著者
小林 敬一 丸野 俊一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.377-385, 1992-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
3

In this study, two issues concerning processes of prospective memory, that is, the relations between the use of memory aids and metamemory knowledge, and the effect of activities which arise on process till remembered, were examined. Eighty undergraduates were asked to bring four objects they may use in class or test hours two weeks later. The main results were as follows: 1) the relation between use or non-use of memory aids and metamemory knowledge weren't noticed ; 2) according to the importance and the effort made in order to bring the objects manipulated as experimental factors, recognition of importance, memory aids and conversation with others, etc., influenced the subject's performances in various ways, suggesting that conversation with others may have two functions (monitoring and reciprocal supplements) specially in the processes of prospective memory.
著者
森近 浩 橋本 隆之 草野 マサ子 細田 誠弥 倉本 孝雄 田村 和子 林 敬民 稲見 邦晃 高桜 芳郎
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.83-89, 2005-03-31
被引用文献数
1

目的:肥満者に胃食道逆流をよく経験する.体格指数と逆流性食道炎発症の相関について検討した.対象:男性548例(平均53.9歳)女性246例(平均62.2歳)の計794例(平均56.5歳)である.方法:肥満は日本肥満学会の基準に準じ,また逆流性食道炎の判定はロサンゼルス分類による内視鏡所見基準に従った.結果:逆流性食道炎発症は非高齢者普通群(男,女)に比し,肥満A群2.2, 1.5と肥満B2.7, 2.0,また高齢者においてやせ2.4,1.9普通A群1.8,0.9普通b群1.9,2.2肥満A群2.6,2.5と肥満B群3.1,2.8各々倍である.結語:逆流性食道炎発症は体格指数が大となり高齢者に多かった.肥満者と高齢者には逆流性食道炎対策が必要である.
著者
大下 紘史 古林 敬顕 中田 俊彦
出版者
The Japan Institute of Energy
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.90, no.11, pp.1047-1056, 2011
被引用文献数
3

Recently, the microalgae that can produce fats and hydrocarbons attracts a lot of attention as means to solve the issue of global warming. The purposes of this study are to design microalgae-based biodiesel fuel (BDF) production system using exhaust gas from thermal power plants and considering regional characteristics, and to analysis potential of the microalgae from the viewpoint of energy balance, CO<SUB>2</SUB> balance and fuel production cost. The system consists of five components: Culture, harvesting, extraction, transportation, conversion. In addition, the methodology of this study has three processes: Allocating microalgae culture plants and BDF production plants, optimizing transportation using Geographic Information System (GIS) with Network Analyst, and evaluating energy balance and CO<SUB>2</SUB> reduction of the system. Besides, to minimize BDF production cost, we change the number of BDF production plants and consider trade-off between transportation cost and BDF production plants costs. The result shows that microalgae-based BDF production system has high potential for CO<SUB>2</SUB> reduction and the possibility to competitive with the fossil fuel cost.
著者
小林 敬 Kei Kobayashi
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.69-90, 1984-02-20
著者
渡辺 雅彦 若林 敬二
出版者
就実大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

モンシロチョウに存在する分子量98,000の蛋白質、ピエリシン-1、は種々のがん細胞に対して細胞傷害活性を示す。そこで、in vivoにおけるピエリシン-1の抗腫瘍活性を調べる目的で、ピエリシン-1の実験動物に対する毒性の解析を行った後、移植がん細胞に対するピエリシン-1の抗腫瘍効果を調べた。ピエリシン-1を単回腹腔内投与した場合のBALB/cマウスに対するLD50値は約5μg/kg body weightであった。1x10^7個のHeLa細胞を6週齢BALB/c雌ヌードマウスの腹腔内に移植し、翌日、3μg/kg body weightのピエリシン-1を単回、腹腔内投与し、80日目にマウスを屠殺し解析した結果、ピエリシン-1非投与群では全例(10/10)に腫瘍が確認され、その平均重量は1.16gであった。一方、ピエリシン-1投与群では10例中3例に肉眼上腫瘍を認めなかった。また、1例では腹膜に2mmの小結節を認めたのみであった。ピエリシン-1投与群の平均腫瘍重量は0.56gであり、有意に低下していた。以上より、ピエリシン-1はHeLa細胞に対し、in vivoで抗腫瘍活性を示すことが分かった。続いて1,340頭のモンシロチョウさなぎからピエリシン-1の大量精製を行い、47.6mgの精製ピエリシンを得た。さらにピエリシン-1およびその酵素ドメインであるN末端断片の酵素的性質を解析したところ、C末端断片が存在すると、酵素活性が大きく低下する条件が認められた。N末端断片およびトリプシン活性化本酵素による転移反応のturnover numberは55および25、24時間反応における転移数は10^6レベルであり、単一分子によって細胞に致死レベルの付加体が生成し得ることを示した。
著者
小林 敬一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.203-209, 2014

