著者
斉藤 利彦
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.279-293, 1981-02-20

The problem of social study in the lower grade of Elementary school has been a very debatable one in Social Study-instruction. This paper is an attempt to elucidate how meaningful "The problem" is to "The Study of Development and Instruction". The contents of this paper are divided into two different objects. One is composed of the theory of Ministry of Education. The other is composed of the theory of the voluntary study-movement of education.
著者
臼田 和生 小林 大祐 竹森 一司 石川 忠夫 星野 修一 斉藤 典彦 津久井 宏行 西谷 泰 久保 実
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.58-63, 2000

症例は12歳,男児.学校心臓検診では異常なし.1999年2月15日小学校の昼休み中に突然意識消失し,4分後救急隊到着時には心肺停止状態で心電図モニターは心室細動であった.近医に搬送され心肺蘇生と軽度低体温療法を施行し第8病日に開眼,その後,徐々に意識回復した.非持続性心室頻拍が多発し心停止の原因と考えられたため,精査加療目的に当科入院.心エコー・左室造影で僧帽弁後尖下部左室後壁にφ3cmの先天性左心室瘤を認めた.心室頻拍波形は右脚ブロック+上方軸で心室瘤付近が起源と考えられた.心室瘤に対し外科的治療を施行.高密度マット電極で術中マッピングを行い,心室瘤辺縁にVT最早期興奮および心室瘤状部分に伝導遅延を認めたため,心室瘤周囲にcryoablationを行い,心室瘤に対し心膜パッチ縫着を行った.術後,心室性不整脈は消失した.以上,先天性左心室瘤に致死的心室性不整脈を合併した稀な1例を経験し,蘇生・根治に成功した.学校心臓検診での本病態の検出は極めて困難と思われた.
著者
斉藤 茜
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:18840051)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.1139-1143, 2014-03-25

中世インドの言語哲学の発展は,文法学派が立てたスポータ理論をひとつの頂点とする.彼ら文法学派は,ことばを構成する最小のユニットとしてスポータ(sphota)を提唱した.その開顕に関して,我々はBhartrhari(5世紀)の著作Vakyapadiyaに最初の具体的な議論を見ることができる.Mandanamisra(8世紀初頭)はBhartrhariの思想を継承し,自身の著作Sphotasiddhi(SS)において,スポータ理論を完成させた.さて,SS最後1/4の部分で,対論者が音素論者(ミーマーンサー学派)から,音素無常論者(仏教)へ交代し,対論としてDharmakirti著作Pramanavarttika及びその自注(Svavrtti)(PVS)が,度々引用されるようになる(1章 Apauruseyacinta『非人為性の考察』).Mandanaが引用する対論の主張(pp.210-234)はPVS当該箇所の要約といってよい.本論文では,対論の内容をDharmakirti, Mandana,両者の視点から整理し,互いに異なる思想の中で,それぞれの特徴及び対立点を明らかにすることを試みる.仏教側の議論は,主として語を発信する側と受信する側の「意識」の問題に重きが置かれるが,話し手の側の意識の因果関係と,聞き手の側の意識の因果関係はPVSにおいて分けて記述されるため,両者の接続が妥当かどうかが議論の焦点となる.一方Mandanaの論駁においては「話者の同一性」の検証が重視され,これに関連して,普遍を有さない完全に個別的な音素が,どうやって話し手と聞き手の間で共有されるのか,という問いが対論に対して投げられる.
著者
斉藤 芳子
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.25-29, 1986-11-01
著者
斉藤 幸一 仁志田 博司 真崎 義彦 八代 公夫
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.523-529, 1992-10-31
被引用文献数
1

皮膚血流循環の体温調節や diving reflex を介する生体防護機構等に関する生理的な重要性については古くから検討されており,その臨床的意義についても良く認識されている。新生児において状態悪化の最初は,なんとなく色が悪いという漠然とした所見であり,その客観的な評価法は皮膚血流循環の測定であることが知られている。しかし,その測定法は操作性,連続性,安全性の面において未だ臨床に使用されうるにいたっていない。今回,我々は経皮的酸素分圧装置の一部である電極が皮膚をある一定温度に加温し続けるために必要な電力 (heating power) が皮膚末梢循環を反映することが可能か否かについて人前腕および雑犬を使用し検討を加えた。
著者
斉藤 厚志 成島 浄 松村 明 目黒 琴生 能勢 忠男
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.472-477, 1995-09-20

