著者
野村 卓志 林 左和子 岡田 建志 ライアン ジャック 井出 直樹 ノムラ タカシ ハヤシ サワコ オカダ タケシ ライアン ジャック イデ ナオキ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.19, pp.151-156, 2019-03-31

図書館にeBookサービスを導入することにより、図書の貸出等の管理を容易にし、さらに利用者の利便性を上げる効果があるとされている。本学図書館へのeBook導入へ向けての試行として、eBookを複数の講義で学生に利用させた上でアンケート調査を行った。eBookは2社のシステムを利用し、その比較を行った。他大学の事例と比較しつつ、本学の図書館にeBookサービスを導入するときの特徴や問題点、さらに講義環境に求められる特性について論じた。
著者
櫻本 美輪子 姫野 友美 美濃口 健治 渡邉 直人 小林 秀子 小関 隆 木原 令夫 藤原 美千代
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1123-1131, 1997-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25

起立性調節障害 (以下, OD) は, 小児喘息に高率に合併することが指摘されている。我々は, 成人発症の気管支喘息 (以下喘息) 患者42例 (男性14名, 女性28名) について, ODの合併頻度及び各種パラメーターの有意差について検討した。【方法】ODの診断は, OD症状についてのアンケート調査と, 起立試験の結果を総合して行った。【結果】 (1) 対象者の64.3%にODの合併を認めた。(2) OD(+)群とOD(-)群の2群間において, 喘息の罹病期間, FEV_<1.0>, %FEV_<1.0>, 血清IgE値, 血中テオフィリン濃度, 及び喘息の重症度に有意差はなかった。(3) 同2群間において, 起立試験陽性率及びその測定値に有意差がなかった。(4) 起立試験陽性者は陰性者に比べて血中テオフィリン濃度が有意に高かった。また喘息の重症度が増すほど起立試験陽性率が高い傾向があった。【結論】成人発症の喘息患者には, ODが高頻度に合併していることが明らかとなった。従って, 喘息の診断と治療を進める際には, OD様の自覚症状についても, 検討する必要があると思われた。
著者
林 創 今中 菜七子
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.148, pp.69-75, 2011

本研究は,イラストを使った人間の行動とロボットの行動を比較することを通して,幼児期における他者の心の理解の発達を検討したものである。45人の幼児に,人間版とロボット版の誤信念課題と道徳判断課題を提示した。人間版とロボット版では,主人公が人間であるかロボットであるかの違い以外はすべて同じ状況で同じ行動とした。その結果,誤信念課題においては,ロボット版の方が人間版より得点が有意に低く,幼児は「ロボットに対して,人間に対する時ほどには誤信念を考慮しない」という傾向が明らかになった。道徳判断課題では,作為的な状況であれ不作為的な状況であれ,ロボットの行動と人間の行動の悪さの比較に差はなく,ロボットの行為に対しても,人間の行為に対してと同様の道徳判断をしたことが示唆された。
著者
久保田 一雄 町田 泉 田村 耕成 倉林 均 白倉 卓夫
出版者
リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.40-45, 1997-01-18
参考文献数
23
被引用文献数
2

平成2年6月からの5年間に46例のアトピー性皮膚炎患者(男性31例, 女性15例, 25±11歳)に対して, 草津温泉療法(40~42℃, 1回10分, 1日1~2回)を3~28週行った。その泉質は酸性(pH2.0)-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉である。32例(70%)で皮層症状が改善し, さらにそのうち18例で掻痒も改善した。皮膚症状の改善は血清LDHの有意な低下でも裏付けられた。皮膚症状改善例のうち, 温泉療法前に皮層表面に多数の黄色ぶどう球菌が検出された15例では, 温泉療法後に13例で消失, 2例で減少した。この草津温泉療法による皮層症状の改善機序として, 皮膚病変の増悪因子である黄色ぶどう球菌に対する酸性温泉水の殺菌作用が推定される。
著者
Calabresi Guido 小林 秀文
出版者
日米法学会
雑誌
アメリカ法 (ISSN:05699215)
巻号頁・発行日
vol.1977, no.1, pp.p34-55, 1977-07
著者
遠藤 健司 康 玉鵬 鈴木 秀和 小林 浩人 田中 英俊 山本 謙吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.129-133, 2008 (Released:2008-12-22)
参考文献数
13
被引用文献数
2