This study examined the effect of reading tasks on the integration of content and source information from multiple texts. Undergraduate students (<i>N</i> = 102) read five newspaper articles about a fictitious incident in either a summarization task condition or an evaluation task condition. Then, they performed an integration test and a source choice test, which assessed their understanding of a situation described in the texts and memory for the sources of text information. The results indicated that the summarization and evaluation task groups were not significantly different in situational understanding. However, the summarization task group significantly surpassed the evaluation task group for source memory. No significant correlation between the situational understanding and the source memory was found for the summarization group, whereas a significant positive correlation was found for the evaluation group. The results are discussed in terms of the documents model framework.
著者
小林 敬生 馮 〓 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.41-45, 2003-09-04
被引用文献数
6

アフガニスタンにおける地雷除去活動への供与を目的とする地雷探知SAR-GPRシステムの開発を進めている.開発中のSAR-GPRシステムは地中を3次元可視化して地雷の判別を行なう.センサは10基のビバルデイアンテナで構成されたアレイアンテナである.実験によりレこのアレイアンテナのアンテナ間隔と地表面粗さが地中ターゲット画像に及ぼす影響を調べた.その結果、アレイアンテナのアンテナ間隔には地表面粗さに応じた最適値が存在することが分かった.
著者
平林 敬浩
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

多様化膜分子群クラスター型プロトカドヘリン (cPcdh)はこれまでの結果から、神経回路形成に関与していることが示唆されている。本研究では、そのcPcdhの分子的多様性、細胞接着活性がシナプス形成時の細胞選別や機能的回路形成にどのように関与しているかを明らかにすることを目的とし、cPcdh分子の細胞接着活性解析および、Cre発現依存的にcPcdh遺伝子を欠損するcPcdh遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの作製、解析を行った。その結果、Pcdhαの一部の分子種、Pcdhβ分子群に細胞接着活性が認められた。また、終脳特異的にcPcdh遺伝子を欠損したマウスでは脳構造に異常が観察された。
著者
小林 敬一
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.199-210, 2012
被引用文献数
3

本論文では, 大学生による紙上討議(論述文の中に産出された, 複数テキスト間の論駁的関係に対する応答), それとテキスト間関係の理解との関係, そしてこの2つの過程に及ぼす読解目標の効果を検討した。大学1年生95名に, 論争の構図を理解する読解目標(論争理解目標)条件か争点に関する自分の意見を生成する読解目標(意見生成目標)条件かのいずれかの条件で4つの論争的なテキストを読んでもらい, それから争点に関する自分の意見を論述してもらった。主な結果は次の通りである。(a) 論述文の中でどの論駁的関係にも応答していなかった者や論駁された論者の議論をその論駁に対する反論なしに利用した者が半数以上いた。一方, 全ての論駁的関係を踏まえてそれらに応答した者はほとんどいなかった。(b) テキスト間関係の理解は論駁的関係に対する応答を予測した。(c) 論争理解目標群は意見生成目標群よりもテキスト間関係の理解が優れており, この効果は論駁的関係に対する応答にまで及んだ。
著者
吉村 忍 小林 敬 秋葉 博 鈴木 智 荻野 正雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.203-221, 2012 (Released:2012-08-15)
参考文献数
17
被引用文献数
3 7

