著者
松井 雪治 水野 慎士
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2014-EC-34, no.10, pp.1-6, 2014-12-12

筆者らは麻雀初心者のための自動得点計算アプリケーション “得点なにそれ” の開発を行ってきた.このアプリケーションは麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識して得点計算を行うことができる.しかし,スマートフォンへの実装を考えた場合に特に鳴きを含む手牌の認識精度と処理速度が実用化には不十分であった.また,特定の麻雀を使用する必要があり,アプリケーションの配布に際して問題となった.そこで,手牌の認識に用いる画像の生成やテンプレートマッチングに関する改良を行った.また,テンプレート生成機能を実装した.以上の改良により,開発してきた麻雀自動得点計算アプリケーションの配布が可能となる.
著者
松井 洋
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 = The journal of Kawamura Gakuen Woman's University (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.131-153, 1999

日本の中学生・高校生の価値観について国際比較研究を基に分析した。対象は, 日本, アメリカ, 中国, 韓国, トルコ, キプロス, ポーランドの7ヵ国の中学生・高校生, 合計6055名。調査内容は, 現代日本の中学・高校生を特徴づけると思われる自己中心一他者志向, 個人生活志向一共同体志向, 物質主義一精神主義, 外的統制一内的統制, 現在志向一将来志向の5つの価値観に関する計10問について質問紙調査を行った。結果は, 日本の中学生・高校生は韓国と同様に, 自己中心性, 個人志向, 物質主義が強いが, 韓国と異なり外的統制も強く現在志向も韓国より強かった。このように日本の中学生・高校生は「小さく内向きの悪しき個人主義」というような傾向がみられ, このような価値観が「遊び型非行」に代表されるようなわが国の青少年の問題の背景となっていると考えられる。
著者
松本 大輝 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴 片桐 孝憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-6, 2014-08-25

イラストは身近な表現手段であり,近年では,pixiv といったイラスト投稿 SNS サイトで多くのイラストが共有・閲覧されている.しかし,イラストの検索方法や表示方法にはあまり注視されていないというのが現状である.そこで,本稿では,著者の画風の類似性に基づいてイラストを平面上にマッピングし可視化する手法を提案する.これにより,ユーザは好みのイラストに似た画風のイラストを一度に複数閲覧することができ,より効率よくイラストを閲覧することができる.Illustration is a common way of communication. A lot of illustrations are uploaded, shared and viewed on illustration-sharing SNSs such as pixiv. However, how to retrieve and display illustrations has received relatively sparse attention. We propose a method of visualizing illustrations based on drawing style similarity of authors. By using this method, users can see illustrations which have similar drawing styles to their favorite one at a time and enjoy seeing illustrations more efficiently and effectively in illustration-sharing SNSs.
著者
松井 剛
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-14, 2004 (Released:2011-05-20)
参考文献数
19

本論文の目的は、1990年代半ば以降、「癒し」を訴求する製品やサービスを、様々な業界に属する多数の企業が提供した理由を明らかにすることにある。このプロセスを明らかにするために、本論文では、「癒し」関連の新聞記事 (1,162件) を活用して、企業行動とこれに対するマスコミの解釈を詳細に分析した。このブームが生じた理由として通常、「癒し」ニーズの増大が理由として挙げられるが、本論文が注目するのは「癒し」の認知的制度化が組織フィールドにおいて成立したことである。つまり、「癒し」訴求製品がヒットし、多数の模倣者が出現することによって、この種の製品を提供することの正統性が高められたのである。
著者
増田 圭祐 松井 孝典 福井 大 福井 健一 町村 尚
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-33, 2017 (Released:2017-07-11)
参考文献数
55