肝硬変を伴った非外傷性脳出血9症例について臨床的に検討した.男性が7例と多く,肝硬変の原因はC型肝炎ウイルスが4例と多かった.脳出血の部位は,大脳皮質下出血が4例で最も多かった.術前の血小板数は,全例で底下しており,PT・APTTを術前に測定できた6例中,PT延長を2例に認めた.開頭血腫除去術が2例に行われたが,出血傾向による合併症を生じた.穿頭血腫ドレナージ術は3例行われ,いずれも補充療法を併用し,術後経過は良好であった.長期経過は,肝不全,食道静脈瘤破裂などの肝硬変に直接起因する死亡例が3例あり,不良のものが多かった.独歩退院は,皮質下出血に対する穿頭血腫ドレナージ術後の2例のみであった.
著者
斉藤 佐和子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.48-56, 1988-10-01 (Released:2009-11-18)
参考文献数
15

正常児7名を生後8ヵ月から15ヵ月まで縦断的に追跡し,言語表出の発達とUzgiris-Hunt精神発達順序尺度の発達との関係をみた.その結果,単純な表象,身近な事物の概念化,不充分な音声模倣の能力が備わると同時に始語が出現した.また,表出語数が20語を過ぎるあたりから表示機能をもつ語の比率が大幅に増加した.表出の発達の良い被験児ではUzgiris-Hunt精神発達順序尺度の下位尺度のうち,物の永続性と音声模倣の発達が良好であった.
著者
斉藤 修三
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
青山学院女子短期大学総合文化研究所年報 (ISSN:09195939)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.155-175, 2001-12-25

「人はなぜ差別するのか?」振り返ると,ここ数年わたしはこの問いばかりを追いかけてきたようだ。聖書に「あなたは寄留(きりゅう)の他国人をしえたげてはならない。あなた方はエジプトの国で寄留の他国人であったので,寄留の他国人の心を知っているからだ」(出エジプト記)とあるが,問題はこの言葉に集約されると思う。自他を分ける壁を絶対視し,自己のなかに他者を,他者のなかに自己を見る想像力をなくしたとき,差別はしのびよる。元来人はみな「寄留の他国人/よそ者」だった。なぜなら一回限りの<出来事(いのち)>である以上,反復可能なカテゴリーでしかない「何者か」という言葉が再現できない余剰,語りえずしたがって不可知の<よそもの性>こそが「固有のわたし」の正体だからだ。取り替えのきく「何者か」ではなく,唯一無二の「よそ者=究極の少数派(マイノリティ)」だからこそ<個>は壊れやすく希少なはずなのに,孤独を怖れるあまり自己の異質性を認められないわたしたちが「同じ何者か」という表象の虚妄にしがみつき,固定された主体や帰属意識(アイデンティティ)でしか人を見れなくなったとき,人種民族・国籍・性別などをめぐり序列化された見えない国境線が実体化され,よそ者は被差別者となる。そのかき消された声をふたたびわたしたちに届け,内なるよそ者のつぶやきを呼び覚まし共振させる<声の運び屋>が,チカーナの詩人作家シスネロスの派遣する少女エスペランザである。
著者
居村 史人 劉 小軍 根本 俊介 加藤 史樹 菊地 克弥 鈴木 基史 仲川 博 青柳 昌宏 五味 善宏 斉藤 伊織 長谷川 弘
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第25回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.229-232, 2011 (Released:2014-07-17)

Auナノ粒子をHe不活性ガスで搬送し、基板上のレジストホールに対してノズルから高速にAuナノ粒子を堆積させると、ホール底面部のみならず、ホールエッジ部にもAuナノ粒子が堆積しひさしを形成する。このひさしが成膜過程においてホールを狭窄する方向に成長することで自己形成的に錐形状のバンプがホール内に作製される。このときのひさしの成長過程をレジストホール近傍におけるHeガス挙動のシミュレーションと合わせて考察した。また、φ10μmサイズのAu錐形バンプ作製し、対向する基板上のAlもしくはAuパッドにフリップチップ接合し、バンプ接合部の断面SEM観察、ディジーチェーン接続による直列抵抗を評価した。
著者
斉藤 一哉 野島 武敏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.78, no.787, pp.324-335, 2012 (Released:2012-03-25)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

