著者
小林 江里香 深谷 太郎 杉原 陽子 秋山 弘子 LIANG Jersey
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.133-145, 2014

This research examines how the linkages between different types of social networks and subjective wellbeing(SWB)vary across gender and age through structural equation modeling. Data came from a nationwide survey for older adults conducted in 1999 (N=3,482). SWB was measured by life satisfaction and depressive symptoms. A three-factors model for social networks showed a good fit, consisting of child contact, informal contact with friends and neighbors, and social participation related to groups/volunteer activities. The effects of four types of networks (i.e., spouse and the three factors) on SWB were compared among the 4 gender×age groups. Gender differences were more prominent among the young-old (63-74 years old) than the old-old (75 and over), namely, the effects of being married and social participation on life satisfaction were greater for males than females, whereas informal contact was more important for female life satisfaction and depression. Among the old-old, the association between child contact and SWB was stronger than among the young-old. Further research is needed to ascertain whether the age differences result from aging and/or cohort variations.
著者
岩上 さやか 杉原 素子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.151-158, 2014-12-25

本研究は,回復期リハビリテーション病棟に入院した脳血管障害患者がその入院生活時に何をきっかけに自身の生活に再び目を向けることができたのかを探ることを目的とした。入院生活時に自身の病前生活に目を向けていたと判断され,現在地域生活を行っている3名に対し,半構造化面接を行い得られた資料の分析を行った。資料の内容分析を通して5つの共通項目が得られた。それらは「病前生活での自身の役割の明確な再認識の機会」と「作業療法場面での家事活動」が,生活に目を向けるきっかけとして,「病前の具体的な役割の存在」「前向きな考え方」「病気の体験を今後の生活にプラスに活かす姿勢」が,きっかけを導く背景の項目として挙げられた。このことから,患者一人ひとりの病前の役割や習慣的な活動を訓練に活かす事が,生活に目を向けるきっかけとなる可能性が示唆された。今後,患者の病前生活の情報を得る技能が必要になると思われた。
著者
杉原 一昭
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.21, pp.127-133, 1999-03-01

Relationships between basic and practical research in psychology are discussed considering "mode theory". According to mode theory, there are two types of scientific research; mode I is the discipline of basic research, ...
著者
高田 和磨 杉原 太郎 五福 明夫
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本研究では,人狼ゲームにおける人間らしいエージェントの実現のために,人間とエージェントによるゲームプレイを分析する.ゲームの要と予想される人狼の騙りと他者への同調に注目し,騙りの有無,同調の有無に基づいた2種類の人狼エージェントを用いて人間と人狼ゲームを行う.そして,自然なコミュニケーションの評価指標としてゲームの勝敗や人狼の看破情報等をもとに人間らしいエージェントの要素を分析する.
著者
牧野 孝俊 栗田 佳江 池田 優子 杉原 喜代美
出版者
高崎健康福祉大学
雑誌
高崎健康福祉大学紀要 (ISSN:13472259)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-80, 2007-03

看護学生による高校生に対するピアエデュケーションの実践を振り返り、その効果を明らかにすることを目的とし、藤岡地域を中心とした2つの高等学校計3クラスの生徒92名を対象に、授業に対する態度と性に対するイメージ2項目についての無記名自己式質問紙調査をした。項目の内容は、授業に対する態度として「積極的な発言」、「人の意見を聞く」、「興味を持って参加する」、「相手の気持ちを考える」、「楽しく学ぶ」の5項目を、性に対するイメージとして「大切なもの」、「不潔なもの」、「すばらしいもの」、「めんどくさいもの」、「はずかしいもの」、「なくてはならいもの」、「いやらしいもの」、「自然なもの」の8項目である。その結果、授業に対する態度において2クラスのエデュケーション後に「人の意見を聞く」や「興味も持って参加する」、「楽しく学ぶ」の3項目で、有意な差が生じた。また性に対するイメージにおいて、3クラスともエデュケーション後に「大切なもの」「すばらしいもの」「なくてはならいもの」「自然なもの」の4項目で肯定的イメージを選択する学生に有意な差が生じた。
著者
堀内 理恵 伊藤 みどり 杉原 好枝 福田 滿
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-18, 2004
被引用文献数
1