群馬県みなかみ町にて捕獲した3科7属11種のコウモリ類(アブラコウモリPipistrellus abramus,ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus,ヒメホオヒゲコウモリMyotis ikonnikovi,カグヤコウモリMyotis frater,モモジロコウモリMyotis macrodactylus,テングコウモリMurina hilgendorfi,コテングコウモリMurina ussuriensis,キクガシラコウモリRhinolophus ferrumequinum,コキクガシラコウモリRhinolophus cornutus,ヒナコウモリVespertilio sinensis,ニホンウサギコウモリPlecotus sacrimontis)のエコーロケーションコールから,コウモリ類専用の音声解析ソフトウェアSonoBat 3.1.6pを用いて,コールの開始・終了時の周波数や持続時間をはじめとする75種類の特徴量を自動抽出し,Random ForestおよびSupport Vector Machineの2種類の機械学習法を階層的に組合せた識別器を構築し,種判別を試みた.その結果,6,348のコールに対して10×10分割の入れ子交差検証で評価したところ,属レベルで96.3%(SD 0.06),種レベルで94.0%(SD 0.06)の正答率で判別ができた.また,大阪府吹田市北部の屋外で収録したエコーロケーションコールに対して,構築した識別器を適用してコウモリ類の種を推定し,活動の分布を地図化するプロセスを開発した.これらの結果をもとに,考察ではデータの追加に伴い識別器の精度が向上する可能性があることと種内変異が識別精度に大きな影響を与えることを議論した.フィールドへの適用では,識別器でコウモリ類の空間利用特性を把握し,地理情報と連携させることの有用性を議論した.最後に,エコーロケーションコールに対して機械学習法を用いた種判別と音声モニタリングをする際の今後の課題について述べた.
著者
西田 菜津美 鮫島 由香 田畑 麻里子 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.80-84, 2015-07-31 (Released:2018-03-15)

一般的に,ヨーグルトの物性及び風味は凍結保存を行うことで変化する.しかしながら,ヨーグルトにきのこ麹を加えることで,ヨーグルトの物性や風味,乳酸菌の生菌数は維持された.
著者
安東 三喜 前田 昭子 松井 元子 永野 君子
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山短期大学紀要. 人文・社会科学編・自然科学編 (ISSN:1344915X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.197_a-191_a, 1994-03-01
被引用文献数
1

給食管理実習の献立に喫食者の嗜好, 盛り付け量, 調味, 外観, 質などの要因がどのようにかかわっているのか, 主食に焦点を当て, 要因分析を試み, 主食量はBMI別に差が見られると仮説をたてて調査分析を行なった。対象は本学栄養士コース1年, 2年生で1993年4月∿7月に実施し次の結果を得た。1)白飯6種, 変り飯8種の平均盛り付け量は264gで, チキンカレー416gが最も多く, 親子丼, ハヤシライスの順であった。2)盛り付け量の小さいのはA-2の白飯200gであった。3)変わり飯の喫食率は高く, チキンカレーは100%に近い喫食率であった。4)主食と献立への総合評価は, 分量が「やや多い」, 外観(料理のできばえ)が「ややよい, 普通」であった。5)調味・塩味では主食は「ちょうどよい, ややうすい」と評価しているが, 献立全体では「やや濃い」と評価している。6)外観(料理のできばえ)は, ちらしすしが「よい」評価であった。7)主食量とBMIは, BMIが大きくなると平行して盛り付け量もやや多くなることが知られた。
著者
松井 藤五郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.330-334, 2011 (Released:2011-01-06)
参考文献数
12
被引用文献数
2

This paper describes a reinforcement learning framework based on compound returns, which is called compound reinforcement learning. Compound reinforcement learning maximizes the compound return in returns-based MDPs. We also describe compound Q-learning algorithm. We present experimental results using an ilustrative example, 2-armed bandit.
著者
松井 真喜子
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.3-24, 2005-05-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
149

The purpose of this paper is to examine mail-coach services during the British Industrial Revolution and to consider their role in the integration of regional economies. The first section of the paper investigates postal services before the introduction of mail coaches in 1784. Since the end of the 17th century, when a wider market began to emerge, the post had been playing an important role in transmitting business correspondence and bills to distant places, thus enabling companies to expand the sphere of their activities nationwide. The quality of postal services was, however, quite poor because their operations were monopolized by the government. The second section of the paper examines the development of the mail-coach network and changes in postal services. Examination of manuscripts of the General Post Office and commercial directories indicate that a close-knit and extensive network was established by the 1820s and that speed, reliability, and safety of the postal services were substantially improved. In conclusion, the significance of mail-coach services was that by transmitting intelligence and money, difficulties posed by time and distance were overcome and the basis for the integration of regional economies was formed. It is noteworthy that the growth of the banking system paralleled the development of mail-coach services. Mail coaches also helped the social and cultural integration of regions as a medium for communication.
著者
松井 光彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.403-406, 2000 (Released:2008-04-24)
参考文献数
7