In this paper, we present the three-dimensional finite element seismic response analysis of the full-scale boiling water reactor BWR5 at the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant subjected to the Niigata-ken Chuetsu-Oki (NCO) earthquake that occurred on 16th July 2007. During the earthquake, the automatic shutdown of the reactors was performed successfully. Although the monitored seismic acceleration significantly exceeded the design level, it was found through in-depth investigation that there was no significant damage of the reactor cores or other important systems, structures and components (SSCs). In the seismic design commonly used in Japan, a lumped mass model is employed to evaluate the seismic response of SSCs. Although the lumped mass model has worked well so far for a seismic proof design, more precise methods should be developed to understand response behaviors visually. In the present study, we propose the three-dimensional finite element seismic response analysis of the full-scale and precise BWR model in order to directly visualize the dynamic behaviors of this model. Through the comparison of the analysis results, we discuss the characteristics of both models. The stress values were also found to be generally under the design value.
著者
櫻井 純 小林 敬子 永浜 政博 藤井 儀夫
出版者
徳島文理大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

ウエルシュ菌α毒素は、致死、壊死、溶血活性、さらには、血管、腸管の収縮活性など多彩な生物活性を有する特異な毒素である。一方、本毒素は、本菌によるガス壊疸の主要毒素であるので、この感染症に対する毒素の役割を明らかにするため、主に、細胞膜に対する作用に焦点を絞り検討した。α毒素をウサギ赤血球に作用させると、毒素量に従って破壊される赤血球数が増加し、さらに、血球膜中におけるホスファチジン酸合成の促進することが判明した。このホスファチジン酸合成の促進は、赤血球膜ゴ-スト本毒素を作用させた場合も認められた。これらの結果から、本毒素による溶血作用発現にはホスファチジン酸合成が密接に関係していると推察される。次に、GTP、NAD存在下赤血球膜ゴ-ストに本毒素を作用させると、ホスファチジン酸合成は、著しく促進されることが判明した。但し、intact赤血球における本毒のホスファチジン酸合成の促進作用に対して、GTP、NADの添加効果は認められなかった。これらの結果から、本毒素による赤血球膜のリン脂質合成促進は、内因性のGTP、NADが重要な因子であると推察される。これらの結果を確かめるため、血小板に対する本毒素の影響を検討した。ウサギ血小板は、毒素の用量に従って凝集し、しかも、血球の場合と同様に細胞膜中のホスファチジン酸量も増加することが判明した。また、赤血球の場合も、血小板の場合も、本毒素による他のリン脂質、そして、アラキドン酸の合成促進は認められなかった。一方、脂肪細胞に毒素を作用させると、毒素量に従ってアラキドン酸合成が促進されることが明らかとなった。以上から、本毒素が生体膜に作用すると、リン脂質代謝が活性化され、その影響によっておのおのの細胞が有する特有の代謝系も活性化されると推察される。その結果、細胞膜が破壊されたり、細胞凝集が引き起こされると思われる。
著者
丸野 俊一 加藤 和生 仮屋園 昭彦 藤田 豊 小林 敬一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもの発達に応じた創造的ディスカッション(CDC)技能を育む学習/教育環境作りに関する3年間の研究成果は次の通りである: 1)"CDC技能を育む学習/教育環境作りの基本型は対話中心(「子ども主体の話し合い・学び合う」)の授業実践にある"という前提の基に、対話を中心とした授業実践作りに向けての「学びの共同体」作りを行い、現場教師の実践力の向上を図るアクションリサーチを展開した。3年間に渡る追跡研究の中から、身体化された実践知を客観的に可視化し、支援する教師成長過程モデルを構築し、その妥当性を検証した。 2)子どものCDC技能はどのように発達していくのかに関する発達段階モデルを、「態度」「技能」「価値」の諸側面を考慮しながら構築し、その促進を図る為には、どのような学習/教育環境作りが不可欠であるかについての縦断的な追跡研究を行った。 3)対話を中心とした授業実践を行う為には、教師は「新たな授業観」(授業とは子どもと協同構成するもの)のもとに「子どもの視点を取り入れた事前指導案作り」を行い、実践の中では「最適な心理的距離」(自分の感情に振り回されない、遂行上の責任性)の取り方に注意し、3つの位相(授業前、授業中、授業後)での省察的思考に熟達化していくことが不可欠であることを実証した。 4)子どものCDC技能の育成には、"対話を支える談話的風土作り"(グランドルール作り)が教科を超えて必要であるが、創造的・批判的思考が広まる/深まるような対話が生まれる為には、具体的な授業実践の文脈の中でグランドルールの重要性を認識する/体験するような教師からの働きかけが不可欠である。 5)教師の"対話を中心とした授業実践力"の向上と、子ども達の創造的・批判的なCDC技能の向上との間には、車の両輪のごとく、切るに切れない双方向性の関係があり、一つのシステムとして機能する。
著者
高橋 明善 古城 利明 若林 敬子 大内 雅利 黒柳 晴夫 桑原 政則
出版者
東京国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

