著者
坂元 亮一 上川 善昭 永山 知宏 杉原 一正
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.21-24, 2010-04-01 (Released:2010-08-20)
参考文献数
18

We report a case of angioedema in the tongue and oral floor potentially induced by angiotensin II receptor blockers (ARB).A 77-year-old woman with a history of hypertension was treated with an ARB, and edematous lesions in the tongue and oral floor suddenly occurred about one week after the start of the treatment. She visited an emergency hospital, and was prescribed serrapeptase, a complex of betamethasone and chlorpheniramine maleate, and epinastine hydrochloride. But since the edema was poorly controlled, she was referred to our department. The ARB was strongly suspected to have caused the angioedema, so we stopped the ARB that she was taking. Edema disappeared one day after the onset of symptoms, and there has been no recurrence of symptoms after the termination of ARB treatment.
著者
杉原 桂太 伊藤 俊
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.127-141, 2021-05-20 (Released:2022-05-21)
参考文献数
16

本稿は,日本における自動運転車の社会実装を議論するために行われたワークショップを提示することを目的とする.このワークショップでは,最新技術である自動運転車の社会実装について広い視点を参加者に提示するために,構築的テクノロジー・アセスメントが用いられた. 第一に,上記の目的を明確にし,本研究のフレームワークを明らかにする.第二に,米国と欧州,日本における自動運転車を取り巻く社会状況を提示する.ここでは,これらの地域におけるこの技術についての社会受容に注目する.その上で,社会実装を議論する場の必要性を指摘する.第三に,自動運転車の社会的な実装を議論するアプローチとして構築的テクノロジー・アセスメントを提示する.そのオランダにおける起源と特徴に着目する.第四に,ワークショップの詳細を示す.ワークショップでは三件の基調講演が行われている.さらに,日本における自動運転車の実装についての議論を促進するために三つのケース・スタディが用いられた.第五に,ワークショップの成果について議論する.最後に,全体をまとめ,今後の研究の必要性について指摘する.
著者
杉原 健一 林 良嗣
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木情報利用技術論文集 (ISSN:13491040)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.67-74, 2006 (Released:2011-12-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

建物ポリゴンとは、GISで蓄積及び管理される電子地図上の建物境界線のことである。我々はこの建物ポリゴンに基づいて、3次元建物モデルを自動生成するGISとCGの統合化システムを提案する。3次元都市モデルは、都市計画、まちづくり、防災、景観評価、交通工学等のアカデミックな分野から公共事業の情報公開、まちづくりへの住民参加の場として利活用が期待される重要な「情報基盤」である。しかし、現状では、3次元都市モデルの主要な構成物である建物を3次元モデリングするのに、多大な時間と労力をかけている。そこで、本研究では、頂角が直角である建物ポリゴンを分割し、長方形の集まりとし、その上に建物の3次元モデルを配置して、3次元建物モデルを自動生成するアルゴリズムを提案する。分割する際、短冊状の長方形とならないように数ある分割線の中から、長方形の縦横比が1に近くなる分割線を採用して、分割処理を行い正方形に近い四角形の集まりとする手法を示す。
著者
杉原 久義 二改 俊章 森浦 正憲 神谷 和人 田中 哲之助
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.47-57, 1972-01-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

25年ないし31年間デシケータ内で常温に保存された雨傘蛇(Bungarus multicinctus),青ハブ(Trimeresurus gramineus),台湾ハブ(Trimeresurus mucrosquamatus)ハブ(奄美)(Trimeresurus flavoviridis),百歩蛇(Agkistrodon acutus)の各毒の致死活性,出血活性および各種酵素活性を測定し,新鮮毒のそれと比較して長期保存における活性の変化を調べた。これらのうち百歩蛇毒の各種活性は一般的に安定であることが注目された。またハブ毒が最も不安定で,各種活性共減少傾向が著しかつた。雨傘蛇の31年保存毒を除き,各毒共通して5'-nucleotidase活性は極めて安定で,ほとんど活性の減少は見られなかつた。ついでNADase,ATPase活性が安定であつた。L-amino acid oxidase活性は不安定で活性の減少が著しかつた。ついでglycerophosphatase,出血活性も減少傾向が著明であつた。また致死活性も割合不安定で,保存中に徐々に活性が減少した。同一の酵素活性でも蛇毒の種類が異なると活性の減少率が異なつていた。この点より酵素タンパク質の安定性は毒の種類によつて違つていることがわかる。また致死活性と相関して減少するような活性は明瞭には認められなかった。
著者
杉原 黎子 安藤 久子 藤谷 健
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.521-526, 1982-10-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
21