兵庫と大阪の女子大生(255人)にオカラの嗜好と意識を調査し,次のような結果が得られた.1.大部分の女子大生にオカラは受け入れられ,オカラに対するイメージは「健康に良い」「栄養がある」が同率首位で,3位「安価である」であった.喫食経験のある人は84.6%であったが,喫食頻度は低く年に1〜2回が過半数であった.2.オカラは「卯の花」で食する人がほとんどであり,オカラ入り食品の入手先は「店で購入」が64.9%「家で作る」は30.7%となった.3.オカラはハンバーグ,コロッケ,ギョウザなどひき肉と合わせる料理の素材として人気が高く,次にケーキ類,パン類の順で,中でもベーグル,ピザ,カレーパンは人気が高かった.4.オカラが「大豆から豆腐を製造する時の副産物である」ことは86.5%の人が知っており,その情報源は「親」が49.8%であった.オカラが「産業廃棄物である」ことの認知度は34.7%でその情報は37.8%が「テレビ」から得ていた.「食物繊維が豊富に含まれる」ことに対しては,53.7%の人が知っておりその情報は42.9%が「親から」得ていた.「イソフラボンが豊富に含まれる」ことに対しては,37.3%の認知度でその情報は「テレビ」からが33.0%であった.「大豆タンパク質が豊富に含まれる」ことに対しては61.2%の人が知っており,その情報は「親」27.2%,「テレビ」27.2%,「新聞・雑誌・書物」21.5%,「学校」20.3%であった.
著者
大熊 一正 恐神 正博 篭谷 隆弘 Osogami Masahiro 篭谷 隆弘 Kagoya Takahiro 四折 直紀 Shiori Naoki 杉原 一臣 Sugihara Kazutomi 山西 輝也 Yamanishi Teruya
出版者
福井工業大学
雑誌
福井工業大学研究紀要 Memoirs of Fukui University of Technology (ISSN:18844456)
巻号頁・発行日
no.42, pp.610-619, 2012

We composed teaching material for education about information and communication technology using micro-robot which is the smallest soccer robot in the RoboCup soccer international competition. The feature of this material is that control programing for the micro-robot is clarified using Scrath which is produed by MIT Media Lab. However, since micro-robot is currently controlled by program in C++ language, we made translator system from Scratch code to C++ code using PHP language. In this paper, we report the reason why we come to think clarification of our teaching material is important and how to realize such clarification.
著者
藤木 篤 杉原 桂太
出版者
名古屋工業大学技術倫理研究会
雑誌
技術倫理研究 (ISSN:13494805)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.23-71, 2010

