著者
清水 健太郎 小倉 裕司 中川 雄公 松本 直也 鍬方 安行 霜田 求 田中 裕 杉本 壽
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.185-190, 2010

生体肝移植のドナーとしての意思決定に対して家族間で軋轢が生じ,臨床倫理問題について検討が必要であった症例を経験したので報告する。症例は40代,女性。薬剤性肝障害で意識障害が進行するため当院へ転院となった。来院時,肝性脳症III度,PT 19%,総ビリルビン濃度26.6mg/dlであった。集中治療を行ったが患者の意識状態が悪化したため,家族に最後の治療手段として生体肝移植の選択肢を提示した。ドナー候補は離婚した父親だけであった。父親は移植ドナーを希望したが,内縁の妻は手術に反対であった。手術までの過程で家族関係は急激に悪化したが,最終的には医学倫理委員会でドナーの同意権の妥当性を確認した上で,父親の意思を尊重して手術が行われた。患者は,肝不全,敗血症を合併して数カ月後に死亡した。意識障害を伴う難治性の急性肝不全症例では,最後の治療手段として生体肝移植を患者家族に提示した時点で,ドナー候補は,「自由な意思決定」が望まれるが,「時間的制約」の中で心理的圧力を受ける。ドナー候補の意思決定のいかんに関わらず,ドナー候補・家族に対する心理的な支援体制が必要である。
著者
藤田 諒史 松本 直文
出版者
足利工業大学
雑誌
足利工業大学研究集録 (ISSN:0287086X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.69-76, 2008-03

In this paper, we describe about a simple experimental system to analyze and mix smells aiming at remote transmission of the smell. In this system we used four quartz resonators for sensing smell. A smell recipe that is nearest the target smell is made by a combination of some smell elements by using a discrete approximation algorithm. First, we do experiments under assumption that the target smell is an arbitrary combination of smell elements. As a result, the effectiveness of this system is confirmed. Some stimulation systems that combined the sight, the sense of touch, and sense of smell are made for trial purposes to construct VR systems with high presence, and the evaluation experiment is done. The result of this research shows a basic finding to achieve the sense of smell stimulation system in the future, and shows feasibility of this kind of systems.
著者
松本 直樹
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門経済論集 (ISSN:02883783)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-17, 2013-09-30
著者
酒井 智彦 田崎 修 松本 直也 鵜飼 勲 別宮 豪一 高橋 幸利 杉本 壽
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.258-264, 2009-05-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
16

フェノバルビタール大量療法で難治性痙攣をコントロールし得た 1 例を経験した。患者は50歳の男性。熱発・全身倦怠感で発症し, 4 日後に,脳髄膜炎を疑われ,前医へ入院となった。入院後から痙攣発作を認めるようになり,痙攣の持続時間は数十秒から30分程度であった。原因検索を行うと同時に,各種抗痙攣薬で痙攣のコントロールが試みられたが,痙攣の頻度は変わらず,前医第 9 病日に当センターへ転院となった。ミダゾラム,サイアミラール,プロポフォールなどの静脈麻酔薬を併用しつつ,抗痙攣薬で痙攣のコントロールを試みたが,痙攣は消失しなかった。経過中,血清中の抗グルタミン酸受容体IgM-ε2抗体が陽性であることが判明し,自己免疫介在性脳炎が強く疑われた。ステロイドパルス療法が著効しなかったため,フェノバルビタールの投与量を段階的に1,200mg/dayまで増量したところ,血中濃度が60μg/mlを超えたところで痙攣が消失した。その後,他の抗痙攣薬を順次中止し,フェノバルビタールの単剤投与としても,痙攣が再発することはなく,第76病日の脳波でも棘波は消失した。痙攣のコントロールに難渋する症例に対して,フェノバルビタール大量療法は効果の期待できる治療法であると考えられた。
著者
松本 直人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.8, pp.1-4, 2018-09-20

20 世紀末から続くインターネットの普及に伴い,情報システムを支えるデータセンターも規模拡大が続いている.そのような中でデータセンターでは,サーバー技術の発展に伴う単位面積あたりの熱密度増加も顕著になり,これらが持続可能なデータセンターのサービス提供とサーバー収容の課題となってきている.本稿では,これら高密度化するデータセンターにおけるサーバー等計算機向けの冷却方式について,今後も持続可能に成長を続けるために必要とされる方策について考察する.
著者
安西 徹郎 松本 直治
出版者
千葉県農業試験場
巻号頁・発行日
no.29, pp.93-104, 1988 (Released:2011-03-05)

