著者
日向 良和 HINATA Yoshikazu
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.161-173, 2017

近年新設された公共図書館において、調理室や工作室、音楽スタジオ等を同一建物内に備えて、調理、3 D プリンタ等出力、バンド練習など、さまざまな体験活動をおこなうことができる図書館が出現している。これらの活動がおこなわれている図書館を訪問し、その共通する特徴として、「読む・調べる→考える→やってみる」という活動の特徴があることを認識した。この認識を基に、これまでの公共図書館でおこなわれてきた資料・情報提供サービス(読書含む)の他に、これらの体験活動をサービスとして提供することの是非を検討した。本稿では体験活動を公共図書館の役割を越えるものであるとし、生涯学習施設における図書館機能の提供と位置づけ、否定的なものでないと結論づけた。
著者
松本 才絵 淡路 雅彦 日向野 純也 長谷川 夏樹 山本 敏博 柴田 玲奈 秦 安史 櫻井 泉 宮脇 大 平井 玲 程川 和宏 羽生 和弘 生嶋 登 内川 純一 張 成年
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.548-560, 2014 (Released:2014-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
4 10

組織観察によるアサリの生殖腺の発達状況及び肥満度の季節変化に関する調査を北海道,関東,中部,九州の 6 地点で 2010 年 4 月から 2012 年 11 月に行った。アサリは 1 個体中に 2 つ以上の発達段階が観察される場合が多かったので,生殖腺の発達段階は観察された各段階の頻度で評価した。組織観察の結果北海道では産卵期は夏であり,一方他の地点では春に産卵が始まり秋まで続き,盛期は春と秋の 2 回であった。肥満度の最大と最小は北海道でそれぞれ 2010 年 8 月と 10 月,その他の地点ではそれぞれ 2011 年 4 月と 12 月であった。
著者
吉田 秀樹 中島 謙二郎 川野 泰広 江口 秀之 中村 義文 日向 博文
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.709-714, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

The Kyushu Regional Development Bureau, Ministry of Land, Infrastructure and Transport has placed four High-Frequency Oceanic Radar System (HF radar) at the Ariake Sea with the aim of regenerating environmental condition, and has observed the surface current and ocean wave situations since 2005.The paper presents (1) the result of study for precision of HF radar observation, (2) the real-time informing system by internet named “The Ariake Sea current and ocean waves information system”, and (3) the development of “The sea garbage movement prediction system” utilized the surface current observation information by the system with the aims of the improving the sea garbage collecting service by the Advanced Anti-Pollution Vessel “KAIKI” as well as the progress of the installing the system. As result of the development, the precision is verified appropriately, and the system has been operated since April, 2007.
著者
芳賀 日向 山内 民興
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.615-621, 1992

フォトライブラリーという業界がある。20万〜100万枚にわたる大量の写真をストックして出版社や広告代理店等に印刷物に掲載されるための写真を貸出している。使用した写真は写真使用料という形で著作権使用料がフォトライブラリーを通じ写真家へ支払われる仕組みになっている。写真の使用料金は使用媒体の露出頻度による料金が設定されている。通常の1媒体当りの使用料金は3万円〜5万円程である。このフォトライブラリーは全国で約250社ほどある。JPRC((株)日本フォトリサーチセンター)はフォトライブラリーの中でも,動物,スポーツ,人物など専門ジャンルを扱っている日本を代表する会社10社により1986年に設立された。設立の目的は,異種のジャンルの集合体により,より幅が広く奥が深い高品質の写真を提供することである。現在は50社のフォトライプラリ一および200名の個人写真家が加盟している。このJPRCより開発されたのがフォトディスク・ライブラリーである。2枚のレーザーディスクに合計8万3千枚の厳選された写真を収録し,独自の検索方法で写真を検索する。ユーザーは自分の場所に居ながら,希望の写真を探し出すことができ,しかも注文した写真は翌日までに,高品質のデュープ・フィルムで配送されるシステムとなっている。ユーザーは写真を使用した場合のみ写真使用料をJPRCへ支払えば良い。このシステムは日本全国50ヵ所および海外2ヵ所において活躍している。現在JPRCが取り組んでいるテーマは,(1)その独特の写真検索技術を応用し,汎用性があり,なおかつユーザーの創意が反映され自由にファイリングできるソフトを開発すること,(2)高解像度の画像収録,修正,出力のためのシステムを付随すること,である。(株)ピアス社の協力を得て,このシステムへの実現へと踏み出しているその過程を発表する。
著者
日向 一雅
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.11-23, 1986