本稿では、日米両国における工学倫理の教科書の変遷過程を概観し、その後のわが国に適した教科書を作成する上での課題について述べる。アメリカにおける近年の出版動向を確認すると、従来アメリカ式の工学倫理の特徴とされたプロフェッショナリズムはさらに強調され、同じく特徴として挙げられてきた個人主義的傾向は勢いを弱めつつあることが明らかになる。一方わが国の教科書は、アメリカに強く影響を受けているにもかかわらず、上記の点、すなわちプロフェッショナリズムを前提とする社会契約モデルを採用するか否か、また個人主義的傾向をとるか否かについて、執筆者ごとのスタンスの違いが表れるため、未だ標準化という方向へ向かっていない。こうした状況は、工学倫理導入当初からわが国において議論され続けてきた問題、すなわち「専門職概念をどのように受容するべきか」という問題へと帰着する。つまり、わが国で技術者が置かれている実際の立場と、社会契約モデルが前提とする技術者像の間に乖離があるために、両者の間に齟齬が生じ、結果的にこのような複雑な状況を生み出しているのである。したがって、われわれは今後、技術者の社会的地位とその責任について議論を行う必要がある。日本に適した工学倫理の教科書を作成するためには、我々はあらためてこの問題に向き合わねばならない。
著者
岩崎 貢三 康 峪梅 田中 壮太 櫻井 克年 金 哲史 相川 良雄 加藤 伸一郎 NGUYEN VAN Noi LE THANH Son BANG NGUYEN Dinh VENECIO ULTRA Jr. Uy. TRAN KHANH Van ZONGHUI Chen NGUYEN MINH Phuong CHU NGOC Kien 小郷 みつ子 福井 貴博 中山 敦 濱田 朋江 杉原 幸 瀬田川 正之
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では, (1)ハノイ近郊の鉱山周辺土壌における重金属汚染, (2)紅河流域畑土壌における有害金属・農薬残留に関する調査を実施し, 特に有害金属に関し, 工場・鉱山を点源とする汚染と地質に由来する広域汚染が存在することを明らかにした. また, これら金属汚染土壌の植物を用いた浄化技術について検討するため, 現地鉱山周辺で集積植物の探索を行ない, Blechnum orientale L.やBidens pilosa L.を候補植物として見出した.
著者
川村 邦光 荻野 美穂 杉原 達 冨山 一郎 真鍋 昌賢 落合 恵美子 荻野 美穂 落合 恵美子 才津 祐美子 重信 幸彦 杉原 達
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の家族写真は、当初西洋の影響を受けていたが、独自の展開をしてきたことを明らかにした。家族写真が人生儀礼や年中行事において撮影され続け、民俗的慣行として確立され、民俗資料として有効であることも明らかにした。現在では、特に年賀状に家族写真が載せられて、友人・知人に向けて発信され、家族の共同性を確認する機能を果たしている。本研究は家族写真に関する初めてのまとまった本格的な研究であると考える。
著者
石黒 貴之 服部 啓太 須田 礼仁 杉原 正顯
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.1-6, 1999-08-02
被引用文献数
2

球面上のPoisson方程式は地球の大気の運動をシミュレーションする上で欠かせない方程式である.従来,気象学の分野では球面上のPoisson方程式の数値解法として,球面調和関数を用いたスペクトル法及び,差分法等が一般的に利用されてきた.しかし前者はスペクトル範囲以内では正確に計算できるが,計算速度が遅い,逆に後者は高速に計算できるが精度が悪い.そこでYeeによって高速Fourier変換(F)を用いた高精度かつ高速な二重Fourier級数展開法が提案された.本報告ではYeeの方法で解析が不完全なところを補い,さらに改良を加えた.その結果,我々の手法でば,Yeeの方法の精度を保ちつつ,2倍程度の計算速度の向上を実現した.In meteorology, the spectral and finite difference methods are commonly used as the numerical solutions of the Poisson equation on a sphere. Nevertheless the former, being highly accurate, is slow, whereas the latter, being fast, is lowly accurate. To improve this situation, Yee has recently proposed a fast and highly accurate method based on the FFT, which is called truncated double Fourier series. In this report we make up for incomplete point of Yee's report and improve Yee's scheme. As a result our scheme achieves doubled performance with keeping the same level accuracy.
著者
杉原 辰哉 山陸 孝之 山本 美幸 藤田 和絵 門永 陽子 芦田 泰之
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.349-357, 2023-07-25 (Released:2023-07-25)
参考文献数
9

心電図について講義を行った救急救命士および救急隊員に対しアンケート調査を実施し,救急現場における疑問点や需要を明らかにした。対象は島根県内の消防本部に所属する救急救命士62名,救急隊員20名。病院前12誘導心電図(PH-ECG)の現状と重要性,モニターおよび12誘導心電図の装着方法とコツ,頻出する心電図の判読,急性心筋梗塞の心電図判読,頻脈性不整脈の心電図判読について講義を実施した。アンケート内容については,上記講義内容の理解度についての回答とST変化の評価,脚ブロックとの鑑別,鏡面現象の理解について回答を設定した。職種別の認知度と理解度の違いは,全ての質問項目において救急隊員に比べ救急救命士が有意に高値であった。項目別の認知度の違いは,ST変化の評価に比べ,脚ブロックとの鑑別は有意に低値であった。救急救命士と救急隊員は共通してST変化の評価は理解できているが,脚ブロックとの鑑別における知識は不十分な傾向にあり,救急現場で誤った判読をしてしまう可能性もある。理解度が低かった項目に重点を置いて講義内容を作成し,理解を深め,救急救命士および救急隊員と病院間における報告や連携の質の向上に繋げていく。
著者
杉原 重夫 嶋田 繁
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.695-712, 1998-10-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
45
被引用文献数
2 3