腰椎椎間板ヘルニア患者の全脊柱アライメントを計測し,体幹前傾傾向のある群と前傾傾向のない群を比較検討した.全体の約50%で体幹前傾傾向が存在していた.前傾群では,前屈制限,下肢伸展挙上制限が強く,JOAスコアは低値で,約半数に側弯を合併していた.矢状面アライメントは,前弯の減少,骨盤の後傾が顕著であった.体幹前傾を認める腰椎椎間板ヘルニアは重症例が多く,腰椎―仙椎は矢状面で直線化しており,腰椎骨盤周囲の筋緊張が強いことが示唆された.
著者
黄 舜範 村田 厚夫 脇坂 晟 吉江 利香 土屋 克巳 斉藤 喬士 武市 俊明 阪井 哲男 高見 佳宏 林 潤一 会沢 勝夫
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.391-399, 2004
参考文献数
28

レーザー光照射装置と光増感物質の進歩により,Photodynamic therapy(PDT)は近年,癌などの治療に用いられるようになってきた。その細胞に及ぼす影響を分子生物学的に解明することは,本療法の副作用を防止して,その効果を充分に引き出す上で重要であろう。そこでヒト培養細胞にPDTを施行した際に生ずる遺伝子発現の変動をcDNA発現アレーによって解析することを試みた。健常成人皮膚より調製した線維芽細胞を,光増感剤talaporphin(mono-L-aspartylchlorin e6,NPe6)10mg/dlとともに37℃1時間培養し,ダイオード,イオン,レーザー照射装置を用いて,664nmの可視光により1.00J/cm^2の線量で照射し,その後,さらに37℃で10分間培養した。この細胞からRNAを抽出し,逆転写反応により[^33P]標識cDNAプローブを調製した。このプローブとNylon membrane arrayとをハイブリダイズし,その結果をイメージング,プレートおよびイメージ,スキャナーを用いて解析した。その結果,PDTを受けた直後の線維芽細胞においては,アポトーシス関連遺伝子では,RARB(retinoic acid receptor beta)以外には有意の発現増大を示す遺伝子は見られず,むしろ膜輸送,細胞増殖,細胞内シグナル伝達および転写などに関連する遺伝子,特にCキナーゼ,S6キナーゼおよびCREBなどの発現増大が特徴的であった。この結果はPDT処理直後の細胞においては,細胞内シグナリング,カスケードが活性化されていることを示唆するものと考えられる。
著者
明治大学 中林真理子ゼミナール
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.233-247, 2016 (Released:2019-04-05)
参考文献数
7

近年,日本ではテレマティクス保険が注目を集めている。テレマティクス保険は保険料算出に運転技術や走行距離を用いることで,現状の自動車保険よりもさらに個々の運転者の事故リスクに見合った保険料の設定が可能となると考えられる。この保険が日本の自動車保険制度に加わった際には,有用性のあるものとなり得るのかについて,警察庁による事故統計や,実際にテレマティクス機器を用いた走行実験を基に検証した。そしてリスク細分型保険の是非と今後の技術的な発展可能性について考察した結果,テレマティクス機器の更なる発展的な活用に期待は持てないものの,統計をさらに多く取り,多くのデータを用いて妥当性のある制度設計を検討していくことは,自動車保険のより精緻化された制度設計の前提条件となるだろうという結論を得た。
著者
和田 仁 小林 俊光 高坂 知節
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

我々はこれまで、主に耳小骨連鎖離断・固着の診断を目的とする診断装置MIDDLE EAR ANALYSER(MEA)の開発を行ってきた。しかし、従来型インピーダンスメータ同様外耳道に挿入したプローブで測定するため、測定結果に及ぼす鼓膜の影響が大きく、アテレクタシスや鼓膜が薄い場合にはMEAによる耳小骨連鎖異常の診断は難しい。そこで本研究では、超音波を利用した、鼓膜物性値および厚さの測定手法を開発し、鼓膜物性値および厚さを定量的に測定することを試みる。これまでに1.外耳道に挿入できる超小型センサを試作し、内視鏡付きのマニピュレータ、カメラおよびモニタを組み合わせることにより、外耳道内を観察しながらセンサを自在に動かし、測定が行えるシステムを構築した。2.物性の異なる境界面での、超音波の反射と透過の割合を求めることができる、インピーダンス理論を適用し、システムの出力に対する式の導出を試みた。その結果、鼓膜密度を既知とすることで、鼓膜の厚さおよびヤング率を求めることが理論上可能であることが明かとなった。今後の計画1.構築したシステムを用いて、人工中耳モデル、側頭骨標本、正常者および鼓膜疾患例を測定する。2.測定および数値計算結果より、鼓膜物性値および厚さの定量的測定可能性について検討する。
著者
平林 優子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.41-48, 2007-09-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
2