伊勢集は大まかに五つの歌群に分けられる。冒頭の伊勢の半生を歌物語的に構成する部分、屏風歌の部、四季歌の部、人事の歌群、増補部分である。このうち人事の歌群の中には冒頭部分と共通する歌物語的歌群が多数あると考えられる。それらは伊勢の伝記的事実としての贈答歌群というより虚構化されていること、そこには平中物語や大和物語の滑稽譚と共通する構成をもつものから女の人生の嘆きの姿を構成するものまで含むこと、それらは全体として冒頭の歌物語的世界の論理を補強すると考えられることなどを論じた。
著者
大日向 大地
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.630-634, 2019-06-15

高専カンファレンスは,高専と高専生をテーマとした勉強会イベントなどの活動を行うコミュニティで,勉強会イベントとしては2008年に始まり2019年3月までに日本全国各地で通算118回開催している.毎回,20〜200人ほどが集まり,話者がスライドを使ったプレゼンベースでの発表をしており,発表の内容は,高専生らしいものづくりの話から,科学やキャリアに関する話など多岐に渡る.参加者,発表者は当初は高専生,OB,教職員を対象としてきたが,現在では高専とは直接関係がない方の参加,発表もある.またプレゼンテーション形式に拘らないスタイルも試みられている.本稿では,活動が始まってから11年近くが経過し,高専関者の活動の場の1つとして定着してきた,この高専カンファレンスについて解説する.
著者
松原 慶昌 田坂 清志朗 福本 貴彦 西口 周 福谷 直人 田代 雄斗 城岡 秀彦 野崎 佑馬 平田 日向子 山口 萌 青山 朋樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0062, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年子どもの外反母趾が増加し,問題となってきている。外反母趾の原因は様々な要素が指摘されており,足部アーチの低下が外反母趾と関連しているという報告がある。子どもの足は足部アーチの形成の重要な時期にある。さらに,足部アーチの形成には足趾把持力が関連していると報告されているため,足趾把持力が外反母趾に関連している可能性がある。また,特に子どもにおいては足部の筋力,形状共にも発達段階にあるため,足部の筋力が足部形状に与える影響が大きい可能性がある。子どもにおいて外反母趾と足趾把持力の関連についてはまだ調べられていない。そこで,本研究では子どもにおける外反母趾と足趾把持力の関連について調べることを目的とした。【方法】対象は奈良県田原本町にある小学校5校の小学4~6年生671名の計1342足(平均年齢10.3歳±0.7歳,男子317名,女子354名)とした。外反母趾角は,母趾基節骨と第一中足骨のなす角とし,静止立位にて,ゴニオメーターを用いて測定した。足趾把持力は足趾筋力測定器(竹井機器工業,T.K.K.3364)を用いて股関節,膝関節ともに90°屈曲座位にて,左右両足を各足二回測定した。各足の最大値を足趾把持力として用いた。統計解析は,従属変数に外反母趾角,独立変数に足趾把持力,調整変数に性別,年齢,身長,体重を投入した重回帰分析を行った。なお,同一の対象者から二足を用いているため,両足の類似性を補正するために,一般化推定方程式を用いた。統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】全対象者の外反母趾角の平均は7.91±5.0°,足趾把持力の平均は13.3±4.0kgであった。重回帰分析の結果,偏回帰係数は-0.098(95%信頼区間:-0.187~-0.010)で有意差(p=0.029)を認め,外反母趾角と足趾把持力は負の関係にあった。【結論】本研究では,子どもにおける外反母趾角と足趾把持力の関連性を検討した。その結果,小学子どもにおいて外反母趾角と足趾把持力が負の関係にあることが明らかになった。しかし,先行研究においては,健常成人では外反母趾角と足趾把持力の関係性は認められなかった。この理由は,子どもの足部は発達段階にあり,筋力が足部形成に与える影響が大きい可能性が考えられる。低足趾把持力により十分な足部アーチ形成が行われず,足部アーチの未発達が外反母趾角の増大につながったと考えられる。本研究は横断研究であるため,因果関係について断言できないが,足部アーチが発達段階にある子どものころに,足趾把持力を鍛えることで外反母趾の予防につながる可能性がある。
著者
田中 里穂 日吉 優佳 中村 優里 相原 遥 日向 実佳 平賀 美樹 川合 康央
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.195, 2016 (Released:2016-06-30)

