著者
高田 暁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.78, no.693, pp.835-840, 2013-11-30 (Released:2014-07-10)
参考文献数
19
被引用文献数
5

For establishing the basis of clarifying the conditions to create indoor thermal environment without discomfort due to sensation of dryness in winter (dry season), several kinds of questionnaire surveys were conducted. The questionnaire survey to great mass of office workers and students revealed that more than half of them experienced discomfort due to dryness in indoor spaces and that they sensed dryness most in the throat, followed by the lip, eyes, and face. At the same time, based on the surveys for occupants during sedentary work, the relationship between the sensation of dryness and the thermal environmental conditions such as air temperature, humidity, and wind velocity was studied. The results showed that the sensation of dryness could be caused more intensively when the air temperature or the wind velocity is higher or the humidity is low. This might correspond with the physical mechanism of moisture evaporation from skin or mucous membrane, and suggest the alternatives of indoor thermal environmental control in winter other than humidification.
著者
孫 暁強 木藤 恒夫
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-46, 2023-01-25 (Released:2023-01-25)
参考文献数
33

本研究では,日本と中国の20 代から60 代の女性を調査対象として, 化粧における国による差と世代による差を検討した.調査参加者は日本人女性250 名と中国人女性488 名であった.調査参加者は化粧意識,化粧行動として化粧品の使用頻度と化粧習慣,化粧の心理的効果について尋ねられた.その結果,両国の差異に関しては,化粧意識,化粧の心理的効果は中国が日本より高く,習慣的にメイクをする人は日本が中国より多く,化粧品の使用頻度には差異があまりなかった.世代差に関しては,日本では,ポジティブな化粧意識を除く各調査項目は世代間にほとんど差異がなかった.概して,若い世代におけるポジティブな化粧意識は中・高年世代より高かった.中国では,高年世代が他の世代よりネガティブな化粧意識が高く,化粧行動は低かった.化粧意識,化粧の心理的効果,化粧行動の相互関連については,日本と中国ともに,ネガティブな化粧意識である「効果不安」と心理的効果を除き,概ね相関関係が認められた.重回帰分析を用いて,化粧意識と化粧の心理的効果が化粧行動に及ぼす影響を検討した結果,両国ともに,意識の「必需品・身だしなみ」や「効果不安」が化粧の心理的効果よりも影響することが示された.これらの結果について,両国の経済・文化・社会的環境の変遷の観点から考察した.
著者
高田 純 森 祐二 遠藤 暁 星 正治
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、ポータブルスペクトロメータを用いて体内放射能Cs-137および内部被曝線量を迅速にその場評価する方法を開発することを目的とする。このポータブルホールボディーカウンターの開発により、世界のいかなる地域の緊急時対応や、装置の無い地域でも人体放射能汚染の迅速な調査が可能になる。この試みはこれまでになされていない方法であり、土壌、食品そして人体放射能汚染の食物連鎖の調査をこのひとつの検出器で行える特徴がある。直径76.2mm長さ76.2mmのNaI(T1)シンチレーター検出器を製作し、小型マルチチャンネルアナライザー、ノート型コンピューターからなるポータブルホールボディーカウンターの開発に取り組んだ。この検出器を、放射線医学総合研究所のCs-137人体ファントムおよびI-131模擬甲状腺ファントムを利用して、校正した。国内機関におけるCs-137全身量測定の相互比較の結果、バイアスは10%以内と良好であった。ビキニ水爆により汚染したロンゲラップ島の再建工事に従事する労働者、チェルノブイリ原発事故で汚染したベラルーシ・ホイニキライオンの甲状腺ガンになった住民、ロシア・チェリャビンスクの原爆プルトニウム製造施設マヤーク周辺核汚染地に暮らす住民等の体内放射能測定を実施し、本測定システムの試験を行なった。これらにより汚染地のバックグラウンドスペクトルの差し引きなど重要な方法を確立できた。地表、食品などの環境核汚染密度も、本器で測定でき迅速にその場解析ができることを実証した。これらにより、汚染地に暮らす住民へ結果を効果的に知らせることも可能となり、当初の目的を達成できた。
著者
三瀬 和代 白馬 伸洋 暁 清文 田原 康玄 伊賀瀬 道也 小原 克彦 三木 哲郎
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.671-677, 2011 (Released:2012-02-09)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

