著者
野口 佑太 小林 誠 中尾 由佳里 水谷 祐哉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.497-500, 2021-05-10

要旨 買い物に行くことのできない地域在住高齢者に対して,バーチャルリアリティ(virtual reality;VR)を活用して買い物の楽しみを支援した.その結果,対象者がお店に行くことなく,VRで店内の様子を視聴することができ,買いたいものを買うことができた.VR画像は,視聴者の頸部の動きに連動して画面が変化するため,自分自身が店舗内に居る感覚を得ることができた.しかし,VR画像の視聴中に商品に近づくことができないことが課題として挙げられた.VRを活用した買い物支援は,買い物弱者にとって,実際の店舗に行けない,または行かなくても商品を選ぶ楽しみを体験することができる可能性が示された.
著者
菅原 慎悦 小林 誠道 長井 裕傑
出版者
関西大学 社会安全研究センター
雑誌
社会安全学研究 = Journal of societal safety sciences (ISSN:21860815)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.57-81, 2021-03-31

This study explores how the COVID-19 was reported in Japanese media focusing particularly on 'reducing contact by 80 percent', an oft-mentioned policy slogan during the emergency period. Our qualitative content analysis of five major newspapers in Japan between 1 April and 30 June shows that media agenda had shifted from 'socializing the slogan of 'reducing contact by 80 percent'' to 'highlighting unachieved status against this goal', and to 'reviewing the boundary between science and politics'. By and large, our analysis indicates that Japanese print media coverage were modest and 'media hype' was not observed. Rather, the slogan had been emphatically represented as a 'scientific' and thus an uncompromised goal, which might orient people toward selfrestraint behavior. Meanwhile, it may have hindered the public from scrutinizing the incertitude of scientific expertise which supported governmental decisions.
著者
光安 皓 大口 敬 林 誠司 金成 修一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_621-I_628, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
7

自動車分野における省エネルギー方策の1つとして,エコドライブがよく知られている.これまでガソリン車の車両の運動とエネルギー消費量の関係については理論的および実証的検討がなされてきたが,近年普及が進みつつある電気自動車については,未だ十分な検討がされていない.その理由の1つとして,電気自動車特有の回生エネルギーを考慮した検討が十分になされていないことが挙げられる.本論文では,まず,実際に市販されている電気自動車のシャシダイナモ試験結果から,車両が任意の運動状態にあるときの駆動力およびエネルギー消費量を算出し,整理した.次に,都市部における様々な条件を想定したショートトリップに対して,エネルギー消費量の推計を行い,電気自動車のエコドライブ方法についての検討を行った.
著者
林 誠之 三ツ井 哲朗 前原 佳紀 井浜 三樹男 高田 俊二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.75-80, 2008-04-25 (Released:2011-01-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

筆者らは, 現在のCCDやCMOSが直面している感度の限界やモアレ, シェーディングなどの画質の問題を解決する手段として, 有機光電変換膜を積層したCMOSカラーイメージセンサーを提案している.撮像素子として用いられる有機光電変換膜は, 高い光電変換効率のみならずノイズ低減のためにシリコンフォトダイオードと同等レベルの低い暗電流が求められる.しかし, 従来の有機光電変換膜は電圧印加時の暗電流抑制が十分ではなかった.そこで, 本報告では有機光電変換膜の暗電流抑制方法としてブロッキング層の導入を検討した.暗電流抑制効果と撮影画質に及ぼす影響について評価を行い, 適切なブロッキング層の導入が暗電流抑制に対して有効であることを示した.
著者
櫻林 誠
出版者
上智大学経済学会
雑誌
上智經濟論集 (ISSN:04477596)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.84-87, 1974-12-20
著者
小林 誠 岩井 大輔
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.133-136, 2007-09-20
参考文献数
11

The environmental conditions of the microhabitat of the giant water bug, Lethocerus deyrollei (Hemiptera : Belostomatidae) were studied in ponds and ditches in Tochigi Prefecture in the northern part of the Kanto Plain, Japan, during the its activity period between May and September in 2005. The relationship between the existence of Lethocerus deyrollei and the environmental factors was analyzed. The results showed that the factors affecting on the microhabitat of Lethocerus deyrollei were water temperature, water depth, substrate type and the presence of vegetation cover.
著者
杉野 圭三 沖政 盛治 岡本 英樹 片岡 健 杉 桂二 武市 宣雄 丸林 誠二 八幡 浩 浅原 利正 土肥 雪彦
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.502-506, 1997-03-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
15

過去22年間に10例の若年者甲状腺癌を経験した.これは当科で手術を施行した甲状腺悪性腫瘍610例の1.6%である.年齢は9歳から19歳まで, 9歳の男児を除く9例は女性であった. 2例が濾胞癌, 8例が乳頭癌, T2以上の臨床癌が8例,偶発癌は2例であった.リンパ節転移は4例で, 2例がN1a, 2例がN1b, 6例はN0であった.劇症肝炎で死亡した1例を除き健存中である.
著者
小林 誠 黒沼 紀彦 五百蔵 重典
雑誌
研究報告 高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-8, 2012-11-08
被引用文献数
1