An experiment was performed on the model system to investigate the process of oxidation of sebum adhered to clothes. Lard, which consists of similar fatty acid composition to sebum and does not contain antioxidant, was used as a model substance. Test-fabrics which were soiled with lard were hung in an incubator controlled at 50°C, 40°C and 30°C for 1-60 days. The degree of oxidation of the lard extracted from the fabrics was followed through the peroxide value, carbonyl value, concentration of conjugated diene hydroperoxide, and fatty acid composition.The results were summarized as follows;1) No appreciable difference among the degrees of oxidation of lard adhered to cotton, wool, acrylic, and polyester fabrics was observed. From this fact, it could be considered that there was little effect in each fiber to the oxidation of lard.2) It was recognized that the rate of autoxidation of lard on fabrics was very rapid.3) Linolic and linolenic acids were more rapidly decomposed than oleic acid.4) The autoxidation rate of lard on fabrics increased by twice, when aging temperature rose by 10°C
著者
杉原 邦夫 山本 隆 河村 洋二郎
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.463-468, 1977-09-30 (Released:2010-10-28)
参考文献数
3

ラットを用い, 各種界面活性剤, ならびに, これらの界面活性剤を配合したモデル処方歯磨の味覚に対する作用を, 電気生理学的手法により検討した。蕉糖脂肪酸エステル (SE) それ自身では鼓索神経に著明な反応を生じさせず, また, 四基本味質の反応に対しても何ら影響をおよぼさなかった。ラウロイルサルコシンナトリウム (LS) 自身による神経反応はラウリル硫酸ナトリウム (SLS) と類似していたが, 弱く, SEと等モル混合することによりさらに減弱した。四基本味質反応に対する抑制作用もLSはSLSより弱く, 回復性の早いものであり, SEとの混合によりその作用は減弱した。SEおよびLSを配合したモデル処方歯磨の作用はSLSを配合したものに比べ, 四基本味質反応に対する抑制作用は弱く, 回復性の早い作用であり, 味覚への影響は少ないものと考えられる。
著者
杉原 厚吉
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.280-299, 1991-12-16 (Released:2017-04-08)
被引用文献数
1

New approaches are presented to the problem of topological inconsistency caused by geometric algorithms implemented in finite-precision arithmetic. In geometric computation numerical errors often create inconsistency in topological structures and thus cause theoretically correct algorithms to fail. To overcome this problem two approaches are considered for the case of constructing the Voronoi diagram as an example. In the first approach, higher-precision arithmetic is used to construct a closed world in which topological structures are judged always precisely, and the symbolic perturbation technique is employed to avoid complicated branches of processing for degenerate cases. In the second approach, the highest priority is placed on the maintenance of topological consistency and numerical results are used as lower-priority information; the resultant algorithm is robust in the sense that inconsistency never arises and is correct in the sense that the output converges to the true solution as the precision becomes higher.
著者
田中 裕 杉原 麻理恵 津曲 俊太郎 高松 伸枝 栗原 和幸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1011-1015, 2017

<p>症例は12歳の女児.食物摂取後の運動負荷によるアナフィラキシー症状を繰り返したため, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIAn)を疑い原因食物の精査を行った.症状誘発時に摂取頻度の高かった卵・乳・大豆と, FDEIAnの原因食物として頻度の高い小麦について, それぞれの食物摂取後の運動負荷試験を施行したが全て陰性であった.詳細な問診から4回のエピソードで温州みかんを摂取していたことや, 同じ柑橘類であるオレンジ・グレープフルーツの特異的IgEが陽性であったこと, スキンプリックテスト(skin prick test, SPT)が陽性であったことから温州みかんを原因食物として疑い, アスピリンを併用した温州みかん摂取後の運動負荷試験を行ったところアナフィラキシー症状が誘発されたため, 温州みかんによるFDEIAnと診断した.多数の柑橘類でSPT陽性を示したため柑橘類の完全除去を指示したところ, それ以後アナフィラキシー症状は認めていない.FDEIAnの原因食物として柑橘類も認識しておく必要がある.</p>
著者
桐谷 広人 杉原 杏璃 鷹野 美紀
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.390, pp.94-97, 2015-01