Hachijo Island, located on the volcanic front of the Izu-Ogasawara (Bonin) arc, consists of two stratovolcanoes : Nishiyama and Higashiyama. Nishiyama (Alt. 854.3 m) is a scarcely dissected cone called “Hachijo-fuji”. Nishiyama began its volcanic activities about 10, 000 years ago. Many lateral volcanoes exist around Nishiyama, and one of them, Kandoyama (Alt. 194.9 m) is a tuff cone which was formed by a phreatomagmatic eruption. This study discusses the stratigraphy of deposits, and the eruptive types and the eruption ages of Nishiyama after the formation of Kandoyama. The results are summarized as follows.1) This study names four air-fall pyroclastic materials “Ny1-4”, which erupted from Nishiyama after the pyroclastic surge eruption of Kandoyama (ca. 2, 500 y.BP). All of them are scoriaceous.2) Ny2 erupted from a lateral volcano on the west of Kandoyama. This scoria cone is composed of agglutinate.3) Ny3 erupted from the summit crater of Nishiyama ca. 1, 100 y.BP. Ny3 was widely distributed on the southeast flank of Nishiyama, but it did not reach the foot of Higashiyama. Prior to the eruption of Ny3, a large amount of lava flowed down the southeast flank of Nishiyama.4) Ny4 erupted from a crater row along the southeast side of Nishiyama. From the description found in archives, it is clear that the eruption of Ny4 corresponds to A.D. 1605 (Keicho 10th) eruption. Ny4 deposited around the vents as agglutinate, and air-fall materials were widely distributed on the southeast side of Nishiyama. However, the total volume of Ny4 was the same or less than that of the Miyakejima 1983 eruption and the Izu-Oshima 1986 eruption.5) There are descriptions in the archives of at least four eruptions and about ten occurrences of earthquakes and tsunami in and around Hachijo Island. The fissures and tsunami deposits which followed historic earthquakes were found at the Yaene site located on the south side of Nishiyama. The pyroclastic materials from Nishiyama date these past earthquakes.
著者
杉原 辰哉 萩原 文香 門永 陽子 鳥谷 悟 松浦 佑哉 井原 伸弥 黒崎 智之 森山 修治 上田 正樹 森脇 陽子 広江 貴美子 古志野 海人 山口 直人 大嶋 丈史 岡田 清治 太田 哲郎
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-56, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

【目的】心肺運動負荷試験(CPX)のAT レベルの心拍数(THRAT)での運動処方が困難な場合はKarvonen の式から得られる心拍数(THRkarvonen)を参考に実施するが, 心不全やβ遮断薬投与例では必ずしも適切な決定ができない.本研究はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者を対象にATHRとKarvonen 式の関係を検討し,適切な心拍数を求めることを目的とした.【方法】対象はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者20 例,年齢62.7±8.2 歳.a(220-年齢)を最大HR とし,係数a は実際にCPX で得られた実測最大HR からa =実測最大HR/(220-年齢)を求め,また,Karvonen の式から運動強度の係数k =(THRAT-安静時HR)/(最大HR-安静時HR)として求め,係数k と臨床的指標の関係について検討した.【結果】CPX から求めた係数a は0.72±0.09,係数k は0.42±0.13,THRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で,THRAT とTHRmodifiedKarvonen の相関関係はr=0.84(p < 0.01)であった.係数k と臨床的指標の関係は心リハ開始日数とLVEF に関連性が認められTHRclinical =(0.005×LVEF-0.015×心リハ開始まで+0.312)[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR とすると,THRAT との相関関係はr=0.88(p < 0.01)であった.【結語】β遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者はTHRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で求められ,係数k はLVEF と心リハ開始日数と関連して変化する可能性が示された.
著者
杉原 健太 青木 尊之
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.20100018, 2010-12-03 (Released:2010-12-03)
参考文献数
20

