関連物質とも比較した.アップルペクチン由来のオリゴ糖は平均重合度により, pos-S, pos-M, pos-L, pos-LLに分け, さらにpos-Sを121℃30分加熱し, pos-Hとした.活性酸素に対する効果はESRスピントラッピング法を行い, その抑制率から検討した.その結果, アップルペクチン由来のオリゴ糖は活性酸素抑制効果を持ち, ・02一に対してはpos-H(82.3%), pos-S(48.9%), ・OHではペクチンオリゴ糖(88.6%), pos-H(87.2%)であり, 加熱すると更に強いSOD様活性(26.7unit/ml)を示した.以上から, アップルペクチンの発癌抑制作用の一端に活性酸素抑制があることが示唆された.
著者
奥村 晃史 井村 隆介 今泉 俊文 東郷 正美 澤 祥 水野 清秀 苅谷 愛彦 斉藤 英二
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.50, no.appendix, pp.35-51, 1998-03-31 (Released:2010-11-17)
参考文献数
25
被引用文献数
15

The Itoigawa?Shizuoka tectonic line active fault system (ISTL) is one of the longest and the most complex active fault systems on land in Japan with very high activity. The system comprises the northern (55 km long east dipping reverse faults), the middle (60 km long left-lateral strike-slip faults), and the southern (35 km long west-dipping reverse faults) sections. The estimates of the average slip rate range 2 to over 10 m/103 yr in the system. This high slip rate and probable quiescense of the system exceeding 1150 years indicate the possibility of a surface faulting event in the near future. Since historic and instrumental records of seismicity along the ISTL is very poor, geological study on the paleoseismology of the ISTL has an important clue to evaluate the long-term seismic risks of the fault zone. In 1995 and 1996 the Geological Survey of Japan opened six exploratory trenches in the fault system and the results from the three in the northern section are reported in this paper. The Hakuba trench on the Kamishiro fault brought four earthquake events since 6738 BP (dendrocorrected radiocarbon age in calendar year) with the average recurrence interval to be between 1108 and 2430 years. The last event here postdates 1538 BP. The Omachi trench exposed the last event after 6th to 7th century AD and before 12th century at the latest, Only one event after 3rd to 4th century AD was identified in the Ikeda trench. The timing of the last event from each trench is between 500 and 1500 BP, which interval coincides with the timing of the last event in the middle section as well as the 841 AD or 762 AD earthquake reported in historical documents. The dating of the upper age limit of the last event is not precise enough to correlate the event with any of known earthquake. The recurrence interval of the northern section, however, is significantly longer than that of the Gofukuji fault. The difference in the recurrence time from one section to another is concordant with the difference in the apparent slip rate.
著者
水間 毅 斉藤 秀俊 天野 武一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.580-589, 1990-05-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Among linear motor-driven railways, on-board primary linear induction motor-driven railways (steel wheel supported system and levitated system by conducting magnets) have been putting to practical use. This paper refers to electric field strength and magnetic field strength radiated about by these systems. The results are as follows:(1) Directly reached radio noise radiated by the linear motor car has the 1_??_2 MHz frequency region at most.(2) Radio noise by the linear motor car is similar to that by the VVVF inverter controlled car.(3) Magnetic field strength inside the linear motor car is the largest upon the reactor, but is not larger than the ordinary car.(4) In the inspection pit, just under the linear motor magnetic field strength is larger, but decreases to safety level at some distances due to the large attennuation. With the above-mentioned founding, the conclusion are as follows.(i) Peak envelope detection is the refining method in care of the measurement of electric field strength radiated by electric railways.(ii) It is necessary to establish the united standards on the magnetic field strength inside the electric railway cars.(iii) The characteristics of electromagnetic field are of little difference between the linear motor cars and the ordinary motor cars.
著者
長田 典子 北村 紗衣 湯澤 優美 斉藤 賢爾 門林 岳史 折田 明子 横山 太郎 木下 知威 森山 至貴 松田 英子 北村 紗衣
出版者
北村紗衣
巻号頁・発行日
2012-04-12

表象文化論学会第4回大会パネル「共感覚の地平 : 共感覚は『共有』できるか?」, 2009年7月5日, 京都造形大学, 京都
著者
湧井 宣行 大久保 哲生 岩崎 雄介 伊藤 里恵 小林 岳 早川 和宏 三井 みゆき 矢野 裕一 斉藤 貢一 中澤 裕之
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.425-430, 2011 (Released:2012-08-30)
参考文献数
9
被引用文献数
6 4

The pulverization of tablets for the preparation of pediatric medicines causes problems with respect to content uniformity and amount of the main ingredient. We compared these 2 factors in a pediatric medicine prepared by 2 methods: tablet grinding and tablet dilution. We also investigated causes of drug loss by means of high-performance liquid chromatography (HPLC).Three pharmacists prepared cortril powder by each method. When the main ingredient content was calculated by quantitative analysis by means of HPLC, there was no significant difference between the 2 methods, and adhesion to the mortar and the package were considered to be major reasons for drug loss.We also examined the effect of the amount of diluent on the loss of the main ingredient in the grinding process, finding that increasing the amount of diluent minimized the loss of the main ingredient content. When the amount of diluent per package was 1.5g, the main ingredient content was 90.8% (n=3).These results suggest that when dispensing small amounts of ground tablets, more attention should be paid to the amount of diluting agents than to the grinding technique.
著者
斉藤 耕太 高辻 寛之 高倉 健 飯田 直樹 川口 正彦
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第26回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.84-87, 2012 (Released:2014-07-17)

近年、携帯電話やデジタルカメラの記録メディアとして広く普及しているメモリーカードは大容量化に伴うデータ転送速度の高速化が進んでおり、EMIノイズの問題はより深刻になると予想される。そこで本研究では、高速メモリーカード回路のEMIノイズ発生メカニズムや対策方法を調査し、これを搭載した機器を用いて放射ノイズや自家中毒(無線通信回路への回り込み)に対する対策効果の確認を行った。