本研究は、大学の学部を対象としたデジタルコンテンツの開発を通じて、デジタルコンテンツとその開発手法による大学での学びの新しいプロモーションを行うことを目的とする。本コンテンツは、大学での学びのキーワードを紹介する3Dリズムゲームを作成し、開発チームのプロジェクトの方法をまとめることとする。大学教員をモチーフにした3DCGモデルのキャラクターを作成し、ダンスの動きを追加したものを用いる。ユーザーは、ケミカルライトを模倣した加速度センサを持つデバイスを使用して、リズムアイコンにタイミングを合わせて操作することによってポイントを取得するものとします。
著者
芳賀日向著
出版者
グラフィック社
巻号頁・発行日
2013
著者
日向, 元秀
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
山田 惠子 堀口 雅美 中村 眞理子 谷口 圭吾 片岡 秋子 片倉 洋子 石井 貴男 和泉 比佐子 大日向 輝美 武田 秀勝 傳野 隆一 松嶋 範男 門間 正子 安川 揚子 旗手 俊彦 今井 道夫
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.17-26, 2010-03

生命倫理の問題や情報開示などの保健医療職に求められる倫理性を理解し、保健医療職の倫理性について自己の考えを明らかにすることができる力を養うことを目標にした保健医療総論IIIが、全学科共通必須科目として3年生を対象にして行われている。平成21年度はNHKスペシャル『トリアージ 救命の優先順位』を教材として、様々な役割にたった討議型グループ学習が行われた。新しい試みとして、グループ学習に先立ち、ビデオ鑑賞の感想文、倫理的思考問題など、個人単位で参加する学習を行った。グループ学習は、司会者、被災者、被災者の家族・遺族、医師、看護師、病院職員・救急隊員・救急救命士、ボランティア・一般市民、国・地方自治体の8グループに別れて学習する役割別グループ学習(A)と、異なる役割との話し合いを行う役割混成グループ学習(B) から構成され、A→B→Aの順にグループ討議が行われた。倫理的思考問題と学生によるレポート結果の解析から、役割混成グループ学習の導入は「視野の広がり」、「相手や自分の役割の理解」を助ける上で有効な方法であることが示された。
著者
西原 歩 巽 好幸 鈴木 桂子 金子 克哉 木村 純一 常 青 日向 宏伸
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

破局的カルデラ形成噴火を生じる膨大な珪長質マグマの起源を理解するために,3万年前に生じた姶良火砕噴火で噴出した入戸火砕流中に含まれる本質岩片の地球化学的・岩石学的特徴を考察した.流紋岩質の白色軽石及び暗色軽石に含まれる斜長石斑晶のコア組成は~An85と~An40にピークを持つバイモーダルな分布を示すことに対して,安山岩質スコリアの斜長石斑晶は~An80にピークを持つユニモーダルな分布を示す.高An(An#=70-90)と低An(An#=30-50)斜長石コアのストロンチウム同位体比は,それぞれ87Sr/86Sr=0.7068±0.0008,0.7059±0.0002である.これらの測定結果は,姶良火砕噴火で噴出した膨大な量の流紋岩質マグマは,高An斜長石の起源である安山岩質マグマと低An斜長石の起源である珪長質マグマの混合によって生じたことを示唆する.苦鉄質マグマからわずかに分化してできた考えられる安山岩質マグマから晶出した斜長石のSr同位体比は,中新世の花崗岩や四万十累層の堆積岩など,高いSr同位体比をもつ上部地殻の岩石を同化したトレンドを持つ.このことは,安山岩質マグマと珪長質マグマの混合が上部地殻浅部で生じたことを示唆する.また,流紋岩質マグマは基盤岩より斜長石中のSr同位体比が低く,基盤岩との同化をほぼ生じていない安山岩質マグマ(英文にあわせてみました)と似たような組成を持つ.このことは,珪長質マグマと苦鉄質マグマは,姶良カルデラ深部の下部地殻のような同一の起源物質から生じているとして説明できる.