This study illustrates a new strategy to fabricate arbitrary cross-section honeycombs. These types of honeycombs are usually manufactured from normal flat honeycombs by curving or carving, but the proposed method enables us to construct objective shaped honeycombs directly. We first introduce the concept of the kirigami honeycomb, which is made from single flat sheets and has periodical slits resembling kirigami (Japanese art of study folding and cutting). In previous studies, honeycombs having various shapes, including tapered and aerofoil honeycombs, were made using this method, and were realized by only changing folding line diagrams (FLDs). In this study, these 3D kirigami honeycombs are generalized by numerical parameters and fabricated using a newly proposed FLD design method, which enables us to draw the FLD of arbitrary cross-section honeycombs
著者
今村 詮 藪下 聡 大作 勝 斉藤 昊 諌田 克哉
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

本研究は、昭和61年度、62年度、63年度の3段階に分けて進められた。以下に各年度毎の進展状況を示す。1.昭和61年度.この年度は、まず、繰り込み摂動法を拡張ヒュッケル法のレベルで定式化し、それに対応するプログラムを作成した。そして、ポリアセチレンの炭素の一個がチッ素原子におきかわった系(いわばソリトンの系)、ポリアセチレン系ードーパント系、ポリアセチレン鎖間相互作用系に適用した。そしてこの各々の系に対する信頼性を、通常の拡張ヒュッケル法による強い結合の近似での計算との比較によって調べ、充分に高いことをたしかめた。2.昭和62年度.前年度の満足すべき結果を基礎にして、この繰り込み攝動法を、電子間反発積分をあられに含めたAb Initio SCF法の摂動理論へ拡張し、定式化した。また、この定式化にもとづいて、高分子の摂動項をくりかえし解くAb Initio法のプログラムを作成した。このような系に対する定式化およびプログラム作成は、世界で初めてなされたことを強調したい。そして、水素分子が一次元的に配列している仮想的な高分子系に適用し、十分信頼性の高い結果を得たが、系によっては収束に問題のある場合があることがわかった。3.昭和63年度.前年度の研究の結果、収束に問題があることがわかったので、これを摂動項を部分的に変分的に取り扱う方法、および大行列式を小行列式に分割してよい零次の項を求める方法によって、うまく対応できることを示した。以上、3年間にわたって繰り込み摂動論を発展させ、体系化に成功し、信頼性が充分に高い結果を与えることがわかった。今後、これを具体的に高分子設計に用いていく予定である。
著者
藤原 一宏 斉藤 秀司 落合 啓之 宇沢 達 向井 茂 斉藤 毅
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

A.Wilesによって得られた楕円曲線についての谷山-志村予想の部分解を分析して得られたTaylor-Wiles系という公理系はEuler系と共に岩沢理論における基本的な道具に成長しつつある.このTaylor-Wiles系についての研究が本研究期間中に以下の方向に発展している.a)肥田氏により構成されたnearly ordinary Hecke代数に対するR=T型定理b)総実代数体上の円分塔(cyclotomic tower)の研究c)高次元ユニタリ志村多様体に対するTaylor-Wiles系の構成a)の研究では肥田晴三氏(UCLA)によるnearly ordinary Hecke代数は既約剰余表現に対応するほとんどの場合に普遍変形環と同一視されることを示した。b)ではまず非可換岩沢-Greenberg予想とでも言うべき問題を定式化した.この問題の研究のため円分塔上での変形理論を構成し,特別な2次元表現の場合にはTaylor-Wiles系を使うことで古典的な岩沢-Greenberg予想と同値であることを見いだした.この結果は2000年度保型形式論国際シンポジウム(パリ)で発表した.c)ではユニタリ志村多様体のコホモロジー群が持つ自然なintegral structureに対してTaylor-Wiles系を構成した.この結果については国際シンポジウム「代数幾何学2000」(長野,日本,2000年7月),第三回アジア国際数学会議(マニラ,フィリッピン,2000年10月),ジョンズホプキンス大での国際ワークショップ「保型表現と志村多様体」(ボルチモア,アメリカ,2001年3月)で発表した.以上の研究については講演の他,詳細をプレプリントとして公表,投稿している.