著者
早川 恭弘
出版者
奈良工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,リハビリによる安定した歩行を実現する為に,スポンジとシリコンで構成され,空気圧で人間を支えるスポンジコア・ソフトラバーアクチュエータを用いた歩行バランス提示用高性能靴(高機能靴)の改良と歩行計測システムを構築した.本システムは高機能靴部及び視覚提示機能部から構成され,高機能靴部では足裏荷重による歩行状態検出及び中敷部の剛性変化による歩行アシスト,視覚提示機能部ではコンピュータ画面上への視覚的表示を行うことができる.開発した本システムにより,歩行動作における有効性を実験により示した.すなわち,靴の歩行アシスト効果が靴を装着している部位で大きく作用していることが明らかとなった.
著者
小早川 真由美
巻号頁・発行日
2012

Thesis (Ph. D. in Linguistics)--University of Tsukuba, (A), no. 6292, 2012.7.25
著者
山本 晴彦 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.199-211, 1999-08-31
参考文献数
17
被引用文献数
2

Gust Disaster was caused by the typhoon 9807 in Kinki District of Japan on September 22,1998. For the typhoon 9807,the peak gust in the Nara Meteorological Observatory was 37.6 m/s, which was the 3 rd record since 1953's. The Gust was observed many fire offices in western part of Nara Prefecture, the peak gust in Nishikatsuragi Fire Station of Shinjyo Town was recorded as 59.5 m/s, which was the maximum value in Nara Prefecture. Many loss in the agriculture and the forest of Nara Prefecture by this gust associated with the typhoon 9807 exceeded 34.6 billion yen.
著者
張 継権 早川 誠而 山本 晴彦 岡田 憲夫 多々納 裕一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.239-249, 2002-06-05
参考文献数
7
被引用文献数
2

1991年台風17号・19号と1999年台風18号の三つの台風は,9月中・下旬に九州北部西岸及び九州中部の熊本県に上陸し,九州及び中国地方を通り抜けるという,ほぼ同一時期に,同一経路をたどり,九州,中国・四国地方を中心に大きな農業災害を引き起こした.とくに,水稲,野菜,果樹,飼料作物等の農作物は,倒伏,落果,折損等による災害が発生し,農地や農業施設などの被害を含めて九州,中国・四国地方では,台風9117号・9119号による農業被害の総額は2811億円に達し,台風9918号による農業被害の総額は1135億円に及んだ.台風9117号・9119号では農作物,樹体,家畜,施設等が大きな被害を受けたが,台風9918号では樹体,家畜がほとんど被害を受けなかった.作物別被害状況をみると,最も大きい作物では,台風9117号・9119号の場合は果樹であり,作物被害総額の34%を占めているが,台風9918号では水稲であり,作物被害総額の43%を占め,被害状況に大きな違いが見られる.これは三つの台風の上陸後の勢力,台風による災害現象および被害機構などが異なったためである.
著者
山本 晴彦 丸山 敬 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.453-463, 2001-02-28
参考文献数
15
被引用文献数
5

Typhoon 9918 (Bart) passed through the Kyushu and the western part of Chugoku district on September 24,1999. As the typhoon passed, a tornado occurred in Onoda City of Yamaguchi Prefecture. The recorded peak gust speed was 52.0 m/s at the Onoda fire station, 150 m away from the path of the tornado. The air pressure had decreased by 3.6 hPa at 7 : 59,while the minimum value was recorded as 961.6 hPa. The width of the tornado's path estimated from damags of houses was 50-150 m and its length was 5.1 km. The number of seriously injured persons was 13,and the number of houses damaged was about 650. Fujita and Piason scales were estimated to be F2 and P2 (length : 1.6-5.1 km, width : 51-160 m), respectively.
著者
山本 晴彦 本條 均 早川 誠而 鈴木 義則 河田 尚之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.207-213, 1996-06-05
参考文献数
13
被引用文献数
1