屋内で使用するナビゲーションシステムは様々な研究がなされている.我々はタグに地図情報を格納し,それを読み込むことでナビゲーションするシステムを提案している.このシステムで本を探索できるようにするため,本 1 つ 1 つにタグを付け,探している本であるかを判別するというハイブリッド検索方式を採用する.更に,図書館の本棚のように規則的に並んだ場所の案内を,何個分進めばいいか表示するという改良を行った.加えて,従来のシステムは i アプリで実装されていたが,カメラの画面と案内の画面の遷移が頻繁に行われるため利便性が悪いという問題があったため,現在主流となっているスマートフォンを用いた実装により,カメラ画面と案内画面を同時に表示し,利用者の利便性向上を図る.There are many researches with various navigation systems used indoors. We proposed a navigation system using tags include map information and reading it. We propose many revises for book search. In order to be able to search for a book, we propose the hybrid book search system having a judged function whether it is the book added tag currently looked for. For guidance at the place regularly located in a line like the bookshelf of a library, we improve indicating by how many pieces it should progress. The conventional system was implemented by the i-appli. Then, since changes of a camera screen and the screen of guidance were performed frequently, there was a problem that convenience was bad. We are implemented on smartphone which displays a camera screen and a guide screen simultaneously and improvement in user convenience.
著者
中林 誠一郎
出版者
埼玉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

1.ネットワークの集団挙動の制御興奮性結合と抑制性結合を用いて、ネットワークのクラスター化と集団挙動が観測できる。集団挙動は、電極が最近接する結合節(ノード)の興奮・抑制で支配される場合(対称グラフ)は易しい。結合強度が空間変調される非対称グラフの場合、数理モデルは、常微分方程式では、取り扱えない。ネットワークの動態の記述は、泳動・拡散を露わに含む偏微分系へと変化するので、ab initioな計算は難しい。そこで、実験的に求めたArnold Tongueから、結合定数を経験的なパラメーターとして、連立常微分方程式から半経験的な数理モデルを構築した。2.生理神経回路の構成的研究同一の機能を発現する複数のネットワークの中から、生体系が特定の回路を選んだ背後には、生理的あるいは発生学的な拘束条件があると思われる。腎盂機能を再構成した際には、腎臓細胞と尿管の平滑筋細胞の解剖学的な配列を手引きとして、経験的にトイモデルに機能を発現させた。ネットワークの数理の見通しが良くなれば、計算機を補助的手段として、この逆問題を実験でもとめる。得られた振動子配列から、生理系の設計図を読み解く事ができる、このことを、腎盂のしごき運動を例に実証した。このように、電気化学系のモデルで記述される緩和振動子の同期の特徴およびメカニズムは、神経系の緩和型ニュウロンの連成および電気化学振動子の連成計でみられた実験結果と一致した。連成電気化学振動子系が、神経系の緩和型ネットワークの多くの特徴を模擬できることが示された。
著者
小林 誠 日笠 健一 萩原 薫 湯川 哲之 清水 韶光 菅原 寛孝 大川 正典
出版者
高エネルギー物理学研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

トリスタン加速器による電子・陽電子衝突実験は昭和62年度より本格化した. 昭和62年中に, ビームエネルギー25.0, 26.0, 27.5GeVでの実験を終え, 28.0GeVでの実験が進行中である.こうした状況のもとで, 本課題ではトリスタン・エネルギー領域での現象論を種々の観点から行ったが, 特に輻射補正と超対称性理論に基づく現象論に力点を置いた.輻射補正では, 電子・陽電子衝突における軽粒子対生成, 光子対生成, トップ・クォーク対生成, ジェット生成などの過程に対する補正の計算を行ったほか, ニュートリノの種類数を調べるのに有効なニュートリノ対+光子の過程に対する補正の計算を行った. これによって, トリスタンにおける基本的な過程の輻射補正の計算は一応完成した.またこの研究の一環としてファイマン図の計算機による自動生成, 自動計算の開発を行った.超対称理論の関連では, トリスタンにおいて超対称性を検証する可能性について種々の検討を行った. 超重力理論ではスカラー・トップが特別に軽く, トリスタン領域に存在する可能性が指摘されている. 従ってその性質を調べることは重要であるが, 本課題では軽いスカラー・トップ・クォークの崩壊幅の計算を行い, その結果, 従来のスカラー・トップの崩壊幅の計算にはいくつかの重要な見落としがあることが判明した. そのほか, 超強理論から予想される新しいタイプの相互作用の検証の可能性について検討を行った. また陽子・反陽子衝突器による実験との関連を調べた.
著者
丸山 健一 小林 誠 山田 博文 中野 康明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1435-1443, 1999-09-25
被引用文献数
1