当院の老年内科が「抗加齢ドック」を実施しているのに呼応し, 当科でも2009年12月に「聴力ドック」を立ち上げ, 抗加齢ドックと連携して予防医学的観点から加齢性難聴の研究を始めた。聴力ドック開始から7か月間に, 抗加齢ドック受診者216名のうち96名 (44.4%) が聴力ドックを受診した。聴力ドックの受診は60歳代から増加する傾向にあり, その受診理由は「難聴の自覚」が最も多かった。抗加齢ドックで実施している脈波伝搬速度 (PWV) や頸動脈内膜中膜複合体肥厚度 (IMT) の結果と周波数ごとの聴力レベルとの関係を重回帰分析したところ, PWVでは8kHzの聴力レベルと, IMTは4kHzと8kHzの聴力レベルと有意な関連が認められた。この結果は, 高齢者の高音域聴力低下に動脈硬化が関与していることを示唆する。
著者
松井 久美 豊田 暁洋 飯塚 裕美子 小手森 綾香 高橋 みずき 菊水 健史
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.122-127, 2022-11-11 (Released:2022-12-27)

麻布大学は生命科学分野のジェネラリスト育成事業「動物共生科学ジェネラリスト育成プログラム」の教育開発 に取り組んでいる。教学IR センターは本事業の推進のために設立、LMS 開発、学習データ解析、サイエンスリテラシー&コンピテンシーテストの実施・解析、フィードバック事業などを行っている。本発表では、それらの概要および学習者類型、フィードバック-リフレクションによる学習サイクル構築について報告する。

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著者
木内小繁重暁 著述
出版者
高橋平助 [ほか2名]
巻号頁・発行日
vol.後編1の下、2巻, 1773
著者
豊田 威信 浮田 甚郎 大島 慶一郎 若土 正暁 村本 健一郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.117-133, 1999-02-25
被引用文献数
5

1996年と1997年の2月上旬、オホーツク海南西部の海氷域内部において、パトロール砕氷船「そうや」に乗船してアルベドの観測を行った。アルベドは船首部に上向き、下向きの短波放射計を取付けて測定した。同時に、海氷密接度および氷厚を、ビデオ観測データの解析により定量的に評価した。水平スケール数kmを対象とした解析の結果、アルベドと海氷密接度は良い相関が見られることが分かった。回帰式をもとに、海氷のアルベド(密接度100%)は95%の信頼区間で0.64±0.03と見積もられた。従来、極域定着氷上で測定された値よりもやや小さい値が得られたのは、低緯度海氷域内では海水や日射などの影響により、海氷上の雪粒子が成長しやすいためと推定される。観測値の回帰直線からのずれは、危険率1%で太陽天頂角と、危険率5%で氷厚と統計的に有意な相関が見られ、海氷密接度と太陽天頂角を変数とする重回帰式も導出された。重回帰式において、偏回帰係数はどちらも統計的に有意であるが、アルベドは太陽天頂角に比べて海氷密接度とより強い相関関係にあることが分かった。重回帰式と観測値との差異は氷厚あるいは雲量よりも主として海氷の表面状態の違いによって生じたものと推定される。これらの結果から、海氷上の積雪が海氷域のアルベドに及ぼす影響が大きいことが示唆された。一方、dark nilas(暗い薄氷)で覆われた海面上で停船した期間中に得られた短波放射データから、氷厚1〜1.5cmのdark nilasのアルベドは0.10、氷厚2〜3cmでは0.12と見積もられた。
著者
村田 暁紀 佐藤 寛之 高玉 圭樹
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2017-MPS-112, no.3, pp.1-6, 2017-02-20

本研究では,1 つの個体としての解を進化させる通常の多点探索型進化計算 (点 = 個体 = 解候補) ではなく,複数の個体からなる解を進化させる進化計算 (複数の個体を群ととらえると,多群探索型進化計算 (群 = 複数の個体 = 解候補)) を提案するとともに,その有効性を検証することを目的とする.さらに,進化計算において根源的な問題である最適性と多様性のトレードオフを,多群探索型進化計算にて改善することを試みる.具体的には,多目的進化計算手法一つである NSGA-II の評価指標として,「最適性」 を評価する解の良さと 「多様性」 を評価するノベルティサーチを導入した後,(1) 評価値の高い解の近傍を重点的に探索する重点サンプリングと (2) 評価値の高い解から離れる範囲を探索しない多様性制限を組み込む.提案手法の有効性を検証するため,航空機着陸問題 (群 = 複数の航空機の経路集合 = 解候補) に適用し,シミュレーション実験を行ったところ,(1) 提案手法は,各個体を最適化しつつ全体を最適化するとともに,ノベルティのみの評価や Fitness の評価のみの手法に比べ,より最適性の高い解を獲得できることが明らかになった.また,(2) 多群探索型進化計算において,重点サンプリングと多様性制限が最適性と多様性のトレードオフの問題の改善に貢献できることを示した.
著者
仁宇 暁子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.151-160, 2018-09-09 (Released:2019-02-20)
参考文献数
7