暖地において水田裏作の基幹作物である二条オオムギ(品種: ニシノチカラ)を対象に, 個体群の太陽エネルギー利用効率(Eu, %), 太陽エネルギー転換効率(Ec, %)ならびに日射吸収量から乾物への変換効率(Cs, g MJ^<-1>)を算出し, 二条オオムギの乾物生産を太陽エネルギーの利用の面から評価した. 節間伸長期から出穂期までの個体群日射吸収量は全天日射量の約56%, 登熟期間中の個体群日射吸収量は約70%であった. 全生育期間の個体群日射吸収量は865.02 MJm^<-2>で, これは生育期間中の個体群に投下された日射量の積算値の約40%に相当した. 節間伸長期から出穂期までの生育中期のEcは3.94%で, 高い値を示した. また, 登熟期間中のEuは1.47%, Ecは2.13%で, 全生育期間におけるEuは1.09%, Ecは2.71%であった. これは, 表作における暖地水稲のEu, Ecに匹敵する値であり, 寒冷地のリクゼンムギに比べてかなり高率であることがわかった. 播種期直後から出穂期までの栄養生長期における乾物生産と積算日射吸収量の関係は直線関係が成り立ち, Csは2.32gMJ^<-1>であった. さらに, 登熟初期および中期は, 1.79gMJ^<-1>, 1.179MJ^<-1>になることが示された.
著者
早川 正道 増田 毅 比嘉 功 小山 雄三 秦野 直 小田 正美 大澤 炯
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.28-34, 1989-01-20
被引用文献数
1

我々は3例の進行性腎癌患者に対して,2つの異なったtypeのLAK細胞の分割動注とrIL-2の全身投与を併用した養子免疫療法を行ったので,その効果について報告する.リンパ球分離を週1回行い,ついでPercollを用いた密度勾配遠心法でリンパ球を2つのサブタイプに分け,おのおのをrIL-2と共に培養してLAK細胞を誘導した.転移巣の栄養血管を介してLAK細胞を週2回動注した.3例中1例において,上臀動脈を介してLAK細胞を3ヵ月間動注することにより腸骨転移巣が明らかに消失した.また腰動脈へのLAK細胞動注により,腸腰筋と傍大動脈リンパ節転移の消失および腰椎転移巣の縮小が得られた1例を経験した.他の1例では,脳転移に対して内頚動脈よりLAK細胞を動注したが,脳浮腫が増悪し中止となった.LAK細胞の動注療法は,転移性腎癌の治療に有用であり,今後とも期待される方法と考えられた.
著者
山本 晴彦 早川 誠而 岩谷 潔
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.226-232, 1998-06-05
参考文献数
14
被引用文献数
8 1

1997年台風9号に伴い山口県北部および島根県西部では7月26日から28日にかけて豪雨に見舞われた.むつみ村では, 7月26日〜28日に582〜782mmの降水を記録し, 7月27日の日降水量は429〜547mmを観測した.本豪雨は, むつみ村の周辺に位置する気象庁の4カ所の観測地点を大きく上回る局地的豪雨であった.この影響により, むつみ村にある4カ所の農業用溜池が決壊して土砂災害が発生した.とくに, 麻生溜池では下流域に氾濫水や土砂が大量に流出して水田内に堆積したため, 水稲が埋没する被害が発生した.現地調査の結果, 土砂堆積深と地上部乾物重および玄米重との関係は2次曲線で近似でき, 地上部乾物重は土砂堆積深が50cm, 玄米重は35cmで重量がほぼ皆無になることが明らかになった.
著者
名久井 忠 岩崎 薫 早川 政市
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.412-417, 0000
被引用文献数
3

早生品種「ヘイゲンワセ」「ワセホマレ」を供試して,飼料成分,発酵品質,乳牛の採食性,栄養収量の面から,ホールクロッブサイレージとしての刈取適期を検討した。(1)子実重歩合は登熟とともに増加し,黄熟後期にはヘイゲンワセが48.3%,ワセホマレが46.2%に達した。(2)サイレージの飼料成分のうち,水分はワセホマレが糊熟後期が79.4%,黄熟後期が66.6%,過熟期が62.5%と登熟とともに低下した。ヘイゲンワセも同様の傾向を示した。でんぷんは登熟とともに増加し,黄熟後期にはワセホマレが29.6%,ヘイゲンワセが28.4%であった。粗蛋白質はヘイゲンワセが10.2%から7.2%へ,ワセホマレが9.9%から7.2%へ登熟とともに低下した。(3)pHは登熟とともに上昇し,黄熟後期はワセホマレ,ヘイゲンワセとも3.8であった。サイレージの評点は黄熟後期が最もすぐれていた。(4)乾物あたりTDN含量はヘイゲンワセが乳熟期70.4%,黄熟初期および黄熟後期73.6%,過熟期70.8%であった。また,ワセホマレは糊熟後期70.8%,黄熟中期68.1%,黄熟後期69.1%,過熟期65.4%であった。DCP含量はヘイゲンワセが登熟とともに低下したが,ワセホマレは過熟期に至って低下した。(5)乳牛の乾物摂取量は乳熟期8.39kg,黄熟初期10.87kg,黄熟後期12.3kg,過熟期11.3kgであり,黄熟後期が最も多かった。(6)10アールあたり栄養収量は黄熟後期が最もすぐれていた。(7)以上の知見をもとに総合的に判断した結果,ホールクロップサイレージの収穫適期は黄熟後期であることが確認された。
著者
早川 貴子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.274-283, 2009-09-30
被引用文献数
1