本研究の目的は筆記体で書かれた手書き英単語を認識することである.以前の研究では,文字認識部にある一つの手法を用い,その結果を用いて単語認識を行っていた.本研究では複数の文字認識を用い,そこから得られた結果を組み合わせることにより,単語認識率の向上をねらった.手書き英単語認識に適用した実験の結果,提案した手法による単語認識率は単独の認識アルゴリズムを用いたときよりも認識率が向上した.
著者
和田 大和 高須 惟人 永嶋 太 小林 誠人
出版者
一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会
雑誌
Japanese Journal of Acute Care Surgery (ISSN:2436102X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.127-132, 2022 (Released:2022-12-29)
参考文献数
16

〔要旨〕症例は,53歳,女性。目撃ありの心肺停止にて救急要請され,難治性の心室細動で公立豊岡病院但馬救命救急センターに搬送された。体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation;ECMO)による体外循環式心肺蘇生(extracorporeal cardiopulmonary resuscitation;ECPR)が導入された。しかし胸骨圧迫に伴う肝損傷のため出血性ショックに陥り,肝周囲ガーゼパッキング(perihepatic gauze packing;PHP)によるdamage control surgery(DCS)を行ったが,出血の制御は困難であった。可吸収性止血剤を充填し再度PHPを行い,止血が得られた。胸骨圧迫の合併症としての肝損傷はECPRおよび抗凝固薬の使用などで顕在化する。循環動態が不安定な場合,戦略はDCS,戦術はPHPであるが,損傷部位および抗凝固状態によっては損傷部位へ止血剤の直接充填+PHPを考慮してもよいと考えられた。
著者
野々木 宏 安田 康晴 今井 寛 太田 祥一 小澤 和弘 木下 順弘 小林 誠人 高階 謙一郎 森村 尚登 山野上 敬夫 山村 仁 脇田 佳典 横田 順一朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.800-805, 2019-08-15 (Released:2020-10-26)
参考文献数
15

ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)の発症から再灌流療法までの時間を短縮するためには,病院前12誘導心電図記録の病院への事前伝達が有効であり,ガイドライン勧告がなされている.ガイドライン勧告の実践がなされているか救急隊による12誘導心電図記録と伝送の実態を把握するため,全国地域メディカルコントロール(MC)協議会251団体へのアンケート調査を実施した.回答率は96%で救急隊による12誘導心電計を搭載しているのは82%と高率であったが,全車両に搭載しているのは28%と低率であった.12誘導心電計を搭載している196団体のうち,電話による病院への事前伝達を行っているのは88%と高率であったが,伝送しているのは27%と低率であった.本アンケート結果から,ガイドライン勧告の実践を実現するためには,12誘導心電計の搭載とともに,地域MC協議会を中心とした救急隊と病院群との連携,プロトコル作成や心電図検証が必要であり,それには救急医とともに循環器医の地域MC協議会への関与が必要であると考えられる.
著者
井上 春奈 森 悠芽 畑中 律敏 芝原 友幸 笹井 和美 松林 誠
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.103-106, 2023-09-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
11

野生鳥類の糞便101検体についてショ糖遠心浮遊法により寄生虫検査を実施した。その結果,寄生虫の陽性率は29.7%であり,内訳は原虫類(Eimeria 型もしくはIsospora 型のオーシスト)が20.8%,線虫類(毛細線虫類または回虫類)は8.9%であった。消化管寄生虫は糞便と共に排泄された後も長期間にわたり感染性を保持するため,間接的または直接的な糞口接触が比較的高率に生じている可能性が示唆された。
著者
番匠谷 友紀 濱上 知宏 松井 大作 永嶋 太 小林 誠人
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
pp.34.4_05, (Released:2020-09-18)
参考文献数
16

目的 : 四肢外傷に対する止血帯の適応は, 外傷性切断や血管損傷がある場合とされるが, 病院前診療で血管損傷の有無を評価することは容易ではない. 本研究はドクターヘリ (以下, DH) における止血帯の適応を明らかにすることを目的とした. 方法 : DHで止血帯を使用せず病院搬入後に止血帯を使用した症例を, 病院搬入時の創部出血の有無で搬入時出血群と搬入時止血群の2群にわけ, 救急車内でのバイタルサイン等を比較した. 体幹部外傷合併症例は除外した. 結果 : DHで止血帯を使用せず病院搬入した12例のうち6例で搬入時に創部出血を認めた. 搬入時出血群は, 搬入時止血群と比較し, 救急車内でのshock index (以下, SI) が有意に高く (1.40 vs.0.76 (p=0.03) (カットオフ値1)), 全例に血管損傷を認めた. 結語 : 救急車内でSI≧1の四肢外傷症例は血管損傷がある可能性が高く, DHで止血帯使用を考慮する必要がある.