この研究の目的は、慢性疾患に罹患した子どもと家族が、病院での生活から在宅療養に移行する中で、家族にとって生活が「落ち着いた」と感じるまでにどのような経験をしているのかについて明らかにし、その過程への援助のあり方を考察することである。訪問看護ステーションから紹介をうけた8家族、10名に半構成的面接を実施し、在宅の経験のまとまりごとに分類したカテゴリー名をつけ、在宅療養の仕方の時期に分けてテーマをつけた。在宅移行初期は、《混乱しながら子どもの命を守る生活》であり、医療者からの指導を手がかりにしながらも、現実に出現する問題に直面し、無我夢中で子どもの生命を守ろうとする生活であった。生活安定の模索・調整期では、《周囲を活用しながら判断力を手に入れる生活》を行っていた。家族の個別化された生活調整期は、《家族自身が子どもとともに決めるが、常に変化する生活》であった。支援のあり方として、在宅移行初期は指示や指導、模索・調整期は判断の保証、情報提供、個別化された生活調整期には、社会的資源を中心とした多様な情報提供、家族の療養方法の保証が必要であった。
著者
木田 裕子 小林 康孝 坪田 桂 石川 ひとみ 田中 千弘 谷川 尚子 中谷 淳美 濱崎 祥子
出版者
新田塚医療福祉センター
雑誌
新田塚医療福祉センター雑誌 (ISSN:13492519)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 2007-07-31
被引用文献数
1

高齢者における口腔乾燥は、自浄作用の低下や粘膜の潤滑作用消失のために様々な悪影響を及ぼす。そのため口腔ケアでは、口腔内の保湿がきわめて重要となる。そこで今回、口腔ケアチームによる、口腔ケアラウンドと口腔乾燥に関する勉強会を実施し、その前後における入院患者の口腔乾燥状態を比較した。ラウンドでは乾燥患者の把握と対処方法の伝達により技術面へのフォローを行い、勉強会では口腔ケア時の対策方法、口腔乾燥用保湿・湿潤ジェルの正しい使用方法などの知識向上をはかった。その結果、舌の乾燥患者は約半数にまで減少し、それが舌苔の改善にもつながった。しかし、現在も口腔乾燥を認める患者は多く、ラウンドにおける問題点も挙がった。今後は、病棟の特色や個々の患者の態度にあわせた対処方法の検討とラウンドの実施方法の見直しが課題である。
著者
住野 幾哉 山口 香 小林 好信 橋本 佐由理
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.285_2, 2016 (Released:2017-02-24)

近年、水泳の萩野公介が北島康介の、「ありのままでいいんだ」との言葉で蘇生し、リオオリンピック出場を決めた。言葉によるエンパワーメントの重要性が再確認された出来事である。スポーツ選手に対する言葉掛けには大きな意味がある。キックボクシングは相手と対峙し打撃を主とする競技であり、心理面へのアプローチが競技パフォーマンスに及ぼす影響は非常に大きいと推察される。本研究は、キックボクシング選手がエンパワーメントされる言葉についての知見を得ることを目的に、選手が励まされた言葉は何であったのかに着目してインタビュー調査を行った。対象は学生キックボクシング選手10名である。分析方法は、ジョナサン・スミス(Smith J. 1997)の解釈学的現象学的分析を参考にスーパーバイザーの指示の下で分析を行った。その結果、彼らが励まされたと感じた言葉は大きく「賞賛」「教示」「励まし」「受容」というカテゴリーに分類された。なかでも「励まし」「受容」に分類されたものが多かった。また、指導者が与える言葉だけではなく、家族、先輩、チームメイトなどといった重要他者から発せられる言葉が選手に与える影響が大きいこともわかった。
著者
鈴木 庸介 小林 良太郎 加藤 雅彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.875-881,

近年,IoT 機器の普及によって日常生活の利便性が向上している一方で,IoT 機器を狙ったマルウェアも発生しており,IoT 機器のセキュリティ対策が求められている.しかし,多くの IoT 機器はログインパスワードの設定などがデフォルトのまま使われていることが多いため,マルウェアのパスワードクラックによって簡単に IoT 機器に侵入されている.そこで,パスワードクラックの検知機構によりマルウェアの感染後の活動を防ぐシステムを作ることを目指す.また,ライセンスフリーであり,複数のベンダーが開発に参加していることから,今後 IoT デバイスへの搭載が期待される,RISC-V に注目する.本研究では,プロセッサに RISC-V を使用した仮想マシンを用いて,エミュレーション環境を用意し,プロセッサ情報を用いた,パスワードクラック検知機構を評価した.実験の結果,パスワードクラックの検知が可能であることを確認した.