本研究の目的は,幼児期の対人的葛藤場面における謝罪行動の予測に影響を与える要因を検討することであった。特に,(1)加害行為の意図性によって加害者の謝罪行動の予測が異なるかどうか,(2)加害行為の意図性及び加害者の謝罪行動の予測によってその後の関係の見通しが異なるかについて検討を行った。4歳,5歳,6歳児を対象に,仮想の葛藤場面に関する意図的場面と偶発的場面のストーリーを聞かせ,加害者の立場に立って回答させた。その結果,(1)謝罪行動の予測については,4歳児よりも6歳児で多く認められ,葛藤の終結のために謝罪行動が必要と認識している事が示された。加害行為の意図性による影響は,4歳児より5歳児で認められるが,6歳児では認められなくなることが示された。(2)謝罪行動とその後の被害者との関係の見通しに関しては,5歳児で関連が認められるが,6歳児では関連が認められなくなった。つまり,加害行為の意図性と謝罪行動との関連に関する今回の結果から,5歳児で謝罪行動の転換点がある可能性が考えられた。
著者
辻 雅善 各務 竹康 早川 岳人 熊谷 智広 日髙 友郎 神田 秀幸 福島 哲仁
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.53-58, 2013-03-25 (Released:2013-04-27)
参考文献数
23
被引用文献数
3 8

目的:福島原発事故発生以降,毎日約3,000人の作業員が事故収束のために従事している.通気性の悪い防護服を着用した作業員に熱中症の頻発が懸念された.今後の福島原発事故収束作業員における熱中症予防対策の一資料とすべく,福島原発事故以降に発生した熱中症について分析を行った.対象と方法:福島労働局で把握した福島原発事故収束作業員の2011年3月22日から9月16日までに発生した熱中症事案43例を対象とした.熱中症発生数を年齢,発生月,発生時刻,気温,湿度毎に検討し,また熱中症の重症度の検討も実施した.重症度をI度とII度以上の2群に分け,年齢,気温,湿度に対してMann-Whitney U検定を行い,さらに,年齢(<40歳, 40歳≤),気温(<28°C, 28°C≤),湿度(<75%, 75%≤),クールベスト着用の有無に対してχ2検定およびロジスティック回帰分析を行った.検定は両側検定,有意水準5%とし,統計ソフトはSPSS statistics 17.0を用いた.結果:熱中症が最も多く発生した年齢は40代(30.2%),次いで30代(25.6%)であり,発生月は7月(46.5%),発生時刻は7時から12時(69.8%),気温は25°C以上(76.7%),湿度は70%から80%(39.5%)であった.重症度II度以上の者は10例,内5例が6月に発生していた.統計解析の結果,全因子において重症度の違いに有意差は認められなかった.考察:一般労働者の熱中症の好発年齢は45歳から60歳であるが,福島原発事故収束作業員では30・40代に相当数が認められており,比較的若年齢層においても熱中症予防対策が重要であることが示唆された.また,厚生労働省により夏季の午後は原則作業を中止する措置がとられたが,福島原発事故収束作業員の熱中症の好発時刻は午前中に集中しているため午前中の予防対策も必要である.重症度II度以上が10例中5例も6月に集中していることから,6月から熱中症予防対策を実施すべきであると考える.今回,発生因子において重症度の違いに有意差が認められなかったのは,他の要因が関与している可能性,あるいは例数が少なかったためと考える.本研究結果の特徴を踏まえ,今後,福島原発事故収束作業員の熱中症予防対策を実施することが必要である.