時系列的に選定した38地点の休耕田の雑草の発生状況を調査し,あわせて休耕が土壌の理化学性に及ぼす影響を検討した。その結果は以下のとおりであった。1. 休耕田の雑草は沖積低地で1~4年でノビエ,ミズガヤツリなどの水田雑草が優占するが,2~3年でガマ,ヨシ,セイタカアワダチソウなどの大型多年生雑草が侵入し始め,5~10年で優占化した。山間谷津でも3~5年で大型多年生雑草がみられ,さらに山野草が繁茂した。2. 雑草の重量は休耕3年で38~74kg/aであり,この時点で稲ワラ全量還元を上回る集積量がみられた地点があった。3. 休耕田の土壌は水稲連作田に比べて湿田方向にある場合が多く,こうした変化は3年以降に認められた。4. 土壌の固相率,ち密度および透水性は土壌の乾湿状態をよく表しており,湿田方向にある地点では固相率が減少し,ち密度および透水性が低下した。5. 作土の全炭素,全窒素,交換性カリウム含量は休耕年数が増すにつれて概ね直線的に増加した。可給態窒素含量も5年までは概ね直線的に増加したが,その後は増加量が低下し,ほぼ一定量で経過した。6. 土壌の無機態窒素生成量は有機物集積層では高かったが,その直下層では水稲連作田と同等かそれ以下であった。このように土壌の化学性に対する休耕の影響は表層部に限られた。7. 休耕後の雑草の発生状況および土壌の変化からみて,放任状態の休耕田における休耕年数は3年を限度とすべきである。
著者
松本 直也 出村 慎一 松浦 義昌 内田 雄 長澤 吉則
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.192_1-192_1, 2017

<p> サッカー選手は、相手選手の巧みな動きに対する反応が遅れると、すぐに攻守が入れ替わるため、優れた敏捷能力が不可欠である。本研究は連続選択反応テスト(Tsubouchi et al. 2016)を利用し、大学サッカー選手の敏捷性のポジション間差を検討する。連続選択反応テストは連続的且つランダムに提示される方向指示に従って8方向の移動を繰り返すテストである。方向指示刺激は5パターン用意されており、被験者は全てのパターンを実施する。最大最小を除いた3パターンの動作時間の平均を評価変数とした。本研究では、関西学生サッカーリーグ1部校のM大学サッカー部員116名を被験者とし、連続選択反応テストを2試行(計10パターン分)実施した。試行間信頼性を検証するために級内相関係数(ICC)を算出した。また、対応のない1要因分散分により動作時間を4ポジション(ゴールキーパー13名、ディフェダー40名、ミッドフィールダー43名、フォワード20名)間で比較した。解析の結果、高いICC(0.815)が認められ、ポジション間の比較ではいずれも有意差は認められなかった。以上より、サッカー選手はポジション違いに関係なく敏捷性に差はない。</p>
著者
高井 智代 松本 直司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.589, pp.55-62, 2005-03-30 (Released:2017-02-11)
参考文献数
27
被引用文献数
6

In order to improve visual recognition of stairs in upward and downward motion, sensory test was carried out by 10 vision-impaired persons. The result shows that the appearance of finishing materials (for example, combinations, sizes, colors) have influence on visual recognition of stairs. The most influential element was the ratio of the brightness between border and tread. The second most influential element was the width of border at tread (in case of going down), and the width of border at tread and rise (in case of going up). We proposed a standard plan of stair elements for good visual recognition.
著者
松本 直樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.2-7, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)

図書館法は,図書館について,資料を収集,整理,保存,提供する機関であると定義している。また,一般に図書館の3要素として建物,資料,職員が挙げられる。これらは図書館の基本的機能,要素といえよう。しかし,それらの機能,要素は固定的なものではなく,社会経済状況等の変化に応じて変容する。本稿では,図書館の基本的機能,要素に関わる新たな状況について,国際的・国内的な制度的動向とサービスの観点から整理した。結果,図書館に関わる4機能,3要素には多様な展開が見られた。このことは,社会的制度としての図書館が担う範囲が問われていることを意味する。
著者
松本 直人 尾崎 浩史 星 和保
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-37, no.2, pp.1-4, 2017-05-18

昨今,企業におけるデータ解析ニーズ等の高まりからストレージ容量およびアクセスが増大している.しかし,データ解析基盤をデータセンターおよびパブリッククラウドに構築した場合,データ転送通信帯域のコスト増大が懸念点として出てくる.本稿では,これら課題を解決するため東京都内に敷設済みのメトロファイバーを用いて,低価格で広帯域ストレージネットワークを実現する実証実験を行った結果を報告する.