Recently sodium ionic conductors such as NASICON (Na3Zr2Si2PO12) have been used as the solid electrolyte for EMF(electromotive force) type CO2 sensors. However, it has been hard to obtain a sufficiently high quality in this type of sensor, partly due to the low humidity-resistance of NASICON and partly because of its poor initial response of EMF to CO2 pressure.For the purpose of improving the humidity-resistance and the initial response of EMF of the solid electrolyte CO2 sensors, Li2TiSiO5 is employed as the sensing material instead of NASICON. It is composed of the following electrochemical cell:(This article is not displayable. Please see full text pdf.) The electrochemical reaction is in good agreement with the Nernst equation, and reacted electron is calculated as 2.04. The sensor fabricated with Li2TiSiO5 shows good linearity when it is exposed to an atmosphere of 90% relative humidity at 60°C. The initial 90% response of EMF is steadied within 4 min. These experimental results make it possible to use the sensor in the environments.
著者
水野 りか 松井 孝雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16327, (Released:2017-09-30)
参考文献数
21

Homophone effects, which refer to the phenomenon in which lexical decision times are longer for homophones than nonhomophones, have not been consistently observed for Japanese homophones with multiple mates. Mizuno and Matsui (2016) explored this inconsistency, finding that phonological familiarity of homophones—namely, the total frequencies of a homophone and all of its mates—can countervail homophone effects. However, it remains unclear why phonological familiarity has such a great influence on homophone processing by native Japanese readers, who rely very little on phonological information when processing words (Mizuno & Matsui, 2013). We hypothesized that high phonological familiarity influences lexical decision. Accordingly, we conducted lexical decision and semantic categorization experiments using Japanese homophones with high and low phonological familiarity. The results revealed that high phonological familiarity decreased lexical decision time, but not semantic categorization time, indicating that lexical decision tasks are sensitive to the phonological familiarity of stimulus words. Finally, we discuss the need to control the phonological familiarity of homophones in some way in the context of lexical decision tasks.
著者
松井広吉 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1894
著者
土田 和可子 波之平 晃一郎 梶村 政司 森田 哲司 政森 敦宏 小川 健太郎 児玉 直哉 山本 真士 松井 和寛 河原 裕美 藤村 昌彦 弓削 類
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E0763, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】 最近,クリニカルパスの導入に伴い,入院日数が短縮され,病棟での自主練習や自宅でのホームエクササイズの重要性が高まっている.しかし,対象者は高齢者であることが多く,運動内容や負荷量・回数などを一度で覚えることは容易ではない.そのため,本研究では,説明パンフレットを患者個別に対して容易に作成できるソフトウェア(以下ソフトウェア)を開発し,理学療法の場面に活かしていける要素を検討した.【方法】 本研究に同意の得られた病院勤務の理学療法士20名(8施設,女性8名,男性12名,平均年齢27.3±5.75)を対象とし,ソフトウェア使用群10名,パンフレット使用群10名の2群に分けた.対象の2群に対し,患者数,ホームエクササイズ指導の現状と介入効果について調査研究を行った.また,ソフトウェアもしくは6種類の運動パンフレットを配布し,使用方法を説明した.この説明の2週間後,4週間後,6週間後に,質問紙にて調査を行った.調査項目は,ホームエクササイズ指導回数,パンフレット作成回数,パンフレット配布の重要性,等とし比較検討した.統計処理は,T検定を行い,有意水準を5%とした.【結果】 ホームエクササイズの指導状況は,指導回数平均8.7回/月(3.9回/2w),指導時間7.9分/回,また全体の60%が既存のパンフレットがあると答えた.パンフレットの作成・使用回数は1.08回/2w,パンフレットの重要性は4.9(7段階評価),ホームエクササイズの重要性は5.1(7段階評価)であった.介入前のソフトウェア群とパンフレット群においては,各項目において有意差は認められなかった.ソフトウェア群,パンフレット群ともに介入後において運動パンフレット作成回数が介入前より増加した.作成回数の介入前後の変化量は,パンフレット群に比べソフトウェア群の方が有意に高かった.【考察】 パンフレットを配布することは,患者が治療の目的,運動回数,実施期間等を理解する上で必要である.アンケート調査によりホームエクササイズの指導は,2週間に平均3.9回行っていた.しかし,パンフレットは,その27.4%しか用いられてなかった.アンケートによると,配布しない理由として,「忙しい」「作成に時間がかかる」との回答があった.本研究では、ソフトウェアを導入することによって,パンフレット作成回数が増加した.これは,セラピストにとって,業務負担が少なく,実用的なツールとなったためと考えられる.今後は、個別対応したパンフレットの患者への効果も明らかにしてく必要がある.