GPUは演算性能が高いばかりでなくメモリバンド幅も広いため, CUDAのリリースによって格子系の流体計算などさまざまな分野でGPUを用いた高速計算の研究(GPGPU)が行われるようになっている. 本研究では流体の移流現象を記述する移流方程式に対して1次~6次精度有限差分法や5次精度WENO法を適用し, GPUによる実行性能の検証および評価, 複数GPUでの新たな並列計算方法の開発, 大規模高次精度移流計算の複数GPUを用いた並列計算での高速化と強スケーラビリティの検証を行う. 本研究は東京工業大学 学術国際情報センターのスーパーコンピュータ TSUBAME Grid Clusterを利用して行われた. NVIDIAのCUDAを用いてGPU上に実装する上で, 以下の方法を導入する. Global memoryへのアクセス回数を低減するためにx, y方向のデータをSM内のShared memoryをソフトウェアマネージド・キャッシュとして利用し, 各Thread内で閉じているz方向のデータはThread内の変数(Register ファイル)に格納し, 計算の高速化を図る. 3次元的に計算空間分割しBlockの数を増やすことでSMの並列実行効率を高める. 3次元領域分割法によるGPU並列計算により並列数の増加に伴い, 境界bufferのデータサイズを減少させ通信時間を短縮させる. 計算領域を7つのKernelに分け非同期実行することによる「計算Kernel, Device-Host間通信, MPI通信」3つのオーバーラップ技法を提案する.本論文では演算密度(flop/byte)と実行性能との関係に注目した評価を導入し, 低次から高次精度の差分を用いた移流計算を例に評価の妥当性を検証した. 高次精度手法は低次よりも演算密度が高く実行性能を引き出し易いことが明らかになった. また, GPU並列計算では3次元領域分割を使用し, 7個のstreamによる非同期実行によるkernel関数, MPI, Device-Host通信のオーバーラップ技法の提案をした. これらにより, 高次精度移流計算において60GPUで7.8TFlopsという非常に高い実行性能を達成した. 本研究によって以下の新しい知見が得られた. GPUの実行性能は演算密度(flop/byte)で有効な評価ができる. Shared memoryを用いたデータの再利用により演算密度は高くなり実行性能が向上する. 1GPUの実行性能が1CPU coreに比べて数十~百倍高速であり, 複数 GPUの場合はMPI通信に加えてDevice-Host間通信も必要になるため計算時間の中で通信時間の占める割合が高く, 高速化におけるボトルネックになる. 複数GPU計算において, 3次元領域分割が有効である. 本論文で提案した技法は移流計算に限らず直交格子でのさまざまなステンシル計算(例えば拡散方程,Jacobi法等の反復解法)にも適用可能であり, 汎用性が高いといえる.
著者
杉原 肇
出版者
関西医科大学医学会
雑誌
関西医科大学雑誌 (ISSN:00228400)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.72-88, 1974-03-20 (Released:2013-02-19)
参考文献数
55
被引用文献数
2 3

The effects of the semisynthetic diets containing a refined coconut oil upon the growth of DMBA-induced mammary cancers were investigated in 87 young adult female Sprague-Dawley rats. Eighty young female rats were maintained on a commercial pellets, CMF type of Oriental Yeast Company, and injected to a caudal vein with 3 mg of DMBA at the age of 55 and 58 days. In the ages of 85 to 145 days for promotion stage of the tumor growth, the experimental animals were distributed to 4 groups (Table 2) and fed on 4 different semisynthetic diets, respectively. The diets (Table 1) were isocaloric (395 Ca1/100g), although they Contained a refined oil (coconut oil or corn oil) at either 8(ordinary) or 20 (high) percentage. The rats were observed in 3 months after the first injection of the carcinogen. The time of appearance of the first palpable mammary cancer was dated from the first injection of DMBA (Incubation Time). All rats were sacrificed at the age of 145 days. Mammary cancers in a rat were counted in the gross at necropsy (Active Center). Total mammary cancers per an animal were weighed on a balance (Tumor Weight). All detectable mammary tumors were observed histologically, and the above-mentiond mammary cancers were verified by the histological examinations.