本研究は,従来の美術系大学の受験のための「視覚的なデッサン」とは異なる「感性的なデッサン」を行うことで,芸術家の絵がどのように変容するかをさまざまに実験することを通して,芸術における石膏デッサンの新たな価値の発見を目指したものである,実験では,徳島および台湾の芸術家とともに,像を直感で描いたり,像を布で覆ってその感触を描いたり,感性優位なデッサンを重ね,そこから新たな絵の創造を試みた。 結果的に,本研究の実験に関わった芸術家の作品は,感性的石膏デッサンと自らの絵の行きつく方向やコンセプトとの相乗効果によって,より精神性の高い創造的な絵に変容していった。その変容の内容は,(1)感性的石膏デッサンは古いものを打ち破り,新しい作品を生む,(2)感性的石膏デッサンは抽象も具象の作品も創造する,(3)感性的石膏デッサンは自らを客観的に可視化し,自らも作品も成長させる,の3 点で説明できた。
著者
家田 暁 琴 智秀 萩原 将文
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.163-172, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
36
被引用文献数
1 2

本論文では感性を反映した構図修正による,デジタル写真の品質向上システムを提案する.提案システムでは入力画像に適した構図を自動選択し,画像の構図を原画像の印象を保ちながら修正することで,画像の品質向上を行うことができる.修正は4 段階の処理によって行われる.まず,入力された画像から主となる顔,際立つ領域,三角部分,水平線,対角線,遠近法消失点の6 種類の構成要素が検出される.検出された各構成要素の位置や他構成要素との関係から,それぞれの構成要素に適すると考えられる出力構図案が計算される.次にそれらの構図案から,原画像の印象から大きく変わってしまう案が削除される.すなわち,画像に対する構成要素の位置が大きく移動する案が削除される.最後に,残った出力構図案の中から原画像の印象を最も保つことが可能な構図案,すなわち切り出す面積が最も小さい構図案が選択され,その構図案に従い画像の構図修正が行なわれる.ユーザアンケートによる2 種類の評価実験を行った.その結果,提案システムによってユーザにとって好ましい修正が行われること,また既存手法と比較しても好ましい修正が行われることが確認された.
著者
高橋 研太郎 諸橋 一 坂本 義之 小山 基 村田 暁彦 袴田 健一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.2046-2049, 2011 (Released:2012-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

症例は62歳,女性.平成22年4月に急性腎不全と意識障害を伴った腸閉塞症にて緊急開腹術を施行したが,明らかな閉塞性病変を認めなかった.術後に意識障害の原因はグリホサート誤飲によるものと判明し,内科的治療で腹部症状と中毒症状は改善した.しかしグリホサート誤飲後1カ月後に再び腸閉塞を発症し,小腸造影と腹部CT検査で小腸重積が疑われた.保存的治療で軽快が得られないため,6月に再手術を施行した.Treitz靱帯から80cmと230cmの2カ所の小腸で,口側腸管が肛門側腸管に嵌り込んだ腸重積を認めた.腸管は炎症性に壁肥厚しており,重積部に腸管の強い癒着を認めた.口側の重積は用手的整復後に狭窄形成術を行い,肛門側の重積は小腸部分切除術を行った.グリホサート中毒後に発症した成人腸重積症の報告例は,検索しうる限りでは本邦初の極めて稀な症例であったが,遅発合併症の1つとして留意する必要があると思われたので報告する.

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著者
森茂暁著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1994
著者
伊藤 千夏 小泉 暁子 田中 絵里香 金子 佳代子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.221-227, 2006-08-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
26
被引用文献数
9 3

9歳から22歳までの男女3468名の骨量を超音波法により測定し, 骨量の年齢別推移および骨量と身長, 体重, BMI, 除脂肪量, 体脂肪率との関連を検討した。骨量は乾式踵骨超音波骨評価装置 (ALOKA 社AOS-100) を用い, 超音波伝播速度 (SOS) と透過指標 (TI) を測定して音響的骨評価値 (osteo sono-assessment index 以下OSIとする) を算出し骨量に相当する指標とした。OSIは9歳から14歳までは男女間に差はなく年齢とともに増加し, 15歳以降は男子の方が女子よりも有意に高値を示した。女子では初経発来者は未発来者に比べてOSIが有意に高値を示していた。年齢を4区分 (9-12歳, 13-15歳, 16-18歳, 19-22歳) にわけ, OSIと身長, 体重, BMI, LBM, 体脂肪率との相関を検討したところ, 女子ではすべての年齢区分で, OSIと体重, BMI, LBM, 体脂肪率との間に, 有意な正の相関関係が認められたが, 男子の19-22歳では, OSIと身長, 体重などの身体組成とは相関が認められなかった。