一 研究課題1 日米特別行動委員会(SACO)合意に基づく沖縄の基地返還・移設、跡地利用に関する研究(1)名護市における基地移設・ジュゴン保護と住民運動。(2)普天間飛行場移設問題の政治過程。(3)読谷飛行場の返還と跡地利用計画に関して1996年のSACO合意以来の経過を追跡研究した。2 基地引き受けの代替として進められる地域振興策と内発的振興の研究を次の場面で実施した。(1)基地移設に関する日米SACO合意の実施過程。(2)移設先並びに沖縄北部振興(3)読谷飛行場跡地利用 (4)普天間飛行場跡地利用 (5)環境保全と観光開発3 沖縄を中心とする国際交流の研究。沖縄の持つ国際性を移民社会と歴史研究の中で検討した。(1)中国と沖縄の歴史的交流の研究 (2)ブラジルにおける沖縄文化 (3)歴史の中の沖縄とアジア二 研究上の留意点と得られた成果主要研究テーマである基地の返還・移設問題に関して次のような問題を特に重視した。(1)沖縄の戦略的位置づけの変化による米軍再編と基地負担軽減問題。(2)移設元の普天間基地所属の沖縄国際大学への落下、騒音、婦女暴行、危険な訓練実施などの基地被害、基地災害がもたらす基地批判世論の盛り上がり。(3)普天間基地の名護市移設がもたらす環境破壊に反対する運動の国際的拡がり。(4)知事先頭の日米地位協定改定要求運動。(5)以上の結果としてもたらされた普天間基地移設見直しと日米政府の政策転換。(6)普天間基地移設をめぐる政治過程と跡地利用問題。(7)読谷飛行場の返還と跡地利用計画の進展。得られた最も重要な知見は次の2点にある。(1)環境保全への配慮なくしては基地問題の処理も、地域振興も不可能であるほどに環境問題が地城政策の実施にとって根本的な重要性をもつにいたった。(2)沖縄の基地の存在と基地政策は、日米政府による世界最強のシステムが作り出したものである。しかし、そのシステム世界も住民の生活世界からの抵抗を受けることにより、政策を調整・譲歩せざるを得なくなったという重要な帰結がもたらされた。ふたつの世界の葛藤のダイナミズムの研究を通して歴史変動への想像力を拡大することができた。
著者
若林 敬子 聶 海松 馮 文猛 左 学金 周 海旺 周 大鳴 麻 国慶 李 強
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は中国人口問題についての社会学的実証調査研究であり、特に国策として位置づけられている"人口と環境"問題について、今回は、高齢化・社会保障・出生性比の視点から多角的なアプローチを行ってきた。都市(上海市、北京市)、農村(湖南、海南、内モンゴル)の5地区で本格的社会学的サンプリング調査、量的・質的調査をこれまでに行い、その問題点を総合的にあぶりだすことに成功した。また、その理論的・実証的な比較と総括をまとめあげ、中国の人口問題の社会学的研究の最新結果の公表・刊行した。