コスメ以外では、家電量販店のエディオン(東1・2730)もお薦め。2000円ごとに500円割引される優待券が、100株以上で6枚もらえます。1回の買い物で1枚しか利用できない量販店もあるけど、エディオンは高めの商品を買えば最高100枚まで使えるから使い勝手がいいん…
著者
杉原 雄一 上野 秀人 平田 聡之 荒木 肇
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.222-228, 2014
被引用文献数
3

トマト生産においてカバークロップとしてのヘアリーベッチ(<i>Vicia villosa</i> R.,以下 HV)と化学肥料の効率的な施用方法を確立するために,HV,速効性肥料(Fast)および緩効性肥料(Slow)から放出された窒素のトマトへの吸収について,安定同位体 <sup>15</sup>N を利用して調査した.窒素の速効性肥料(硫安)と緩効性肥料(LP-S100)を供試して,両者の混合割合を 2 : 8(Fast + Slow)と 0 : 10(Slow-only)とした.窒素施肥量を 240 kg N·ha<sup>-1</sup> として,土壌培養試験を行うと,培養 4週間において Fast + Slow では高濃度の無機態窒素環境が形成された.同様の施肥条件を用いて,1/2000 a のワグネルポットでトマト'ハウス桃太郎'を栽培すると,<sup>15</sup>N でラベルした HV(0.89 atom% excess)を土壌中にすき込むことで,定植12 週後のトマトの植物体乾物重は HV 無添加より有意に増加したが,窒素肥料の混合割合による差異は認められなかった.HV 由来窒素は主に定植 4 週後までに吸収され,その吸収量には Fast の有無による差異はなかったが,吸収した全窒素に対する HV 由来窒素の含有率(%N<sub>dfhv</sub>)は Fast を施用しない Slow-only で有意に高くなった.しかし,この差異も定植 8 週以降は認められなかった.トマトによる窒素吸収は栽培終了時の定植 12 週後まで続いた.以上の結果から,HV 由来窒素は速効的であった.生育初期においては,トマトへの窒素吸収に土壌・肥料由来窒素と HV 由来窒素の間で競合関係があり,多量の土壌・肥料由来窒素が存在すると HV 由来窒素の吸収が抑制される.この試験で得られた知見は,トマト生産における HV と化学肥料の適切な混合体系の確立に寄与する.
著者
杉原 丈夫
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.95-109, 1972-12-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
4
著者
杉原 隆太 松尾 浩志 平田 明生 柏瀬 一路 樋口 義治 安村 良男 上田 恭敬
出版者
特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
雑誌
日本冠疾患学会雑誌 (ISSN:13417703)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.26-30, 2016 (Released:2017-03-24)
参考文献数
8

症例は74歳男性.2013年11月上旬に近医で腹部大動脈瘤を指摘されて当院へ紹介された.術前の冠動脈CTでは,左冠動脈から右冠動脈が分岐する単一左冠動脈症と,左冠動脈主幹部と前下行枝の石灰化を伴う高度狭窄が認められた.腹部大動脈瘤は瘤径の拡大傾向と胸背部痛が認められたため切迫破裂状態と考え,まず腹部大動脈瘤に対して開腹手術を行った.術後狭心症症状が増悪したため,陳旧性脳梗塞による右半身麻痺や肺気腫などの全身状態を考慮し,経皮的冠動脈形成術による血行再建術を行う方針とした.術中は,ノルアドレナリン,アトロピンの使用に加えて,大動脈バルーンパンピングでサポートを行いながら,冠動脈灌流型バルーンを用いて経皮的冠動脈形成術を合併症なく施行することができた.術後経過良好であり,療養型病院へ転院となった.単一左冠動脈症例の左冠動脈主幹部病変に対して冠動脈灌流型バルーンを用いて経皮的冠動脈形成術を施行し得た1症例を経験したので,文献的考察を踏まえて報告する.
著者
杉原 桂太 嶋田 創
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

情報検索のための PageRank はネットワークのリンク解析によるノードへのスコア付与アル ゴリズムとして広く普及している。PageRank には高計算コスト等の問題があり、改良策が盛 んに研究されて来た。従来の改良は当初の PageR;ankと同じくネットワークの隣接行列を用い る。しかし、PageRank の問題は同行列では根本的には解決されない懸念がある。本研究は、 エルミート隣接行列に依るスコア付与のアルゴリズムを開発し、PageRank を凌駕 し発展性を持つ手法を構築する。